原理原本 - 第一券
[03] 無形世界と有形世界の和合の根本意義
1 人は、肉身生活を終えると、生心を中心とした無形の霊人のみとなるが、神様は、その存在に、戻るべき世界を与えられる。
2 このように、無形の神様は、ご自身を有形の人として展開されたが、人は再び無形となって、還ることができるのである。神様は、このような原理によって、人を創造された。つまり、「人=霊人+肉身」である。
3 霊人が無形で、永遠の存在となるのは、神様が永遠であられるためである。また、神様が、その霊人に肉身を与えられたのは、肉身を土台として、霊人を完成させるためである。その肉身は、肉心と肉体から成っている。肉体は、万物の要素を取り入れるようになっており、肉心によって維持されている。
4 生心は、進むべき本来の道へと肉身を導いているが、その肉身が、堕落性を持っているため、生心に反して行動しようとする。サタンは、肉身の本能的な器官を通して作用するのである。
5 また、存在する全ての生物は、また、食物、空気、日光などから生力を得ている。この生力を維持してこそ、生存し続けることができるのである。つまり、肉身を維持するためには、有機物である食物を食べ、無機物である空気を呼吸し、日光を受けなければならない。
6 このような肉身の上にあるのが、生心を持つ霊人である。この霊人は、肉身との授受を必要としている。何故なら、肉身からの要素が、霊人の栄養素として必要だからである。
7 肉身からの要素は、霊人の成長に必要であるため、供給しなければならないが、それとは反対に、霊人の成長を妨げる要素は供給してはならない。
8 そのため、肉身が、良心的な立場に立っているという保証が必要である。これが保証される肉身からの生力要素は、霊人の栄養素として、血液のような作用をする。
9 霊人は、肉身から、この生力要素を得ると同時に、生命の根本となる無形世界の生素を呼吸しながら、肉身と完全な授受作用をしなければならない。
10 我々人間は、無形世界の生命の要素を得なければならないため、この授受作用は、絶対に必要なのである。このように、人は、無形世界と有形世界の両方から生命の要素を得ている。我々は、それを自分自身で認識することができる。
11 霊人の成長に必要な無形の要素(生素と生力要素)は、良心が作用しているところにのみ与えられるという原理になっている。この良心は、逆うことの出来ない力によって、自分に強力に作用している。これを実感できるということは、良心の作用が働いているということである。
12 人は、神様と一つになることのできる永遠の霊人を持っている。それが、人の価値である。人以外の生物も、生きるために必要な要素を自然界から得ているが、それは、有形の体だけを維持しているに過ぎない。
13 それゆえ、人以外の生物は、寿命になると自然界に還るが、人は、霊人を持っているため、肉身の死後も、無形世界で生き続けるようになっているのである。
14 人が死亡すると、「あの世に帰った」と思うのは、良心がそのように告げるためであり、また、霊人が実際に存在するためである。
15 このように、人の心は、永遠の世界に通じており、良心の告白が、これから起きる事の予告となることがある。それゆえ、この堕落した世の中でも、「できる」と思えば、その通りになり得るのである。
16 このような作用は、良心の根本である生心が、永遠の存在と連絡を取りながら、我々の路程が計画されているということを思わせるものである。事実として、我々は、予告された通りになった事を数多く見てきた。それは、霊人が確実に存在しているということを、間接的に示されたのである。