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4. 3. 接頭辞・接頭語
- 超
- #強調として用いるもの参考。
- てゆうか
- 「と言うか」が崩れたもの。本来なら文中の接続詞としての役割で使われるが、この場合は“今から話すのでしっかり聞いていてください”という注意喚起の意味合いや、「なんか」と同じく言葉に詰まった際のつなぎとして使われる。現在ではさらにぶっきらぼうに「つーかさぁ〜」(てか)と用いられることがある。
4. 4. 接尾辞・接尾語
- 系
- 「〜の部類に属する人」の意(「癒し系」「和み系」「励まし系」など)、「〜発祥の文化(あるいは流行)」の意(「渋谷系」(音楽・ファッション)、「アキバ系(オタク)」、「マターリ破壊系(哲学・思想)」)など。また、「〜っぽい」の意。「こっち系?」などと、意味もなくつける若者もいる。
- 族
- 上記「-系」のうち、「〜の部類に属する人」の意。「(六本木)ヒルズ族」など。また、単に暴走族の意。
- 「〜(だ)し!」
- 強調表現として用いられることが多い。「ありえねーし!」「マジパねぇし!(あまりにもすごすぎてかなわない)」「意味ねーし!」「うちら最強だし!」など感嘆や怒りの感情にアクセントをつけることができる。
- 「〜な人」
- 「あたしって、お酒飲めない人じゃないですかぁ!」「○○君って、ポテトサラダのみかんとか酢豚のパイナップルとか許せない人?」といったように、性格や嗜好の個性を、属性に当てはめて表現させる。
4. 5. 形容詞・感動詞
ここでは、一般動詞であるものの、形容詞的・副詞的に使われる言葉も含む。
- ウザい・うぜえ・うざったい(てえ)
- 「鬱陶しい」の意味を表わす。
- 本来は、多摩地域周辺で使われている多摩方言の、不快・(生理的に)気持ち悪い・(草木などが多い茂っていて)鬱陶しいなどという意味の「うざったい」が短縮されたり、言葉の意味が広がった形である。2000年頃から浸透している。古くは「うざっかしい」「うざっこい」という形容詞や、「うざつく」という動詞があった。
- 類義語として関西を中心に使われる「うっとい」があるが、これは「鬱陶しい」の変形である。
- 本来は、多摩地域周辺で使われている多摩方言の、不快・(生理的に)気持ち悪い・(草木などが多い茂っていて)鬱陶しいなどという意味の「うざったい」が短縮されたり、言葉の意味が広がった形である。2000年頃から浸透している。古くは「うざっかしい」「うざっこい」という形容詞や、「うざつく」という動詞があった。
- 〜入ってる
- あるものや人に似ている、それに近いという意味で「〜の要素が入ってる」と表現したものを略した言葉。また他の語とともに用いて様々な状態を表す。「ブルー入ってる」というと「憂鬱な気分だ」の意。また格闘ゲーム等でも「パターンに入った」等と使用する。これは、特定の状態に陥ったままの状態を指す。
- やばい・ヤバい・ヤベえ やばす まじやばす!
- 「良くない」「非常にまずい状態に陥っている」の意。近年では意味が拡大しており、「予想に反して驚き、衝撃を受けてしまった」という際にも使用されるようになってきている。さらには、「衝撃を受けるほどすばらしい」と言う意味でも使われる。マスコミで採り上げられる例としては、「ラーメン店などで頼んだものを口にした途端、『やばい、これほど美味しいとは思っていなかった』」。要は予想外のことを体験してしまい、その衝撃でどうにかなってしまいそうなほど凄い、といった意味である。ヤバす("やばいです"の省略)というのもあり、これは2ちゃんねるを始めとしたネットスラングから。タレントの中川翔子が自身のブログでもよく利用している。
- 起源は「矢場」(江戸時代に的屋が営んでいた射的遊技の的場を指す関東方言)とされる。表向きは遊技場だが、実際には売春の場所だったので「矢場」が危険な場所を表わす隠語となり、さらに危険な状況を表わす形容詞として「矢場い」が生まれたという。
- 『隠語輯覧(1915年)』によれば、泥棒が刑事のことを「やば」と呼んだ。それの形容詞形が「やばい」である[4]。(弓矢#公家と庶民の遊興も参照)
- 起源は「矢場」(江戸時代に的屋が営んでいた射的遊技の的場を指す関東方言)とされる。表向きは遊技場だが、実際には売春の場所だったので「矢場」が危険な場所を表わす隠語となり、さらに危険な状況を表わす形容詞として「矢場い」が生まれたという。
- ざけんな(よ)
- 「ふざけるな」が縮まってできた語。
- やりぃ、っしゃ、ヤッピー
- 歓喜の「やった」の意。「っしゃ」は「よっしゃ」の転である。「やっぴー」はのりピー語から。
- ピンクい、みどりい
- 「ピンク色だ」「緑色だ」という言葉を言いやすく強引に形容詞終止形の「~い」に変換させて用いる。
- 二(に)けつ
- 自転車の2人乗り。(成年者が幼児を乗せるので無ければ、道路交通法違反)
4. 6. 意味の誤用
意味がまったく誤って捉えられている語に、下記のような事例がある。
- 須(すべから)く
- 「全て」の意味で使われることがあるが誤用である。正しくは「すべからく〜べし」であり、「当然〜すべきだ」という意味。
- あたし的には〜
- 接尾語の助詞である「的」の誤用。(詳細は的の項目を参考のこと。)
- 男子、女子
- 未成年ではなく、トレンディーな成年男性、女性を指す。(『草食系男子』『メガネ男子』『弁当男子』『ステキ女子』など。)大辞泉では成年を指すことも肯定されているので完全な誤用ではないが、高度成長期以降、「男子」「女子」は未成年男女・学生男女を標榜したものがスタンダードであった為、違和感を持つ者も多い[5]
4. 7. 曖昧な表現
4. 7. 1. 遠まわし・どっちつかずな表現
- 微妙(ビミョー)
- 良いか悪いか判断がつかないときに使う。「良い」「悪い」の中間というよりは、良いとも悪いともいえない場合、良いとも悪いともいえる場合、または、人によって判断が分かれそうな場合に使われる表現。時に、否定するのが憚られる場合、婉曲な表現として用いる。本来は、「言葉で表現できないほど素晴らしいもの(仏教用語)」という意味でも使われる。
- 普通(ふつう・フテゥ)
- 「好きでも嫌いでもない」、「良いとも悪いとも思わない」。
4. 7. 2. ぼかし表現
物事をはっきりさせなかったり、自分の所在を明確にせず、第三者に見立てたりした表現。
- 一応(いちおう)
- 例:「一応、学生やってます」
- かも(知れない);
- 例:いいかも(知れない)、食べたいかも(知れない)。
- 無理
- 「嫌」「やりたくない」の意。例:「手伝って」「無理!!」。
- 〜くね?
- 「〜だよね?」と同調を促す。「違うよね?」は、「ちがくね?」と言う若者も増加している。
- 例:「アムロちゃん超かわいくね?」
- とか
- 例:「うどんとかを食べたい」("うどんを食べたい"をぼかした表現)
- みたいな
- 例:「虫みたいなのを見た」("虫を見た"をぼかした表現)、「素晴らしい、みたいな」("素晴らしい"をぼかした表現)
- 〜的な
- 「みたいな」とほぼ同。
- 例:「たとえば・・・、「カオス」的な?」
- 例2:「うどん的なものを食べたい。」、「ポテトのS的なものが欲しい」(〜とかとほぼ同)
- 例:「たとえば・・・、「カオス」的な?」
- なんか〜
- 「なんだか」と同じく、感嘆とし、的確な言葉がはっきりと浮かんでこない際、言葉を濁らせた際のつなぎの語彙。
- 例:「なんかマジありえないんすけど。」
- ~な感じ
4. 8. 複合語・造語
それぞれの項も参照されたい。
- 否定的な言葉と肯定的な言葉の組み合わせ
- 「キモかわいい」「ダサかっこいい」「ブスかわいい」など、いっけん侮辱または軽蔑に聞こえるが、「かわいい」「かっこいい」を組み合わすことで、親しみの意を持たせる。しかし、いわれた側が「キモい」「ダサい」「ブス」という言葉に引っ掛かりを感じて不快にならないという保証はなく、遠まわしに軽蔑しているように伝わる場合がある。
- 意味の異なる言葉との組み合わせ
- 「キレカワ(綺麗で、なおかつかわいいの意)」「エロかわいい・エロかっこいい(ここでの「エロ」はスケベではなくセクシーな、の意)」「カッコかわいい」「ゴツかわいい(CMより)」など、上記とはまた違ってアンビバレント(異質の意)な言葉を組み合わせることで、「〜だけれど、〜でもある」といった二面性を表わす。ただし、得てしてどっちつかずとか中途半端と捉えられがちな部分もある。
- 控えめの美学
- 「ちょいわるおやじ」「ちょいモテオヤジ」。
4. 9. 若者流の敬語表現
バイト敬語・体育会系(敬)語など、敬語にあって敬語にあらざる表現が指摘される、敬語を使い慣れない若者に多い表現は次のとおり。
- ×じゃ博士は、どこへ行かれるのですか(昭和14年、海野十三『火星兵団』)→いらっしゃるのですか
- ×そうじゃないですよ(昭和3年、平林初之輔『人造人間』)→そうではありませんよ
- ×私ってコーヒー好きじゃないですかぁ。→私はコーヒーが好き(なの)ですが。
- ×昨日先輩がタクシーに財布を忘れてきちゃったんですよぉ。→昨日先輩がタクシーに財布を忘れてしまったのですよ。
(1)と(2)については、若者に限らず戦前から広く用いられてきた表現であり、誤用と見なさないことも多く、昭和27年には国語審議会によって「(「れる」について)すべての動詞に規則的につき,かつ簡単でもあるので,むしろ将来性があると認められる」「(「形容詞+です」について)平明・簡素な形として認めてよい」とされている[6]。(3)と(4)については、元来なら感嘆を意味する終助詞の「か」や「よ」のアクセントをわざと強調させることで、目上の相手に理解を強引に促す表現。特に(3)においては、例えば「私って女じゃないですかぁ」は客観的にも、衆目の認めることであるが、「私ってコーヒー好きじゃないですかぁ」には客観性はなく、既知情報のように扱われることに不快感を持つ者もいる[7]。またこの表現は芸能人のトーク番組でも日常的に使われた。
「ですか」や「です」などを短縮し「っスか?」「スよ」と表現する場合もある。その他、「先輩も召し上がりますか」→×「先輩も食べるんっすか?」。「アザッス」(ありがとうございます)「サーセン」(△すいません、○すみません・済みません)などは、敬意や親しみはあっても、社会一般では敬語とみなされない若者に多い敬語の例である。以前から中高大学生を中心に見られ、その後社会人となってもそれらを正しい表現であると誤解している者が少なからずいる。