先週はじめは1ドル=142円台だった円相場ですが、先週末は一時149円台まで値下がりしました。1週間でおよそ7円も円安がすすみ、8月中旬以来、およそ1か月半ぶりの円安水準に戻った形です。
何があったのか?今後はどうなるのか?おはBiz 渡部圭司キャスターの解説です。
(10月7日 おはよう日本で放送)
解説はNHKプラスでも解説はNHKプラスでも
10/7(月)おはよう日本 ※10/14(月) 午前7:00 まで配信
日米それぞれの要因は
円相場は、日米の金利差の影響を大きく受けますが、今、日本よりもアメリカの金利の方がずっと高くなっています。
通貨は金利が高い方が利回りが期待できるので買われやすくなります。
日銀は利上げ、アメリカは利下げをしているので、金利差が縮まれば円が買われやすくなるのですが、先週2日、石破総理大臣がこう発言しました。
「個人的には、現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」
「個人的には」と断ってはいますが、総理大臣の発言は重いので市場はこれで早期の利上げは、難しくなったと見ました。
それからアメリカの要因もあります。
4日発表された雇用統計で、就業者の伸びは市場の予想を大きく上回り、アメリカメディアが“ホームラン”と伝えるほど雇用情勢がよかったのです。
そうなるとアメリカは景気を下支えする利下げを急ぐ必要はない。つまり金利差は縮まらないとの見方から円売り・ドル買いの動きが出て円安が進みました。
専門家“10日発表のアメリカ消費者物価指数に注目”
ソニーフィナンシャルグループの尾河眞樹 チーフアナリストは次のように話しています。
雇用統計はサプライズでしたね。実は雇用が強かったという話になりますと金融政策の見通しも大きく変わってきます。今後の経済指標を丁寧に注目してチェックしていくステージになると思います。
その上で、今週10日に発表されるアメリカの消費者物価指数に注目しているといいます。
インフレも下げ止まってきてしまうようですと、市場の利下げ観測、今後の利下げ期待が後退し、またドル高が進む要因にはなりますので、注目度が高くなるというふうに思います。