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毎日新聞 2021/6/28 東京朝刊 有料記事 794文字
田んぼと並んで広がるメガソーラー=福島県南相馬市で2020年、小川昌宏撮影
なるほドリ 太陽光発電が普及してきたみたいだけど、どんな仕組みで発電するの?
記者 シリコン半導体(はんどうたい)などに光を当てると電気が生まれる原理を利用しています。一般的に、発電に使われるパネルは半導体を張り合わせた太陽電池をつなげたもの。1950年代後半から実用化され、光があれば自力で発電できるため、無人の灯台や人工衛星、時計や電卓にも使われています。災害で停電した時に活用できる非常用電源としても役立っています。
Q 太陽が出ない日は発電しないの?
A 夜間や悪天候の時は発電できません。電力会社は、太陽光発電の出力が変動しても問題ないように一定量の電力を市場から買うなどして「バックアップ電源」として用意しておく必要があります。結果として余ってしまうこともあるため、コストがかかります。電気をためておく蓄電池(ちくでんち)を使えば天候に左右されずに電気を供給できますが、蓄電池の開発には技術もお金も必要で、普及するには課題がたくさんあります。
Q 海外でも太陽光が導入(どうにゅう)されているの?
A 国際エネルギー機関(IEA)によると、世界全体の総発電量に占める太陽光発電の割合は約2%。日本の年間導入量(2019年7・0ギガワット)は世界4位で、1位は中国(同30・1ギガワット)です。中国は大気汚染問題を抱(かか)えていて、太陽光のシェアが急拡大しています。晴れの日が多いインドは年間導入量が3位(同9・9ギガワット)。太陽からの放射(ほうしゃ)エネルギー量が多いので設置に適した場所として知られています。
Q 「脱原発」のドイツも導入しているの?
A ドイツは原子力発電に代わる電源として太陽光が普及しました。20年には太陽光が全発電量の9%を占め、風力などを含めた再生エネルギーの発電量が火力発電を上回り、脱炭素化(だつたんそか)を着実に進めています。(経済部)