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毎日新聞 2023/2/20 東京朝刊 有料記事 834文字
なるほドリ 岸田文雄(きしだふみお)首相が副鼻腔炎(ふくびくうえん)の手術をしたんだってね。どんな病気?
記者 11日に手術を受け、13日に復帰しました。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科(じびいんこうかとうけいぶげか)学会によると、鼻の周囲にある副鼻腔という空間が細菌(さいきん)やウイルスの感染、アレルギーなどによって炎症を起こしている状態をいいます。一般的には蓄(ちく)のう症とも呼ばれ、年間の患者数は軽症も含めれば約200万人いるとみられます。手術するケースは3万人程度とみられます。
Q どんな症状が出るの?
A 鼻づまり、うみ混じりの鼻水、眉間(みけん)や頰(ほお)、おでこの痛み、発熱などの症状が出ます。自然に治る場合もありますが、なかなかすっきりしない場合は慢性(まんせい)化している可能性があります。
Q その場合はどうなるの?
A 鼻づまりと鼻水、嗅覚(きゅうかく)の低下、頭痛、眠りが浅くなる睡眠障害が続きます。中耳炎(ちゅうじえん)やぜんそくを併発(へいはつ)する場合もあり、生活の質に大きく影響します。
Q どうやって治療するの?
A まず内服薬(ないふくやく)や点鼻薬(てんびやく)などで治療を進めます。しかし、岸田首相のように鼻の中にポリープができるタイプは薬で治りづらいものが多いそうです。
Q その場合は手術が必要なんだね。
A 東京慈恵会(じけいかい)医科大学の鴻(おおとり)信義(のぶよし)教授によると、患部(かんぶ)が奥まで広がっている可能性があるため、手術では片側4カ所にある副鼻腔の中を内視鏡(ないしきょう)で観察(かんさつ)し、たまっている鼻水を除いて洗浄(せんじょう)したり、ポリープを切除(せつじょ)したりするといいます。手術は全身麻酔で実施し、術後のケアのためにも数日入院することが多いです。アレルギー体質(たいしつ)が背景にあるタイプでは、手術後も薬を飲んだり、毎日鼻を洗浄したりするなどの治療を続けます。(くらし医療部)