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血液検査により大腸がんの確定診断を受けた患者の83%を正確にがんと判定できたとする研究結果を、米フレッドハッチンソンがんセンターの消化器専門医であるWilliam Grady氏らが報告した。詳細は、「The New England Journal of Medicine(NEJM)」3月14日号に掲載された。Grady氏は、「この研究で確認された結果は、治療が容易な早期段階で大腸がんを見つけることができるツールの開発に向けた、有望な一歩となるものだ」と述べている。
米国がん協会によると、大腸がんは米国成人のがんによる死因として2番目に多く、2024年には5万3,000人以上が大腸がんにより死亡すると予測されている。また、大腸がんによる死亡率は、高齢者の間では低下しているものの、55歳以下では2000年代半ば以降から毎年約1%ずつ上昇している。
今回の研究で用いられた血液検査はGuardant Health社が提供するもので、血液中を循環するセルフリーDNA(cfDNA)の中に少量含まれる、がん細胞由来の血中循環腫瘍DNA(ctDNA)の解析により大腸がんを検出する。ctDNAは、がん再発のモニタリングや他の新しいスクリーニング検査を目的としたリキッドバイオプシーでも活用されている。検査対象は、大腸がんの症状がない、平均的な大腸がんリスクを有する人である。
現行のガイドラインでは、45歳以上の人に大腸がんの定期検診が推奨されているが、検診対象者の中で実際に検診を受けているのは50〜60%に過ぎないとGrady氏は説明する。同氏は、「血液ベースの大腸がんの検査があれば、定期的な受診の際に受けることができ、より多くの人が検診を受けられるようになる」と話す。
感度は便潜血検査と同程度
この血液検査に関する多施設共同臨床試験には、平均的な大腸がんリスクを有し、定期検診として大腸内視鏡検査を受ける予定だった45歳から84歳までの7,861人(平均年齢60歳)が参加した。その結果、大腸内視鏡検査で大腸がんが見つかった65人中の54人(83.1%)が血液検査でcfDNA陽性と判定され、16.9%は陰性と判定された。この結果から、ステージⅠ、Ⅱ、Ⅲの大腸がんに対するこの検査の感度は87.5%と計算された。一方、将来的にがんになる可能性がある進行した前がん病変(advanced precancerous lesions)に対する検出能は低く、特異度は13.2%であった。
こうした結果についてGrady氏は、「この血液検査の大腸がん検出の感度は、便潜血検査と同程度であるが、大腸内視鏡検査よりは劣るようだ。したがって、大腸がんの最も正確な検診ツールが大腸内視鏡検査であることに変わりはない」と述べている。
Grady氏は、「大腸がんはよく認められるがんだが、検診で予防できる可能性は高い。それにもかかわらず、一部の集団では、検診対象者の半数未満しか実際にその検査を受けていない」と指摘し、「人々に検診を受けさせるには、検診の選択肢を提供し、その中から自分に一番適したものを選んでもらうのが最も効果的だ」と話している。
(HealthDay News 2024年3月14日)
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