地球に「2つ目の月」が56日間だけ出現。引き込まれた小惑星が「ミニムーン」に
一時的ではありますが、2024年後半に地球の周りを2つ目の「月」が回るそうです
Satoko Yasuda 安田 聡子
2024年09月20日 12時28分 JST
イメージ画像
Douglas Sacha via Getty Images
2024年9月〜11月にかけて、地球の周りを「2つ目の月」が回ることになりそうだ。
マドリッド・コンプルテンセ大学の科学者らによると、この「月」はアルジュナ群と呼ばれる地球に近づく軌道をもつ小惑星の一つだ。
一時的に地球の軌道に引き込まれて「ミニムーン」になり、9月29日~11月25日にかけて、U字型の軌道で地球の周りを一周するという。
Advertisement
この小惑星は、ハワイ大学が開発しNASAが資金提供している「アトラス(小惑星地球衝突最終警報システム)」によって8月に発見され「2024 PT5」と名付けられた。
マドリッド・コンプルテンセ大学の科学者らはこの小惑星の軌道を追跡して進路を見極め、「ミニムーンになる可能性がある」とする研究結果を9月に発表した。
研究者によると、「2024 PT5」は地球の引力によって引き寄せられて、月と同じように地球を周回する。ただしその期間は56.6日間だけだ。
その後は軌道を外れ、2025年1月9日に再接近するものの、再び地球を離れて太陽を中心とした軌道に戻る。もう一度地球の軌道に戻ってくるのは約20年後の2055年だと考えられている。
Advertisement
Advertisement
【画像🌏】アマチュア天文家のトニー・ダンさんが投稿した、ミニムーンになった2024 PT5の軌道シミュレーション動画
地球は、接近する小惑星を、自らの軌道に引き込むことがある。引き込まれた小惑星はミニムーンとなり、地球を周回する。1周以上するものもあれば、2024 PT5のように1回りする前に軌道から離れる場合もあるという。
ライブサイエンスによると、2024 PT5は幅が約10メートルと、通常の月に比べるとかなり小さく、見つけるのは難しそうだ。
研究者の一人でマドリッド・コンプルテンセ大学のカルロス・デ・ラ・フエンテ・マルコス教授は「アマチュア用の望遠鏡や双眼鏡では小さすぎて見えないですが、プロの天文学者が使用する望遠鏡であれば、見つけることができると思います」とスペースドットコムに語っている。