イランの核関連施設をめぐってはアメリカが「バンカーバスター」と呼ばれる特殊な爆弾を使って攻撃する可能性が報じられています。アメリカ軍の兵器などに詳しい海上自衛隊の元海将の香田洋二さんに話を聞きました。
海上自衛隊元海将 香田洋二さん
Q.「バンカーバスター」はどのような爆弾でしょうか。
そもそも爆弾は航空機から落として地上の広い範囲を破壊するものだが、その対策として攻撃から守りたい重要施設などを地下に置くようになってきた。
そのような対策をされると、普通の爆弾ではなかなか破壊できないので、地下深くまで貫通した上で爆発し目標を破壊する目的で開発されたのが「バンカーバスター」だ。
Q.どのような仕組みで地中で爆発するのでしょうか。
一般的な爆弾は航空機から投下して、地表上空や地面に到達したところで爆発装置が起動して一定のエリアを破壊するが、「バンカーバスター」は非常に速いスピードで落下し、地下深くまで入り込んだあとに爆発するのが特徴だ。
Q.どれくらいの深さまで入り込めるのでしょうか。
現在アメリカが持っている最新型の「GBU-57」は、およそ60メートルの深さまで到達できるとされている。
また、厚さが8メートルから10メートルほどのコンクリートを突き抜けることができるとも言われている。
Q.イランのフォルドゥにあるウラン濃縮施設は、地下80メートルほどに設置されているとみられています。もし「GBU-57」が使用された場合、どのような被害の可能性がありますか。
地下施設の構造によっても変わってくるので一概には言えないが、ある程度の深さで爆発すれば相当のダメージがあるだろう。
機能の全面停止まではいかないにしても、イランとしてはかなりの被害を受ける可能性がある。
Q.実際に使用される可能性はあるのでしょうか。
「GBU-57」を運ぶことができるアメリカ軍のB2戦略爆撃機は、ステルス性があるが、アメリカ軍としてはイランが一定程度の防空準備をしていると見積もるはずだ。
もし撃墜されれば、アメリカとしても大きなダメージを受けることになるので、アメリカ軍はかなり精緻にリスクを見積もって実行できるかどうかを慎重に検討していると思われる。
トランプ大統領の命令があればリスクを冒しても実行することになると思うが、軍事的な合理性からみれば時期尚早ではないか。
「バンカーバスター」も含めた軍事力と、外交を交えた駆け引きがこの先行われていくと考えている。