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60歳で前立腺がんの手術を受けました。75歳ごろから一晩に5、6回かそれ以上、排尿があり睡眠不足です。睡眠薬を服用しても効果がありません。(奈良県生駒市、男性、77歳)
A 水分控え内科受診を
夜間に排尿のために1回以上起きることを夜間頻尿と呼びます。夜間や昼夜の尿量が増加し、多尿になっている場合と、ぼうこうの容量が減っている場合に大きく分けられます。後者の場合は、ぼうこうが過敏になり尿が少ししかたまっていないのに収縮してしまう「過活動ぼうこう」が原因の一つです。この場合、ぼうこうの収縮を抑える抗コリン剤などの薬を服用します。
夜間の多尿の場合、心機能の低下や高血圧などが原因として考えられます。例えば、心臓のポンプの働きが低下すると、足に水がたまってむくみとなり、日中、腎臓に送られる血液が減少して尿量が減ります。しかし、夜に横になると、腎臓に送られる血液が増えて尿がたくさん作られるのです。足がむくむ人は、夕方2時間程度ソファに足を上げて横になると、夜間の尿が減る可能性があります。
また高齢になると夜間の尿量を減らすホルモンが十分に分泌されず、夜間頻尿となる傾向があります。さらに大きないびきをかき、時々息が止まる「睡眠時無呼吸症候群」でも夜間尿量が増え、頻尿になります。
1回あたりの尿量を毎回記録する排尿日誌をつけると、夜間頻尿の原因が見つけやすくなります。通常、1日の尿量は1・5リットル前後、排尿回数は4~7回ぐらいです。高齢者の場合、就寝中の尿量が1日全体の3割以上を占めると、夜間多尿と診断されます。
夜間多尿の人は寝る前に過剰に水を飲むのを控え、夜間多尿の原因を見つけるために内科を受診すると良いでしょう。【聞き手・下桐実雅子】
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