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離れた部位に発症して一見、関連がなさそうでも、同じメカニズムで発症し、実は関係しているという病気があります。自己免疫が関与して発症するIgG4関連疾患は、血液中にあるたんぱく質の1つIgG4(免疫グロブリンG4)病態にあることがわかってきました。関与しているのはIgG4と呼ばれる、血液中にあるたんぱく質の1つです。
全身のさまざまな病気と関連
gG4は体内に侵入してきた細菌やウイルスなどを排除する抗体成分です。IgG4関連疾患ではIgG4と、IgG4を産生する形質細胞が、発症に関与することがわかってきました。自己免疫性すい炎や、だ液腺や涙腺が腫れて涙やだ液の分泌が低下するミクリッツ病など、全身のさまざまな部位に発症する病気が関連しています。
肺では息切れやぜんそく症状が、肝臓や胆のうでは食欲不振、上腹部の不快感、胆管が閉塞することで起こる閉塞性黄疸(へいそくせいおうだん)、腎臓では水分が貯留して腎機能が低下する水腎症が起こります。それぞれ、「IgG4関連肺(肝あるいは腎)障害」と呼ばれています。
そのほか、脳の下垂体という部分に起きると食欲不振、低血圧、低体温、視野や尿量の異常などがあらわれ、心血管系では大動脈に異常があらわれます(炎症性大動脈瘤など)。消化器では腸炎が発症することがあります。
同時に複数にわたることも
いずれも形質細胞が増殖し、正常細胞に浸潤して機能を障害するために発症します。患部は腫れたり結節ができたりするほか、閉塞、肥厚性病変、線維化などがあらわれます。部位は1つだけではなく、同時に複数にわたるケースも多くみられます。
原因は自己免疫が関与することはわかっていますが、まだ詳細は解明されていません。診断は、①1つあるいは複数の臓器に腫大部分がある、②血中IgG4値が135mg/dL以上、③生検をするとIgG4陽性形質細胞の増殖が認められる、のうち①②③すべてがあれば確定的となり、①と③を満たせば疑いとなります。
ステロイド投与で症状は軽快
治療にはステロイド薬が効果をあげ、投与2~4週間で症状は軽快します。ステロイドは徐々に薬量を減らしていきますが、中止すると再発しやすいので、最終的に低量を継続して用いることがほとんどです。ステロイドに効果がみられない場合は、免疫抑制剤の使用を考慮しますが、残念ながらIgG4関連疾患ではまだ保険適用となっていません。
IgG4関連疾患は日本から発信され、2011年に診断基準が日本で提唱されました。患者数は8000~2万人と推定され、男性高齢者に多く発症するといいます。IgG4という共通項が見つかるまでは、原因不明の病気とされたり、腫大部分を腫瘍と診断されて手術が行われたりした例もあったようです。自己免疫の関与が明らかになったことで、ステロイド薬による適切な治療が受けられるようになりました。
IgG4関連疾患のなかでは自己免疫性すい炎の研究が最も進んでいるため、このすい炎の病態の解明が、IgG4関連疾患全体の原因や、自己免疫にかかわる病気の発症メカニズムを明らかにする糸口になるのではないかと、期待が寄せられています。
監修:宮川めぐみ(医療法人誠医会宮川病院内科)