16. 特別な年・2010年
無比大和尚の68歳になった2010年は『華厳経』と関連して特別な年である。同年3月の第1の月曜日、釜山文殊禅院で「大方広仏華厳経山林大法会」が始まった。
「今回の『華厳経』山林法会は私の人生の最後の講義となるでしょう。僧侶たちの要請で『華厳経』講義を準備しながら、最初は内容を要約しようとしたが、そうするとまともな勉強がうまくいかないと思いました。それで全体を落ち着いて講義をしなければならないと計画を変えました。計算してみたら10年の結社になると思いました。」
十年という長い結社を準備しながら無比大和尚は真っ先に体力鍛錬に入った。毎日金井山を散策し、雨や雪の日にはランニングマシンで運動した。この頃、無比大和尚が滞在している「拈花室」の元主人である祖室僧侶が訪ねてきた。扁額・「拈花室」の代りに「華厳殿」を付けていた。
我が国の仏教を安定的に定着させた方々は元暁大師と義湘大師である。元暁大師と義湘大師は韓国の仏教徒だけでなく、世界の仏教徒が聖人として推仰している。この大師らが教えた仏教は華厳仏教である。
義湘大師が唐の留学から帰ってきて、華厳思想を伝播する根拠地として全国に10ヶ所の華厳寺刹を創建したが、梵魚寺もその一つである。無比大和尚がこの大師らの思い通りに世の中に「華厳経」を再び広げようとするところに自然的に梵魚寺に「華厳殿」という名前の堂宇ができた。
このように着々と準備している「華厳山林」の便りを、信徒たちは2009年12月10日、曹渓寺で開かれた『50善知識と共にする華厳山林地蔵山林法会及び薦度斎法会」が終わってからその便りを聞いた。まるで予告編でも見せてくれるように、その日、無比大和尚は12月の寒さを押して、軽くソウルの曹渓寺に来て招請された50人の法師の一人として『華厳経』の「十迴向品」を法門した。
その日、五十人の法師の中で無比大和尚しか教材を持っていなかった。本も持ってないまま『華厳経』「十廻向品」を聞こうと集まった聴衆に無比大和尚は法会の終わりに「耳根功德」という言葉をかけた。その時はその言葉の「慈悲」を誰も理解できなかった。後になって無比大和尚が配った81巻の『華厳経』と毎日無比大和尚が説明してくれる『華厳経』の法門を勉強しながら、華厳行者たちも分かるようになった。 「耳根功德」という言葉には無比大和尚の切なさと愛がたっぷり含まれていたということを、聴衆は「耳根功德」という慈悲深い言葉を先に聞いておき、後日聞き取れるだけに感泣した。
曹渓寺の華厳法会十廻向品の要約
山林 : 仏の教えを通じて私たちの心の暮らしをすること。 ①経典の言葉を深く思惟し、私の日常生活を経典で説く内容と比較点検して、私自身の精神的な面を育てていくこと。②経典山林・法華山林・華厳山林など。
催絶人我山、長養功徳林 ①経典の教えを通じて、山のように尖った私の否定的な面を消滅させて、平地を作ること。 ②山林は功徳の森を育てる。
『華厳経』 経典山林の十廻向品 法師が言いたい話 : 仏教は一言で「廻向」である。親は自分の人生のすべてを子供たちに廻向する。仏者は子供、家族、他のすべての人のために自分の人生を廻向する。廻向のない仏教は存在する理由がない。絶えず自分だけのために生きようとしても、必ずしもそうなるわけではない。肥料を木に撒くようなものである。肥料は1m程度の距離を置いて撒く。すると、その栄養価が隣の木、他の植物にまで及ぶ。 自分の能力、自分の素質、自分の趣味どおりに廻向できる人生こそ、仏教を知っている人生である。
十廻向
1. 救護一切衆生離衆、生相廻向 ①衆生はその名が衆生に過ぎない。②誰かを救護する時、彼も仏だが縁が少し間違って救護される位置に置かれていることを知らなければならない。
2. 不壊廻向 ①廻向品を金剛堂菩薩が法門する。②ダイヤモンドとして旗を高く立てた菩薩のように、「櫂向は仏教である」というこの正しい所見を最後まで崩さずに持続していくのが不壊廻向である。
3. 等一切仏廻向
4. 至一切処廻向 ①諸所に及ぶ廻向。②仏教徒は自由である。仏教に一度「帰依」すれば、韓国の寺院の全てが僕の寺院である。③人がいる所は全部私が廻向する所である。④「必ずどこかに行かなければならないのに、必ず何かをしなければならないのに」 そこに執着することはない。所々が安楽国である。
5. 無尽功徳蔵廻向 ①限量無き功徳を自覚すること。②功徳を人為的に建てたところで、どれだけ建てられるだろうか? すでに私自身の中に持っている功徳が無尽蔵である。③見聞覚知することはどれほど大きな財産なのか?
6. 隨順堅固一切善根廻向 ①仏教徒は自分の善根を長引かせることができる。②人類が残した最高の事件は仏陀の悟りである。③人類が残した最大傑作は『華厳経』である。
7. 等隨順一切衆生廻向 ①一切衆生を平等に思う。
8. 真如相廻向 ①心はどこへでも掛からない。虚空のように広々としている。空中のように広く廻向することができなければならない。『華厳経』は私たちに廻向を注文する。
9. 無着無縛解脱廻向 ①執着、束縛もない、どこにも掛からない人生。②執着がないから自由である。
10. 等法界無量廻向 ①宇宙法界廻向。 ②『華厳経』の教えはこれほど大きく偉大である。
耳根功徳 「皆さんの心の中にすでに私の声が耳から入っていて、種に入っている。それで結局は縁の合う時に芽が出て、葉が出て、茎が育ち、花が咲いて実になる。」 ①大菩薩になってからこそ、衆生に廻向する人生。 ②ダイヤモンドはいつでもどこでもダイヤモンドの価値を持つ。 「私の人生は結局10廻向品のように大きく廻向するだろう! なんて素敵なんでしょう。」
結論: 仏教は廻向である。
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釜山文殊禅院で行う『華厳経』の勉強は10年かかると決めているのに、161人の僧侶がこの仏事に房付した。その僧侶たちは法臘が少なくとも20年から多くは40年までの教界の重鎭であった。
「華厳経山林」入斎の日、法会はまるで海の上で行われる法会のようだった。禅院に満ちた僧侶たちの墨の服と霧のように天地を包み込む雨が、全世界を一つのサークルにまとめた。机ごとに箱ごと置かれたどっしりとした4巻の漢文の『華厳経』セットは希望のいっぱい込められたコンテナのようであった。
「大(だい)方広仏華厳経山林大法会」という般若の竜船が2010年3月1日に出発した。見守りながら、待ちに待った仏教徒たちが歓呼した。
2年後、無比大和尚は文殊禅院で「仏教徒のための華厳万日法会」を始めた。10年を越えて一万日、30年を約束する法会に文殊禅院がいっぱいで席が足りないほど信徒たちが集まった。
2010年3月、無比大和尚は東国訳経院の院長になった。43年前、第1期訳経院入学の同期だった道伴らが集まって「逆境に陥った訳経院の救援投手」として無比大和尚や訳経院の将来を祝った。この年、中央僧伽大学から無比大和尚に名誉博士号を授与した。無比大和尚は2023年冬、法弟子の龍學僧侶に梵魚寺僧伽大学長及び華厳硏究所長に咐嘱しながらこう言った。
「僧侶の力は鬱力だ。 これまでの食事代を払わなければならない」
そのため、何度も固辭してきた職責を受け入れるしかなかったと龍学僧侶は言った。無比大和尚が病苦を抱いても数年間ソウルと釜山を通いながら数多くの法門をしたこともそのためであろう。
無比大和尚は東国大学訳経院長職も引き受けたので、ソウル活動がより一層活発になると皆が期待した。ところがその年の6月8日、無比大和尚は訳経院長を辞任した。 ソウルで無比大和尚が返さなければならない縁の負い目は勢力が尽きたようだった。
今や無比大和尚の力は、文殊禅院の『華厳法会』と80巻の『大方広仏華厳経講説』を執筆することに集中した。
その頃、無比大和尚の師兄・通光大和尚が訪ねて来て「堪忍待」と書いておいた黒板の前に行き、「これからは良いことがなければならない」と言いながら「吉祥如意」という字句を書いておいた。無比大和尚の「吉祥如意」は法門の中に表している。
「私はいつも仏陀の意に合わせて説法したい。」 「法供養をしよう」 「仏教は廻向である。」 「私の事業は法供養の事業である。」 「私が死んだら、輓章に『人は仏陀である』『あなたは仏陀である』だけをいっぱい書いて付けてほしい。」 「華厳経を解く鍵は心仏及衆生、心と仏陀と衆生は皆一つであるという事実だ。」 「仏教は心の管理である。」 「仏教徒の願いは、この世をすべての菩薩が生きる世の中にしようということである。」 「真理の教え通りに生きていこう。」 |
この世で誰よりも無比大和尚をよく理解する通光大和尚が無比大和尚の誓願を知らないはずがなかった。無比大和尚の師兄・通信光大和尚は2013年9月6日、涅槃に入った。
「今回の『華厳経山林法会』は私の生涯の最後の講義になるでしょう」と無比大和尚が言ったのは2010年の文殊禅院での「華厳法会」であった。
それよりもっと最後の講義になるオンライン「華厳法会」が10年後に始まった。
新型コロナウイルス感染症が真っ最中だった2020年、無比大和尚はユーチューブに「拈花室TV」を開局した。
2020年9月6日、初のライブ放送を行い、4日後の10日から本格的なオンライン「華厳法会」を始め、今まで毎日休まず続いている。
仏教は日付や場所が始まりも終わりもない宗教だが、縁は影のようについてくる。
첫댓글 16 참고
무비(無比)스님
『화엄경(華嚴經)』
부산(釜山) 문수선원(文殊禪院)
<대방광불화엄경(大方廣佛華嚴經) 산림대법회(山林大法會)>
10년 결사(結社)
금정산(金井山)
‘염화실’(拈花室) 현판(懸板)
조실((祖室)스님
‘화엄전(華嚴殿)’ 편액(扁額)
원효(元曉)스님
의상(義湘)스님
한국 불교도 (韓國 佛敎徒)
세계 불교도 (世界 佛敎徒)
성인(聖人)
추앙(推仰)
화엄불교(華嚴佛敎)
화엄사상(華嚴思想)
화엄사찰(華嚴寺刹)
범어사 (梵魚寺)
‘화엄전(華嚴殿)’
당우(堂宇)
화엄산림(華嚴山林) 대법회(大法會)
<50선지식(善知識)과 함께 하는 화엄산림(華嚴山林) 지장산림(地藏山林)법회(法會) 및 천도재(薦度齋) 법회(法會)
조계사(曹溪寺)
「십회향품(十廻向品)」
청중(聽衆)
법문(法門)
법사 (法師)
‘이근공덕(耳根功德)’
화엄행자(華嚴行者)
감읍(感泣)
*조계사(曹溪寺) 화엄법회(華嚴法會) 십회향품(十廻向品) 요약(要約)*
산림(山林)
-경전산림(經典山林), 법화산림(法華山林), 화엄산림(華嚴山林) 등
『화엄경(華嚴經)』 경전산림(經典山林)의 10회향품(十廻向品)-
회향(廻向)
불자(佛子)
10회향((十廻向)
1. 구호일체중생이중생상회향(救護一切衆生離衆生相廻向)
2. 불괴(不壞)회향(廻向)-
회향품(廻向品)
금강당보살(金剛幢菩薩)
법문(法門)
3. 등일체불(等一切佛) 회향(廻向) 회
4. 지일체처(至一切處)회향(廻向)
귀의(歸依)
처처(處處)가 안락국(安樂國)
5.무진공덕장(無盡功德藏)회향(廻向)
한량(限量)
공덕(功德)
무진장(無盡藏)
견문각지(見聞覺知)
6.수순견고일체선근(隨順堅固一切善根)회향(廻向)
불자(佛子)
선근(善根)
증장(增長)
7.등수순일체중생(等隨順一切衆生)회향(廻向)
일체중생(一切衆生)
8.진여상(眞如相)회향(廻向)
회향(廻向)
9.무착무박해탈(無着無縛解脫)회향(廻向)
10.등법계무량(等法界無量)회향 (廻向)
- 우주(宇宙) 법계(法界) 회향(廻向)
이근공덕(耳根功德)
인연(因緣)
부산(釜山) 문수선원(文殊禪院)
불사(佛事)
방부(房付)
법랍(法臘)
교계(敎界)
중진(重鎭)스님
입재(入齋)날 법회
선원(禪院)
반야용선(般若龍船)
만일(萬日)
동국역경원(東國譯經院)
역경원장(譯經院長)
역경원(譯經院)
중앙승가대학(中央僧伽大學)
무비(無比)스님
명예박사 학위 (名譽博士 學位)
수여(授與)
법제자(法弟子)
용학((龍學)스님
범어사(梵魚寺) 승가대학장(僧伽大學長)
화엄연구소(華嚴硏究所) 소장(所長) 부촉(咐囑)
울력(鬱力)
사형(師兄)이신 통광(通光)스님
법공양(法供養) 사업(事業)
만장(輓章)
심불급중생(心佛及衆生) 시삼무차별(是三無差別)
서원(誓願)
열반(涅槃)
염화실(拈花室)TV
개국(開局)
최절인아산에서 '최'는 '사람 인' 대신에 '재방 변'을 사용.
일본어에서 혼용하면 무관합니다.