Spirit of Honda
ABSOLUTE MotoGP MACHINE FOR THE STREET
Hondaは“マン島T.T.レース”以来、様々なレース活動を「走る実験室」と位置付け、レース参戦のために開発した数々の技術を市販車に還元。Honda二輪車の高い性能と信頼性を維持・進化させる一助としてきました。
今回の「RC213V‐S」は、これまでのHondaがレース参戦で得た技術の市販車への還元ではなく、MotoGPに参戦するために開発したマシンを一般公道で走行させるという新たな試みです。世界選手権レースに勝利するためには“世界一速く走るマシン”が必要です。しかし、Hondaでは、マシンはライダーが操るものであり、“扱いやすさ”を“勝つために必要な手段”と位置付けています。つまり“世界一速く走るマシン”とは、“世界一操りやすいマシン”であるという思想があります。Hondaは“マン島T.T.レース”参戦以来、いつの時代にも、この“Honda思想”に基づいて“世界一操りやすいマシン”を目指して競技専用マシンを開発し、勝利を重ねてきました。
「RC213V‐S」は、この“Honda思想”に基づいて開発され、2013年・2014年のMotoGPシーズンにおいて2連覇を達成した競技専用マシン「RC213V」を一般公道での走行を可能としました。「RC213V‐S」では、RC213Vの徹底したマス集中化とフリクション低減や、MotoGPマシンとして量産車と圧倒的な差を生んでいる製造上の“構成部品の軽量化と加工精度”“製作時の高い技能”を全て踏襲し、併せてRC213Vに採用されている制御技術も搭載しました。また、RC213Vではライダーやコースごとの仕様変更を前提に、勝利に必要とされる部品のみで構成されています。「RC213V‐S」では、一般公道仕様としてRC213Vから必要最低限の変更と追加を行いました。
公道で扱うには十分以上の動力性能を備えた量産車製造が可能となって久しい現在、私たちは次の段階へのさらなる進化の鍵がやはりGPマシンにあると考えています。 Hondaの二輪車作りは、“技術でお客様を幸せにしたい”と常にチャレンジし続ける過程です。
私たちは進化を続けることを、このRC213V-Sで改めて表明します。
Overview
車輛概要
RC213V-Sは、RC213Vを公道走行可能とした車両です。
RC213Vでは“扱いやすさ”を“勝つために必要な手段”と位置付け、運動性能のレベルを極限まで高めるために、徹底したマス集中化とフリクション低減を図っています。その結果、MotoGPマシンとして通常の量産車との圧倒的な差を生んでいる製造上の主なポイントである
・構成部品の軽さと加工精度
・製作時に必要とされる高い技能
を、RC213V-Sでは全て踏襲し、併せてRC213Vに採用されている制御技術も搭載しました。
RC213Vはライダーやコースごとの仕様変更を前提に、勝つために必要とされる部品のみで構成されます。一方RC213V-Sは、公道仕様として成立させるために、RC213Vから必要最低限の変更、追加を判断し採用しましたが、以下以外はRC213Vを踏襲しています。
・バルブ駆動は、カムギアトレインを踏襲しながら、 ニューマチックバルブを、より現実的なメンテナンス環境での整備を前提として、コイルスプリング式に変更。また、シームレストランスミッションをコンベンショナルな方式に変更。これらはオープンカテゴリー用市販レーシングマシンRCV1000Rと同仕様。
・公道使用時の法規対応として、灯火器類、バックミラー、スピードメーター、触媒付きマフラー、ライセンスプレートホルダー、ホーンなどを追加。
・公道使用時の実用性を確保するために、タイヤ、ブレーキディスク、パッドなどの仕様変更、ハンドル切れ角変更、ホンダスマートキー、セルモーター、サイドスタンドなど追加。
また、クローズドコースでの使用を前提としたスポーツキットを設定しました。
RC213V-Sは、RC213Vの操縦性能再現のため、RC213V同様、各構成部品を通常の量産品とは異なる材料、表面処理、製造方法とすることで軽量化とともに強度、剛性を両立しています。また、各部品は、マシニングや手作業での加工を前提に、RC213V同等の寸法精度で設計され、高い組み立て精度で製造されます。
Packaging
RC213Vの完成車パッケージングでは、運動性能を極限まで高めるために徹底的なマス集中化を図っています。
レーシングマシンのみならずスーパースポーツカテゴリーにおいても、完成車の運動性能に大きく影響する慣性値の低減すなわちマス集中化は重要です。完成車の慣性値は、完成車重量や車格が最も影響しますが、重心から離れた構成部品の軽量化や、部品配置を重心に近付けることにより低減が可能となります。
RC213V-Sでは車体構成部品の材料、製法を含め、上記RC213Vの完成車パッケージングを踏襲しています。
RC213Vに対し、公道走行を考慮してバッテリー大型化や電装類追加などを図りましたが、それらも完成車重心近くに配置することで完成車慣性を低減させ運動性能を高めました。
また、サーキット専用のスポーツキットを装着することで車体慣性値はRC213V同等となります。
Frame
RC213Vのアルミフレームボディは、高出力を路面に伝えるために高いねじれ剛性を確保しています。通常、ねじれ剛性を高めるとフレームボディ重量は増加傾向となりますが、RC213Vでは必要な箇所にのみ必要な剛性を与えつつ、剛性寄与が低い部位には薄板を採用することで軽量なフレームボディを実現しました。
フレームボディを構成する部品の一点一点は最終的に手作業ですり合わせを行い、専任者がTIG溶接を行なうことで、多くの溶接を要しながらも高い精度と溶接品質を確保しました。
RC213V-Sでもこれらの材料、製法を踏襲しました。
RC213V-Sの車体を構成する各締結には、RC213V同様チタン合金製の削り出しボルトを採用し軽量化に寄与。組み付け時には軸力安定化のためモリブデングリス塗布が指定され、通常のスチール製ボルトとは異なる規定トルクで全てインパクトレンチを使用せず手締めされます。
Engine
RC213Vのパワーユニットの開発目的は、“MotoGPで勝てるポテンシャルを持った車両のパワーユニット実現”です。
そのために、以下大きく二つの目標を設定しています。
・MotoGPでの速度レンジに合致する高い出力を備えること。
・800ccのRC212V並みのフレーム諸元に搭載可能な、コンパクトなユニットであること。
MotoGPのレギュレーションに準拠しながらこれらを実現するために90°V型4気筒1000 ccを採用。 高出力化に関しては、360°クランク位相角を採用することで、爆発間隔による良好な排気脈動から充填効率を高めることでこれを実現。また、90°V4とすることで、高出力を最大限活かせるよう「バランサー不要による機械的損失の低減」「直列4気筒に比べクランクジャーナルが少ない(3箇所)」「密閉クランク室構造によるポンピングロスの低減」など、低フリクション化を図っています。
コンパクト化に関しては、クランクシャフトを短くできるV4とすることでエンジンの幅狭化を可能とし、バンク角の確保と前面投影面積の低減を図りました。さらにVバンク角を90°とすることで理論上の一次振動が発生しないためバランサーが不要となり、その分エンジン前後長を短縮。加えて、「クランク軸」「メイン軸」「カウンター軸」の三軸をサイドビューで三角形に配置することでエンジンの前後長をさらに短縮。これらにより1000 ccでありながら800cc のRC212V並みのエンジンサイズを実現しています。 二次振動が少ないことから振動対策を必要とせず完成車重量の低減を図ったことと併せて、完成車パッケージングの目的である“運動性能を極限まで高めるための徹底的なマス集中化”に寄与するとともに、不等間隔爆発によるトラクション性能向上も実現しています。
RC213V-Sのパワーユニットは以上の諸元を全て踏襲しながら、回転数を変更することで公道走行を前提とした出力特性としました。また、高回転まで精度の高いバルブ作動を実現するため、カム駆動システムにはRC213V同様ギアトレインを採用しましたが、バルブを閉じる機構については、公道用車両としてより現実的なメンテナンスで機能維持可能なコイルスプリング式に変更。同様の理由からトランスミッション形式も、RC213Vのシームレストランスミッションからコンベンショナルな方式に変更しました。
Specifications
Color
Details of the Specifications
| RC213V-S | RC213V-S SPORTS KIT |
ENG |
エンジン型式 | 水冷4ストローク DOHC4バルブ V4 | 水冷4ストローク DOHC4バルブ V4 |
燃料供給装置形式 | 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-DSFI) , φ48スロットル゙ボディ〉 | 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-DSFI) , φ48スロットル゙ボディ〉 |
内径×行程(mm) | 81.0×48.4 | 81.0×48.4 |
圧縮比 | 13 | 13 |
総排気量(cm3) | 0.999 L | 0.999 L |
最高出力 | 51kw[70PS]/6000rpm | 158kw[215PS]/13000rpm 以上 |
最大トルク | 87N・m[8.8kgf・m]/5000rpm | 118N・m[12.1kgf・m]/10500rpm 以上 |
WHEELS |
フロントブレーキ | 油圧式ダブルディスク φ320 x 5.5 mm (YUTAKA) 、4ピストン キャリパー、マスタシリンダー (Brembo) | 油圧式ダブルディスク φ320 x 5.5 mm (YUTAKA) 、4ピストン キャリパー、マスタシリンダー (Brembo) |
リアブレーキ | 油圧式ディスク φ220 x 5 mm (YUTAKA)、2ピストン キャリパー (Brembo) 、マスタシリンダー (Nissin) | 油圧式ディスク φ220 x 5 mm (YUTAKA)、2ピストン キャリパー (Brembo) 、マスタシリンダー (Nissin) |
フロントサスペンション | テレスクピック ガス封入式 TTX25 (オーリンズ) プリロード、コンプ/テンション減衰調整式 130mmストローク | テレスクピック ガス封入式 TTX25 (オーリンズ) プリロード、コンプ/テンション減衰調整式 130mmストローク |
リアサスペンション | プロリンク ガス封入式 TTX36 (オーリンズ) プリロード、コンプ/テンション減衰調整式 64mmストローク | プロリンク ガス封入式 TTX36 (オーリンズ) プリロード、コンプ/テンション減衰調整式 64mmストローク |
フロントタイヤ | 120/70 ZR17 M/C Bridgestone RS10 | - |
リアタイヤ | 190/55 ZR17 M/C Bridgestone RS10 | - |
フロントホイール | 7スポーク 鍛造マグネシウム (Marchesini) | 7スポーク 鍛造マグネシウム (Marchesini) |
リアホイール | 7スポーク 鍛造マグネシウム (Marchesini) | 7スポーク 鍛造マグネシウム (Marchesini) |
DIMENSIONS AND WEIGHTS |
フレーム | ダイヤモンド | ダイヤモンド |
乾燥重量 (kg) | 170 | 160 |
車両重量 (kg) | 188 | 177 |
キャスター角 | 24°35' | - |
ディメンジョン (L×W×H) (mm) | 2100x790x1120 | - |
最低地上高 (mm) | 120 | - |
シート高 (mm) | 830 | - |
トレール量 (mm) | 105 | - |
ホイールベース (mm) | 1465 | - |
TRANSMISSION |
クラッチ形式 | 乾式多板コイル・スプリング式 | 乾式多板コイル・スプリング式 |
変速機形式 | 常時噛合い式6段リターン | 常時噛合い式6段リターン |
●PRICE INFO
税込み 21,900,000円(税抜 20,277,778円)
*諸元は全て参考値です。予告なく変更となる可能性がございます。
*SPORTS KITを取り付けるとクローズドコース専用車となります。また、保証対象外となります。
*特殊な車両となるため、メンテナンスにおいては、メンテナンススケジュールや取扱店などについて通常とは大きく異なる点がございます。
Sports Kit
RC213V-Sは公道走行を前提として設計されましたが、サーキットなどクローズドコースで、スポーツ走行をより楽しむためのアイテムを中心としたスポーツキットを設定しました。
スポーツキットには下記キットパーツが準備されています。
ECU
フロントラムダクト
エキゾーストマフラー
AIジョイントカバーセット
スパークプラグ
ロードセル式クイックシフター
逆チェンジシフトドラム
データロガーセット
リアリンクコネクティングロッド
フロントブレーキパッド
フロントブレーキレバーリモコン
サーモスタット
スプロケットセット
CFRP製クラッチガード
フロントカウルアンダーカバー
フロントウィンカー穴埋めプラグ
シートバックラバー
ロアカウルドレーンキャップ
配線キット
前後メンテナンススタンド
インドア車両カバー
Order Entry
購入ご検討のお客様は、本サイトにて商談お申し込みをお願い致します。
エントリー受付期間
7月13日 00:00(CET) ~ 9月30日 24:00(CET)
*CET: 中央ヨーロッパ時間
詳細はFAQをご参照ください。
첫댓글 일장기? 한국? 저 놈들이 부러울뿐!
70마력??
이게그....2억이 넘는다는.....;;;