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知っていますか?体に貼られた丸いセンサーの重要な役割。糖尿病と向き合う人々に寄り添うテクノロジーとは
糖尿病と向き合っていく中で重要なのが、血糖値のマネジメント。患者が自身で血糖値を測る機器が今、テクノロジーの力で進化を遂げている。身近な疾病だからこそ知っておきたい、血糖値測定について考えた。
ハフポスト日本版 Client Partnerships
2024年12月25日 12時1分 JST
約1000万人――。日本での糖尿病がある人とその可能性が強く疑われる人の数だ(*1)。糖尿病は多くの日本人にとって、自分自身や家族が直面する身近な問題となってきている。
糖尿病と向き合っていく中で重要となってくるのが血糖値のマネジメントだ。今、テクノロジーの力で血糖モニタリングをより患者さんに寄り添った形にすることが可能となっている。
(CGM使用のイメージ写真)
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もう毎日、指先穿刺をする必要はない※。CGMが可能にする新しい血糖値測定の形とは
糖尿病には、「1型糖尿病」や「2型糖尿病」「妊婦糖尿病」などがあり、1型糖尿病には子どもの患者も多い。発症の背景には遺伝的要因と環境要因があるが、2型糖尿病では遺伝に加え、生活習慣などが主な要因となっている。(*2)1型は、自己免疫疾患などが原因でインスリン分泌細胞が破壊され、インスリンの自己注射が必要だ。(*3)
糖尿病の治療の目標は、適切な血糖マネジメントを行うことで血管合併症などの各種合併症の発症や進展を防止し、糖尿病がない人と変わらない生活の質を維持して、健康寿命を確保することだ。(*4)
血糖値測定は、いわば体の状態の「今」を知る方法だ。今、血糖値がどんな状況か把握することで、どのような行動が必要になってくるかを知ることができるからだ。
血糖値を測りマネジメントすることで、高血糖や低血糖を避けることができる。(*5)
患者自身が自宅などで血糖値を測定する方法には、自己血糖測定(SMBG:Self-monitoring of blood glucose)や、新しい血糖測定の方法の持続血糖モニター(CGM:Continuous glucose monitoring)などがある。
SMBG(左)とCGM(右)
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SMBGでは「指先穿刺」といって、指先に小さな針を刺して採血し、血糖値を測る。
一方、欧米諸国などで広く普及しているCGMでは、アプリケーターで上腕部などに小さなセンサーを付け、皮膚の直下に挿入した細いワイヤーを介して間質液中のグルコース濃度を測定する。間質液とは、細胞と細胞の間にある液体のことだ。
SMBGは毎日、指先穿刺で血を採って測定をするため、痛みも伴い、穿刺を繰り返すことで皮膚が硬くなってしまうこともある。
しかし、CGMでは指先穿刺の必要がなくなり、患者の負担は大幅に減る※。
アメリカでのある調査によると、同国では1型糖尿病の患者の約8割がCGMを使用している。(*6)
CGMが広く普及する欧米諸国では、日常的にCGMのテレビCMも放映されるほど、人々の生活に身近な存在となっている。
日本では、患者がCGM利用を選ぶという「選択肢」すらないことが多く、現在もSMBGの使用率が高い日本の状況とは、大きな違いが見受けられる。
日本では、CGMはインスリン注射を行う患者には保険適用となっており、SMBGと同程度の値段だ。
(CGM使用のイメージ写真)
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24時間リアルタイムでモニター、お知らせ機能も。CGMの強み
CGMはスマートフォンのアプリと連携し、リアルタイムで24時間、グルコース濃度の状態を確認することができる。
リアルタイムCGMでは5分ごとに測定することができ、最新モデルの中には、低血糖になりそうな時には事前にアラートを出して知らせてくれるものもある。
低血糖の状態が続くと脳の機能が低下し、けいれんや意識がなくなるなどの症状が表れ、数時間以上続くと脳に重大な後遺症がでることもあるため、事前に対策をする必要がある。(*7)CGMでお知らせを受け取ったら、患者は低血糖にならないように対応を取ることができる。
SMBGの場合は、起床後や食前食後など、患者が指先穿刺で血糖値測定をした時の数値のみを知るスタイルのため、24時間リアルタイムでモニターできるのはリアルタイムCGMの強みだ。
CGMでは、夜間の測定も夜中に起きずに自動で行うことができる。
小児患者の場合など、SMBG利用者では夜間の低血糖を避けるために、夜中に子どもも親も起きて測定するケースも少なくないが、CGMでは低血糖が起こりそうな時だけアラートで教えてくれるため、その場合のみ起きて対処することが可能だ。
(CGM使用のイメージ写真)
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CGMのメーカーによっては、患者本人用のスマートフォンアプリの他に、家族が血糖値の状況を一緒に確認できるアプリもある。
小児患者や、離れて暮らす高齢の親の患者がいる場合でも、家族が一緒に血糖値の状況をチェックし、サポートをすることが可能だ。
新たな指標も。合併症の発症を防ぐには
これまで、血糖マネジメントをめぐる指標として「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」が使われてきたが、新しい基準が登場し、患者の治療上の行動変容やそれによる合併症防止などに役に立っている。
CGMによりリアルタイムでの血糖変動のモニターが可能になったことで、「TIR(Time in Range)」が新しい基準として提唱されている。
70‐180 mg/dLの目標範囲内の時間の割合をTIRとし、それより高血糖域の時間をTAR(Time Above Range)、低血糖域にある時間をTBR(Time Below Range)という。
TIR(Time in Range)について
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糖尿病では、網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こすことが大きなリスクとして存在する。TIRで治療のゴールを設定し、TIRの割合が高くなることで合併症の発症率も低下することがわかっている。(*8)
改良が重ねられる以前は、CGMはSMBGと併用することが推奨されていたが、現在は正確性が十分に担保されており、CGMのみで使用することに問題はない。
高齢の患者などで、本人がスマートフォンを使っていなかったり、不慣れだったりする場合は、専用のモニター機器もあるため、代わりにそのデバイスで数値の確認が可能だ。
技術が日々進化する中、医療の手法や患者の闘病生活も新しいテクノロジーを取り入れつつ、絶えず進歩している。
糖尿病を巡っても今後、日本でもCGMが普及していくことによって、治療の上での利便性の向上が期待されている。
(注釈)
*1 厚生労働省「平成28年 国民健康・栄養調査報告」
*2 厚生労働省「糖尿病」
*3 厚生労働省「eヘルスネット・糖尿病」
*4 厚生労働省「糖尿病治療のエッセンス」
*5 Beck RW, et al. JAMA. 2017;317(4):371-378.
Beck RW, et al. Ann Intern Med. 2017;167(6):365-374.
Martens T, et al. JAMA. 2021;325(22):2262-2272.
Laffel LM, et al. JAMA. 2020;323(23):2388-2396.
Welsh JB, et al. J Diabetes Sci Technol. 2024;18(1):143-7.
Heinemann L, et al. Lancet. 2018;391(10128):1367-77.
*6 Ebekozien, O., Mungmode, A., Sanchez, J., Rompicherla, S., Demeterco-Berggren, C., Weinstock, R. S., Jacobsen, L. M., Davis, G., McKee, A., Akturk, H. K., Maahs, D. M., & Kamboj, M. K. (2023). Longitudinal Trends in Glycemic Outcomes and Technology Use for Over 48,000 People with Type 1 Diabetes (2016–2022) from the T1D Exchange Quality Improvement Collaborative. Diabetes Technology & Therapeutics, 25(11), 765-773. https://doi.org/10.1089/dia.2023.0320
*7 厚生労働省「低血糖」
*8 Lu J, et al. Diabetes Technol Ther. 22(2) : 72-78, 2020
Beck RW, et al. Diabetes Care. 42(3) : 400-405, 2019
※グルコースアラートや測定値が症状又は予測と合わない場合、 血糖測定器を用いて糖尿病治療の判断を行ってください。