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ペットボトル症候群で脱水症状 エナジードリンクで糖質疲労 「危険な飲み物」と熱中症予防に適した「意外な飲み物」とは山田悟・北里大学北里研究所病院副院長、糖尿病センター長
2024年7月27日
日本列島を猛暑が襲っています。気温が35度を超える猛暑日が続出しており、強い日差しとじっとりとまとわりつくような熱気に命の危険を感じるほどです。熱中症や脱水症状で病院へ搬送される人も少なくありません。
その予防策として重要なのが、水分補給です。しかし、手当たり次第飲んでもいいわけではないようです。飲み物の中には、脱水症状や糖質疲労を招き、体に大きなダメージを与えるものもあるといいます。
避けた方がよい「危険な飲み物」と、熱中症や脱水の予防に適した飲み物とは――。「ロカボ」を提唱する糖尿病専門医の山田悟医師に伺いました。【聞き手・倉岡一樹】
スポーツドリンクを避けるべき理由
今年もうだるような暑さが続いています。熱中症や脱水症状を防ぐため、水分とミネラルの適切な摂取が大切です。そう聞くと、夏にぴったりな飲み物としてスポーツドリンクを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。コマーシャルなどから「爽やかで健康的」といったイメージをお持ちの方も多いでしょう。
しかし、これは避けたほうがよい飲み物です。
連日35度を超える酷暑が始まった10年ほど前のことです。熱中症で病院の救急外来へ搬送される方が急増しました。とりわけ、血糖値が1000mg/㎗を超えるような高血糖で意識を失っている高齢者の方が目立ったのです。血糖値のあまりの高さに驚き、「ひどい暑さだけが原因ではない」と直感しました。
治療して回復した患者さんに話を聞くと、皆さんスポーツドリンクを飲んでいました。しかも飲めば飲むほど、のどの渇きが増したといいます。中には、2ℓのペットボトルを半日で空けていた人もいました。熱中症予防のため、「体に良さそうな」スポーツドリンクに手を伸ばしたといいます。
ただ、スポーツドリンクにはかなりの糖質量が含まれています。
あるスポーツドリンクはペットボトル1本(500㎖)で約31gもあり、私が提唱するゆるやかな糖質制限「ロカボ」だと1食分(40g)に近いです。これをブドウ糖濃度で換算すると、6200mg/㎗となり、血糖値(100mg/㎗程度)と極めて大きな濃度差があります。
汗をかいて失った水分の代わりに、糖質たっぷりのスポーツドリンクを飲むと、糖質摂取過多で異様な高血糖となって体がだるくなったり、急激な眠気に襲われたりします。もともと血糖値が高くないような方でも、知らぬうちに意識を失っても決して不思議ではありません。
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血糖値が180mg/㎗を超えると、尿糖(血液中の糖が尿中に排せつされたもの)が出てきます。尿糖は水を引っ張り込むため多尿となり、脱水状態となるのです。「浸透圧利尿」といいます。それゆえ、スポーツドリンクを飲めば飲むほど、血糖値が上がり、脱水症状を加速させてしまうのです。
こうした状況は「高血糖高浸透圧性昏睡(こんすい)」あるいは「ペットボトル症候群」(清涼飲料水ケトーシス)といわれます。医療者はスポーツドリンクをコーラやサイダー、甘いジュースといった加糖ドリンクと同様、危険視しています。これら、加糖された清涼飲料水全般の摂取を控えていただきたいです。
熱中症予防に最適な飲み物は……
熱中症や脱水症状の予防には、水を飲むだけで十分です。夏場ですと、1日2~3ℓ程度は飲むべきでしょう。水は飲み過ぎても尿になるだけですので、体が「もうこれ以上は飲めない」と感じているのに、無理やり水を飲むなどということさえしなければ、飲み過ぎになりません。
塩分の心配は無用です。そもそも日本人の塩分摂取量は1日当たり10gほどで他国より多く、普段の食事で本来の必要量の何倍も摂取しています。ただ、野外の現場で汗をかく仕事に就いている方は補給の必要性が生じることもあるでしょう。
ちなみに、スポーツドリンクを水で薄めて飲んだり、水と交互に飲んだりすることもおすすめできません。摂取する糖質量がさほど少なくならないからです。
あるメーカーが経口補水液を販売したのは、スポーツドリンクで高血糖を起こす人があまりにも増えたためだったといいます。ブドウ糖濃度を下げたのです。基本的には心配のない糖質量ではありますが、だからといって、「経口補水液なら飲んでも大丈夫」と大量に飲んでしまうと、塩分の過剰摂取になる可能性があります。塩分濃度はスポーツドリンクより濃いため、注意を要します。
極度な高血糖で搬送される高齢者の方は、10年前と比較すると減りました。医療従事者らが「加糖されている飲料は避けてください」と糖尿病の患者さんにアピールしたからです。とはいえ、現在も季節を問わず、20代の若い方でも高血糖になって運ばれてくる方が年に数人います。
そもそも、肝臓に問題がなければブドウ糖は勝手に放出されますので、わざわざブドウ糖が入った飲料を摂取する必要はありません。
そうは言っても、甘いものを飲みたくなる時はあるでしょう。そんな時には、人工甘味料入りの糖質ゼロ飲料をオススメします。人工甘味料を安心して摂取していい理由は以前お伝えしました(2023年8月29日の記事「人工甘味料は「積極的にとっていい」 見えた可能性」)で、そちらをお読みいただきたく思います。
また、加糖された清涼飲料水同様、野菜ジュースや飲むヨーグルトなども、糖質量を多く含みますので、控えた方がよいでしょう。ただ、豆乳は100㏄で糖質3gほどの商品もありますので、その程度であれば差し支えありません。
一方、健康的なイメージが強いトマトジュースはどうでしょうか。「飲むと血糖値が下がる」との話を聞いたこともありますが、私は違うと思います。トマトも糖質をそれなりに含むからです。
食事として適切な量を摂取している分には問題ないのですが、飲み物にして大量に摂取をすると、血糖値がかなり上昇します。一般的に、固形より液体の方が血糖値の上昇が速いのです(注1)。また、おなかもすきやすくなるといわれています(注2)。一方、食事としてマヨネーズなどの油脂とともに食べると、脂質も摂取でき、「インクレチン効果」で血糖値を抑える働きをしてくれます(注3)。
リンゴ酢もあまり前向きに捉えていません。お酢をダイレクトに飲むことで血糖値を抑える効果があるとの論文はあるのですが(注4)、そもそもの糖質量が決して少なくありません。さらに、「飲むお酢」や「お酢ドリンク」になると加糖している場合がほとんどのため、糖質量はさらに増えます。清涼飲料水として扱った方がいいでしょう。お酢はあくまで調味料として摂取した方がいいと思います。
エナジードリンクでエネルギー切れ
「ちょっと気合を入れよう」とパフォーマンスアップのためにエナジードリンクを愛飲している方もいらっしゃるでしょう。若い人たちを中心に人気で、社会に浸透した感があります。これも、危険な飲み物の一つだと思っています。
あるエナジードリンクの糖質量は、100㎖当たり約13gで、250㎖の缶1本で約26gもあります。飲み物ゆえ、血糖値の上昇はお菓子よりも速いです。
飲んだ直後こそ、カフェインの効果で「よしっ! やるか!」との興奮を得られるかもしれませんが、その効果は長続きしないでしょう。比較的早い段階で食後高血糖が起き、だるさや眠気に襲われるはずです。これを「効果が切れた」と思い込んで1本、また1本と加えていくと……。糖尿病へまっしぐらです。
「エナジードリンクを飲んでいるのにエネルギー切れが起きる」とお悩みの方は、前回紹介した「糖質疲労」が起きているとお思いください。つまり、習慣的に飲み続けると、パフォーマンスを下げるだけでなく、大きな病気も招きかねません。逆効果といえるでしょう。
東京都心のある有名中華料理店では、仕事中に集中力を切らす従業員が複数名いたそうです。その原因が仕事に入る直前のエナジードリンクにあるのではないかと考えたシェフは、スタッフに「エナジードリンク禁止」を命じたといいます。すると夜遅くの閉店まで集中力が途切れなくなったそうです。象徴的なエピソードといえます。
カフェインによる効果を得たいのであれば、無糖のコーヒーを飲むとよいでしょう。コーヒーは、糖尿病発症リスクを低減したとの研究報告が世界的にみても多く、効果を期待できるかもしれません。カフェインの効果だという主張もあるのですが、カフェインレスコーヒーでも同様であったとの報告もあり、その機序は不明です。そもそも、ランダム化比較試験ではないため効果があると断言することはできません。
コーヒーを飲む際は、無糖の生クリームを浮かべることをお勧めします。濃厚でコーヒーの味わいが引き立ち、かつ糖質量も極めて低い(100g中、糖質3g程度)です。生クリームを製造しているメーカーも多く、味比べをしても好みを見つけても楽しいかもしれません。
また、緑茶と紅茶、ウーロン茶も糖尿病発症リスクの低減に関与していたとの観察研究もあります(注5)。もしかしたらカテキンの影響があるのかもしれませんが、カテキンだけでそうした効果を得られるのかは不明です(注6)。
実験的にデータを取れば保護的な作用が認められるかもしれませんが、臨床や生活の現場では一緒に摂取する食事中の糖質量で簡単に打ち消されてしまう程度のものとお考えください。食事でたんぱく質と脂質を摂取し、TPOに合わせて和食なら緑茶、洋食ならコーヒーや紅茶などとおいしく楽しむとよいのかと思います。
「睡眠の質を上げる」乳酸菌飲料 眠れる本当の訳とは
「腸内環境を整えよう」と乳酸菌飲料を飲むことを習慣としている方もいらっしゃるでしょう。近年、「睡眠の質を上げる」とうたう商品が随分、話題になりました。これを睡眠前に飲む人もいるようですが、決して勧められません。糖質量が1本(100㎖)当たり14~15gもあるからです。
それを飲んで眠気に襲われている方は、血糖値の乱高下(血糖値スパイク)、つまり糖質疲労で眠くなっているだけなのかもしれません。しかも、食後高血糖は腸内環境を悪化させるとの研究結果があり、血糖値スパイクで血管を痛めつけることにもつながります(注7)。腸内環境の良化を期待して飲んでいるにもかかわらず、悪化させてしまうのは本末転倒です。
それなら無糖のヨーグルトを食べた方がいいと思います。高脂肪、高たんぱくのものを選ぶとなおよいでしょう。ちなみに、乳酸菌は生きていても死んでいても腸内環境をよくするとの話があります。とはいえ、腸内細菌は奥深すぎて確実なコントロールの方法が確立されていません。「プレバイオティクス」(「腸内細菌の餌となるものを摂取して腸内細菌を改善しよう」という食べ方あるいは食品)であれ、「プロバイオティクス」(「微生物の摂取で腸内環境を改善しよう」という食べ方あるいは食品)であれ、まずは、血糖値の乱高下を起こさない方が先決だと思っています。
牛乳も糖質量は少なくなく、100㏄で5gほどあるため、量が多いと血糖上昇のリスクが生じます。コーヒーを少量の牛乳で薄めるミルクコーヒー程度ならよいのですが、エスプレッソを多量の牛乳で割るカフェラテは糖質摂取量が多くなりがちです。
また、「健康によいものを」と果汁100%のジュースを飲んでいる方もいらっしゃると思いますが、これも避けるべき飲み物だと考えています。
以前詳しくお話をしましたが、果物に含まれる果糖は、糖質の中でも特に摂取を控えた方がよいのです。
果糖は肝臓で処理されます。10~20%がブドウ糖に変換され、残りの80~90%は果糖のまま処理されます。利用しきれないと中性脂肪に変換されて血液に放出されたり、肝臓にこびりついたりし、最終的に血糖値も悪化させます。血糖の乱高下とは異なって問題があるのです。
デンプンやブドウ糖は、血糖値が乱高下しない人だと「ただのエネルギー源」として全身で処理できるのですが、果糖は万人が肝臓で処理せねばならず、負担がかかって倦怠(けんたい)感や空腹感を覚えるといわれています(注8)。
たとえ「オーガニック」や「無添加」と聞こえのいい言葉が入っていても、果汁100%のジュースには果糖がたっぷり含まれています。果糖の過剰摂取は体脂肪を増やし、糖尿病へとつながります。また、果糖の摂取が多いと、不安行動が増えることが動物実験で知られています(注9)。特にお子さんの摂取は勧められません。
また、先に紹介した「ペットボトル症候群」も果糖の影響が大きいです。スポーツドリンクをはじめ加糖された清涼飲料水には「ブドウ糖果糖液糖」や「果糖ブドウ糖液糖」、「高果糖液糖」といった異性化糖が含まれる場合が多く、それらは果糖の塊だからです。観察研究ではありますが、異性化糖の摂取量の増加と肥満症や糖尿病の発症率増加との間に関連が指摘されていますし、清涼飲料水の摂取量とうつとの関連も報告されています(注10)。
自衛の策は、商品に記されている栄養成分表で糖質量を確認することです。ただ、文字が小さく、高齢者の方などは見にくいかと思います。私が診察している患者さんにも「こんなの読めないよ」と嘆かれる方がいらっしゃいます。
一方、米国のものは大きめで、見やすい場合が多いです。日本でももう少し字を大きくした栄養成分表示のルールにしてほしいと思います。
美容ドリンクで老化
肌荒れの改善や、シミやしわが増えるなどの「エージングサイン」の予防のために美容ドリンクを飲んでいる方もやはり、栄養成分表示で糖質量をしっかりと確認していただきたく思います。高血糖は美容の大敵でもあるといわれているからです。
体の構成要素は基本的にたんぱく質です。血糖値が高くなると、たんぱく質に不自然な形でブドウ糖が結合します。このような反応を「糖化反応」(グリケーション)といいます。
糖化したたんぱく質は劣化し、「AGEs(糖化最終生成物)」を生みます。このAGEsが体に蓄積されてくると、たんぱく質が本来の働きをできなくなったり、構造を維持できなくなったりします。「糖化ストレス」とも呼ばれており、これが問題なのです。
肌には「コラーゲン繊維」というたんぱく質があり、これが肌の柔軟性やもちもち感を作ると考えられています。このコラーゲンも糖化反応で構造がおかしくなります。糖化したコラーゲンはAGEsで「のり付け反応」や「ぶつ切り反応」が起きて、結果として肌のしわが増えるなどして見た目が老化すると考えられています(注11)。
コラーゲンタイプやビタミンCを含むドリンクなど、美容系飲料はあまたあります。これらは糖質を多く含む場合が少なくありません。美肌のためだったのに糖質疲労を起こしてあげくの果てに老化してしまっては、笑うに笑えませんね。
ちなみに、肌だけでなく、骨の基礎のコラーゲンですし、髪の毛の基礎もケラチンというたんぱく質ですから、AGEsによってダメージを受けます。しかもコラーゲンの糖化反応が強いと、骨密度が正常であっても骨折しやすくなります。人間が本来あるべき構造性を保っていなければいけないのだと痛感します。
エージングサインの肌のくすみやたるみ、しわ、髪のハリツヤ、骨質の低下などが起きる原因に高血糖があることを、忘れないでいただきたく思います。
また、血管にAGEsが蓄積すると、血管壁に炎症が起こりやすくなり、動脈硬化のリスクが高まります。白内障や網膜症といった目の病気や腎機能の低下なども糖化が引き起こすといわれます。
さらに血糖値スパイクを繰り返し起こしていると、血管の中で「酸化ストレス」が発生します。人間に備わっている抗酸化力以上に酸化ストレスが加わると、血管の内壁を傷つけ、免疫反応に異常を起こして血管内部で微少な炎症が起こる原因となります。この酸化ストレスも全身の老いを加速させます。
厄介なことに、糖化ストレスと酸化ストレスは、互いに増悪し合う「負の関係性」を持っているかもしれず、結果として二つのストレスは多様な老化現象や病気の原因となるものと考えられています。
美容のためにも糖質をとりすぎず、血糖値を上げないことが重要です。ただ、高齢になり、食欲が落ちてしまった方が、アミノ酸が溶け込んでいるようなドリンクを選ぶことは悪くないと思います。
ロカボ提唱の糖尿病専門医は何を飲んでいるのか?
最後に、ご参考として、私がどのように水分を摂取しているかご紹介しましょう。
山田悟医師=宮間俊樹撮影
まず朝食で200㏄のカップに6割ほどのコーヒーと3割ほどの牛乳を入れたミルクコーヒーを飲みます。病院に来ると、病棟を回る前にブラックの缶コーヒーを1本。その後、午前中に100㏄で糖質が1gほどの缶入りミルクコーヒーを飲みます。
午後は糖質ゼロの炭酸飲料です。夕方にブラックコーヒーを飲むこともあります。そして帰宅後にお酒をたしなみます。ただ、アルコールには利尿作用があり、飲んだ水以上に尿を作ってしまうと考えられています。ですので、お茶を一緒に飲み(私は夜にコーヒーを飲むと眠れなくなってしまうのです)、なおかつ、寝る前に炭酸水を飲んでいます。
工夫して、おいしく、健康的に水分を摂取しながら酷暑を乗り切りましょう。
【参考文献】
注1 Diabetes Care 1997; 20: 413-418
注2 Horm Metab Res 2007; 39: 389-394
注3 Br J Nutr 2014; 111: 1632-1640
注4 Eur J Clin Nutr 2005; 59: 983-988
注5 Arch Intern Med 2009; 169: 2053-2063
注6 Obesity 2009; 17: 310-317
注7 Cell 2015; 163: 1079-1094
注8 Obesity 2024; 32:12-22
注9 Life Sci 2018; 197: 114-121
注10 Life Sci 2018; 197: 114-121
注11 PLoS One 2016; 11: e0153806
特記のない写真はゲッティ
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1970年生まれ。94年慶応義塾大医学部卒業。同大内科学教室腎臓内分泌代謝研究室などを経て2002年に北里研究所病院へ転じ、07年から糖尿病センター長、21年から同院副院長を務める。我慢ばかりを強いるカロリー制限中心の食事療法で、向き合う糖尿病患者の生活の質が低下している現実と直面した。そんな中、食事をおいしく、おなかいっぱい楽しみながら血糖値を穏やかに保ち、肥満者の減量効果にも優れる、緩やかな糖質制限食と出合う。治療に積極的に取り入れるとともに、「ロカボ」と名付けて普及に努め、2013年に「食・楽・健康協会」を設立した。日本糖尿病学会糖尿病専門医。日本糖尿病学会指導医など。主な著書に「カロリー制限の大罪」「糖質制限の真実」「奇跡の美食レストラン」など。慶応義塾大医学部非常勤講師、北里大学薬学部非常勤講師、星薬科大学非常勤講師。