코리아백경&야마토백경91-神は共同体

[김양주]

コレア百景やまと百景９１

神は共同体

共同体　

そのむかし金良柱氏に「日本の神はどこにいるのだ？」と問われ、神なんてことを考えたことのないぼくは「パチンコ屋にでもいるんじゃねえの」ってはぐらかしましたが、今にして思えば神の存在は人類学の目標点なのでした。日本には八百万（やおよろず）の神々がいます。神社や神棚だけではなく、田んぼにコメの神様がおり、パチンコ屋にカネの神様がおり……神はヒトの住むあらゆる場に鎮座まします。

日本の神は共同体の構成員を結びつける共通意識の別名です。「イワシの頭も信心から」という諺があるように、イワシの頭のようにくだらないものでも、信じる者は救われます。なぜかといえば人が集まるからです。人は自分と同じようなことを考える人によって癒されます。困ったときには助けてくれるし、お金も貸してくれます。カミは共同体であると要約できるでしょう。

共同体は無数に存在します。国家、民族、宗教といった最大枠の共同体から、会社や家族といった身近な共同体があります。物理的な枠があれば、精神的な枠もあり、大きな円の中に小さな円が無数に詰まって、それぞれの共同体は有機的に結びついています。入り組んだ共同体を行き来しながら人間は生きているわけです。

共同体の最小単位は２です。おれは偉いと一人で叫んだらバカみたいですが、うんお前は偉いと脇から声が聞こえたら説得力があります。夫婦、恋人、友達、師弟、同僚．．．．ぺットを抱きしめたときにも心の中に共同体が生まれます。ヒットラー総統は犬が好きでした。ブッシュ大統領にも立派な黒いワンちゃんがいます。孤独をかこつ独裁者が犬と戯れる風景はなぜか絵になります。誰にも心を開いてもらえない独裁者は、ワンちゃんに代償を求めているのかもしれません。

共同体は敵対する共同体によって存在をあらわします。国民は、いつも国家を意識しているわけではありませんが、敵国を意識した瞬間、国家共同体が目覚め、ナショナリズムが称揚され、目が血走って、その後どうなるか事々しく書く必要はないでしょう。

地域大学　

無数に存在する共同体の中で「地域大学」って何だろうとずっと考えてきました。みなさんは、それぞれの仕事と暮らしの場をもっておられます。もちろんぼくにも仕事と暮らしがあります。その持ち場をちょっと離れて集まった共同体が地域大学であったといえましょう。かりそめの共同体＝地域大学から職場共同体や家族共同体を振り返ると自分が見えます。地域大学は自分を確認する場でもあるのかなと思います。

外から共同体を見ると自分の顔がよく見えます。外国人と酒を飲むと日本人とは何かと考えます。他人と身近に接触すると自分って何だろうと考え込むわけです。人生に迷いがない人は何の問題もありませんが、迷いだらけの自分にとって地域大学は自分をますます迷わせてくれる場でした。職場とは何か、家族とは何か、ひいては人生って何だろうという大テーマにぶつかりました。

退職

２００７年から日本では「団塊の世代」が退職します。会社共同体にしがみついてきた人たちが、いきなり自由を与えられ、共同体の外に放られるわけです。外に別の共同体をもつ人は新しい一歩を踏み出せますが、会社人生は忙しいので、会社の外にゆたかな共同体を持つ人は稀でしょう。お別れの日は船舶免許を持たない人が小舟で海へ出るようなものです。

そんな恐ろしいことは嫌だから人は仕事の延長線上で社会参加を求めます。官僚は天下りし、社長は会長となって院政システムの中で社会参加を続けるわけです。必ずしもカネが目的ではありません。見たことのない世界を覗くのが怖いからでしょう。

天下りや院政に似た、小さな、しかし豊かな仕組みが共同体にはあります。山に囲まれた檮原共同体では、年配の方をやさしく支える仕組みがいっぱい残されており、町内会や祭りの日には経験者の知恵が活かされ、老人の誇りを支えます。何百年もかけて磨かれた共同体の維持システムが見事に機能しています。

職域分散

しかし職場が広域化し、暮らしが複雑になった今、多くの人が地域共同体から疎外されました。辞令一本で海外まで飛び出す時代ですが、飛行機で飛び回れば精神世界が広がるかといえば、そうでもありません。時間的、物理的に会社に縛られているがゆえ、むしろ外部と交渉できる職場は少なくなりました。企業は派遣社員が地元と癒着することを恐れて数年で異動させるので、せっかく結んだ人間関係も辞令をもらって終わりです。サラリーマンは、次々と場を変え、短い付き合いを重ねて、またお別れです。

人は様々な理由で職場と離れますが、最後に手を振った後、自分を支えてくれるものは何でしょう。それが家族であれば幸せですが、子どもは遠くで忙しく働いています。朝から晩まで付きまとわれたら奥さんだって嫌でしょう。帰属すべき場を失った日本の夫は、箒で掃いても取れない「濡れ落ち葉」と呼ばれ、「粗大ゴミ」となって、「熟年離婚」されたりします。

ボランティア　

金良柱教授によると今の大学のテーマは「教育、研究、ボランティア」だそうです。教育、研究はわかるとしても、大学に「ボランティア」が持ち込まれたところに時代を感じます。大学存続のために地域と仲良くしましょうというケチな話ではなく、もっと深い意味をもつテーマなのでしょう。

学問世界は手に負えないほど複雑になった。

研究領域を狭くして「タコツボ」にこもった。

研究仲間の姿が見えなくなった。

職場が広域化した。

近所の人が見えなくなった。

暮らしが寂しくなった。

工業立国を選択したコレアは、

国際社会で闘うために若者の尻を叩いた。

競争のピークを１８歳に置いた。

勝つことは他人を落とすことである。

若者から仲間意識が薄れた。

国を挙げて働いた。

あっという間に東洋の金満国になったが、

カネがあれば幸せというものでもないことに気がついた。

工業と情報は人間関係を薄くする。

サイバー空間で遊ぶ子を見て親は不安になった。

儒教の国の大学生が変質した。

これはいかんぞということで、

失われた美徳を取り戻そうという声があがった。

……といったところにボランティアの本質があるのではないでしょうか。　

日本も似たような状況です。

しかし大学はドラエモンのポケットではないので制度をいじっただけで何でも出てくるわけではありません。勉強させられ、軍隊に行かされ、会社でコキ使われる予定の大学生が、官僚の言葉を素直に信じて「はい今日は地域との交流に行って参ります」とは言わないでしょう。上の都合を強要すれば反発があります。「やってらんねえよ」というヒネた若者があらわれそうです。

神＝共同体は無数にあります。世代には世代の神があり、世代はさらに細分化されます。大学には、新入生の神があれば、4年生の神があります。バラ色の大学生が3年も遊ぶと企業の神が見えてきます。働き盛りになると年金の貧乏神が取りついてきます。上の世代を中の世代が支え、中の世代は下の世代に支えられるという図式が年金制度ですが、経済が傾き、人口構成がいびつになった今、中の世代と下の世代との関係があぶなくなりました。働いて、税金を納めて、上の世代を養わなければならない中の世代は、じぶんたちが歳をとったときに下の世代が支えてくれる保障はないことに気づいたわけです。暮らしの下部構造が見えなくなった中の世代は「やってらんねえよ」とヒネてしまい、年金を払わなくなりました。日本では「世代間闘争」という殺伐とした造語さえ生まています。世代をつなぐ神＝共同体が失われつつあります。

自然は真空を嫌うので、古い神が消えたら新しい神が生まれますが、それが良い神であるか、悪い神であるかはわかりません。歴史が培った共同体を次々と呑み込んで荒ぶる神が誕生しています。国際間を渡り歩く妖怪のような神は、最大規模の国家共同体さえ食い殺そうとしています。

コレアがＦＴＡに反対することの本質は、国家共同体が、国家を超えた共同体に呑まれようとすることへの怯えではないでしょうか。株主という点で見れば、銀行も大企業も既にコレア共同体を離れています。英語が話せる人は尊敬される（ちゃんとしたコレア語を操っても尊敬されない）という意味で言語共同体も民族の心から離れようとしています。住空間が高層化し、民族はコレアの大地から飛び立ちました。パン食が入り、キムチの売り上げさえ落ちました。現代コレアはアメリカ（ないしアメリカさえ超えた）サイバー共同体になろうとしているわけですが、それでよいのでしょうか？

０７０４０４助村栄　

[장동환]

지금까지의 선생의 글을 총칭하면 모노가타리,공동체,생각하는 훈련, 합하여 살아가는 지혜 같은 것을 느낍니다. 이전에 나에게 없었던 부분이라 많은 도움이 되는 글들입니다. 이 글에도 공동체란 무엇인가에 대한 모노가타리가 있고, 더불어 살아 가는, 세상을 긍정하는 힘이 느껴지는군요. 대부분 동의되는 글이라 뭐 딴소리는 생각나지 않고 답글만 답니다.

[장동환]

직장분산과 관련하여 같은 법조지만, 1-2년마다 임지가 바뀌는 검사나 판사들과 어울리기 힘듭니다. 심지어 장기거주하는 지역법관들과도 어울리기 쉽지 않습니다. 같은 일을 하는 사람들이지만 서로의 관심이 있어야 만날 수 있습니다. 동료 변호사들도 마찬가지입니다. 무리하게 모여 시간을 낭비하느니 차라리 가족과 시간을 보내거나 책을 읽는 편이 좋지요.