これが戦争だ! 08 ( III. 1950年韓国-7)

[河光範]

●これが戦争だ! 08 ( III. 1950年韓国-7) 
1950年韓国 (7月-3)  1950年 7月下旬-1

7月下旬： 私がその山を見た時はすでに攻撃が始まって24時間が過ぎた後だった。秋はまだで、 山腰をドレスのように巻きつけている田んぼや大豆畑の緑色を変えることができず、 夏の日も山峰から伸びる渓谷に広がっている薄い霧を突き抜けてその力を誇示していた時だった。

小さな黒い光を帯びたツバメ一匹が、私の隣を過ぎて水田の上に低く飛んで、小さな虫をつかみ、すぐ前にあるヤナギの上で翼を広げた。日光が山の背と私の周りの畑を照らして温かく感じられ、もう戦争が遠ざかったようだった。

しばらくして、私はヤナギの木が立っている市内を横切って、草で覆われた深い泥湯の中で地を掘っている韓国軍砲兵たちを見た。彼らは韓国戦争中に最も名高かった 17連隊の砲兵兵士であり、今は山頂周辺とそこにある敵のトチカに75ミリ野砲で直接射撃ができる砲陣地を掘っていた。

すべての作戦状況図と砲兵地図にその高地の高さは626mと表示されていた。山々は通り過ぎたがそれほど多くはなかったし、 戦争が進行中だが、目標を占領するための戦闘がそれほど多くはなかった。あなたが命令を受けて、その丘の上にある従順な韓国軍徴集兵士の中の一つになるほど運が悪くなかったなら、少なくともそう感じただろう。

弾薬筒を負い、その山の中で前より高く曲がりくねった山道を上がる田舎農夫たちの長い行列と、ねじれながら山から降りているひと群れの負傷兵たちが平和の幻想が嘘であることを山の下の谷で見せていた。お互い答えるように順番に二度の機関銃の一斎射撃音が頂上から下に響き渡った。この626高地は危ない釜山防衛線につながる中心軸に該当する最前線だった。

負傷者のための救護所として利用されている小さな農家の近くで、私は軍隊の警告を知らずに自宅にそのまま滞在していた、無言の緊張した顔の、ある田舎の女性を包帯で包んでいる二人の衛生兵を発見した。

共産軍の爆弾の一発が彼女の頭の中に破片を打ち込ませた。今、彼女は涙も流さず、 大丈夫だという態度でしゃがんで座って衛生兵が破片を取り除こうと努力している中、 彼女に密着している幼い息子に朝の乳を与えていた。

包帯を巻いて小屋の壁に近づいて立っている彼女はどこに戻るべきか分からなかった ように見えた。その時、彼女の隣人が近づいて、私の肩越しに彼女に何かの言葉を呟いた。不幸な知らせの衝撃で彼女の頭が後ろに仰け反って、耐え難い苦痛で彼女の目は歪んだ。彼女の息子が少し前の爆発のために死亡したのだった。

救護所の南側にある大豆畑のほとりになじみの人物が現れ、細かく砲台の砲床設置状態を見て立っていた。彼は17連隊が属している国軍首都師団の米軍事顧問団の代表であるフランクリン・パリス中佐だった。彼は予定より一日以上遅れた今、攻撃を早めることができる解決策を探す為に師団司令部から到着した。

軍事顧問団の機能が諮問役割に厳しく限定されていたため、パリス中佐や彼の補佐官または陸軍本部にある彼の上官までも、どれが韓国軍が戦線で使用する最善の方法であるか単に提案しかできなかった。

各顧問官はその役割を局限するよう命令を受け、しかも「敏感な韓国人たちの感情を傷つけないようにすること」を明らかにする指針までも受けた。 「終わりまでに引き締まる形の戦争」の時代にほとんど全体が経験のない新生軍隊と一緒に働くことは、 特に戦術的な面で最も暴力的で複雑な世界第二次大戦に参加したベテランたちにも達成し難いい命令だった。

その山は実際に高くなかったが、範囲が広くまた曲がりくねった。渓谷から見たとき、その山は野生の低木で覆われた馬蹄のように見えました。その馬蹄の尖った蹄が渓谷を横切って右下に曲がり、救護所と砲台がある狭い道路まで続いていた。

 攻撃2日目の朝、韓国軍がその山の尖った二つ蹄の丘を占め、一方、共産軍は山峰と頂上周辺を監視できるトーチカを占めた。 山峰と山頂周辺を占めることで、共産軍は理論的には山全体と谷底まで統制しているようだった。

しかし、その2日目の朝、彼らは明らかに砲兵の支援も受けられず、深く塹壕を掘って入っている小規模の守備兵力だけを頂上部位に配置していると考えられた。

そこで韓国軍砲兵たちは戦力損失なく、敵の目標に直接射撃をすることができ、救護所の人々と普及トラックの移動、そして弾薬の補給の推進が、敵からの射撃に対する心配もなく野地と道路に沿って行われた。 それは攻撃のための教科書的な最も理想的な条件だった。

東海岸の浦項のすぐ北の砂丘地帯にあった韓国軍3師団と共に攻撃の始まりを待っている間、私はなんの写真も撮らないことにした。なぜなら、韓国軍人たちが毎時間、 押し進むように射撃をしていた迫撃砲と機関銃を沈黙させ、米海軍と空軍の打撃を待ちながら砂丘に沿って掘り下げた塹壕の中でほぼすっきりと座っているだけだったからだ。

※ This Is War !  David Douglas DUNCAN This is War!  A Photo-Narrative of the Korean War 이것이 전쟁이다! 6.25전쟁 사진집. これが戦争だ! (添付写真一覧) https://band.us/band/61257492/post/277