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真の家庭と世界平和
第一章 真の御父母様宣布大会のみ言
一 世界平和と世界女性時代の到来
この講演文は1992年4月10日、韓国ソウルのオリンピック・メイン・スタジアムで開催された「世界平和女性連合」創設大会および「アジア平和女性連合」ソウル大会で語られたみ言です。
1 韓鶴子総裁。そして満場の「アジア平和女性連合」の会員の皆様。「世界平和女性連合」創設のため、各国から参席された代表の皆様!
2 私はきょうのこの大会が今後、韓国の女性史はもちろん全世界の女性史において重大なる意味を記す偉大な集会となることを信じて疑わないものです。
3 なぜなら、今日まで歴史を発展させ導いていく主体的な力は男性によって発揮されてきましたが、きょうこの大会が「世界女性時代の到来」を宣布する世界史的転換の契機となるためです。
◆ 宗教を通じた神様の救援摂理だけが人類の最後の希望
4 私は、今日まで男性が主導してきた世界の実情を一言で闘争と罪悪の歴史であると結論せざるを得ません。そのため人類は、このような罪悪と闘争の世界から解放される、善と平和が満ちあふれる幸福な世界を夢見てきたのではないでしょうか。
5 人類を子女として造られた創造主たる神様がいらっしゃるならば、人類が今日まで数千年間戦争と罪悪に束手無策のまま苦しんできた現場を見つめながら、人類を救援し得る方策を講じずにはおられなかったのです。それがすなわち、宗教による人類救援の摂理です。
6 私は宗教指導者として、宗教による神様の救援摂理だけが人類に残された最後のただ一つの希望であることを説いてまいりました。有史以来今日まで、数多くの偉人や英雄たちが身命を懸けて努力してきましたが、戦争と罪悪の世界は一度も根本的に変化したことがありませんでした。すなわち、政治、経済的な方法によってはこの罪悪世界を変える道はないのです。
7 それは今日、世界的な強大国であり先進国だと自負する国々の現実を見れば、あまりにも明白な事実です。道徳の退廃は、今や全世界の普遍的な現実となり、人類の未来を脅やかしています。
8 不倫と退廃は、父母と夫婦、子女までも分別できない段階に落ちてしまい、家庭の存立基台まで破壊させてしまいました。経済的な富と比べて、道義の退廃と性道徳の乱れ、麻薬の拡散は深刻な事態に至っています。
9 人類は今やこの性的退廃という最も固疾的な罪悪からどのように逃れるかという問題に直面しています。このように犯罪と退廃の沼の中であえいでいる人類を救援する道は、政治や経済、軍事力だけに依存しては不可能なのです。
10 女性連合の会員の皆様。そして各国の代表の皆様! 今から七十二年前、私が生まれた一九二〇年は日帝の植民地下にありました。その時私は、強大国に蹂躙される弱小民族の苦痛と悲しみがいかなるものであるかを骨身に染みて体験いたしました。
11 私が青少年時代であったその当時には、この悲惨な戦争と罪悪の世界を救援する道が何であるかを深刻に悩まざるを得ませんでした。
12 結論は、政治や軍事、経済力による救援は表面的、一時的なものにすぎず、宗教による救援だけが最も根本的な道であることを悟ったのです。
13 なぜなら、宗教を通じた神様の救援摂理は、悪なるサタン勢力が奪っていったすべての所有権を、反対を受け迫害を受けながら受け継いでいく戦略であるからです。悪の勢力は善を打ちながら滅んでいき、善は打たれながら悪を自然屈服させる道であることを教えるのが宗教なのです。
14 そのように私は、十代の青少年時代以来今日まで、六十余年間ただ一つの道、宗教的真理の悟りと教え、その実践運動に全生涯を捧げてまいりました。
15 既に皆様方がよく御存じのように、私の教えである「統一原理」は、全世界百六十余カ国に広がっており、その中には共産国家であったソ連や東ヨーロッパはもちろん、北朝鮮の地にも急速に伝播されるのみならず、イスラム教圏である中東地域にも多くの信徒が生まれつつあります。
16 今まで宗主国である韓国をはじめ、いろいろな国で統一教会が多くの迫害と苦難を受けてきたことは皆様方がよく御存じです。しかし統一教会は今や、地球上のどこにおいても誰も抜き去ることのできない確固不動の根を下ろしました。
◆ 「世界平和女性連合」を創設する趣旨
17 満場の女性連合会員の皆様! 神様がこの罪悪世界を救援される根本的な手段であるすべての宗教では、メシヤ、すなわち救世主待望思想がその中心に置かれています。キリスト教ではイエスの再臨を信奉し、仏教では弥勒仏の顕現を期待し、儒教やイスラム教でも、その宗団の宗主たちが再来して罪悪と闘争の時代を審判し、すべての人類が願う善なる理想世界、すなわち天国を実現するようになると預言しているのです。
18 すなわち、すべての宗教は宗主の再臨によってのみ、この罪悪の世界が救援されると教えているのです。これがすなわちメシヤ思想です。
19 ゆえに、すべての宗教的教えの根本を統一し、全宗教人たちが待ち望むメシヤ、弥勒仏、真人、正道令などの役割を果たすことのできる真理の指導者、真の愛の指導者でなくてはこの世の中を救援することができないのです。
20 この指導者は人類の始祖が堕落することで、罪悪と闘争の世界となったその原因を明らかにいたします。あらゆる罪悪の根本の根である原罪を解明することによって、人間を罪悪から解放する真理を究明されるのです。
21 人類の始祖アダムとエバが犯した原罪によって、偽りの父母となったため、再臨されるメシヤは人類の善なる始祖として、全人類を新しく生み直す真の父母として来られるようになるのです。
22 真の父母は、空中で雲に乗って再臨されるのではなく、今日この時代、我々が生きているこの地上に、韓国人として来られ、平和の統一世界を主導されるようになるのです。
23 私は過ぎ去った七十年の歳月において数多くの迫害を受けながらも、屈することなく、このような教えを全世界で実践してまいりました。このように見る時、私の妻である韓鶴子総裁は、私と共にこの苦難の道を歩んできた全世界の女性の代表者であると言わざるを得ません。
24 夫である私が、天のみ旨に従い正義の道を歩む間、不義の勢力から迫害を受け、投獄される辛苦を共に味わいながら、私の妻は良心的で正義感のある女性たちによる新しい平和運動を起こす決意をしたのです。それがすなわち、きょうのこの大会として結実したのです。
25 民主・共産に分断された韓半島は、世界の中心地であり、南北統一こそが世界平和と統一の鍵になることを知り、私は世界の至る所で今日まで、この偉業のために全身全霊を傾けてきました。昨年(一九九一年)十一月、私が北朝鮮を訪問して金日成と会談したのもこのためでした。
26 今や世界のすべての宗教統一の日も遠くありません。韓半島における南北統一の日も遠くないのです。
27 私の妻が総裁を務める「アジア平和女性連合」のソウル大会に、世界七十カ国の女性代表が列席する中で、きょう「世界平和女性連合」を創設する趣旨もここにあります。大韓民国が神様の救援摂理の中心国家であり、その祖国であるためです。
28 ところで、あらゆる宗教を見ると、男性たちよりも女性たちがより多くの精誠を尽くしており、数的にも男性を圧倒しています。聖書には、来られる再臨のメシヤを新郎として迎えるため、新婦の準備をするのがキリスト教信者の正しい信仰であると記録されています。このみ言は、すべての宗教は来たるべきメシヤの前に、女性、すなわち新婦の使命を果たすために準備されたことをも意味しています。
◆ 理想世界を実現する真なる働き手はこの時代の女性
29 今や、メシヤとして来られる真の父母の前に、今まで男性たちが主導してきた戦争と暴力、抑圧と搾取、そして犯罪の世界を終結させ、平和と愛と自由があふれる理想の世界を実現する真の働き手が、まさしくこの時代の女性たちなのです。
30 今日まで正義と善を打って反対し迫害した男性中心の悪なる勢力が、これ以上横行できないようにしなければならないことも、女性の使命です。
31 きょう、この場に列席した十五万の韓国の女性たちは、韓鶴子総裁を尊敬し、「世界平和女性連合」の基本理念である「頭翼思想」と「神主義」で人よりも先に思想武装し、訪ねくる世界の女性たちを教育することのできる指導者たちとならなければなりません。
32 人類の真の父母となられるメシヤが再臨するこの時代、南北が愛と真理で統一されるこの時代、世界のすべての宗教が正に一つとなるこの時代、そして、すべての人類が人種と理念を超越して、平和の新世界を正に創造するこの時、新しい歴史の創造のために召命された皆様方、全世界の女性に、神様は無限の祝福を与えてくださることでしょう。
33 「アジア平和女性連合」と、きょう創設される「世界平和女性連合」の前途に、神様の偉大なる祝福と栄光があらんことを祝願しつつ、これで私の激励の辞を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
二 理想世界の主役となる女性 1
この講演文は1992年5月から12月まで韓国、日本、アメリカなど13ヵ国88都市で韓鶴子総裁が語られたみ言です。
1 尊敬する内外の貴賓の皆様! ならびに「世界平和女性連合」会員の皆様!
2 きょう、このように各界の女性指導者の皆様が御列席の中、世界平和のために私の所信の一端をお話しできますことを無上の栄光と存じます。
◆ 永遠の平和世界建設のための「神主義」
3 きょう、私がお話し申し上げる題目は、「理想世界の主役となる女性」です。今日の時代は今、正にイデオロギーの障壁や言語、文化の違い、また人種の藤を越え、一つの世界に突入する重要な転換期を迎えています。全人類は今や、この地上にあらゆる戦争と抑圧と搾取がなくなり、ただ真なる自由と平和と繁栄の未来だけが約束されることを念願しているのです。
4 今日まで、私の夫である文鮮明総裁が主唱してきた「神主義」の理念は、これまで力を基本とした男性たちの激しい反対と迫害を克服し、脱冷戦時代の門を開く決定的な役割を果たしました。今後は、和解と協力を指向する今日の歴史的な転換の時代に、私は「神主義」を基本とした永遠なる平和世界建設のための大原則を提示するに際し、未来の世界を開拓していくべき女性たちの標題とするために、文総裁が発表した「頭翼思想」を、いま一度皆様にお伝えしたいと思います。
5 本来、神様は喜びを分かち合うために、愛する相対をつくられました。彫刻家が作品一つを作るために昼夜の別なく力を消耗させながらも全身全霊を投入するのですが、それはいったいどこから来る心でしょうか。それは喜びを味わうために愛の対象を創造された神様の心に似た心ではないでしょうか。
6 存在する世界を見ると、鉱物界、植物界、動物界、そして人間世界までもすべてペア・システム(対)になっていることが分かります。なぜ、すべてがペアで存在しているかお分かりですか。互いに作用するためなのです。
7 鉱物界ではプラス・イオンとマイナス・イオンが作用します。元素と元素同士でも、互いにどれとでも付けようとしても結合しないのです。相対的要因が合わなければ、神様も命令することはできません。次元は低いのですが、このように鉱物界の作用も愛の創造理想のモデルになるようにつくられたのです。
8 それゆえに、真の愛の本質を中心とする時に、神様の心情と人間の心情とすべての万物、動物界までも互いに通じるようになっているのです。その心情の中に入ると、岩であっても通じるのです。皆様がそのような心情世界に入れないのが問題なのです。深い神秘の境地に入るようになると、森羅万象がすべて友となるのです。喜悦にあふれた愛の境地に入ると、自分が笑えばすべての万物と神様までもが和動するのです。
9 皆さん! 愛する夫、愛する妻がいらっしゃることでしょう。どれくらい愛していらっしゃいますか。愛する妻を、十億、千億のお金をあげるからと言われて、そのお金と取り替えますか。心から愛する夫を、天地のすべてをあげるからと言われて取り替える妻がいるでしょうか。よくよく知ってみると、男性は女性のために生まれ、女性は男性のために生まれたのです。すべてが「ため」に成そうとする真の愛のゆえなのです。男女が陰陽の調和によって愛の理想を成すために、神様がそのように創造したのです。真なる男女を通してこそ、統一的な真の愛を見いだすことができ、神様と人間も真の愛を中心として統一が成立するというわけです。
10 結婚というものは、男女の絶対価値である真の愛を横的に連結したのちに、神様の縦的絶対価値である真の愛を占領しようというのです。このように絶対者であられる神様は、真の愛を絶対価値の中心として最高に貴い立場に立てられたのです。真の男性と真の女性と神様が真の愛を中心として完全に一つに統一されるところに、私たちの人生観、宇宙観、神観など、あらゆる問題の解決の糸口を見いだすことができるのです。
11 神様の真の愛は投入し、また投入してもさらに与え、また与えて忘れる愛なのです。与えたという記憶が残っている以上、愛は無限に回ることはできません。愛は無限に運動するものであるので、与えたという記憶がとどまっていてはいけないのです。続けて与え、また与えても記憶に残っていないゆえに流れていくものなのです。
12 それでは天地を与えると言われても取り替えることのできない価値のある愛を、誰が皆さんに与えたのでしょうか。皆様の父母が与えたものなのです。言い換えれば、根本に返れば神様が与えてくださったというのです。神様はこの無限なる価値ある愛を父の立場で与えてくださりながらも、それを忘れ、その愛を受けた息子、娘たちが天を裏切るようなことがあったとしても、さらに与えようとされるがゆえに、そのような終わることのない神様の愛のゆえに、きょう皆様もこの場に参加できるようになったのです。
◆ 神様の愛の永遠なる相続者
13 それゆえに真の愛が行く道は施しを受けるための道ではなく、「ため」に生きようとする犠牲の道なのです。ですから神様御自身も愛の相対を創造される時は、神様御自身が「ため」に生きようとする立場に立たれて、御自身が所有していらっしゃるすべてを一〇〇パーセント投入し、さらに投入したいというのです。このような心をもち得る本然の中心存在が、天地を創造された神様なのです。
14 ゆえに真の愛は、「ため」に生きることにおいても一〇〇パーセント、一〇〇〇パーセント、すべてを与え、真空状態になるというのです。空気でいえば、絶対低気圧が生ずれば高気圧は自動的に循環運動が行われるのと同じことなのです。そのために絶対的に「ため」になそうとするところには無限なる力が発動するようになっているのです。
15 親愛なる「世界平和女性連合」の会員の皆様! 「女は弱し、されど母は強し」という言葉があります。女性自体はこの上なく弱いものですが、もし女性が母として愛の主体的立場を取り、また妻、娘として愛の中心的役割を成す時、女性はこの上なく強くなるものです。なぜならば、女性が母、妻、娘として愛の主体的立場を取り、一〇〇パーセント相手のために与えようとする時、その空白を神様の愛が埋め尽くしてくださるからなのです。神様の愛の能力が発動し始めるのです。
16 だからこそ女性であったとしても、神様に似て燃えるような愛の主体的立場を取るようになれば、その愛の能力は家庭を生かし、国を生かし、世界を生かす驚くべき力として現れるのです。柳寛順のような十六歳の幼い少女が、大韓民国全土を独立運動の波に包み込んだということは、正に国を生かそうとする熱き愛国の精神が成した奇跡であったのです。
17 神様はこのように人間のために与えてくださった愛の主体的な立場にいらっしゃって、与えてくださり、さらにまた与えようとなさる本性がその作用を続けることにより、永存されることができるのです。ゆえに、真の愛の道には永生の論理が成立するのです。神様と真の愛の同伴者として造られた人間が、神様の願いどおりに成長し、絶対不変の真の愛を神様から相続していたなら、人間世界には、根本的な統一の歴史が展開され、戦争だとか血を流すような悲惨な歴史はなかったはずでした。
18 真の愛を中心として心と体が一つになれば、皆様は神様自身の愛の同伴者となり、永遠の対象になるのです。そればかりでなく、神様の永遠なる愛を相続する者となるのです。
19 愛の属性には相続権があり、同居権があり、また同参権があります。愛する夫が大統領であり、妻が小学校すら出ていないとしても、愛する夫婦の関係になれば夫のものは妻のものとなり、昼夜の別なくいつでも共に同居できることはもちろん、同参する権限もあるのです。
20 愛にはこのように相続権、同居権、同参権という偉大なる三大属性があるので、神様の絶対的愛、不変の真の愛と一致した立場に立つようになれば、神様がいらっしゃる所に自分自身も加担することができ、いつでも同居、同参することのできる権限をもつようになるのです。そうなれば、私自身が目を閉じなくても神様を見ることができるようになり、涙を流すようになるのです。神様の悲痛なる心情を体恤(注:血肉の一部となるほどまでに実感するの意)した者は、道を歩いていても立ち止まり痛哭するような体恤の世界があるのです。
21 堕落したこの世の中ですら母の愛は、もし子供が見知らぬ地で不慮の事故に遭ったとすれば、直感でもって分かるような場合がたくさんあるのです。寝ていても名前を呼び、叫び、目覚めるというのです。
22 もし、神様の本質的な真の愛、千年万年を「ため」に生き、さらにまた「ため」に生きようという、そのような真の愛を自分自身の心と体に一〇〇パーセント吸収することのできる内容をもつようになる時、心には神様の真の愛の根が芽生え、神様が感じたすべてのことに通じるようになり、体は自動的にそこに共鳴するというのです。心の世界の真の愛を中心として共鳴体になるように創造されたのが体であり、心と体の統一世界を成すためには、神様の本質的な真の愛を回復しなければならないという課題が残っているということを知らなければなりません。
23 このような真の愛に共鳴する論理を中心として見る時に、私たち人間がそこに一体化し、共同一体圏に入れば、神様の愛が自分自身の愛であり、神様の生命が私の生命であり、神様の血統が私自身の血統であり、神様の所有である被造世界が、私の被造世界であるということができるのです。したがって、天下を抱く父母の心をもち、天国に入籍するようになっているのです。
◆ 真の愛の原理
24 それでは愛が先ですか、生命が先ですか。それは愛が先であるというのです。人間の生命は愛によって、愛の理想を中心として妊娠するものなので、人間の生命の本質は正に愛なのです。
25 それゆえに、愛を本質として生まれた生命は「ために生きる」のが天理であり、また人間は生まれた時から他のために生まれたといえるのです。自分は自分自身だけのために生まれたとか、すべてが自分だけのためになければならないとするなら、決して愛の概念は成立することができません。相手のためにしてあげ、他のために犠牲になろうとするところから、愛は誘発され始めるのです。家庭のために犠牲になる人は家庭の愛を誘発させることができ、同志のために犠牲になる人は同志の愛を誘発することができるのです。
26 他のために犠牲になれば、すべてを失うようですが、それは全く反対です。むしろ、愛の主体となり、すべての主人になるだけでなく、さらに高い次元に飛躍するようになるのです。クラスのために犠牲、奉仕する人はそのクラスの班長になるのであり、村のために犠牲になる人はその村の指導者になるのです。ひいては国のために犠牲になり奉仕する人は、その国の主人になるというのです。
27 愛というのは、より大きなもののために犠牲になればなるほど、その愛の等級が高まっていくのが原理です。より大きなもののために犠牲になればそれに吸収されていくのではなく、その大きなものの中心の場に立って新しい次元を迎えるようになるのです。キリスト教が復活の宗教になったのも、他のために犠牲になりなさいと教えているからなのです。
28 イエス様は罪なく死んでいく十字架上においてさえも、「わが父よ、私の思いのままにではなく、父のみ意のままになさってください」と祈祷しながら、自分を槍で刺すローマ兵に対してさえも、彼らが無知によって犯す罪をお赦しくださいと、むしろ神様に切願したのです。これが正に神様のように「ため」に生き、犠牲になって生きる生涯の標本であり、復活の歴史をつくり出す起源になり、キリスト教の核心的伝統思想にならなければならなかったのです。他のために命までも捧げ犠牲になる時に、さらに高い次元の命を得るようになっているのです。
◆ 人間を救おうとされる神様の戦略戦術
29 親愛なる女性連合会員の皆様! 私は一九九九年十一月三十日、私の夫と共に北朝鮮を訪問し、金日成主席や他の多くの指導者たちと会ったことも、考えてみれば命懸けの冒険でした。皆様もよく御存じのように、文鮮明総裁は彼ら北朝鮮の指導者たちが最も怨讐としてきた宗教指導者であり、勝共指導者であったので、彼らは私の夫を取り除こうと国内外においてあらゆる工作をしてきたわけなのです。そのような所に、ただ神様のみを信じて行き、「主体思想では統一できない。『神主義』でのみ、統一は可能である」と主張したことは、ただただ真に、彼らを生かし、「ため」に生きたいという愛の心と、祖国統一の門を開くためならばどのような犠牲も甘受していくという、殉教の精神によるものなのです。
30 「生きんとする者は死に、死なんとする者は生きん」というみ言を実践されたのです。真の愛こそ、地獄までも占領することのできる柱となるのです。皆さんが真の愛を所有するようになれば、すべての悲しみや苦痛もその真の愛の中では喜びに昇華されるのです。言い換えれば、この宇宙の個人的な権力、知識、金力等をもって主張するそれ以上の絶対的権限で残していきたいものが、人間の本性の要求である真の愛なのです。
31 このような観点から見る時、歴史を通じて、人間を救おうとされる神様の戦略戦術と、これに反対しようとする悪魔の戦略戦術は正反対に行われてきました。神様の戦略戦術は打たれて奪ってくる作戦であるのに対して、サタンはまず打って奪われていくのです。第一次、二次世界大戦を考えてみてください。まず打ったほうが滅んでいきました。しかし神様は、盗難に遭ったからといってその者を殺して奪ってくるのではありません。神様は宇宙の主人として堂々と現れ、打って奪ってくる能力をもちながらも、打たれてあげるのです。
32 父母は犠牲になることにより、不孝者を悔い改めさせるという道を行くのです。神様は、天理の公道を立てられるために自らサタンを探され、主人が来たらこうしなさい、ああしなさいと教えてくださるのです。
33 しかし歴史的に見ると、教えようとして行った主人が、むしろ打たれてきたのです。しかし、打たれたのちはどうなるか御存じですか。損害賠償までも受けてくるというのです。孔子も多くの迫害を受けました。イエス様は、ローマ帝国の前に反乱罪として追われ、殺されたのです。すべては歴史が過ぎたのちに、聖人という名が付けられたものなのです。その当時に聖人となった人がどこにいるでしょうか。
◆ 迫害は怨讐の所有権を相続する秘法
34 このように、彼らはその当時においてはみな、悲惨に死んでいきましたが、歴史の時代を経ながら、少しずつ上がっていくのです。損害賠償を請求するのに、十年、二十年で終わらせてくださいとは言いません。期間が延びれば延びるほど、世界を完全に占めるようになるのです。
35 数千年の間、耐えに耐えて損害賠償のすべてを計算してみると、銀行に預金したお金に利子が付き、また付いて、のちにはその銀行まで買っても余りあるお金になるのです。
36 神様は待ちながら訪ねてこられる方なのです。打たれて奪ってくる戦略戦術を取られる方なのです。悪なるこの世が全面的に迫害し破壊しようとするなら、天運が開け、すべてを越えていきながら跳躍させてくださるというのです。
37 神様は私と夫にも、そのような多くの体験をさせてくださったのです。迫害を受けるということは、怨讐の所有権を相続する、また一つの秘法なのです。このようにして、神様が愛される人は常に天運の保護を受けるのです。殺してしまいたいような怨讐がいても、神様はなぜ罰を与えないのかというと、それでもその者を愛する父母や妻、息子、娘がいることを御存じであられるからです。
38 神様も涙の谷間を越えてこられたお方であるがゆえに、その怨讐を、誰よりも愛する父母や妻、そして子供たちの心情を体恤される時、むち打つことができないというのです。
39 そのような神様の心情を真に感じるようになれば、怨讐を打つことができるでしょうか。それを思うと、逆に人を送り怨讐を助けてあげなければならないのです。そうしてこそ天理の大道、愛を中心として一つに抱こうとするその大道の前に自分自身が近づくようになり、そこに天地が振動しながら神様も涙を流すようになるのです。神様も御自身に似たと喜ばれるというのです。
40 このような立場で見つめられる神様でいらっしゃるがゆえに、怨讐を愛しなさいという言葉が理解できるのです。そのような力が出てくるところといえば、知識でもなくお金でもありません。真の愛の中にのみあるのです。それゆえに、皆様は愛する息子、娘、父母のために、南北がにらみ合っている峠を越えて、「ため」に生き、犠牲の真の愛でもって統一を願わなければなりません。
41 私たちがこいねがう南北統一は、あくまでも怨讐さえも愛するという、「ため」に生きる犠牲の真の愛の精神においてのみ可能なのです。父母が子供の面倒を見るように、兄弟が兄弟を大切にするように、北の同胞の痛みを本当に自分の痛みとして分かち合い、変わることのない神様の真の愛の中で共に会うことができるようにしなければなりません。
42 真の愛を中心として、神様とアダムとエバが互いに会い定着することができる交差点は、九〇度を成すのです。なぜならば、神様と人間を縦的に連結する真の愛の道は最短距離である垂直以外になく、完成したアダム、エバを夫婦として連結する真の愛の道は横的な水平であり、正にこの垂直と水平が出合う点は、自動的に九〇度の角度になるのです。そして、この点は絶対的な価値をもった位置としてはただ一つしかない真の愛を結ぶ中心点であり、モデルとなる点であるのです。
43 しかし、アダムとエバが成熟する以前に天使長のゆえにこの角度を間違ってしまいましたが、これが正に堕落であるのです。
44 大工が家を建てる時、水平を先に見ますか、垂直を先に見ますか。水平を先に見るとするならば、それはもう既に垂直を認定しているということになるのです。同じように、女性という言葉も、男性がまずあってこそ出てくる言葉なのです。また男性という言葉も、女性をまず先有(前提)条件として出てくる言葉です。「上」という言葉は「下」を考え、「右」という言葉は「左」を先に認定している言葉なのです。したがって横的という言葉は、縦的という言葉が前提とならなければならないのです。このように先有(前提)存在圏を認定するというのは、「ため」に存在する相対圏を立証するものであり、ここに真の愛は相手のために生きようという目的をもって成立するものなのです。
◆ 本郷的人間を復帰する道
45 だとすれば、神様と本然のアダム・エバはどこで出会うのでしょうか。神様の愛と真の父母の愛、神様の生命と真の父母の生命、神様の血統と真の父母の血統が結合する所は、垂直と水平を連結した九〇度の角度以外にありません。この点は真の愛を成立させる公式な点であるのです。
46 神様は縦的な真の愛の父母であられ、アダムとエバは横的な真の愛を中心とした父母であるので、このような二つの父母の愛と生命と血統を受け継いで生まれた自分の心は縦的な私となり、体は横的な私となるのであり、この縦的な「私」と横的な「私」が統一体となる時、人間は永遠な神様の「真の愛の同伴者」となるのです。
47 神様は真の愛と真の生命と真の血統をもっていらっしゃり、私たちもそこから出たので、私たちの中にも真の愛があり、真の生命があり、真の血統がなければならないのです。人間は神様の真の愛を中心として父子一体の関係をもって生まれたがゆえに、神様の心と体が真の愛によって自然に統一されているように、私たち人間の心と体も真の愛によって自然に統一されなければならなかったのです。
48 ところがサタンの愛と生命と血統を受け継いだ堕落人間は、体はサタン側の、心は神様の側の一線で絶えず闘っているのです。
49 このように今日、「私」を中心とした愛は、心ではなく体と関係があるのです。この体が悪魔の舞踏場になってしまったのです。悪魔の錨綱で結ばれた柱のようになってしまったのです。心は天を身代わりするプラスの位置にあるのに、体がまた別のプラスになり、心をもてあそんでいるのです。これを是正しなければならない道が、私たちの生涯の義務であるのです。これを御存じであられる神様が修理工場としてつくったのが宗教です。
50 そうであるがゆえに、宗教は断食や犠牲、奉仕というように、体を打ち、体を心に克服させる教育をするのです。体の欲望を弱化させ、心が成そうとするままに順応できるように、三年ないし五年以上かけて、習慣性を伝授するためのものが信仰生活なのです。また休まず祈祷することを強調するのです。
◆ 当面の平和の世界
51 神様は縦的な立場のみにいらっしゃるので、心が通じなければ活動することができないお方なのです。サタンはあらゆる所で活動しています。三六〇度いつでも活動することができるので、サタンの活動の前には負けるようになっているのです。
52 心は垂直の位置にあるので一つです。垂直は横的基盤ではないので、横的基盤に出ていくことはできません。そのため、環境に強い体のほうに引っ張られやすいので、垂直の場において精誠を尽くし、祈祷し、三、四倍の力を心に受けて体に対して自由に処理し、三年ないし五年導いていきながら、心のままになせる習慣性を身につけなければならないというのです。この二つの方法以外に修理する道は絶対にないのです。
53 それを修養する宗教の門を通過せずには、本郷の人間の道を見いだすことはできないのです。哲学の道、知識の道、良心の道だけではできないのです。縦的な心と横的な体が一つにならなければなりません。
54 ところで、人間の心と体が神様の理想の前に一つにならないようにした、その堕落の起源は何ですか。聖書には善悪の実を取って食べたからだとあります。それでは善悪の実を取って食べ、どこを隠しましたか。口を隠しましたか、手を隠しましたか。違います! 下半身を隠したのです。そしてサタンを中心として結婚をしたのです。これが悪の血統を繁殖する起源となったのです。
55 しかし考えてみると、人間において真の愛と真の生命と真の血統の根源地は正に愛の器官なのです。堕落によって、この神聖であるべき愛の器官が、天理を破壊した凶悪な宮殿になってしまったのです。悪の本拠地になってしまったのです。ここに偽りの愛、偽りの生命、偽りの血統が植えられてしまったのです。
56 十代の未成熟な時に人間始祖アダムとエバが堕落をしました。そのようにして悪を植えつけたので、歴史的に人間社会に悪の血統がそこから広がっていったのです。したがって終末の収穫期になれば、全世界的に青少年たちが、アダム、エバのように愛の倫理を破壊させ、退廃的風潮に流れるのです。このような現象を見て、サタンの全権時代がこの地上に到来したということを知らなければなりません。そしてこの時こそ、神様が鉄槌を下し、審判の日になるのです。
57 歴史的に神様の前に淫乱の都市、淫乱の国は滅んできたのです。ソドムとゴモラが火の中に焼かれたのも、ローマが滅んだのも、ほかの理由で滅んだのではありません。節度を守れずに淫乱に落ち、滅んでいったのです。
58 今日、米国、ヨーロッパ、日本など世界の先進国を見てください。東西四方に広がる「フリーセックス」と淫乱の波を誰が防ぐことができますか。末梢神経を刺激する享楽主義、乱れた愛だけでは物足らず、麻薬や覚醒剤を求める、世紀末の世界になっているのです。それはすべて、肉体が滅びの道に引っ張っていくことなのです。決して心が願う道ではありません。心は手を上げて痛哭しているのです。天理大道において人間を本然の始発地である神様の懐に導いていかなければならない良心の使命と召命は、すべて失敗してしまったのです。誰かが現れて、世界人類をこのような堕落の環境から救いの道に導かなければなりません。
59 堕落してサタン側に立った人類は、渋柿に例えることができます。その中でも神様が分立させて探し立てた人類が宗教圏の渋柿なのですが、それは神様の所有権の中にある渋柿なのです。したがって神様が自由に主管することができるのです。再臨の主が来られれば、一遍に切って接ぎ木しやすいように準備してきたのです。ゆえに渋柿が甘柿になり、本然の状態に返っていくのです。
60 それゆえに、宗教を信じる者も本来の真の父を探さなければなりません。なぜなら、彼らもまた、本来の真の父の生命の種を受けずに生まれたからなのです。本来の真の愛を中心として神様の血筋と連結された真の息子、娘として一体になれず、理想をなし得なかったのです。それゆえにメシヤが来なければならないのです。皆さん、メシヤとは何か御存じですか。
61 メシヤは、真の父母として来られ、偽りの父母から生まれ偽りの根を植えたものを取り除き、本然の形態を復帰し、サタンを追放し、すべてのものが歓迎し得る自由解放の天国世界を創建しなければならないという、重大なる責任をもって来られるお方なのです。
62 皆様。皆様が神様の愛、神様の生命、神様の血統を、そして真の父母の愛と真の父母の生命と真の父母の血統を受け継いだ息子、娘になれば、神様のように、皆様にも心と体が闘うことのない真の統一の起源が生まれるのです。そして、自分の心と体が統一されたところから、永遠なる平和の世界は出発するのです。
◆ 真の愛の世界を建設してこそ
63 尊敬する「世界平和女性連合」の会員の皆様! 私たちすべては父母の心情を抱き、僕の道理を果たしましょう。私たちの汗は地のために、涙は人類のために、血は天のために流しながら、天地創造の大いなる主人でいらっしゃる父母の恨を解放し、一つの平和世界を建設する十字架を負い、救世の道に前進いたしましょう。
64 私たちが最後に行く所はあの世ですが、私たちの出発点は正に私の心と体が真の愛を中心として一つになるところから始まらなければならないという事実を忘れないでください。そして、自らの家庭が永遠なる幸福と真の愛の定着地になる時に初めて、私たちが願う理想の国、理想の世界が結実することを肝に銘じなければなりません。
65 私たちの「世界平和女性連合」の運動は、遠からず世界万民が参加する「世界平和家庭連合」の運動に昇華発展し、五色の人種が永生を謳歌し、子々孫々「ため」に生き、さらに「ため」に与えんとする真の愛の世界を建設することでしょう。この歴史的な聖業に私たちすべてが決起し、先頭に立つことを決意いたしましょう。皆様と皆様の家庭に神様の祝福が共にあられますことを祈願しながら、私の話を終わります。ありがとうございました。
三 理想世界の主役となる女性 2
この講演文は1992年、「世界平和女性連合」の韓国全国での市道大会で、韓鶴子総裁が語られたみ言です。
1 満場の女性会員、同士の皆様! 私はきょう、世界平和女性連合総裁の資格をもって皆さんの前に出ることができたことを大変うれしく、また光栄に思います。きょうのこの大会を準備したすべての女性会員と後援会員、および日本から来韓した活動隊員の皆様に深く感謝を申し上げます。
2 私がきょうお話しする題目は「理想世界の主役となる女性」です。
3 皆さん、私たちに向かって誰かが「この世の中は善なる世の中ですか、悪なる世の中ですか」と尋ねれば、何と答えますか。間違いなく悪なる世の中だと答えることでしょう。私たちが生きているこの時代の世の中だけが悪なのではなく、過去、歴史時代のすべての国と世界が悪であったと言わざるを得ません。ゆえに、善行よりも罪悪が、平和よりも戦争が、正義よりも不義が、愛よりも憎悪が、統一と和合よりも分裂と藤がより猛威を振るう世の中になっているのです。
4 人類は、このような罪悪の世界を誰も望んでいません。ゆえに人類は、いかにすればこの罪悪の世界を清算し、平和と自由と幸福があふれる真の愛の理想世界を創建することができるかということを追求せざるを得ないのです。
5 個人、家庭、氏族、民族、国家、世界のすべての構成員や指導者が一様に望んでいることも、平和と自由と幸福があふれる世界を実現することであらざるを得ません。人類歴史始まって以来、数千年の間、このような夢と理想に向かって身もだえしてきましたが、いまだ人類が望んでいる理想世界は実現していません。
6 私はきょう、この問題に対する根本的な原因を皆さんの前に明らかにしようと思います。併せて、私たち人類がそれほどまでに願ってやまない理想世界を実現することができる解答が何であるかを提示しようと思います。これは、人間の知識や思考の結果から出てきた内容ではありません。既に皆さんがすべて御存じのように、私の夫、文鮮明牧師は、一生をかけてこの問題を解決するために献身してきました。
7 私は、その夫に仕えて暮らしながら、その教えと、神様と人類を愛するために実践躬行する姿にあまりに多くの感化と感動を受けました。妻がその夫に仕えて暮らしながら、真理に対する深い悟りを得、夫の人格と人生から絶え間ない感化と感動を受けるようになれば、それは世の中に広く知らせるべきことだと思います。
8 なぜならば、今日のこの世界が犯罪と闘争と退廃が荒れ狂う悪の世界になってしまった根本原因が、ほかならぬ夫と妻の根本的な関係の破綻と不和に起因しているからです。
9 今日、この地上には四十億を越える人類が暮らしていますが、突き詰めれば、二人の人が暮らしているのです。男性と女性、すなわち夫と妻という二人の人が暮らしているというのです。無数の人間が共に暮らしながらあらゆる関係と問題を起こしていますが、そのすべての問題の核心は、男性と女性、この二人の間の関係と問題なのです。このように見るとき、私たちは、神様が人類の最初の先祖をこの地上に創造される時に立てられた人間の男女の行くべき天道が何であったかを探らざるを得ません。
◆ 三大祝福を下さった神様
10 聖書の創世記の記録によれば、神様が天地を創造されたのち、最後に人間始祖である男性アダムと女性エバを創造され、彼らに三大祝福を下さると同時に、責任分担も下さいました。三大祝福とは、すなわち「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」というものでした。そして、彼ら二人の男女に「善悪の実を取って食べてはならない!」という責任も一緒に下さったのです。
11 これは、神様が人間とこの宇宙を創造された目的が何であるかを教えてくれる内容であると同時に、人生の根本を明らかにした内容でもあるのです。「生めよ」という祝福は、すべての人間は、地上に生まれ、完成した人格者として成長しなければならないということを意味します。完成した人格を備えた男性と女性が夫婦の因縁を結び、子女を生んで育てる父母の道を行くようにしたことが、人生の二つ目の祝福です。そして、家庭を率いていく夫と妻、すなわち父親と母親がその道理を果たしながら、この世界をより便利で豊かな福祉社会にし、地上天国を建設することが神様の創造目的なのです。
12 この創造目的は、人間始祖が「善悪の実を取って食べてはならない」という神様の戒めを守ってこそ成されるようになっていました。ところが、人間始祖であるアダムとエバは、完成した人間になる前、すなわち未成年の時期に神様の戒めを守ることができず、サタンによって堕落し、全人類に悪の血統を受け継がせるようにしたのです。
◆人類が抱えている不幸と悲劇
13 皆さん! 神様が人間始祖アダムとエバに取って食べてはならないと願われた善悪の実とは何でしょうか。それは木の実ではありません。それはすなわち、人間始祖が将来、夫と妻として結婚するときに実るその愛が未成熟な段階にあるときに、第三の存在によって誘惑されて不倫な性的関係が起きてはならないということを語っているものです。
14 実際にエデンの園には、アダムとエバ以外に第三者として天使長がいました。聖書では、エバを誘惑して不倫な性犯罪を犯した天使長をルーシェルであると明らかにしています。これがまさしく人間始祖の堕落であり、人間世界に罪悪の根を下ろすようにした原罪なのです。
15 したがって人間は、天地の大主宰者であられる父なる神様の前に性犯罪を犯し、人間始祖の時から、不倫な愛でもって後孫を生む悪の世の中を成してきました。
16 個人、家庭、氏族、民族、国家、世界へと拡大した人間社会には、いつどこでも、この不倫な男女関係による悪の血統が根を下ろし、それがこの世を地上地獄につくりあげ、犯罪と戦争と恐怖があふれた偽りの世界にしてしまっています。堕落した人間始祖アダムとエバは、人類の永遠なる善の先祖として、真の父母の位置を確定しなければならなかったのですが、悪の血統を残した偽りの父母へと転落してしまったのです。これがすなわち、すべての人類が抱えている不幸と悲劇の第一原因です。
17 この世界の全人類が真の父母を失い、偽りの父母の後孫となったこと以上に悲惨で痛憤なことがどこにあるでしょうか。人類の父母であられる神様としても、真なる人類の始祖を立て、善なる人類を生み殖やそうとした創造目的が、人間始祖の不倫なる堕落によって全人類を罪悪の血統に奪われてしまったその悲しみと苦痛はいかに大きいでしょうか。
◆ 原因を知ってこそ治療することができる
18 疾病に苦しんでいる人を救うためには、その疾病の原因を探り出して治療しなければならないのと同じように、人間社会がこのような罪悪と不幸の苦痛から解放されるためには、この罪悪と不幸の根本原因を明らかにして治さなくてはなりません。その根本原因こそ人間始祖の堕落、すなわち原罪です。したがって、原罪という病気の原因を除去しなくては、人間世界から罪悪と不幸の根を抜き取ることができないのです。どんなに多くの偉人や英雄、博士学士、政治家、哲人が現れて、法律や制度の改善、道義教育等でこの世界を正そうとしても、人間堕落の内容、すなわち原罪を解明しないままでは、それは不可能です。どんな薬を使っても効き目はありません。罪悪と不幸の根本の根が、生きて継続して芽生えてくるからです。
19 しかし、宗教では私たちに人間が堕落したという事実を教え、この堕落の内容を明らかにして人間を罪悪から完全に救援しようとされる神様の摂理を直接的、間接的に教えてくれています。それゆえに、すべての宗教は、この罪悪社会を善なる社会へと変化させ、救援する最も積極的な処方であるのです。
20 屋根の棟という意味の「宗」に「教」える、すなわち「宗教」という言葉は、すべての教育と教えの中で最高の教えであるという意味です。孔子、釈迦、イエス、マホメットのような四大聖賢の教えをはじめとした各宗教の唱道者たちの教えは、時代と環境を超越して人間の良心と道徳を守り、文化を発展させる原動力となりました。したがってすべての宗教は、罪悪の世界を清算し、神と人間が望む理想世界建設のための督励者であり、協力者なのです。その中でも、神様の救援摂理が最も直接的に啓示されている経典が、すなわちキリスト教の聖書です。
◆ 罪悪の血統を清算する復帰摂理
21 聖書によれば、人類の歴史は、人間始祖アダムとエバが原罪を犯し、偽りの父母となることによって喪失した神様の創造目的を再び回復しようとされる復帰摂理であることを知ることができます。偽りの父母となったアダムとエバを身代わりして全人類を生み変えるために、メシヤ、すなわち真の父母が来られなければならないというのが、聖書でいうメシヤ思想の要点です。
22 アダムが人類の真の父となり、エバが人類の真の母とならなければならなかったというのが、神様の創造本然の目的でした。この創造目的を再度原状回復するために神様は、アダムを再創造される摂理をされざるを得ません。これがまさしく、イスラエル選民を準備してイエス様を誕生させる摂理の骨子です。
23 神様は、アダムとエバが堕落してサタンの血統を中心とした人類を生むと同時に、すぐ善と悪の血統を分立する役事を行われました。アダム家庭で、神様の相対的立場にいる次子アベルと、サタンの相対的立場の長子カインを分立し、カインがアベルの前に自然屈服するようにさせることによって、創造本然の秩序を原状回復しようとされたのですが、カインがアベルを殺害することによって、長い間にわたって善悪分立闘争歴史が延長されるようになったのです。
24 ノア、アブラハム、イサクを経てヤコブの代になり、母リベカの協助により、双子の兄エサウを自然屈服させることによって、ヤコブはイスラエル選民を立てる決定的役割を果たすようになりました。ヤコブの息子ユダにより、その嫁タマルはペレヅとゼラという双子の兄弟を身ごもりました。ペレヅは、タマルの腹中からゼラと争い、先に生まれようとするゼラを押しのけ、自分が兄として生まれた息子です。善悪闘争である長子と次子の争いが、腹中で弟が兄に勝ち、長子として生まれる腹中復帰を成就させたのです。
25 腹中復帰によって生まれたペレヅの血統を通じて四十代目に誕生したお方が、メシヤとして来られたイエス・キリストです。イエス様を身ごもり、生むときには、母マリヤの命を懸けた冒険と精誠がありました。神様の救援摂理は、すなわち復帰摂理であるため、堕落した人類始祖アダムとエバが、サタンとなったルーシェルの誘惑で不倫な性関係を結ぶことで人類に伝承された罪悪の血統を、清算する復帰摂理を行わざるを得ないのです。
26 それが正に、カイン・アベルからイエス様が誕生されるまでのイスラエル選民の歴史であったのです。したがってイエス様は、アダムが堕落によって偽りの父の立場に落ちたものを、善悪分立闘争の復帰路程を経て人類の真の父、すなわち第二の善なる人類始祖として来られたのです。
27 それゆえにイエス様は、その相対格であるエバの立場にいる女性を復帰して夫婦となり、子女を生み、万物を主管される位置まで進まなければならないのです。これがまさしくイエス様がメシヤとして来られた目的でした。
28 アダム・エバを創造され、生育せよ、繁殖せよ、万物世界を主管せよとおっしゃられた神様の三大祝福を復帰するために、イエス様がメシヤとして来られたという話です。
29 イスラエル選民は、父として来られたお方をメシヤではないと不信し、十字架で処刑してしまいました。これはいかにあきれた親不孝であり、とてつもない罪悪ですか。十字架で亡くなられたイエス様は、再びこの地上に来られると再臨を約束され、それと同時に「再び来る時には新郎として来るので、地上の人類は新婦の装いをして待たなければならない」とおっしゃられました。
30 ヨハネの黙示録第十九章を見れば、果たして、そのイエス様の再臨は、地上に来られて小羊の婚宴をされると記録されています。これはまさしく、エデンの園のアダムとエバが堕落していない家庭を築くために、真なる夫婦と真の父母の位置を復帰するという内容です。
◆ 再臨のメシヤは韓国人として来られる
31 きょう、この女性大会に参加した会員ならびに女性同志の皆さん! 私たちの家庭を破壊しようとするすべての性犯罪と不倫、退廃が跋扈するこの社会を、何をもって、またどのように正すことができるのでしょうか。もし、この性退廃の問題を解決できなければ、人類社会はソドムとゴモラのような滅亡を自ら招いてしまうことでしょう。既にこの審判の火は下り始めています。エイズという恐ろしい性病こそ、性道徳の紊乱に対する天の懲罰であり、警告です。
32 イエス様は、この罪悪の世の終わりの日になれば再臨されるとおっしゃいました。再び来られるイエス様は、人類の父として来られ、この世のすべての男性と女性が行くべき真なる子女の道、真なる夫婦の道、真なる父母の道が何であるかを見せてくださるはずです。そのようにしてこそ、人類の原罪である淫乱・退廃問題が根本的な解決を見るようになります。これこそ、人類をこの罪悪世界から救援してくれる本当の福音以外の何ものでもありません。
33 人類が真の父母、真の夫婦、真の子女の道を喪失することによって、もつれてしまった罪悪歴史を清算するその道を教えることが、メシヤ救世主の使命です。私はきょうこの場を通して、私の夫、文鮮明総裁こそ、一生を懸けてこのメシヤ真の父母の道を開拓してこられた方であることを万天下に宣布します。皆さんがよく御存じのとおり、私の夫、文鮮明総裁は、これまで悪なる世の中の激しい迫害の中でも、神様の創造目的を明かし、人間始祖が犯した原罪を究明することによって、人類の未来を開拓してこられた方です。
34 私の夫、文総裁の教えである「統一原理」によれば、すべての宗教人が待ち望んでいる宗主の再臨理想、すなわち弥勒仏、真人、孔子などの再臨とイエス様の再臨思想は、お一人のメシヤ、人類の真の父母の再臨で実現するものであり、すべての宗教も連合統一するようになっています。ところで、そのメシヤ、真の父母は、一部のキリスト教信徒たちが信じているように、二千年前に亡くなられたそのイエス様が空中から雲に乗って再臨されるのではなく、イエス様の使命を相続した新たなるお方がこの地上に誕生されるのです。その方が生まれる国が我が大韓民国であり、したがって人類の真の父母となられるメシヤは、なんと私たちと同じ言葉を使う韓国人として来られるのです。
35 それでは、このように再臨されるメシヤは、いつ再臨されるのでしょうか。「統一原理」によれば、この罪悪世界を終結する時が末世ですが、再臨されるメシヤは末世に来られるようになっています。一言で言うと、その末世は、第一次世界大戦が終わった一九二〇年から二〇〇〇年までの約八十年期間に該当します。この期間は、人類の真の父母であられる再臨主が我が韓国の地に誕生し、罪悪と戦争と闘争があふれたこの世界を自由と平和のあふれる善なる理想世界へと導いていく、世界史的な転換時代に該当しているのです。
◆ 韓半島の南北統一は世界平和と統一の鍵
36 ゆえに、この時代は、個人、家庭、氏族、民族、国家、世界に至るすべての構成員相互間で善と悪の対立と闘争が展開される大混乱の時代となるのです。人類はこの期間で一次、二次の世界大戦を経験し、第二次大戦後には、民主・共産の両陣営間の絶え間ない対決と闘争がありました。その間、我が韓国は四十年の日帝植民地治下、八・一五解放と南北分断に続く六・二五動乱の惨状を経験し、今日まで世界最後の分断国として残っています。
37 韓半島の南と北は、人類始祖の堕落によりアベルとカインに分立されて蒔かれた善悪の種が、世界的な実となって現れた結実体です。すなわち、北朝鮮の共産主義は、歴史上に現れたカイン型のすべての人生観と体制の世界的な結実体として、宗教的価値観を否定する無神論共産国家を成し、世界の共産陣営を縮小代表しています。
38 これに反し、韓国は、歴史上に現れたすべてのアベル型の人生観と体制の世界的な結実体として、地上における第一級の宗教繁栄国家となって自由世界を代表する国となっています。すなわち、全世界を善悪で分立し、善側として分立された韓国が悪側として分立された北朝鮮と最後の対決の場を形成している全世界の縮小版が韓半島です。したがって、韓半島の南北統一こそ、世界平和と統一の鍵となるのです。ゆえに、韓半島の南北統一は、単純な政治的事件や課業ではありません。
39 これは、神様の救援摂理歴史の最終目的である地上天国復帰、すなわち共生、共栄、共義の理想世界実現への関門となる摂理史的歴史性を帯びており、地上世界を経ていった数多くの霊人たちとも関係のある立体的な課業であるのです。
40 したがって、大韓民国の統一は政治家によってのみ解かれていく問題ではありません。それゆえに、韓半島に絡み合っているこのような天の摂理をよく知っている私の夫、文鮮明総裁は、皆さんがよく御存じのように、一九九一年十二月初め、七日間の北朝鮮訪問を決行し、北朝鮮の統治者金日成主席と会って韓半島の統一問題に関連した天のみ旨、天命を通告したのです。
41 「『主体思想』では南・北韓を統一することはできない。文総裁が提示する『神主義』と頭翼思想である『統一思想』によってこそ南・北韓が平和的に統一され、全世界を主導することができる統一韓国となる」と説破され、彼らの常套句になっている六・二五北侵説に対しても、六・二五は、南侵であると正面から激しく反駁したのです。
42 私は、私の夫に従って全世界を歴訪し、各国首班と数多く出会ってきましたが、先回の平壌訪問の時は、本当に悲壮な覚悟と深刻な決意をもたざるを得ませんでした。私たち夫婦は、ちょうど聖書に出てくるヤコブが、彼を殺そうとする兄エサウを千辛万苦の苦難と知恵と精誠で感動させ、最終的には彼の心を動かし、お互いが和解したように、この北朝鮮の金日成との談判を成功裏に成就させました。
43 今や南北統一は政治家にのみ任せるものではなく、神様が干渉されるものとなったのです。私の夫、文総裁は、今も全世界的な基盤を動員して、神様のみ旨のままに南北統一を成就し、淫乱と退廃のない理想的平和の世界を建設するために、昼夜を分かたず努力しています。
44 満場の女性同志の皆さん! きょう、私がお話ししたこのことは、私と私の夫に従っている統一教会員だけが信奉する内容ではありません。全世界百六十カ国の各界指導層の人士と、数多くの青年男女がこの教えに従い、自由と平和のあふれる新しい統一の世界を創建するために汗を流しています。世界各所で、大韓民国が人類の真の父母の来られた国として既にあがめられ始めており、韓国の言葉と文化を習い、礼儀作法を学ぶために我が国を訪ねてくる外国人たちが急速に増えています。
◆ 統一世界を成す女性勇士とならなければならない
45 「世界平和女性連合」は、性道徳の退廃、麻薬の拡散、すべての淫乱や紊乱なる性関係によって私たちの家庭が脅威を受けているこの現実を救済するために、その根本的な処方をもって、去る四月十七日、ソウル・オリンピック・メイン・スタジアムで世界六十カ国の代表と十五万の韓国の母親たちが集まって創設された汎世界的な女性機構です。
46 私たちは、男性が女性を抑圧してきた堕落した社会風土と、すべての淫乱、退廃で腐っていく人類社会のあすを救うために、これ以上待つことはできません。真の父母、真の夫婦、真の子女の道理を学び、実践するための私たちの行進は、ついには世界平和家庭連合を結成しました。そして、五大洋六大州のこの地球星どこにおいても不倫と退廃が足をおくことができないようにしなければなりません。
47 そして、人類がエデンの園で淫乱という原罪を犯して以来、今日までずっと苦痛を受けてきたその悪の血統を清算した新世界を迎える準備を急がなければなりません。
48 今までは、人類を駄目にしてきた淫乱と不倫に対して、誰もが手をこまねいているだけでしたが、今や、この問題を完全無欠に解決することができる希望の新しい真理が私たちの生きているこの時代、我が韓国からわき出ました。真の御父母様によって明らかにされたこの新しい真理は、南北を統一し、平和の世界を建設する人類のともしびとなることでしょう。私たちすべてがこの新しい真理を知り、有史以来私たちを苦しめてきたこの罪悪の世界を終結させ、自由と平和と幸福のあふれる統一の世界を建設する女性勇士となるために総決起しましょう。
49 真のなる母の道を行きましょう。
真なる妻の道を行きましょう。
真なる娘の道を行きましょう。
大変ありがとうございました。
四 真の御父母様の再現と理想的家庭
この講演文は1992年7月6日から7月9日まで、韓国全土を四地域に分けて実施された「世界平和女性連合」大会でのみ言です。
1 韓鶴子総裁! 御来賓、そして満場の女性指導者の皆様!
2 きょう私は、韓総裁のお話を通じて大いに慰められました。天命に従い一筋の道を走ってきた私の生涯は、波瀾万丈の苦難の道でした。
◆ 天道を立てる道はみ旨のみのための寂しい道
3 天道を立てる道は、妥協のないまっすぐな道です。人間的な面目や人間的な威信を表面に立たせることのできない道であり、ただ神のみ旨のみのための寂しい道でした。
4 個人に運というものがあるように、家庭や国家にも家運と国運があり、さらには世界の運、そして天地全体には天運というものがあります。しかし、どんなに良い運勢をもって生まれた人であっても、家運が傾く時は、共に苦難を受けるようになり、個人運、家庭運の良い人であっても、より大きな国運が傾く時は、共に没落せざるを得ません。
5 さらにはすべてを包括し、あらゆるものの上にある天運の方向と進行によって、国家や世界の方向も決まるのです。ですから、この世で天道を立てるということは、すなわち個人や国家の行く道を天運に合わせることなのです。
6 今日、韓国の病弊や世界の問題を考えてみてください。経済不況、環境汚染、政治的な不条理、人種および宗教間の紛争、倫理道徳の退廃、価値観の崩壊など、様々な病弊や問題に対して、いったい誰が根本的に解決することができるのでしょうか。人間の知恵や努力のみではできないことです。お金の力や権力を集めても解決できません。むしろ、人類の病弊はだんだんと深まる一方なのです。
7 今や人間は、謙虚に天の声に耳を傾け、神が提示される解決の道を探さなければなりません。
8 この国と人類は私の教えを受け入れなければなりません。これは自分自らを誇るためのものではありません。神のみ意がそうなっているのです。神様は私を通して天道を明かしてこられましたし、また人類の根本問題に対する解答を与えてくださいました。
◆ 苦難と逆境の中で築かれた驚くべき道
9 私は過去におきまして、歴代の政権による迫害によって悔しくも牢獄生活をしてきました。そして一部のキリスト教の人たちの偏見と悪意に満ちた反対は様々なうわさを作り出し、本当に私の行く道が妨げられてきました。
10 しかし神様の守りがあって、私は世界的に奇跡的な勝利の基盤を築き上げてきました。これは、歴史始まって以来前例のない驚くべき基盤なのです。
11 特に、全世界のキリスト教を代表した国として準備されてきたアメリカの地において、かつて有色人種がもつことのできなかった記録的な基盤をもつことができました。もちろん私は、アメリカにおいて人種差別や宗教的な偏見による多くの苦難を受けたし、悔しくも監獄生活にまで耐えなければなりませんでした。
12 しかし私は、根こそぎ揺れるキリスト教の再建と、麻薬や不倫で重病を患っている青少年たちを教育訓練し、アメリカに希望を与えてきました。今やアメリカの政界において、誰も私の基盤を無視できないようになりました。
13 日本やヨーロッパにおいても同様です。既に、世界百六十カ国の宣教部は、それぞれの国において、信仰運動と共に倫理と道徳再建運動の表象となって発展しています。
14 私は一九八〇年代の初めから、ソ連帝国の滅亡をテーマとして世界的な学術会議を開くようにと提案してきました。一九八五年に発行された学術研究誌は、ソ連共産帝国の滅亡を最初に予言した世界的な資料となりました。
15 このような基盤の上でソ連を訪問してゴルバチョフと会いましたが、今はソ連の十五共和国の中で三共和国が統一教会を国教にしようという動きを見せています。
16 また、既に数万名の大学生たちが私の思想を勉強し、七百の大学で原理研究会という大学生の会が組織されました。高校の教師と生徒たち数万名も、今年に入って原理修練を受けています。
17 このようなことは、人間の力のみでできた結果でしょうか。これこそ、生きていらっしゃる神様のみ業が共にあった証拠なのです。徹底した無神論者たちが四泊五日の修練教育を通して、神様を中心とした人生観、宇宙観をもった人格者へと変わっていく奇跡が起こっているのです。
18 中国においても大きな基盤を築いてきました。重要な工業都市建設などが数十年前から準備されてきました。
19 また、昨年(一九九一年)十一月三十日、平壌を訪問して金日成主席と会ったのも、すべてが天命によるものなのです。
20 今まで南北統一のために誠を尽くしたのは、神様のみが知っていらっしゃることです。南北統一は可視的な南北の統一だけではなく、神様が中心となられた摂理的な統一なのです。南北統一は私が立てた基盤を通さなくては成し遂げられません。
21 摂理が要求する統一は統一自体が問題ではなく、統一の基盤の上に永遠な自由と平和と幸福と理想を咲かせるためなのです。ですから、力による統一や相手を不幸にさせる統一などではありません。相手のために尽くし、また尽くす真の愛による統一でなければなりません。
22 それゆえに、祖国統一は一個人や政党、政権の利益のために利用されてはなりません。私たちすべての愛の心の実践が北の地の同胞たちに届く時、真なる統一が訪れることでしょう。
◆ 世界平和を実現するために創設された「世界平和宗教連合」
23 女性指導者の皆様! 私は「ため」に生きる神様の真の愛を中心として、今日まで超教派、超宗派の和合運動を全世界的に展開してきました。
24 宗教間の和解や交流なくして、どうして世界平和が訪れるというのでしょうか! 今も中東、アイルランド、インドなどでは凄惨極まる宗教戦争が繰り広げられているではありませんか。
25 私は昨年(一九九一年)八月二十七日、世界のあらゆる宗教の最高指導者たちを集めて「世界平和宗教連合」を創設し、和合と協力で世界平和を実現できるように、宗教人たちの衆知を集めました。本当に意味深い団体なのです。
26 宗教はそれぞれの個別性も重要ですが、それに劣らずお互いに共通点も多いし、絶対者を追究する同じ目的をもっているのです。
27 すべての宗教は、神様がその全体摂理の目的下に立てたということが重要なのです。ですから、お互いに和合しなければなりません。
◆ 神様の救援摂理は原状を回復する復帰摂理
28 韓総裁の基調講演で言及されたように、キリスト教では「人間が善悪を知る木の実を取って食べ、すなわち不信の罪を犯して堕落した」と教えています。人間始祖は、堕落しなかったならば神様の貴い息子、娘、すなわち神様の王子、王女として神様の血統を受け継ぐようになるのです。また、彼らは父なる神の所有、万有も相続するようになります。
29 そして、彼らは成長して理想的な愛の夫婦となり、完成するようになります。しかし彼らは堕落することによって、神様の血統から逸脱し、神様の所有が奪われ、神様の心情を失いました。
30 神様の救いの摂理は原状へと帰る復帰摂理なので、人間は血統復帰、所有権復帰、心情圏転換の使命を担当しなければなりません。
31 結果的に人間は堕落することによってサタンと一体となり、アダムとエバはサタンについて地獄へ行くようになったのです。エバのあとには長子カインが、そのあとには次子アベルがついて行ったのです。
32 そこで神様の復帰摂理は、あとに出発した善側の象徴である次子を立てて、先に出発した悪側の象徴である長子を屈服させることにより、サタン分立の条件を立てつつ進めてこられました。
33 復帰摂理の根本は、血統と所有と心情を転換する復帰されたアダム、すなわちメシヤを送るところにあるのです。しかし本然の息子の心情的な立場を一遍に復帰することはできません。
34 僕の僕の立場から出発してだんだんと復帰していかなければなりません。サタンが権勢を振るっているこの世において、善側のアベルが僕の僕の立場から、真の愛をもってカインのために生きることにより、サタンも讒訴することができず公認するしかないように、その使命を果たさなければなりません。
35 そのようにして、僕の使命、養子の使命、庶子の使命、直系子女の使命を果たし、愛と情の秩序が復帰されていくのです。すべての段階においてサタンが讒訴できないように、真の愛をもってカインのために生きてこそ復帰が可能になるのです。
36 直系子女の立場からアベルがカインを屈服させて一つとなれば、その基台の上に母のエバが立ち、そのエバがすべての責任を果たした時、アダムが立てられます。こうして初めて神様がその基台の上に臨在することができるのです。そこに、八段階の縦的で必然的な復帰摂理の過程があるのです。
37 復帰摂理を横的な面から見ると、個人、家庭、氏族、民族、国家、世界、天宙、そして神様に至るまで八段階があります。
◆ 頭翼思想と神主義
38 イエス様は第二のアダム、メシヤとして来られたのですが、不幸にも選民イスラエルがイエス様のことを悟らずに、十字架上で亡くなるようにしてしまったのです。しかし再び来られる再臨主は、聖書の文字どおりに空中から雲に乗って来られるのではありません。今年(一九九二年)の十月二十八日に信じる者は空中に引き上げられるなどと宣伝している人がいますが、そのようにはなりません。私の言うことを信じなさい。絶対にそのようなことは起きません。十字架で行かれた主は十字架を通して再び来られるのです。
39 イエス様が十字架で亡くなられる時、十字架を中心として三種類の人々がいました。自ら罪を悔い改めてイエス様のことを証した右側の強盗がその一番目です。二番目は、罪人でありながらその罪を悔い改めずにイエス様を誹謗した左側の強盗です。そして三番目がバラバです。すなわち、彼は当然十字架につけられ死ぬべき罪人でしたが、ユダヤ人たちがイエス様を憎み十字架につけたことにより、代わりに恩赦を受けた者です。
40 再臨の時に、この三つの型が世界的に大きく拡大されて現れるのです。西欧キリスト教圏は、第一の型である右側の強盗の立場です。原罪はあるものの、主を信じる善なる立場なのです。無神論の唯物思想である共産圏は、第二の型の左側の強盗の立場です。中東のイスラム教圏は、第三の型のバラバの立場なのです。イスラエルがイエス様を十字架につけたことによって、神様が十二支派に分けてあげた中東地域を占めるようになったのです。
41 イエス様が亡くなられたことによって生じたこの三つの型の世界的な結実を、イエス様が復活された立場で来られる再臨主は、すべて収拾しなければなりません。
42 西欧キリスト教の収拾のために新しい宗教改革を起こし、また共産主義の無神論思想を克服して全共産圏を神側に取り戻さなければなりません。そのように左翼と右翼を克服して統一調和させる思想が、すなわち私が提唱した「頭翼思想」と「神主義」です。
43 既にお話ししたように、もはや頭翼思想によって左翼と右翼世界を収拾しているのです。また、偏狭で独断的であるイスラム教も歴史始まって以来初めて和解し協力し合えるようになり、去る四月には、中東の八カ国の代表が統一教会の合同結婚式にも参加するという奇跡が起きたのです。
44 堕落人間の罪悪を清算する祝福式を主催し、左右両陣営を収拾して歴史的な藤を解消し、さらにイスラム教圏とも和解する奇跡をつくり出したのです。これは人間の能力や計画などでできるものではありません。
◆ 再臨主であり、救世主であり、真の御父母様であることを言明
45 神様が私をメシヤとして立てられて、今日まで救いの摂理をされてこられたからです。私は再臨主であり、救い主であり、真の父母として使命を果たしてきたのです。時が来たので、このことをこの場で宣布するのです。
46 私の言うことに耳を傾ける者には幸福があります。この民族が私の言うことを聞けばこの国はどんなに良くなることでしょうか。為政者たちが私の話を聞けばどれほどいいでしょうか。聞くか聞かないかは各自の責任ですが、世界万民が私の話を聞くようになる時が来るのです。
47 多くの人々は、救い主は審判の権能をもって来られる方であり、また栄光の主であると言っていますが、それは間違いです。神様はこの罪悪世界を見たくなく、一瞬も早く審判をしてしまいたいとも思われます。
48 しかし、真の愛の神は、人間の永遠な生命のために常に心配されているのです。長い年月をかけて忍耐されながら、真の愛をもって自然屈服させる神様の心情を知らなければなりません。
49 堕落人間の側からは救い主ですが、神側から見れば天地創造の時に失ってしまった真の愛の創造理想を成す真の息子であり、真の父母となるのです。救い主は、堕落によってもたらされた神様の恨を晴らすために、生涯を懸けて犠牲の道を開拓してこられた方です。栄光の中にのみいらっしゃる方ではありません。常に神様の心情と共に痛哭し、サタンを屈服させるために心を痛められるお方です。
50 神様の創造目的を成し遂げるために心血を注ぎ、気をもんでいらっしゃいます。救世主は、失った子女を探してサタン世界をさまよいつつ、僕の僕の姿をもって悲しんでいらっしゃる神様のことを誰よりも知っているので、神様の心情がそのような恨から完全に解放されない限り、栄光の立場に立つことができないのです。
51 世界平和女性連合の指導者の皆様! 皆さんの中には連日の大会で苦しみを感じ、十日余りも待たず、またこのような大会を開くということで不平を言ったりする者がいるかもしれません。しかし、私と共に毎日誠を尽くせば、神様の善なるみ旨が成し遂げられるのです。
◆ 真の愛で真なる家庭理想を完成してこそ
52 私は皆さんを利用するつもりはありません。むしろ皆さんが私を必要とすることでしょう。韓総裁と一体となり、その分身となって、皆さんの家庭から子女を正しく教育し、夫を正しく導かなければなりません。そうして、皆さん一人一人が真の愛の理想のもとに、神様の祝福を受けることができるようにと願うのです。
53 私の最大の関心事は、皆さんの各家庭が真の愛で一つになり、真の家庭理想の完成を成すことです。
54 「世界平和女性連合」を中心として、各国において、市、郡、面、里、そして洞、統の指導者によって、道義が再建され、真の愛の実践運動が展開されるならば、それ以上の愛国運動がどこにあるというのでしょうか。麻薬追放、禁酒禁煙運動、歓楽街の撤廃、指導者たちの不道徳の一掃、青少年の脱線防止、正しい道徳運動の展開など、私たちのやるべきことは山ほどあります。
55 各国社会が女性指導者の皆さんによって浄化され、真の愛により和平を成した時に、初めて世界統一の宿願も成就されるのです。そればかりでなく、女性が世界を指導し、また平和な世界が成されることでしょう。
効果的な女性連合運動にするためには
56 女性指導者の皆様。私は今日まで、自分が実践していないことを弟子たちに指示したことはありません。ですから皆さんが、私の百分の一でも真の愛を実践して大いなる救いの運動を広げるようにお願いします。
57 一番効果的な女性連合運動の単位は面と洞、そして里と統です。このような基本単位から、真の愛の運動が班を越えて家庭にまで定着するようになるのです。このようにして、本来堕落しなかった本郷に帰ってきて、神様と分立された家庭を取り戻して永遠定着をするようになります。
58 今日まで神様は多くの御苦労をしてこられました。完成したアダムを育てるために、ありとあらゆる御苦労をしてこられました。そのようにして真の父が生まれたのです。真の天の男性が生まれたのです。
59 サタン世界の男性たちは、その人が真の新郎であり、主人であり、地上と天上天国の王として来られる方であることが分かるので、世界を代表した個人、家庭、国家、世界、天宙を合わせて滅ぼそうとするのです。
60 その方はサタンの迫害、謀略、中傷を歴史的に受ける立場から、個人、家庭、国家、世界、天宙的勝利を収めて神様と一体となり、歴史上で初めて勝利者となって、サタン世界の個人、家庭、国家、世界、天宙を取り戻してくるようになりました。
61 さらに、真の父のあとに従ってくる立場にいた真の母も、歴史上初めて対等な立場に立たれて、全世界に女性解放を宣布することによって、真の父と母が子女を率いて神様の前に出て、天の全権と全能を相続して、本然の家庭を出発し、氏族と民族、国家、世界、天宙を取り戻してみ旨の完成世界を再編成するのです。
62 すべての男性は天使長の立場にいるので、すべての女性を返さなければならない立場に立つようになります。完成したエバである真の母の分身の立場に立った全女性は、真の母と一体となった条件でもって、真の父と一体となった条件を取り戻すことにより、真の父母の思想で息子、娘を教育しなければなりません。
◆ 真の父母の家庭と一体となって、創造理想の家庭を復帰しよう
63 このような教育を通して息子、娘が真の息子、娘となり、母と子が一体となることによって世の中の父を再教育し、再び真の父母の祝福を受けて接ぎ木する立場で、真の父母の家庭的道理を体得するようになるのです。
64 アダムとエバは家庭において堕落したので、復帰も家庭から成さなければなりません。
65 里、統、班を越えて家庭に定着しなければならないのです。ゆえに家庭で真の父母と出会わなければなりません。真の父母は個人の峠、国家の峠、世界の峠、天宙の峠を勝利的に越え、再び天宙から世界、国家を経て、家庭を救うために来られるのです。そのために準備されたのが今回の大会なのです。
66 去る四月十日の大会は、真の御父母様の世界大会であり、国家、道、市、郡大会、続いて面、里、班大会を経て、家庭にまで至らなければなりません。
67 「世界平和女性連合」の組織の責任者は、真の御父母様の家庭と一体となることで家庭復帰が可能になり、完成した勝利者となります。
68 そうして、それを氏族に連結させなければなりません。既に真の父母が全国と世界に氏族的メシヤを配置したので、彼らの教育を受けて一体となれば国家復帰も自然に可能になるのです。このようにして南北統一はもちろん、地上と天上の統一を成してこそ神様も解放され、初めて神様を中心とした太平の代を迎えるようになるのです。
69 新郎として来られた真の父のみ前に、真の母と全女性が共に新婦の立場に立ち、創造理想的家庭を成しましょう。
70 ぜひ、「世界平和連合」の会員となって祝福を受ける家庭となりますようにお願いいたします。ありがとうございました。
五 真の父母と成約時代
この講演文は1993年5月から国連の総会議場、アメリカ議会、韓国の40大学を含む43カ国、115都市、また1994年3月、アメリカの九大学などで文鮮明先生御夫妻によって宣布されたみ言です。
1 尊敬する来賓、そして愛する大学生の皆さん! 最初に、この場に招いてくださった主催者側と、ここまで来てくださった皆さんに心から感謝を申し上げたいと思います。本人も、皆さんのような愛らしい子女を育てている母として、清い夢と高い理想をもって未来の歴史を創造しようと努力する皆さんの姿の前に、感動を受け、心から祝福を捧げたいと思います。
◆ 神様が被造世界を創造された目的
2 この世のすべての父母が子女に望むものがあるとすれば、それは子女が無事に育ち、幸福なほほえみの中で楽しく美しく生活することです。しかし、胸の痛いことに、今日私たちが暮らしているこの世界は、平和で幸福というよりも、藤と罪悪で満ちています。社会は、倫理道徳の退廃と家庭破綻から派生した数多くの問題に直面しています。それで、このような問題を解決するために多くの人々が努力してきましたが、いまだその解決方法を見つけることができないでいます。なぜでしょうか。
3 その理由は、私たちが苦痛と不幸の病状だけを見ているだけで、その根を見つけられずにいるからであり、さらには宇宙の根本であられる神様を知らなかったからです。
4 ゆえに、この根を探し出すためには、まず神様の創造目的を知らなければなりません。そして、今日私たちが生きているこの時代が神様の摂理歴史上、とても重要な転換期にあるということを理解しなければなりません。
5 神様が人類の最初の先祖となるアダムとエバを創造された理想とは、彼らがみ言に従って完成し、真の愛、真の生命、真の血統を備えた善の家庭を立てるところにありました。そのような理想的な善なる家庭は、家庭全体が神様の前に心情的に一つとなった土台の上においてのみ現れるのです。
6 知ってみれば、神様が被造世界を創造された目的は、愛の相対を探し立てることでした。父母と子供、夫と妻、そして世の中のあらゆる万象をすべてペアとして造られた目的は、真の愛を実現しようとするところにあったのです。ゆえに、父母は子供のために生きるようになっていて、その子供は父母のために生きるようになっているのです。また、夫は妻のために、そして妻は夫のために生きなければならないのです。
7 このようにすべての被造万物は互いのために生きなければならないのであり、相手に与えながら生きるように創造されました。
8 このように創造されたアダム家庭で、神様を中心とした真の愛の理想が成し遂げられていたならば、正にその家庭が天国の始発点となり、そのような天国家庭が歴史的な発展を経て、氏族、民族、国家、世界的に拡大されていたことでしょう。さらに、地上だけでなく霊界においてもそのような天国理想が成し遂げられていたことでしょう。このように、神様の愛の理想が完成していたならば、メシヤはもちろん、神様の救援摂理も必要はなかったはずです。そして、アダム家庭は一つの家庭にすぎませんが、その家庭がすなわち氏族、民族、国家、世界の中心になっていたことでしょう。
9 アダム家庭は、正に未来に生まれるすべての家庭と、神様の理想世界を実現するモデルでした。
10 ところが、神様がアダム家庭を中心として成し遂げようとされた真の家庭の理想と天国は、アダムとエバが堕落して原罪を犯し、神様から離れていくことによって成し遂げられなかったのです。
◆ 神様の救援摂理の目的
11 人類の先祖が堕落することによって、神様の救援摂理が始まりました。救援摂理歴史は、旧約時代、新約時代、そして今日の成約時代に至るまで、複雑で悲しい路程を経ながら、延長に延長を重ねながら流れてきました。堕落のゆえに、今日の世界も、神様が理想とされた善の世界とはあまりにも掛け離れた、罪悪と偽りに満ちあふれた利己的な愛のみが氾濫する世界となってしまいました。
12 これは、アダムとエバが、サタンを中心として利己的で偽りの愛を土台とした偽りの父母となったからです。彼らは悪を繁殖させ、偽りの家庭を成し、子孫に偽りの生命と偽りの血統を授けたのです。
13 ゆえに、神様の救援摂理の最も重要な目的は、神様の真の愛を中心として復帰されたアダムとエバを代表する一人の男性と一人の女性、すなわち真の父母を探し立てることであり、彼らを中心として真の家庭を成すことです。そのようになれば、その家庭を始発点として、真の氏族、真の国家、真の世界が広がっていくのです。言い換えれば、神様の真の愛、真の生命、真の血統として育つことができる種が創造されなければならないということです。
14 聖書を注意深く読んでみると、人間の堕落とは、アダム家庭全体を失ってしまう結果を招来したものだということを知ることができます。第一に、アダムとエバが堕落することによって理想的な父母の位置を失ってしまい、第二に、カインがアベルを殺害することによって理想的な子女の位置を喪失してしまいました。理想家庭を通じて完成した世界を成し遂げようとされた神様の計画が、崩れた結果となったのです。
15 したがって神様は、根本家庭を復帰するためにカインとアベルの位置を復帰し、真の母と真の父の位置を探し立てなければならないのです。また、これは、堕落の反対の経路を通じて摂理しなければなりません。
16 カインとアベルを和解させて一つにする類型こそ、真の父母を復帰する基台となっていて、これは、復帰摂理歴史を通じて一つの公式となっているのです。
17 ユダヤ教、キリスト教の歴史を詳しく調べてみれば、堕落した人類は、カインとアベルのような対立関係の分立歴史を繰り返してきています。神様は、堕落した人類を、サタンを象徴するカイン側と神様を象徴するアベル側に分立させ、その次にこれらを正しい位置で和合させることをもって堕落によって生じた憎悪を除去してこられました。
18 神様は、常にアベル側が先に打たれて犠牲となる作戦を使ってこられました。その結果として、アベル側は、自らが犠牲となったその基台の上でカイン側を包容し、長子に与えられた祝福まで復帰するようになるのです。
19 なぜなら神様の戦略戦術は、先に打たれ、あとから勝利することによって損害賠償まで受けるものであり、サタンの戦略戦術は先に打つのですが、最後には滅びるものだからです。
20 迫害というものは、敵の所有権を相続する神様のもう一つの戦略です。第一次、第二次世界大戦や思想戦を含んだ第三次大戦も、先に打ったほうが滅びました。統一教会は、このような神様の戦略戦術によって発展してきました。
21 救援の目的を中心に一番先を走る宗教は、常にサタンから激しい迫害を受けました。しかし、真の宗教は、そのような反対をものともせず、罪悪の世界を救援するために、絶え間ない犠牲の努力を尽くしながら、善の版図を広げてきました。
22 神様は、分立された二つの側が互いに争い、一方が勝利してもう一方が征服されることなく、和合することによって一つとなることを常に望まれています。そのように二つの側に分けられた例を挙げるなら、十字架上のイエス様を中心として、アベルの立場になった右側の強盗、カインの立場になった左側の強盗を挙げることができます。世界的に右翼(自由世界)と左翼(共産世界)を代表して最後の闘争を繰り広げている韓国と北朝鮮の対決がそれであり、さらには中東でのキリスト教とイスラム教の対決も挙げることができます。
23 したがって、神様の復帰歴史の中で最も問題となるのは、このように分けられた二つの側を、神様の理想を中心としていかにして再び一つに統一させ、真の母と真の父を探し立てることができるかということです。
神様の復帰歴史は個人から始まる
24 大学生の皆さん! もし家庭が神様の真の愛の理想を中心として立っていなければ、家庭間に衝突が生じるようになります。神様の愛を絶対的に中心としなければ、結局その家庭は崩壊してしまうのです。さらには、そのような家庭が集まってできた国も、衰亡の道を歩むようになります。最初のアダム家庭が不倫をして利己的な愛の奴隷になったので、利己心と欲望は、個人、家庭、社会、国家、世界的な次元で人類歴史を常に汚してきたのです。
25 正にそのような理由から、神様の復帰歴史は個人から始まったのです。ところで、サタンもそれを知っているので、人間個々人の次元から集中攻撃をするのです。末世に処している今日、利己的な個人主義が普遍的生活様式になってしまっているのも、決して偶然ではありません。人々は日を増すごとに周囲から次第に疎外感を感じるようになり、彼らの属している国家、社会、そして甚だしくは自らの家庭に対しても責任感を感じなくなっています。離婚率が日に日に増加しているという事実は、夫婦が互いに結婚に対する責任感を感じていないという証拠であり、父母は、子供に責任をもとうとせず、個人は、自らに対する責任さえももとうとしないのです。
26 このような現象は、アメリカにおいて一九六〇年代の青年運動とともに現れ、次第に世界へと広がっていきました。理想を追い求める若者たちは、愛と平和を追求するからといって物質主義を排斥して立ちはしましたが、その過程で彼らは、物質だけでなく人間の道徳性や責任感までも捨ててしまいました。そして、自分たちの追求してきた愛と希望を見つけることができなくなるや、多くの若者たちは、自殺、麻薬中毒、フリーセックスへと陥ってしまいました。このような現象の中でも、神様の胸を最も痛めているのがフリーセックスです。
27 愛というものは、純粋な情緒の刺激から誘発されるべきものですが、フリーセックスは、純潔や真の愛の秩序とは全く関係のないものです。
28 ところで、神様のみ旨を成すために活動している人々は、これとは正反対の、一八〇度異なった人生を生きています。歴史を調べてみれば、自らの犠牲を甘受しながら霊的な価値を追求する道を歩んできた人々は、周囲から言葉に表せないほどの反対と迫害を受けてきました。
29 神様の愛と祝福が共になかったならば、統一教会も、世界的な反対の中で、今日のような発展を遂げることはできなかったはずです。統一教会が戦争の灰の山と化したこの地から無名の教会として出発し、たった三十八年間で今日世界的な宗教として登場したという事実、それ自体のみ見ても神様の絶え間ない導きと御加護があったことを知ることができます。
◆ 蕩減条件は必ず反対の経路を通じて立てるようになる
30 大学生の皆さん! 聖書を見れば、エバが最初に神様の命令に背き、サタンと関係を結んだとなっています。堕落によってエバはもちろん、アダムと彼の息子、カインとアベルまでも利己心と偽りの愛を中心としたサタンの血統を受け継ぐようになりました。このようにサタンによって本来の軌道から離脱した先祖、アダムとエバの後裔である私たち人類は、誰彼を問わずサタンの血統を受けて生まれました。ヨハネによる福音書第八章四十四節で、イエス様が「悪魔から出てきた者」としかられたのは、すなわちこのような理由によるのです。
31 旧約では、救援摂理歴史が「目には目を、歯には歯を」という公式に従って展開してきたものとして説明されています。「統一原理」では、このような過ちに対する償いを「蕩減条件を立てる」と表現しています。そして、蕩減条件は、必ず反対の経路を通じて立てるようになっています。
32 エバは、自らの堕落行為を反対の経路を経て再び正し、堕落のすべての段階段階を霊肉両面で復帰しなければなりません。それをするためには、エバは、次子アベルをして神様のみ旨に従うように協助しなければなりません。
◆ エサウとヤコブを通じた長子復帰摂理
33 私たちが創世記を読んでみると分かるように、神様は、アベルの捧げた祭物のみを受け取られ、カインの祭物は受け取られませんでした。これは、アベルがそのように期待してなったことではありませんでした。天のみ旨は、カインが、アベルを神様が選ばれた者として認め、彼と愛で一つになるところにありました。もし、この時にカインとアベルが一つとなっていたならば、堕落によって引き起こされた二つの問題のうち、後者は、その時に解決されていたはずですし、神様は、アダムとエバの問題だけを中心に役事することができたのです。
34 エバは、カインとアベルを一つにして、真の父母のための基台を造成しなければなりませんでしたが、生前にその使命を果たすことができませんでした。したがって神様は、復帰歴史を通じて、誰かほかの女性が現れて堕落したエバの代わりに蕩減を払うようになることを待ちました。
35 聖書は、イサクの夫人リベカを、神様の仕事をした偉大な女性のうちの一人として描写しています。リベカはエサウとヤコブの母として、イサク家庭でアダム家庭のエバと全く同じ立場に立っていました。しかし、リベカはエバとは反対に、神様の摂理を理解し、アベルの立場に立っている次子ヤコブを助け、本来は長子であるエサウに行くようになっていた祝福をヤコブが受けられるようにしたのです。当然自分に来るべき祝福が弟であるヤコブに行くや、エサウは、カインがアベルを殺害したようにヤコブを殺そうとしました。
36 しかし、この二人の兄弟は、母リベカの助けによって血を流すのではなく、反対に温かい兄弟愛をもって和解をしたのです。神様から見るとき、この劇的な和解こそ重要な勝利でした。しかし、それは完全な勝利とはなり得ませんでした。
◆ ペレヅとゼラを通じた血統転換
37 なぜならば、彼らの和解は血統転換の立場から見れば、どこまでも象徴的なものにしかなり得なかったからです。実体的な血統転換は、母のおなかの中から完成しなければなりません。正にここに、タマルを中心とした逆説的な事件が起きた理由があるのです。
38 リベカのように、タマルも堕落したエバの立場におかれていました。この点を理解すれば、イエス様がなぜ、タマルの血統を受け継いだユダの支派から生まれるようになったのかを理解することができます。
39 皆さんも、タマルの双子の息子にまつわる話を聖書で読んだことがあると思いますが、彼女は 舅 であるユダと同衾して双子の息子ペレヅとゼラを身ごもりました。聖書によれば、この二人の息子は、母の胎内から長子権をめぐって争ったと記録されています。
40 タマルの出産過程をよく見てみると、ゼラの手が先に出てきたので産婆がその手首に赤いひもを結んであげるや、再び母のおなかの中に入っていき、手首に赤いひもを結んでいないペレヅが先に生まれ、結果的に次子となるべきであったペレヅが長子の位置を占めるようになりました。このようにして、出生前の母胎からカインとアベルの位置が替わる摂理が成し遂げられたのです。
41 そして、正にその時に立てられた条件のゆえに、イスラエル民族がメシヤを迎えることができる選民国となったのです。
42 伝統的な道徳観から見れば、リベカとタマルにまつわる話は、多くの疑問を内包しています。そして、なぜ神様がそのような女性たちを祝福してくださったのかということは、今日までの神学界の謎となっています。
43 既に私たちが理解したように、神様はイエス様をこの地上に送られるために、その失われた血統をサタンから再び取り戻す準備作業が必要でした。そして、正にこの二人の女性の勝利こそ血統転換の勝利を意味し、イスラエルの勝利を意味しているのです。そして、このように探し立てられた真の愛の血統基盤の上にイスラエルの国が大きくなっていくのです。
神様の完全なる直系の血統から生まれたイエス様
44 それからユダの血統は、子々孫々発展を重ねながら、氏族、民族、国家基準へと拡大していき、正にこの血統の中で二千年後、イスラエルに聖母マリヤが生まれました。マリヤは、家庭、氏族、国家基準までみ旨に合った蕩減条件を立て、長子権を復帰するためにカインとアベルを一つにつなぐ責任を負わなければなりませんでした。マリヤは神様の命令に従ってイエス様を懐妊しましたが、ほかの人の目から見るとき、彼女は父母と約婚者ヨセフを裏切った立場でした。
45 その当時は、女性であれば誰でも、もしほかの男性との間に子供を身ごもるようになれば、石で打ち殺すことがしきたりになっていました。しかし、アダムの立場にあったヨセフは、彼の約婚者であるマリヤを拒絶することなく、むしろ保護し、守ってあげました。
46 マリヤの信仰とリベカとタマルの貢献で、サタンは、マリヤの胎内に入っているイエス様に対する所有権を主張することができなくなりました。
47 イエス様は、神様の完全な直系の血統から生まれました。イエス様は、堕落した血統を善の血統へと転換させたのちに生まれた神様の最初の息子です。正にこのような理由により、神のひとり子として生まれたイエス様は、すべての聖人の中の聖人であり、真なる血統の先祖となります。
48 マリヤは、堕落したエバを復帰する位置にまで行かなければならない立場から、アベルの位置に立っていたイエス様と、カインの位置に立っていたイエス様のいとこ洗礼ヨハネを一つにしなければなりませんでした。この二人が一つになることは、イスラエルの国民たちとユダヤ教がイエス様をメシヤとして受け入れるための決定的な鍵でした。
◆ 洗礼ヨハネの使命
49 イエス様が弟子たちに言ったように、洗礼ヨハネの使命は「来られる主の道をまっすぐにするためにエリヤが先に来る」という旧約聖書の預言を成すことでした。ルカによる福音書にも、洗礼ヨハネはエリヤの権勢と使命をもってきたと書かれています。
50 しかし、洗礼ヨハネは、自分がエリヤであることを否認し、ヨルダン川でイエス様に洗礼を授けるとき、神様からはっきりと啓示を受けたにもかかわらず、イエス様がメシヤであることを疑いました。
51 その当時の人々の目に、洗礼ヨハネは宗教指導者として大きな尊敬を受ける人物である反面、イエス様は貧しい大工の家に生まれた私生児として映りました。今日でもイスラエルにはキリスト教徒が二・八パーセントにしかならないのに、その当時のユダヤ人たちが洗礼ヨハネの助けなくしてイエス様を信じて従うことは不可能なことでした。
52 したがってイエス様は、洗礼ヨハネが不信した状況で、自分がメシヤであることを自ら宣布していかなければならない難しい道を選択せざるを得ませんでした。洗礼ヨハネはイエス様を助けて、彼がイスラエルの宗教指導者として登場できるようにしてあげなければなりませんでした。
53 もし、その当時、洗礼ヨハネが使命を完遂していたならば、アベルの立場にあるユダヤ教とカインの立場にあるイスラエルがイエス様を中心として一つとなることができていたはずです。そして、そのようにさえなっていれば、その時に小羊の婚宴の基台ができ、イエス様は人類の真の父となり、新婦は人類の真の母となっていたことでしょう。
54 イエス様の祝福は七年以内、すなわち彼が四十歳になる前に世界的に急速に伝播され、アジアとローマまでも探し立てることができるようになっていたことでしょう。そして、究極的にはイエス様は彼の新婦と共に、個人天国、家庭天国、氏族天国、国家天国を成し遂げていたはずです。
55 しかし、このような栄華の夢は実現されずに終わってしまいました。宗教人と自任するユダヤ人と祭司長たちは、イエス様のみ言を拒否し、あげくの果てには十字架に追い込んでしまいました。イスラエルの不信に直面したイエス様は、人類のための霊的救援の道だけでも開いてあげるために十字架上に命を投げ出しました。しかし、霊肉両面の救援をすべて成し遂げるためには、イエス様は再び来られなければなりません。このような理由から、人間の心はイエス様を通じて神様のそばに行くことはできても、体はいまだ悪の誘惑圏内に属しているのです。
56 使徒パウロのような方も、肉身の欲望と心の欲望が互いに矛盾の中で藤を感じている点をおいて苦悩しました。成約時代の始まりとともに何よりも重要な問題は、私たちすべてが霊肉共に救援を受けなければならないということです。
◆ 第二次世界大戦と再臨主の顕現
57 イエス様が十字架上で亡くなられることによって左翼と右翼の闘争が始まりました。これはアダム家庭の堕落によってカインとアベルに分立しなければならなかったことと同じです。また、キリスト教とイスラム教が出現して争いを起こしたりもしました。イエス様が十字架上で亡くなられることによって引き起こされたこのような分立闘争は、イエス様が再臨されればすべて統一されることでしょう。
58 神様は、このようなイエス様の再臨を準備するところで、世界的なカインとアベルの成功的な和解を必要としました。第二次世界大戦の時に起きた一連の事件を中心として、このような摂理が展開されました。キリスト教圏を代表した英国・米国・フランスの連合国はアベルの位置に立ち、枢軸国であるドイツ・日本・イタリアは軍国主義の影響を受けてカインの位置に立っていました。
59 この戦争は、このようにカインとアベルの対決が世界的に拡大したことを意味しています。連合国が勝利したのち、キリスト教を中心として世界平和を具現するための大々的な努力がありました。
60 当時イギリスは世界的なエバ国の位置にあり、フランスとアメリカはそれぞれカイン国とアベル国の位置で、共に再臨主を迎えることができる準備を完了した状態にありました。
61 しかし、そのような準備にもかかわらず、神様の摂理はその当時に成し遂げることができませんでした。天を身代わりして神様のみ言をもってきた一人のお方がいたのですが、その方は言い表せないほどの迫害と世界的な無理解を受けてしまったのです。二千年前にイエス様が受けられた立場と全く同じでした。
62 イエス様の当時、イスラエル民族が天から火の車に乗って再臨するエリヤを待っていたように、キリスト教徒たちは再臨の主の顕現も、御自身が直接天から雲に乗って降臨されるものとして信じていたのです。
63 しかし、ヨハネの黙示録を見れば、イエス様は弟子のヨハネに御自身が「新しい名前をもってくる」とおっしゃられた一節があります。これはすなわち、エリヤが洗礼ヨハネとして顕現したように、イエス様も再臨する時には、ほかの人の姿をもって来られるということを意味するものでした。
64 神様は私の夫を選ばれ、韓国のキリスト教徒たちに新しい真理のみ言を伝えるようにされました。しかし、キリスト教界の指導者たちは、当時単なるみすぼらしい青年にすぎなかった私の夫がそのような新しい真理を伝えるために選ばれているかもしれないというその可能性を黙殺してしまいました。
65 新約時代は旧約時代の延長であるために、当時のユダヤ人たちがイエス様の権限を信じることができなかったように、韓国のキリスト教指導者たちも再臨主が人間の姿をもって地上に生まれるという事実を信じることができなかったのです。
66 もし、その当時のキリスト教と私の夫が一つになっていたならば、地上世界はもちろん、天上世界においてまでも天国が成し遂げられていたことでしょう。新約時代が終わった一九四五年から一九五二年までの七年間で、全世界が神様の摂理によって一つに統一されていたはずです。
67 しかし、その当時の宗教指導者たちは、私の夫と一つになるどころか、私の夫の教えを調べることもせず、盲目的に嫉妬し反対しました。それだけでなく、私の夫に対する淫乱と貪欲のルーマー(流言)まで捏造して広めたのです。
68 神様は、キリスト教を育てて発展させ、再臨主のための道を築かせるために、アメリカのようなキリスト教絶対圏の国家を育成しました。たとえ彼らが悟ることができなかったとしても、その当時、韓国の牧師たちは全世界のキリスト教を代表した位置に立っていました。
69 第二次大戦後、アメリカと世界のキリスト教が私の夫と一つとなることができなかったために、アメリカとキリスト教は、その時から斜陽の道をたどり始め、道徳的権威も失墜し始めたのです。
70 第二次大戦後、アメリカとキリスト教は、カインとアベルが一つとなった勝利的基台の上に立っていました。ゆえに、再臨主を迎える時が熟していたのです。しかし、彼らは再臨主を迎えるのに失敗し、つられて世界が私の夫の活動を反対しました。それにより私の夫は荒野へと追い出され、どん底まで落とされたのですが、再び上がってくるようになりました。
◆ 韓国動乱と冷戦の始まり
71 そして、韓国動乱と、併せて冷戦が始まりました。第二次世界大戦の時と同じように、再びカイン圏とアベル圏に分けられました。十字架上でイエス様を不信した左側の強盗のように神様を拒否する共産主義がカイン型の世界を代表して現れました。一方、神様の実存を信じる基盤の上に立てられたキリスト教民主主義は、イエス様の右側の強盗のようにアベル型の世界を代表するものです。再び来られる主は、神様のみ旨に従ってこの敵対関係にある二つの世界を一つにしなければなりません。その中心地が南北に分断された韓半島です。
72 ここでは蕩減原則に従って二人の父が対決しています。北側のカイン側の父(金日成主席)と南側のアベル側の父(文鮮明先生)が一つとなって神様を中心として世界平和の基地をつくらなければなりません。二人の父の統一は、共産と民主の統一だけでなく全世界の統一に関連しているのです。
73 国連十六カ国の参戦も、人類の祖国を統一するために成されたことです。第二次世界大戦の時には、キリスト教を中心とした英国・米国・フランスが中心でしたが、その失敗を復帰するために今度は統一教会の統一運動によって、民主世界を代表して再び選ばれたエバ国家・日本と、アベル国家・米国と、カイン国家・ドイツと、自由世界とが一体となって世界的なアダム国家である韓半島の統一を成し遂げなければなりません。
74 そして、人類始祖の堕落を蕩減するために、母であるエバは兄弟であるカインとアベルを再び生んであげなければなりません。それゆえに、日本が戦後五十年間、民団と朝総連をもっているのです。そのようなエバ国家・日本と、アベル国家・アメリカと、カイン国家・ドイツを中心として、この兄弟たちを一つにしなければなりません。さらにはアダム国家までも統一してアダムとエバ、カインとアベルの基準を国家的に蕩減して東洋文明圏と西洋文明圏を包容して世界平和を指向する太平洋文明圏を建設しなければなりません。
◆ 冷戦時代を終結するための真の父母の道
75 それで、韓国で生まれた私の夫は、統一教会を動員して、自由世界を象徴する右翼と共産世界を象徴する左翼との対決を終結させるために最善を尽くしてきました。また私たちは、ユダヤ教とキリスト教を身代わりした立場で、イスラム教徒との和解を促進することもしてきています。
76 この冷戦期間中、私の夫は、メシヤを迎えるための失われた基盤を探し立てるために、個人から家庭、氏族、国家、世界、そして天宙的次元まで、壁を突き崩すための闘いをしました。これをするためには、少なくとも四十年の歳月を必要としました。この四十年間で、私の夫は、イエス様誕生までの四千年歴史と、創世からの聖書歴史六千年を蕩減復帰したのです。
77 このような蕩減を払ったのちに、初めてカイン型国家とアベル型国家の和解を迎えるようになり、最終的に冷戦の終結をもたらすようになったのです。この課業は、ついに一九八八年、世界百六十カ国が参加したソウル・オリンピックと時を同じくし、韓国と統一教会により摂理的に完了しました。
78 振り返ってみれば、このことが北朝鮮と韓国が百六十番目と百六十一番目に国連に加入することができる条件となりました。
79 過去数十年の間、私の夫は言葉で表現できないほどの無理解の中で生きてきました。北朝鮮共産主義の治下で強制収容所に引っ張られていき、三年間も獄中の苦労をし、神様の仕事をしている中で無実の罪で六回も監獄生活をしました。その上、言論は、私の夫が「個人の利益のために若者たちを洗脳する悪魔のような者」であると悪評をまき散らしました。
80 「文鮮明牧師こそ、全世界的に最も多く迫害を受けた宗教指導者である」と言えば、皆さんの中で異議を唱える人はいますか。私の夫がいかに苦痛を受けてきたかを思うと、私の胸は張り裂けそうになります。しかし、私の夫は、「神様の摂理を遂行してきた方たちが受けた迫害に対して、神様がより深く理解されるならば」と言って、むしろ私を慰めてくれます。
81 旧約時代と新約時代を含めて、過去歴史上のすべての失敗を正すために、私の夫と私は、蕩減の道を歩んできました。
82 キリスト教文化を根として立てられたアメリカを新約時代に比喩するならば、韓国は旧約時代に比喩されます。それで最初の二十年間、私の夫は韓国で、イスラエルの国のような立場にある韓国と、ユダヤ教のような立場にある統一教会を中心として、旧約時代を蕩減する路程を歩みました。この基台の上で、私たちは一九六〇年、国家的な次元で真の父母の聖婚式を成しました。
83 その後一九七一年、私は夫と共にアメリカに渡りました。そしてその後二十年間、私たちはアメリカで新約時代を完成し、成約時代を出発するための蕩減路程を歩みました。その結果、私たちは神様を中心とした真の愛、真の生命、真の血統の根源となる真の父母の家庭を探し立てることができました。
84 大学生の皆さん! 今日、復帰摂理歴史の転換点で、真の母の位置にいる女性は、真の父を迎えることができる基盤を造成しなければなりません。キリスト教が新郎を迎えるのに最初に失敗したのち、神様の摂理は四十年延長し、一九九二年まで来ました。この期間、私は失われた世界的新約時代を探し立てるために、韓国、イギリス、アメリカ、フランス、日本、ドイツ、イタリアを一つにしようと祈祷しながら努力してきました。
85 そのようにして一九九二年四月、私の夫と「世界平和女性連合」を創設し、世界的に女性時代の到来を宣布しました。
86 その土台の上で、昨年(一九九二年)一年間、私は真の母の心情をもって、先に列挙した七カ国はもちろん、ロシアと中国、オセアニアまで訪ねていき、現地の女性たちを動員して「世界平和女性連合」の支部を創設しました。
87 このようなことを中心として、第二次世界大戦の時からカインとアベルの関係に分立されていた国々が真の母を迎え、戦後失われていた新婦の基台を復帰して真の父を迎えることができる基盤ができあがりました。このように勝利した世界的な基盤の上で、最初の真の父母となったことを宣布します。今、世界は成約時代へと入り、私たちは再び神様をお迎えして生きることができるようになりました。
88 このように歴史的な転換点に立っている私たちは、神様を中心として個人の心と体が統一されなければならない原理を世界的な次元で実践しなければなりません。このような目的を達成するために、私たちは世界平和を具現する二つの機構を創設しました。
89 その一つである「世界平和宗教連合」は、心の世界を代表する機構です。神様の愛を土台として、世界宗教を一つにつなぐという内的な使命を帯びている組織です。もう一つの「世界平和連合」は、体の世界を代表する機構であり、世界的な政治、経済、言論、学術、科学分野の指導者たちと共に、理想社会を建設する外的な使命を帯びています。この二つの世界的機構の結実は、完成のために本源的出発地である真の愛の家庭を訪ね求めていかなければなりません。
◆ 歴史的最初の真の家庭完成の宣布
90 神様の前で、縦的な観点から愛を説明するならば、アダムとエバは自分たちの内において子女の愛、兄弟の愛、夫婦の愛、父母の愛、このような四大愛を成熟させ、神様と直接関係を結んで生きるようになっていました。したがってアダムとエバは、本来神様の真の愛を中心として、四大心情圏、すなわち完成した子女、完成した兄弟、完成した夫婦、そして完成した父母の心情圏を経て完成した家庭を成さなければならなかったのです。
91 アダムとエバは家庭において標本とならなければなりません。子女たちは、父母となった彼らを理想的なモデルとして侍って生きなければなりません。子女たちは、父母が互いに愛し合って生きるのを手本として、兄弟姉妹間の友愛を学ぶであろうし、結婚した夫婦になっても、父母の愛を手本として理想的な夫婦間の愛を学んだはずです。最終的には彼らも子供を生み、彼らの父母が見せてくれた先例に従って、父母と子女が、兄弟と兄弟が、そして夫と妻が縦的、横的に一つとなった理想的な家庭を成し、地上はもちろん、天上においても天国を建設することができる基台を造成したことでしょう。
92 そのようにして神様を中心として、一つの先祖から生まれた世界のすべての家庭は、アダムとエバと全く同じ神聖なる価値をもつようになるのです。
93 主義と真理を追求する大学生の皆さん! 成約時代の開幕とともに、全世界的に、救援歴史を完成するメシヤの分身となる氏族的メシヤの時が来ました。皆さんの家庭を復帰し、さらには皆さんの氏族、地域社会、そして国家を復帰しなければなりません。このような使命を帯びた人々を「氏族的メシヤ」と呼びます。既に私たちは、数万組の氏族的メシヤ宣教師を全世界に派遣しました。遠からず、世界的な次元で理想的な家庭が立てられることでしょう。
94 成約時代は、母の役割が大変重要です。堕落した時とは正反対に、母と子供たちが一つとなって、夫を復帰し、真の父母の祝福を受けて神様の前に戻っていかなければなりません。
95 完成した家庭において、祖父母は、神様の善なる先祖を代表して王と女王の位置に立つようになり、父母は、現在の人類を代表して王と女王の位置に立つようになります。そして、子女は、未来の子孫を代表する位置で王子と王女の位置に立つようになります。
96 三代が一つとなるとき、過去・現在・未来が共に仲むつまじく暮らすようになり、過去から新しい歴史的伝統が出発するようになります。
成約時代の開幕
97 大学生の皆さん! 私は、歴史的最初の真の家庭の完成を皆さんの前で宣布することができ、本当に誇らしく思います。本人と私の夫は、十三名の子女と、そして二十名の孫たちと共に、神様と人類のために絶対的な信念をもって献身しています。三代が一つの家庭で共に暮らしながら、私たちは、家庭的次元で聖書に言及されている命の木の中心の根(祖父母)、中心の幹(父母)、そして中心の芽(子女)を確立しました。
98 皆さんも、この命の木に接ぎ木され、共に理想国家と理想世界を建設するところで先頭に立って進んでいきましょう。これが正に成約時代の開幕を意味するものです。
99 成約時代は神様をお迎えして共に生きる時代です。これを悟った私たちは、心と体、父母と子女、そして夫と妻が一つとならなければなりません。そのようにしてこそ、私たちは神様の愛を中心とした理想家庭を成すことができます。
100 神様は生きて役事されていらっしゃいます。神様の人類に対する根本理想は、絶対的であり、不変です。このような神様の理想を実現し、神様の恨を解いてさしあげることが私たちの宿命です。
101 民族と世界の希望である大学生の皆さん! 分断された祖国を再び一つにし、自由と平和の統一祖国と希望にあふれた平和世界を創建するために、神様の真の愛を中心として進んでいきましょう。愛と理想があふれる二十一世紀、新世界に向かって真の父母の基盤に乗り、人類を救援する真の愛の先駆者となりましょう。
102 若さと知性と良心を所有した大学生の皆さんが心の扉を開いて、深い心情からこの真のメッセージを受け入れてくれることを願いつつ、皆さんすべてがこの神聖なみ旨を奉じ、さらには神様の祝福を受ける子女たちとなりましょう。
103 神様の大いなる祝福が皆さんと皆さんの家庭、そして皆さんの大学と我が国に共にあるよう祈ります。大変ありがとうございました。
