例えば会社で部下に「コピーをとって」などと用事を頼んだときに、部下から「ありがとうございます」と言われたら、どう感じるでしょう。 日本語の使われ方を調査・研究しているNHK放送文化研究所によりますと、本来は感謝の気持ちを表す「ありがとうございます」ということばの、これまでと違った使われ方がこのところ目立ち始めているということです。
もともと「ありがとうございます」は、「有り難い」から生まれたことばです。 「自分の希望がかなうことは、なかなか『あるものではない』」という気持ちが「有り難い」になり、それをかなえてくれた人に「ありがとう」と伝える、本来は相手がしてくれたことへの感謝の気持ちを表すことばなのです。 ところがこのところ、恩恵を受けた(与えた)とは考えにくい場面で「ありがとうございます」が使われるケースが、目立ち始めているということです。
例えば、 上司)「これ、10部コピーをとっておいて」 部下)「はい、ありがとうございます」といったやりとり。
NHK放送文化研究所が、去年ネットでアンケート調査をしたところ、こうしたやりとりを「聞いたことがある」と答えた人は、すべての世代の平均で18%、20代では37%の人が「聞いたことがある」と答えました (調査は去年7月~8月に実施、343人が回答)
調査した塩田雄大専任研究員は、「これまでの習慣から言えば『かしこまりました』『承知いたしました』などと言うべきところだと思います。おそらく『かしこまりました』『承知いたしました』では硬すぎ、『了解しました』ではやや冷たい印象を与えかねないという発想から、『ありがとうございます』が選ばれているのでは」と分析します。
いわば「ありがとうの了解用法」ともいえる新たな使われ方で、塩田専任研究員は、「コピーを頼まれたときの『ありがとうございます』が、例えば『雑用もすべて人生勉強です』という謙虚な気持ちの表れという見方もありますが、おそらくそうではないと思います。背景には、チェーン系の居酒屋などで注文を受けたときの『ありがとうございます!』『喜んで!』といった返事を聞き慣れてしまっていることもあるかもしれません」と話していました。 みなさんの職場やご家庭ではいかがでしょうか? |
첫댓글 言葉は時代とともに変わるものですね^^