<![CDATA[
<P><STRONG>[하울의 움직이는 성] ハウルの動く城</STRONG></P>
<P> </P>
<P> </P>
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<P> </P>
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<P> </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P>タイトル </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P> （コンコン） </P>
<P>年配の店員 ：ソフィーさん、お店閉めました。 </P>
<P> ソフィーさんも行けばいいのに。 </P>
<P>ソフィー ：これ仕上げちゃう。楽しんできて。 </P>
<P>年配の店員 ：じゃ、行ってきますね。行くわよ。 </P>
<P>店員 ：あっ、待って。 </P>
<P>店員 ：これおかしくなーい？ </P>
<P>店員 ：ねえ見て、ハウルの城が来てる！ </P>
<P>店員 ：えっ、ハウル！？ </P>
<P>店員 ：どこどこ！？ </P>
<P>店員 ：ほら、あんなに近くに！ </P>
<P>年配の店員 ：やぁねえ。 </P>
<P>店員 ：ハウル、街に来てるのかしら。 </P>
<P> </P>
<P>店員 ：……逃げちゃった。 </P>
<P>店員 ：隠れただけでしょ、軍隊がいっぱい来てるから。 </P>
<P>店員 ：聞いた？南町のマーサって子、ハウルに心臓取られちゃったんだってね！ </P>
<P>店員 ：怖いねー。 </P>
<P>店員 ：大丈夫、あんたは狙われないから！ </P>
<P>一同 ：あははは、あはははは！ </P>
<P>年配の店員 ：はやくして！ </P>
<P>一同 ：あはははは…… </P>
<P> </P>
<P> （街に出て行くソフィー） </P>
<P>ソフィー ：はっ！ </P>
<P>兵隊1 ：やあ、何かお探しかな？子ネズミちゃん。 </P>
<P>ソフィー ：いえあの、ご心配なく。 </P>
<P>兵隊1 ：ではお茶などいかがでしょう。お付き合い願えますか？ </P>
<P>ソフィー ：結構です、用事がありますので。 </P>
<P>兵隊2 ：ほんとに子ネズミちゃんだぜ。 </P>
<P>兵隊1 ：ねぇ、君いくつ？この街の子？ </P>
<P>ソフィー ：通してください！ </P>
<P>兵隊1 ：ほぉら、お前の髭面のせいだぞ！ </P>
<P>兵隊2 ：怒ったとこも可愛いじゃないか。 </P>
<P> </P>
<P>ハウル ：やぁ、ごめんごめん。探したよ。 </P>
<P>兵隊1 ：なんだお前は！ </P>
<P>ハウル ：この子の連れさ。君たち、ちょっと散歩してきてくれないか。 </P>
<P>兵隊 ：あっ、えっ？おっ？あれっ、おい、お…… </P>
<P>ハウル ：許してあげなさい、気はいい連中です。 </P>
<P> どちらへ？私が送って差し上げましょう。 </P>
<P>ソフィー ：いえ、チェザーリの店へ行くだけですから。 </P>
<P>ハウル ：知らん顔して。追われてるんだ。歩いて。 </P>
<P> </P>
<P>ハウル ：ごめん、巻き込んじゃったな。 </P>
<P>ソフィー ：あっ！ </P>
<P>ハウル ：こっち！……このまま！ </P>
<P>ソフィー ：ああっ！ </P>
<P> </P>
<P>ハウル ：足を出して、歩き続けて。 </P>
<P>ソフィー ：あっ、ああっ…… </P>
<P>ハウル ：そう、怖がらないで。 </P>
<P> 上手だ。 </P>
<P> </P>
<P>ハウル ：僕は奴らを引き付ける。あなたはちょっと待ってから出なさい。 </P>
<P>ソフィー ：はい。 </P>
<P>ハウル ：いい子だ。 </P>
<P>ソフィー ：あっ……！ </P>
<P> </P>
<P>レティー ：はい、ありがとう。 </P>
<P>客 ：レティーっていうチョコはないのかい？ </P>
<P>客 ：俺もそっちが欲しいな。 </P>
<P>客 ：レティー、散歩に行かないか？ </P>
<P>レティー ：……お姉ちゃんが！？ </P>
<P>客 ：レティー、早く戻ってきてくれよ！ </P>
<P> </P>
<P>レティー ：お姉ちゃん！？ </P>
<P>ソフィー ：レティー……。 </P>
<P>レティー ：どうしたの！？ベランダに降りてきたって、天使にでもなっちゃったの！？ </P>
<P>ソフィー ：あたし……、夢見てるみたいなの。 </P>
<P>店長？ ：レティー、オフィスを使いなよ。 </P>
<P>レティー ：でも、仕事中ですから。ありがとう！ </P>
<P>店長？ ：いーや。 </P>
<P> </P>
<P>レティー ：えーっ、それ魔法使いじゃないの？ </P>
<P>ソフィー ：とってもいいひとだった……。私を助けてくれたの。 </P>
<P>レティー ：それでお姉ちゃん心を取られちゃったってわけ？ </P>
<P> その魔法使いがハウルだったら、お姉ちゃん心臓を食べられちゃってるよ！？ </P>
<P>ソフィー ：大丈夫よ。ハウルは美人しか狙わないもの。 </P>
<P>レティー ：またそんな。あのねぇ、世の中物騒になってるんだから！ </P>
<P> 荒地の魔女までうろついてるって言うよ。 </P>
<P> お姉ちゃん？ </P>
<P>ソフィー ：……ん？ </P>
<P>レティー ：もう！ </P>
<P>お菓子職人 ：レティー、マドレーヌがあがったよ。 </P>
<P>レティー ：はーい、ちょっと待ってねー。 </P>
<P>お菓子職人 ：いいよ。 </P>
<P>ソフィー ：あたし、帰るね。レティーの元気な顔見たら安心したから。 </P>
<P> </P>
<P>仕入業者 ：やあレティー。 </P>
<P>レティー ：ごくろうさまー。……ねえお姉ちゃん。ほんとに一生あのお店にいるつもりなの？ </P>
<P>ソフィー ：お父さんが大事にしてたお店だし……、あたし長女だから。 </P>
<P>レティー ：違うの！帽子屋に本当になりたいのかってこと！ </P>
<P>ソフィー ：そりゃあ…… </P>
<P>仕入業者 ：レティー、またね。 </P>
<P>レティー ：今度お店に来てね。 </P>
<P>仕入業者 ：ああ。 </P>
<P>ソフィー ：あたし行くね。 </P>
<P>レティー ：お姉ちゃん。自分のことは自分で決めなきゃダメよ！ </P>
<P>ソフィー ：うん。 </P>
<P> </P>
<P> （店に帰ってくる） </P>
<P>ソフィー ：……？ </P>
<P> あの、お店はおしまいなんです。すみません、鍵をかけたつもりだったんですが…… </P>
<P>荒地の魔女 ：安っぽい店……安っぽい帽子。あなたも十分、安っぽいわねえ。 </P>
<P>ソフィー ：……ここはしがない下町の帽子屋です！ </P>
<P> どうぞ、お引き取り下さい！ </P>
<P>荒地の魔女 ：荒地の魔女に張り合おうなんて、いい度胸ね。 </P>
<P>ソフィー ：荒地の魔女？……あっ！ </P>
<P>荒地の魔女 ：その呪いは人には話せないからね。ハウルによろしくね、フフフフ…… </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：……？ </P>
<P> ……んん……あっ！？ </P>
<P> あっ、あ…… </P>
<P> ……ほんとに私なの！？ </P>
<P> 落ち着かなきゃ……んん、ああ～…… </P>
<P> ……ああっ！ </P>
<P> 落ち着かなきゃ～……慌てるとロクなことはないよ、ソフィー。 </P>
<P> ああ……なんでもない、なんでもない……落ち着かなきゃ……あああ </P>
<P> 落ち着かなきゃ……ううう…… </P>
<P> </P>
<P> （ガチャッ） </P>
<P>ソフィーの母 ：ただいま～！ </P>
<P>店員 ：奥様！ </P>
<P>店員 ：お帰りなさい！ </P>
<P>ソフィーの母 ：どう、これ！キングズベリーで流行りはじめたのよ！ </P>
<P>店員 ：わぁ、きれい！ </P>
<P>店員 ：お似合いですよ。 </P>
<P>ソフィーの母 ：これ絶対いけると思わない？ソフィー、ソフィー……あら？ </P>
<P>店員 ：奥様、ソフィーさんは今日は下りてきていません。 </P>
<P>ソフィーの母 ：まぁ、どうしたのかしら。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィーの母 ：ソフィー、ソフィー。 </P>
<P> （トントン） </P>
<P>ソフィーの母 ：ソフィー。 </P>
<P>ソフィー ：開けないで、ひどい風邪なの。移っちゃ大変よ。 </P>
<P>ソフィーの母 ：すごい声ね。90歳のおばあさんみたい。 </P>
<P>ソフィー ：今日は一日寝てるわ。 </P>
<P>ソフィーの母 ：そぅお？じゃあね。 </P>
<P>ソフィー ：よいしょっと…… </P>
<P> 大丈夫よおばあちゃん、あなた元気そうだし、服も前より似合ってるわ。 </P>
<P>階下の店員 ：（あははは、うふふふ……） </P>
<P>ソフィー ：でもここには居られないわね。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：あいた！年寄りって大変ね。 </P>
<P> </P>
<P> （食料を持って裏口から出て行く） </P>
<P>街の若者 ：おばあちゃん、手を貸そうか？ </P>
<P>ソフィー ：親切だけは頂くよ、ありがとさん。 </P>
<P>藁運びの御者 ：構わねえけど、ばあちゃんどこ行くの？ </P>
<P>ソフィー ：あんたの行くとこの、その先だよ。 </P>
<P> </P>
<P>藁運びの御者 ：やめときなよ！ばあちゃん、この先には魔法使いしかうろついてないぜ！ </P>
<P>ソフィー ：ありがとよー！ </P>
<P>御者の家族 ：これから中折れ谷へ行くの？ </P>
<P>藁運びの御者 ：末の妹がいるんだって。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：まだいくらも来てないわね。歯だけは前のまんまで良かったわ。 </P>
<P> ん？杖に良さそう。よっ……あいたたっ。 </P>
<P> ちょっと太いかしらね。ん……うんん……！ </P>
<P> ふう、ふう……頑固な枝ねえ……。ソフィーばあちゃんを甘く見ないで！ </P>
<P> うんん……！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：かかしか。また魔女の手下かと思ったよ。 </P>
<P> でもおまえ、なんで一人で立ってるの？ </P>
<P> 頭がカブね。あたし、小さい時からカブは嫌いなの。 </P>
<P> 逆さになってるよりましでしょ。元気でね。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：うぅ、寒い……。まだ街があんなとこにある。……んん？ </P>
<P> ついてくるんじゃないよ！恩返しなんかしなくていいから！ </P>
<P> あんたも魔法のなんかだろ、魔女とか呪いとかもうたくさん！ </P>
<P> どこか好きなとこに立ってなさい！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：はあ、はあ…… </P>
<P> これはぴったりの杖だね。ありがとさん。 </P>
<P> ついでに今夜泊まるうちも連れてきてくれると、いいんだけどねえ。 </P>
<P> ……年を取ると悪知恵がつくみたい。 </P>
<P> </P>
<P><BR>ソフィー ：大きな軍艦。 </P>
<P> あぁ、年寄りがこんなに体が動かないなんて思わなかった。 </P>
<P> ……煙の匂いがする。山小屋でもあるのかしら？ </P>
<P> ふう、ふう…… </P>
<P> </P>
<P><BR>ソフィー ：カブ頭、あれハウルの城じゃない！？ </P>
<P> あんた、うちを連れてこいって、まさか……！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：まあ、これ。これでお城なの？ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：そこが入口かい？ </P>
<P> ちょっと待ちなさいよ、はあっ、はあっ……これ、ちょっと！ </P>
<P> 乗せるの乗せないの、どっちかにして……うわあっ！ </P>
<P> 肩掛けが……！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：カブ、中はあったかそうだからとにかく入らせてもらうわ。ありがと！ </P>
<P> いくらハウルでもこんなおばあちゃんの心臓は食べないでしょ。 </P>
<P> 今度こそさよなら。あんたはカブだけどいいカブだったよ！ </P>
<P> 幸せにね！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：はぁ……。あいててて……よいしょ。 </P>
<P> なんだろねえ、ただのボロ屋にしか見えないけど…… </P>
<P> ま、年を取っていいことは、驚かなくなることね。 </P>
<P>カルシファー ：……こんがらがった呪いだね。 </P>
<P>ソフィー ：んん！？ </P>
<P>カルシファー ：その呪いは、簡単には解けないよ。 </P>
<P>ソフィー ：火が喋った！ </P>
<P>カルシファー ：おまけに人には喋れなくしてあるね。 </P>
<P>ソフィー ：あんたがハウル？ </P>
<P>カルシファー ：違うね。おいらは火の悪魔カルシファー！……っていうんだ。 </P>
<P>ソフィー ：ならカルシファー、あんたあたしに掛けられた呪いを解けるの？ </P>
<P>カルシファー ：簡単さ、おいらをここに縛り付けている呪いを解いてくれれば、 </P>
<P> すぐあんたの呪いも解いてやるよ。 </P>
<P>ソフィー ：悪魔と取引をするってわけね。 </P>
<P> あんたそれ約束できるの？ </P>
<P>カルシファー ：悪魔は約束はしないさ。 </P>
<P>ソフィー ：……他を当たるのね。 </P>
<P>カルシファー ：おいら、可哀想な悪魔なんだ。 </P>
<P> 契約に縛られて、ここでハウルにこき使われてるんだ！ </P>
<P> この城だって、おいらが動かしてるんだぜ！ </P>
<P>ソフィー ：そぅ……大変なのねぇ…… </P>
<P>カルシファー ：ハウルと、おいらの契約の秘密を見破ってくたら呪いは解けるんだ。 </P>
<P> そしたら、あんたの呪いも解いてやるよ！ </P>
<P>ソフィー ：分かったわ……取引ね……んん…… </P>
<P>カルシファー ：……ばあちゃん。ばあちゃん！ </P>
<P>ソフィー ：グガガガ…… </P>
<P>カルシファー ：……大丈夫かなあ。 </P>
<P> </P>
<P> （ドンドンドンドン！） </P>
<P>ソフィー ：うん……んん…… </P>
<P> ……？……ぐがー、ぐがー </P>
<P>マルクル ：あれっ、誰だろう？ </P>
<P>カルシファー ：港町ー！ </P>
<P>マルクル ：いつ入ったのかなあ。……待たれよ。 </P>
<P>マルクル ：これは町長殿。 </P>
<P>町長 ：日はすっかり昇りましたぞ。ジェンキンス殿はご在宅か。 </P>
<P>マルクル ：師匠は留守じゃ。わしが代わりに承りましょうぞ。 </P>
<P>町長 ：国王陛下からの招請状です。いよいよ戦争ですぞ。 </P>
<P> ：魔法使いも呪い（まじない）師も魔女ですら、 </P>
<P> 皆国家に協力せよとの思し召しです。 </P>
<P> 必ず出頭するように。では。 </P>
<P>ソフィー ：やだねぇ、戦争なんて。 </P>
<P>マルクル ：其許（そこもと）は何者じゃ。 </P>
<P>ソフィー ：カルシファーが入れたんだよ。 </P>
<P>カルシファー ：俺じゃないよ、荒地から勝手に入ってきたんだよ。 </P>
<P>マルクル ：荒地から？うーむ…… </P>
<P> まさか魔女じゃないでしょうね。 </P>
<P>カルシファー ：魔女なら入れるもんか。 </P>
<P> ……また、港町ー。 </P>
<P>マルクル ：お客かな？……待たれよ。 </P>
<P> 何用かな？ </P>
<P>女の子 ：母さんの代わりに来たの。 </P>
<P>マルクル ：またいつもの呪い（まじない）じゃな？ </P>
<P>女の子 ：うん。 </P>
<P>マルクル ：大人しくしておれよ。 </P>
<P>ソフィー ：あれ……？荒地じゃない。 </P>
<P>女の子 ：おばあちゃん、おばあちゃんも魔女？ </P>
<P>ソフィー ：ん？そうさ、この国一こわーい魔女だよ？ </P>
<P>女の子 ：うふふ。 </P>
<P>マルクル ：この粉を撒けば船に良い風が吹く。 </P>
<P>女の子 ：うん。 </P>
<P>マルクル ：ご苦労。 </P>
<P> 困るんじゃ、デタラメを言いおって。 </P>
<P>ソフィー ：あんたその変装やめた方がいいよ。 </P>
<P>マルクル ：変装じゃありません、魔法です！ </P>
<P>カルシファー ：キングズベリーの扉ー！ </P>
<P>マルクル ：待たれよ。 </P>
<P>侍従 ：魔法使いペンドラゴン氏のお住まいはこちらか。 </P>
<P>マルクル ：如何にも。 </P>
<P>侍従 ：国王陛下の招請状をお持ち致しました。 </P>
<P> ペンドラゴン氏には必ず宮殿へ参上されるよう、お伝え願いたい。 </P>
<P>マルクル ：ご苦労様でござる。 </P>
<P>ソフィー ：まるで王様のいる都だね。 </P>
<P>マルクル ：引っ込まないと鼻がなくなりますよ。 </P>
<P> もう、うろうろしないでください！ </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：……いい加減にしてください！怒りますよ！ </P>
<P>ソフィー ：ここは魔法のうちなんだね。 </P>
<P>マルクル ：もーう。 </P>
<P>ソフィー ：この黒い所はどこに行くの？ </P>
<P>マルクル ：ハウルさんしか知りません！僕は朝ごはんにします！ </P>
<P>ソフィー ：ベーコンに卵もあるじゃない。 </P>
<P>マルクル ：ハウルさんがいなければ、火は使えないんです！ </P>
<P>ソフィー ：あたしがやってあげる。 </P>
<P>マルクル ：無理ですよ、カルシファーはハウルさんの言うことしか聞かないんです。 </P>
<P>カルシファー ：そうさ。料理なんかやんないよ。 </P>
<P>ソフィー ：あらあら、帽子がこんなとこに。 </P>
<P> さぁカルシファー、お願いしますよ。 </P>
<P>カルシファー ：やだね。おいらは悪魔だ。だーれの指図も受けないよー。 </P>
<P>ソフィー ：言うこと聞かないと、水を掛けちゃうよ。 </P>
<P> それとも取引のことをハウルにばらそうか？ </P>
<P>カルシファー ：うっ……こ、こんなばあちゃん入れるんじゃなかった！ </P>
<P>ソフィー ：さあ、どうする！？ </P>
<P>カルシファー ：う、うう…… </P>
<P>ソフィー ：そうそう、いい子ねー。 </P>
<P>カルシファー ：チェ、チェッ、ベーコンなんか焦げちまえ！ </P>
<P>マルクル ：カルシファーが言うことを聞いた…… </P>
<P>ソフィー ：お茶も欲しいね。ポットもあるの？ </P>
<P>マルクル う ：ん。 </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：ハウルさん、お帰りなさい！ </P>
<P> 王様から手紙が来てますよ、ジェンキンスにも、ペンドラゴンにも！ </P>
<P>ハウル ：……カルシファー、よく言うことを聞いているね。 </P>
<P>カルシファー ：おいらを苛めたんだ！ </P>
<P>ハウル ：誰にでも出来ることじゃないな。あんた、誰？ </P>
<P>ソフィー ：あ、あたしはソフィーばあさんだよ。ほら、この城の新しい掃除婦さ。 </P>
<P>ハウル ：貸しなさい。 </P>
<P>ソフィー ：ええっ…… </P>
<P>ハウル ：あとベーコン二きれに、卵を六個ちょうだい。 </P>
<P>ソフィー ：あ、えっ……。 </P>
<P>カルシファー ：うまい、あむっ、うまっ…… </P>
<P>ハウル ：掃除婦って、誰が決めたの？ </P>
<P>ソフィー ：そりゃあーあたしさ。こんな汚いうちはどこにもないからね。 </P>
<P>ハウル ：ふーん。……マルクル、皿！ </P>
<P>カルシファー ：うー、皆でおいらを苛めるんだ！ </P>
<P>マルクル ：ソフィーさんもどうぞ。こっちに座って。 </P>
<P> 選んで！汚れてないのこれしかないんだ。 </P>
<P>ソフィー ：……仕事はたくさんありそうね。 </P>
<P>ハウル ：マルクル。 </P>
<P>マルクル ：はい。 </P>
<P>ハウル ：ソフィーさん。 </P>
<P>ソフィー ：あ、ありがとう。 </P>
<P>ハウル ：諸君、いただこう。うまし糧を。 </P>
<P>マルクル ：うまし糧！久しぶりですね、ちゃんとした朝ごはんなんて！ </P>
<P> はぐ、むっ……むぐ…… </P>
<P>ソフィー ：……教えることもたくさんありそうね。 </P>
<P>ハウル ：で。あなたのポケットの中のものは何？ </P>
<P>ソフィー ：へ？……何かしら。 </P>
<P>ハウル ：貸して。 </P>
<P>マルクル ：ああっ！焼き付いた、ハウルさん、これ……！ </P>
<P>ハウル ：とても古い魔法だよ。しかも強力だ。 </P>
<P>マルクル ：荒地の魔女ですか！？ </P>
<P>ハウル ：『汝、流れ星を捕らえし者 心なき男 お前の心臓は私のものだ』…… </P>
<P> ：……テーブルが台無しだね。 </P>
<P>ソフィー ：ああっ！ </P>
<P>マルクル ：すごい、消えた！ </P>
<P>ハウル ：焼け焦げは消えても、呪いは消えないさ。 </P>
<P> 諸君、食事を続けてくれたまえ。カルシファー、城を100キロほど動かしてくれ。 </P>
<P>カルシファー ：むっ、むぐ、うまっ…… </P>
<P>ハウル ：それに風呂に熱いお湯を送ってくれ。 </P>
<P>カルシファー ：えーっ、それもかよう！ </P>
<P>マルクル ：……ソフィーさんて荒地の魔女の手下なの？ </P>
<P>ソフィー ：バカを言うんじゃないよ！あたしこそ荒地の魔女に……むぐぐ…… </P>
<P> ほんとはあたしは……わ、ん、わ、ん…… </P>
<P> ……荒地の魔女め！今度会ったらただじゃおかないからね！！ </P>
<P> さっさと食べちゃおう！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：虫どもー、さっさと出ないと掃き出しちゃうよー！どいつもこいつも人をバカにして！ </P>
<P>老人 ：呪い（まじない）を頼みたいんじゃが…… </P>
<P>マルクル ：後にして！中で魔女が暴れておるんじゃ。 </P>
<P> </P>
<P>カルシファー ：ソフィー！消えちゃうよ！薪をくれなきゃ死んじゃうよー！ </P>
<P> わ、何するんだ、あー！落ちる、落ちる！危なーい！ </P>
<P>ソフィー ：灰を掻くのよ。すぐだからね。 </P>
<P>カルシファー ：やばいよ、あ、危なーい！あぶなっ、う、落ちる、う、あ、やばい…… </P>
<P> あ、お、落ち……あー！ </P>
<P>ハウル ：ふうーっ…… </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：……？ </P>
<P>ハウル ：友人をあまり苛めないでくれないか。 </P>
<P>マルクル ：ハウルさん、お出掛けですか？ </P>
<P>ハウル ：マルクル、掃除も大概にするように、掃除婦さんに言っといて。 </P>
<P>マルクル ：……ソフィー、何かやったの？ </P>
<P>ソフィー ：ん？ </P>
<P>カルシファー ：おいらを苛めたんだ！おいらが死んだら、ハウルだって死ぬんだぞ！ううう </P>
<P>ソフィー ：あたしは掃除婦なの！掃除をするのが仕事なの！ </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：あ、だ、だだ、だめっ！二階はだめ！！ </P>
<P>ソフィー ：あたしなら大事なものを急いでしまっとくけど？ </P>
<P>マルクル ：あっ！……僕んとこ後回しにして！ </P>
<P>ソフィー ：ふふふ。腹を立てたら元気が出たみたいね。 </P>
<P> 変なうちねぇ……。 </P>
<P> ……ん？うわっ……わあーっ……！ </P>
<P> すごーい！カルシファー、カルシファー！この城あんたが動かしてるの！？ </P>
<P>カルシファー ：うるさいなあ、当たり前じゃないか。 </P>
<P>ソフィー ：すごいよカルシファー、あんたの魔法は一流ね、見直したわ！ </P>
<P>カルシファー ：そうかなあ？……そおぉうかなあぁあ！？ </P>
<P>マルクル ：あー！ま、まだ駄目だよ！ </P>
<P>ソフィー ：ふわわ……わあー！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：きれいだねえ。 </P>
<P>マルクル ：星の湖（うみ）って言うんだよ。 </P>
<P>ソフィー ：ん？……なにか穴に挟まってる。何かしら。マルクル、手を貸して。 </P>
<P>マルクル ：うん。 </P>
<P>二人 ：んー、うーん…… </P>
<P>マルクル ：かかしだ！ </P>
<P>ソフィー ：カブ頭のカブって言うの。あんた、逆さになるのが好きだねえ。 </P>
<P>マルクル ：あっ！ </P>
<P>ソフィー ：妙なものになつかれちゃったねえ。あたしについてきたんだよ。 </P>
<P>マルクル ：……ソフィーってほんとに魔女じゃないの？ </P>
<P>ソフィー ：そうさ、この国一番のきれい好きな魔女さ。 </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：カブー、引っ張りすぎだよー！ </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：洗濯物が気に入ったみたいだね。 </P>
<P>ソフィー ：おかげで早く乾くでしょう。 </P>
<P>マルクル ：カブって悪魔の一族じゃないかな。カルシファーが怒らないもの。 </P>
<P>ソフィー ：そうね。死神かもしれないわね。でも……こんなところに来られたんだから…… </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：ソフィー。洗濯物、しまったよ。 </P>
<P>ソフィー ：あぁ、ありがと。もう戻らなきゃね。 </P>
<P> 不思議ね、こんなに穏やかな気持ちになれたの初めて…… </P>
<P> </P>
<P> （ハウルが敵を蹴散らし、戻ってくる） </P>
<P>ハウル ：はあ…… </P>
<P>カルシファー ：くさい。生き物と……鉄が焼ける匂いだ。 </P>
<P>ハウル ：はあ、はあ……うっ！……は、はあっ…… </P>
<P>カルシファー ：あんまり飛ぶと、戻れなくなるぜ。……すごいだろ、ソフィーが置いてくれたんだ。 </P>
<P>ハウル ：ひどい戦争だ。南の海から北の国境まで、火の海だった…… </P>
<P>カルシファー ：おいら火薬の火は嫌いだよ。奴らには礼儀ってものがないからね。 </P>
<P>ハウル ：同業者に襲われたよ。 </P>
<P>カルシファー ：荒地の魔女か？ </P>
<P>ハウル ：いや。三下だが、怪物に変身していた。 </P>
<P>カルシファー ：そいつら、後で泣くことになるな。まず人間には戻れないよ。 </P>
<P>ハウル ：平気だろ。泣くことも忘れるさ。 </P>
<P>カルシファー ：ハウルも国王に呼び出されてるんだろ？ </P>
<P>ハウル ：まあね。……風呂にお湯を送ってくれ。 </P>
<P>カルシファー ：えっ……またかよ。 </P>
<P> </P>
<P> （カーテンの隙間から、寝ているソフィーを見る） </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：んっ！？ああっ！？……ハウル？ </P>
<P>カルシファー ：そ。お湯の使いすぎだよ。 </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：ハウルさん、絶対食べないと思うよ。 </P>
<P>ソフィー ：いいの！ </P>
<P>街人 ：おはよう。 </P>
<P>ソフィー ：おはよう。……朝の市場なんて素敵じゃない。あたし海初めてなの。 </P>
<P> ：きれいね、きらきらしてて。 </P>
<P>マルクル ：いつもと同じじゃ。 </P>
<P>マルクル ：わしは芋は嫌いじゃ。 </P>
<P>ソフィー ：払って。ありがとさん。 </P>
<P>野菜売り ：まいど！ </P>
<P>魚売り ：どれもさっき揚がった魚だよ。うめえぞ。 </P>
<P>マルクル ：わしは魚嫌いじゃ。 </P>
<P> </P>
<P>街人 ：艦隊が帰ってきたぞ！ </P>
<P>マルクル ：ん？ </P>
<P>街人 ：ひといくさあったらしいんだ。 </P>
<P>魚売り ：ほんとかよ！奥さん、後にして！ </P>
<P>街人 ：がんばれ、がんばれー！ </P>
<P>マルクル ：ソフィー、もっと近くに行ってみようよ！ </P>
<P>ソフィー ：いや、あたしこういうのだめ！戻ろう！ </P>
<P> ……マルクル、ゴム人間がいる！ </P>
<P>マルクル ：え？ </P>
<P>ソフィー ：動かないで！荒地の魔女の手下よ！ </P>
<P>ソフィー ：……行ったわ。あんなお化け、他の人には見えないのかしら。 </P>
<P> </P>
<P>街人 ：……あそこだ！ </P>
<P>街人 ：あいつだ、あいつが落としたんだ！ </P>
<P>マルクル ：ソフィー、あれ敵の飛行軍艦だよ！ソフィー、いやだよ！ソフィー！ </P>
<P>軍人 ：拾うな！そのビラを拾うな！ </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：はぁ、はぁ…… </P>
<P>マルクル ：ソフィー、大丈夫？ </P>
<P>ソフィー ：はぁ……はぁ……お水を一杯お願い。 </P>
<P>マルクル ：うん。 </P>
<P>ソフィー ：はぁ……はー……。 </P>
<P>ハウル ：わあぁああああーーっ！！ </P>
<P>二人 ：わっ！？ </P>
<P>ハウル ：ああああ、あー、あぁあー！ </P>
<P> ……ソフィー、風呂場の棚いじった！？ </P>
<P> 見て！こんな変な色になっちゃったじゃないか！！ </P>
<P>ソフィー ：き、きれいな髪ね。 </P>
<P>ハウル ：よく見て！！ </P>
<P> ソフィーが棚をいじくって、呪い（まじない）をめちゃくちゃにしちゃったんだ！ </P>
<P>ソフィー ：何もいじってないわ、きれいにしただけよ。 </P>
<P>ハウル ：そーじ、そーじ！！だから掃除も大概にしろって言ったのに！！ </P>
<P> ：絶望だ……何という屈辱……うっ、うっ……うううっ…… </P>
<P>ソフィー ：そんなにひどくないわよ。 </P>
<P>ハウル ：ううっ……うっ…… </P>
<P>ソフィー ：あ、あたしはそれはそれできれいだと思うけど？ </P>
<P>ハウル ：もう終わりだ……美しくなかったら生きていたって仕方がない……うっ…ううう…… </P>
<P>ソフィー ：……ええっ！？ </P>
<P>カルシファー ：やめろー！ハウル、やめてくれ！ </P>
<P>マルクル ：闇の精霊を呼び出してる！前にも女の子にふられて、出したことがあるんです！ </P>
<P>ソフィー ：えぇ！？ </P>
<P> ……さあハウル、もうやめなさい。髪なら染め直せばいいじゃない。 </P>
<P> え？ひっ！？ </P>
<P> ……もう！ハウルなんか好きにすればいい！ </P>
<P> あたしなんか美しかったことなんて一度もないわ！！こんなとこ、もういやっ！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：ひっ、っ…… </P>
<P> うわーあああん、あーああーん、あー……うわーん…… </P>
<P> （カブが傘を差し掛けてくれる） </P>
<P>ソフィー ：……ありがとう、カブ。あなたは優しいかかしね。 </P>
<P>マルクル ：ソフィー！お願い、戻って来て！ハウルさんが大変なんだ！！ </P>
<P> </P>
<P>カルシファー ：ハウル、やめろー！消えちゃうよう！あー、うー！ソフィー！早くしてー！ </P>
<P>ソフィー ：派手ねえ……。 </P>
<P>マルクル ：死んじゃったかなあ？ </P>
<P>ソフィー ：大丈夫よ。癇癪で死んだ人はいないわ。マルクル、手伝って。 </P>
<P>マルクル ：うん。 </P>
<P> </P>
<P>二人 ：うん、うーん！ </P>
<P>ソフィー ：マルクル、お湯をたっぷりね！ </P>
<P>マルクル ：うん！ </P>
<P>ソフィー ：ほら、自分足で歩くのよ！ </P>
<P> （タオルが落ちる）（尻） </P>
<P>ソフィー ：マルクル、あとお願いね！ </P>
<P>マルクル ：うん！ </P>
<P>ソフィー ：……またお掃除しなきゃ。 </P>
<P> </P>
<P> （トントン） </P>
<P>ソフィー ：入りますよ。 </P>
<P> ：温かいミルクよ。飲みなさい。 </P>
<P>ハウル ：（首を横に振る） </P>
<P>ソフィー ：ここに置いておくから。冷めないうちに飲みなさいね。 </P>
<P>ハウル ：……行かないで、ソフィー。 </P>
<P>ソフィー ：……。ミルク飲む？ </P>
<P>ハウル ：（首を横に振る） </P>
<P> ：……荒地の魔女が僕の家を探しているんだ。 </P>
<P>ソフィー ：えっ、あっ……港で手下を見掛けたわ。 </P>
<P>ハウル ：僕は本当は臆病者なんだ。このがらくたは、全部魔女よけの呪いなんだよ。 </P>
<P> ：怖くて怖くてたまらない…… </P>
<P>ソフィー ：ハウルはどうして荒地の魔女に狙われてるの？ </P>
<P>ハウル ：面白そうな人だなーと思って、僕から近づいたんだ。それで逃げ出した。 </P>
<P> ：恐ろしい人だった…… </P>
<P>ソフィー ：ふぅーん…… </P>
<P>ハウル ：そしたら今度は戦争で王様に呼び出された。ジェンキンスにも、ペンドラゴンにも。 </P>
<P>ソフィー ：ハウルって一体いくつ名前があるの？ </P>
<P>ハウル ：自由に生きるのに要るだけ。 </P>
<P>ソフィー ：ふうん。 </P>
<P> 王様の話断れないの？ </P>
<P>ハウル ：あれ。魔法学校に入学するとき、誓いを立てさせられてる。 </P>
<P>ソフィー ：……ねえハウル、王様に会いに行きなさいよ！ </P>
<P>ハウル ：えぇ！？ </P>
<P>ソフィー ：はっきり言ってやればいいの。 </P>
<P> くだらない戦争はやめなさい、私は手伝いません！って。 </P>
<P>ハウル ：はあー……。ソフィーはあの人達を知らないんだ。 </P>
<P>ソフィー ：だって王様でしょ？みんなのことを考えるのが、王様でしょ。 </P>
<P>ハウル ：……そうか！ソフィーが代わりに行ってくれればいいんだ！ </P>
<P>ソフィー ：えぇ！？ </P>
<P>ハウル ：ペンドラゴンのお母さんってことでさ。 </P>
<P> 息子は役立たずのろくでなしですって言ってくれればいいんだ！ </P>
<P> マダムサリマンも諦めてくれるかもしれない！ </P>
<P>ソフィー ：マダムサリマン？ </P>
<P> </P>
<P>ハウル ：……その帽子かぶるの？せっかく魔法で服をきれいにしたのに。 </P>
<P>ソフィー ：行ってくるね。 </P>
<P>マルクル ：うん。 </P>
<P>カルシファー ：いってらっしゃーい。 </P>
<P>ソフィー ：あっ…… </P>
<P>ハウル ：お守り。無事に行って帰れるように。 </P>
<P>ソフィー ：……。 </P>
<P>ハウル ：大丈夫、僕が姿を変えてついていくから。さあ、行きたまえ！ </P>
<P>ソフィー ：絶対うまくいかないって気がしてきた。 </P>
<P>ソフィー ：見守るってまさか、カラスに化けてるんじゃないわよね。 </P>
<P> ハウルならもっと派手なものに化けるわね。……まさかね。 </P>
<P> 王宮って遠いわねえ…… </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：……ハウル？まさかね。 </P>
<P> あんたまさかハウルじゃないでしょうね？ </P>
<P>ヒン ：ヒン！ </P>
<P>ソフィー ：もう、よりによって年寄り犬に化けるなんて！ </P>
<P> 年寄りがどんなに大変だか分かってるの？ </P>
<P> </P>
<P>荒地の魔女 ：お久しぶり。あの時の帽子屋さんでしょ？ </P>
<P>ソフィー ：荒地の魔女！ </P>
<P>荒地の魔女 ：ハウルに手紙を届けてくれてありがとう……ハウル元気かしら？ </P>
<P>ソフィー ：震え上がっていたわ。おかげで私は掃除婦として働いてるけど。 </P>
<P>荒地の魔女 ：おほほほ、そりゃ良かったわねえ。ところであなた、なんで王様の所へ行くのよ？ </P>
<P>ソフィー ：就職活動！ハウルのところはもううんざり！あんたこそなんなの？ </P>
<P>荒地の魔女 ：私は王様に呼ばれているのよ。 </P>
<P> サリマンのバカもいよいよ、あたしの力が必要になったみたいね。 </P>
<P>ソフィー ：そんなことよりあたしに掛けた呪いを解きなさいよ。 </P>
<P>荒地の魔女 ：あらぁ、ダメよ。あたしは呪いは掛けられるけど、解けない魔女なの。 </P>
<P> お先に失礼～。 </P>
<P>ソフィー ：ちょっと待ちなさい！待ちなさいってば！ </P>
<P> ……もう！あんたがいなかったら杖で殴ってやったのに！ </P>
<P> </P>
<P>荒地の魔女 ：おまえたち、どうしたんだい！ </P>
<P>侍従 ：奥様！これより先は禁じられております！どうかお歩き下さい！ </P>
<P>荒地の魔女 ：サリマンめ、魔法陣など仕掛けてあたしに階段を登らせる気かい！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：追いついちゃうわ！知らん顔していくのよ。 </P>
<P> </P>
<P>ヒン ：ヒン！ </P>
<P>ソフィー ：！？…はあ。 </P>
<P> ：よっこいせっ……うっ……なんでこんなに重いのよっ…… </P>
<P>荒地の魔女 ：ふっ……ちょっとっ……待ちなさいよっ…… </P>
<P>ソフィー ：何よ……呪いの、解き方でも……思い出したの！？ </P>
<P>荒地の魔女 ：だから……それは……知らない、の！ </P>
<P>ソフィー ：じゃあ勉強するのね！ </P>
<P>荒地の魔女 ：はぁ、はぁ……おっかしぃわねぇ……なんであんな、元気なの！？ </P>
<P>ソフィー ：はぁ、ふう……あんたちょっと降りて。 </P>
<P> ……あんた、今日はやめといたら？無理だよ！ </P>
<P>荒地の魔女 ：あたしはね、ここを追い出されてから、五十年もね、荒地でこの日が来るのを、 </P>
<P> ずぅう～っと、待ってたんだ！ </P>
<P>ソフィー ：じゃあ頑張りなー！手を貸すほど、あたしは親切じゃないんでね！おいでハウル。 </P>
<P>荒地の魔女 ：もぅ、なによ薄情者！今度こそ、よぼよぼにしてやるから！はぁ、はぁ…… </P>
<P>ソフィー ：早くおいでー！ </P>
<P>侍従 ：奥様、ご案内します。 </P>
<P>ソフィー ：ふん、それより、あの人を助けてあげなさいよ。 </P>
<P>侍従 ：お手をお貸しすることは、禁じられております。 </P>
<P>ソフィー ：なによ！来いって言ったのは王様じゃない！ </P>
<P>ソフィー ：あんたー、がんばりなー！もうちょっとよー！それでも魔女なのー！ </P>
<P>荒地の魔女 ：うるさいわねー！ふ、は、ふ、は、はぁ…… </P>
<P>ソフィー ：あんた急に老けてない？ </P>
<P> </P>
<P>侍従 ：ペンドラゴン夫人、荒地の魔女様ー！ </P>
<P>荒地の魔女 ：はぁ、はあ…… </P>
<P>ソフィー ：しっかりしなさいよ！ここにずっと来たかったんでしょ？ </P>
<P>荒地の魔女 ：はぁ、はぁ…… </P>
<P>侍従 ：ペンドラゴン夫人、荒地の魔女様ー！ </P>
<P>荒地の魔女 ：ペンドラゴン……聞いたことある名だね…… </P>
<P>ソフィー ：当たり前でしょ、私のいた、帽子屋の名だもん。 </P>
<P>荒地の魔女 ：そだっけ？ </P>
<P> </P>
<P>侍従 ：こちらでお待ち下さい。 </P>
<P>荒地の魔女 ：ああ……椅子……あたしんだよ！……ああ、はあー…… </P>
<P>ソフィー ：ハウル？こっちおいで！ </P>
<P> ……ん？ </P>
<P>小姓 ：奥様はこちらへ。 </P>
<P>荒地の魔女 ：……んんんん！？……ひっ、……あああっ……あああ……！ </P>
<P> （結界に閉じこめられる） </P>
<P> </P>
<P>サリマン ：……ハウルのお母様だそうですね。 </P>
<P>ソフィー ：はい。ペンドラゴンと申します。 </P>
<P>サリマン ：お疲れでしょ。どうぞ、それへ。 </P>
<P>ソフィー ：はい。 </P>
<P>サリマン ：私は王室付き魔法使いのサリマンです。 </P>
<P>ソフィー ：……ん？あの、その犬は…… </P>
<P>サリマン ：ヒンのこと？私の使い犬。あなたを案内させました。 </P>
<P>ソフィー ：は？……はぁあ…… </P>
<P>サリマン ：つまり、ハウルは来ないのですね？ </P>
<P>ソフィー ：母親を身代わりにするような息子です。王様のお役には立てないと思います。 </P>
<P>サリマン ：困ったことになりました。あの子は私の最後の弟子なのに…… </P>
<P> 素晴らしい才能の持ち主でした。 </P>
<P> ようやく跡継ぎに恵まれたと、本当に嬉しかったのです。 </P>
<P> ところが、あの子は悪魔に心を奪われ、私の元を去りました。 </P>
<P> 魔法を自分のためだけに使うようになったのです。 </P>
<P>ソフィー ：……。 </P>
<P>サリマン ：お母様。 </P>
<P>ソフィー ：はい。 </P>
<P>サリマン ：あの子はとても危険です。心を無くしたのに、力がありすぎるのです。 </P>
<P> このままでは、ハウルは荒地の魔女のようになってしまう。……ここへ。 </P>
<P>ソフィー ：……えぇっ！？あんた、どうしちゃったの！？ </P>
<P>サリマン ：本当の年に戻してあげただけです。もう魔力はありません。 </P>
<P> その人も昔は、とても素晴らしい魔法使いでした。 </P>
<P> 悪魔と取引をして、長い間に身も心も食い尽くされてしまったのです。 </P>
<P> 今、王国はいかがわしい魔法使いや魔女を野放しにはできません。 </P>
<P> ハウルがここへ来て、王国のために尽くすなら、悪魔と手を切る方法を教えます。 </P>
<P> 来ないなら力を奪い取ります。……その女のように。 </P>
<P>ソフィー ：お言葉ですが！ </P>
<P> ハウルが何故ここへ来たがらないのか、分かりました。 </P>
<P> ここは変です。招いておきながら年寄りに階段を登らせたり、 </P>
<P> 変な部屋に連れ込んだり……まるで罠だわ。 </P>
<P> ハウルに心が無いですって？ </P>
<P> 確かに、わがままで臆病で、何を考えているか分からないわ。 </P>
<P> でもあのひとはまっすぐよ。自由に生きたいだけ。 </P>
<P> ハウルは来ません。魔王にもなりません。 </P>
<P> 悪魔とのことは、きっと自分で何とかします。 </P>
<P> 私はそう信じます！ </P>
<P>サリマン ：……お母様、ハウルに恋してるのね。 </P>
<P>ソフィー ：はっ！ </P>
<P>荒地の魔女 ：ハウル！ハウルが来るのかい！？欲しいよ、ハウルの心臓が欲しい……！ </P>
<P>ソフィー ：あんたいい加減にしなさい！ハウルは来ないのよ！ </P>
<P>サリマン ：ハウルは来ますよ。ハウルの弱点も見つかったわ。 </P>
<P> </P>
<P>サリマン ：王陛下。 </P>
<P>国王 ：いや、そのまま。どうだ、体の具合は？ </P>
<P>サリマン ：恐れ入ります。 </P>
<P>国王 ：会議はつまらぬ。息抜きにひと飛びしてきたのだ。 </P>
<P>サリマン ：それはそれは…… </P>
<P>国王 ：この者達は？ </P>
<P>サリマン ：魔法使いハウルの母君です。 </P>
<P>国王 ：おぉ…… </P>
<P> せっかくだがな、私は魔法で戦に勝とうとは思わんのだ。 </P>
<P> 確かに、この王宮にはサリマンの力で敵の爆弾は当たらない。 </P>
<P> その代わり、周りの街に落ちるのだ。 </P>
<P> 魔法とはそういうものだ……なあ、サリマン。 </P>
<P>サリマン ：今日の陛下は能弁ですこと。 </P>
<P>二人目の国王 ：サーリマン！！ </P>
<P>ソフィー ：えっ？ええっ！？ </P>
<P>二人目の国王 ：いよいよ決戦だぞ！今度こそ叩きのめしてやる！……お？ </P>
<P> ……はっははははは、サリマン、今度の影武者はよくできてるな！ </P>
<P> 良い知らせを待て！ </P>
<P>サリマン ：恐れ入ります。 </P>
<P>二人目の国王 ：将軍達は集まったか！？ </P>
<P>侍従 ：はい！ </P>
<P> </P>
<P>サリマン ：……ハウル。久しぶりね。 </P>
<P>ハウル ：先生もお元気で何よりです。 </P>
<P>サリマン ：初めから分かっていましたよ？ </P>
<P>ハウル ：誓いは守りました。先生と戦いたくはありません。母を連れて行きます。 </P>
<P>サリマン ：逃がしませんよ？ </P>
<P>荒地の魔女 ：ひぃ、ひいい～……！ </P>
<P>ハウル 下を見ないで。すごい力だ。 </P>
<P>サリマン ：お母様にそなたの正体を見せてあげよう。 </P>
<P>荒地の魔女 ：ひいい……！ </P>
<P> </P>
<P>ハウル ：うぅう……ううあああああっっ！ </P>
<P>ソフィー ：ハウルだめ！罠よ！！ </P>
<P> </P>
<P>ハウル ：掴まって！ソフィー、前へ移れ！あーあ……ソフィーがみんな連れてきちゃったなあ。 </P>
<P>荒地の魔女 ：わんちゃん。 </P>
<P>ヒン ：ヒン！ </P>
<P>ソフィー ：ヒン、あんたはサリマンの回し者でしょ。 </P>
<P> しょうがないわねぇ、今更おろせないじゃない。 </P>
<P>ハウル ：ソフィー、舵を取れ。 </P>
<P>ソフィー ：えー、できないわよそんなこと！ </P>
<P>ハウル ：追いかけてきた！ </P>
<P>ソフィー ：えっ？ </P>
<P>ハウル ：僕が相手をする。ソフィーはこのまま荒地の城まで飛ぶんだ。 </P>
<P>ソフィー ：えー？そんなの無理よ！ </P>
<P>ハウル ：大丈夫、方向は指輪が教えてくれる。カルシファーを心の中で呼ぶんだ。 </P>
<P>ソフィー ：カルシファーを？ </P>
<P>ハウル ：光の差す方へ飛べばいいんだ。夜には着く。 </P>
<P>ソフィー ：なによ！ハウルが来るなら私が来ることなかったのよ！ </P>
<P>ハウル ：ソフィーがいると思うから行けたんだ。あんな怖い人のところへ一人で行けるもんか。 </P>
<P> おかげで助かった。さっきは本当に危なかったんだ。 </P>
<P>ソフィー ：あぁあああ、離さないで、きゃあー！うわわわわー！ </P>
<P>ハウル ：上手いじゃないか！ </P>
<P>ソフィー ：どこが！ </P>
<P>ハウル ：ちょっと引き離した。五分間だけ見えなくするから、その間に行きなさい。 </P>
<P>ソフィー ：うーわわわ……！ハウルー！ </P>
<P> </P>
<P>サリマン ：いえ、要らないわ。 </P>
<P> はい、ありがとう。 </P>
<P> 久しぶりにわくわくしたわ。ハウルは逃げたつもりでしょうけど…… </P>
<P> ふふ、ずいぶん若いお母様だったこと。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：……ん？ </P>
<P> もうすぐよ、私の生まれた街だわ！ </P>
<P>ヒン ：ヒン！ </P>
<P>ソフィー ：馴れ馴れしくしないで。あんたは信用してないからね。 </P>
<P> お城だわ。迎えに来てくれた！ </P>
<P>マルクル ：ソーフィー！ </P>
<P>ソフィー ：マルクル大変ー！あたし止め方しらないのー！ </P>
<P> わ、わ！ </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：ソフィー！……！？ </P>
<P>荒地の魔女 ：わんちゃん。 </P>
<P>ヒン ：ヒン！ </P>
<P>ソフィー ：マルクル！ただいま！ </P>
<P>マルクル ：ソフィー、怪我はない！？ </P>
<P>ソフィー ：えぇ。 </P>
<P>マルクル ：よかったー！ </P>
<P>ソフィー ：迎えに来てくれてありがとうね。 </P>
<P> </P>
<P>荒地の魔女 ：グゴゴゴゴ、グゴゴゴ…… </P>
<P> </P>
<P>カルシファー ：……やばいよ、やりすぎだよう……！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：はっ！ </P>
<P> ハウルが戻ってきたのかしら？……あっ！？ </P>
<P> （黒い羽根が砕ける） </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：ハウル？ </P>
<P> </P>
<P>怪鳥 ：……うぅあぁあ……あああ…… </P>
<P>ソフィー ：ハウル、ハウルね？苦しいの？怪我をしてるのね？ </P>
<P>怪鳥 ：……来るな…… </P>
<P>ソフィー ：あたし、あなたを助けたい。あなたにかけられた呪いを解きたいの。 </P>
<P>怪鳥 ：自分の呪いも解けないおまえにか？ </P>
<P>ソフィー ：だってあたし、あなたを愛してるの！ </P>
<P>怪鳥 ：もう遅い……！ </P>
<P>ソフィー ：ああっ！……ハウルー！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：はっ！……はあ…… </P>
<P> ……ハウル帰ってきたのね？ </P>
<P>カルシファー ：ソフィー、早くおいらとハウルの契約の秘密を暴いてくれ！ </P>
<P> おいらたち、もう時間がないよ！ </P>
<P>ソフィー ：ハウルが魔王になるってこと？そうなの？ </P>
<P>カルシファー ：そんなこと言えるかよ、おいらは悪魔だぜ？ </P>
<P>ソフィー ：カルシファー、サルマンが言ってたわ。ハウルは大切なものをあなたに渡したって…… </P>
<P> なにそれ？どこにあるの？ </P>
<P>カルシファー ：契約の秘密については、おいらは喋れないよ。 </P>
<P>ソフィー ：あんたに水を掛けて消すって脅したら？ </P>
<P>カルシファー ：あああああーっ！なんてこと言うんだ！そしたらハウルも死ぬぞ！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：おはよう、カブ。……勇気を出さなくちゃね。 </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：ソフィー、いいよー！ </P>
<P>ソフィー ：オーラーイ！カルシファー、もっと口開けて！ </P>
<P> いくわよー、それー！ </P>
<P>マルクル ：そーれー！ </P>
<P>ソフィー ：うーごーき、……な、さい、……よっ！！ </P>
<P>マルクル ：あ、ああーっ！わあーっ！ </P>
<P> ……あ、あはは、あはははは、ははははっ！ </P>
<P>ソフィー ：お城ったって中から見るとがらくたの寄せ集めね！ </P>
<P> みんなー、ご飯にするよー！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：はい、おばあちゃん。 </P>
<P>カルシファー ：ソフィー、やだよう。荒地の魔女だぜ！ </P>
<P>ソフィー ：もう大丈夫よ。 </P>
<P>カルシファー ：俺をじっと見てるよ！ </P>
<P>荒地の魔女 ：きれいな火だねえ。 </P>
<P> </P>
<P> （タンタンタンタン） </P>
<P>ソフィー ：ハウル！？ </P>
<P>ハウル ：やあみんな！ </P>
<P>ソフィー ：お帰りなさい。 </P>
<P>マルクル ：ハウルさん、この犬飼っていいでしょう！？ </P>
<P>ハウル ：魔女のおばあちゃんにサリマン先生の犬とは……カルシファー、 </P>
<P> よく城の中に入れたね。 </P>
<P>カルシファー ：冗談じゃないよ、ソフィーが丸ごと飛び込んで来ちゃったんだ！ </P>
<P>ハウル ：はっはっはっはっは！また派手にやったね！ </P>
<P> やあ、君がカブだね！ふぅん……君にもややこしい呪いがかかってるね。 </P>
<P> 我が家族はややこしい者ばかりだな。 </P>
<P>荒地の魔女 ：いい男だねえ。 </P>
<P>ハウル ：さて、今日は忙しいよ。引っ越しだ！ </P>
<P>ソフィー ：引っ越し？ </P>
<P>マルクル ：よかった、お城だけじゃ買い物もできませんからね！ </P>
<P>ハウル ：ここにいたらすぐサリマン先生に見つかっちゃうからね。 </P>
<P> ……君はここにいてもらわなきゃならないな。魔力が強すぎる。 </P>
<P> </P>
<P>ハウル ：よーし、できた！カルシファー、いいよー！ </P>
<P> </P>
<P>ハウル ：よし、上出来だ！しばらくそこにいてね。 </P>
<P>カルシファー ：そっとやってくれー。 </P>
<P>ハウル ：はじめるよ。 </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：……わあ！ </P>
<P>ソフィー ：わ…… </P>
<P>ハウル ：引っ越し終わり！もう降りていいよ。 </P>
<P>マルクル ：うわー！すごい、お師匠様、広いですね！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：ああ……っ！ここは……！ </P>
<P>ハウル ：トイレも作ったんだよ、家族が増えたからね。ソフィー、こっちへきて、ソフィー！ </P>
<P> 部屋もひとつ増やしたんだ。入ってごらん。 </P>
<P>ソフィー ：あ、ぁっ……！ </P>
<P> ……ここ……何故？ </P>
<P>ハウル ：ソフィーの部屋にどうかなー？って。気に入った？ </P>
<P>ソフィー ：……そうね。掃除婦にはぴったりの部屋ね。 </P>
<P>ハウル ：着替えも買っといたから、後で見て。次だ。ソフィー、こっちに来て！早くー！ </P>
<P>マルクル ：中庭だー！ </P>
<P>ハウル ：お店もあるよ！……ソフィー。ドアの色が変わったからね。新しい出口だ。 </P>
<P>ソフィー ：あぁっ……！ </P>
<P>ハウル ：ソフィーへのプレゼント。どうぞ。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：わああーっ……！ </P>
<P>ハウル ：僕の秘密の庭さ。 </P>
<P>ソフィー ：素敵ね……。ここもハウルの魔法なの？ </P>
<P>ハウル ：ちょっぴりね。花を助けるのに。 </P>
<P>ソフィー ：わーっ！ </P>
<P> ：ハウルー、ありがとうー！夢みたい…… </P>
<P> </P>
<P>ハウル ：ソフィー。 </P>
<P>ソフィー ：不思議ね。あたし、前にここに来た気がするの。涙が出てきちゃった。 </P>
<P>ハウル ：おいで。 </P>
<P>ソフィー ：うん。 </P>
<P> </P>
<P>ハウル ：ほら！ </P>
<P>ソフィー ：まあーっ！ちっちゃな家！ </P>
<P>ハウル ：僕の大事な隠れ家さ。子供の頃の夏に、よくあそこでひとりで過ごしたんだ。 </P>
<P>ソフィー ：……ひとりで？ </P>
<P>ハウル ：魔法使いのおじが、僕にこっそり遺してくれた小屋なんだ。 </P>
<P> ソフィーなら、好きに使っていいよ。 </P>
<P> ……どうしたの？ </P>
<P>ソフィー ：怖いの。小屋へ行ったら、ハウルがどこかへ行っちゃうような気がするの。 </P>
<P> ハウル、ほんとのこと言って。あたし、ハウルが怪物だって平気よ。 </P>
<P>ハウル ：僕は、ソフィー達が安心して暮らせるようにしたいんだよ。 </P>
<P> ここの花を摘んでさ、花屋さんをあの店でできないかな？ </P>
<P> ねっ、ソフィーなら上手くやれるよ！ </P>
<P>ソフィー ：そしたらハウルは行っちゃうの？ </P>
<P> あたし、ハウルの力になりたいの。あたしきれいでもないし、 </P>
<P> 掃除くらいしかできないから……。 </P>
<P>ハウル ：ソフィー。ソフィーはきれいだよ！ </P>
<P> （ソフィーの外見が年寄りに戻っていく） </P>
<P>ソフィー ：……年寄りのいいとこは、失くすものが少ないことね。 </P>
<P>ハウル ：……。……はっ。 </P>
<P> ……こんなところを通るなんて…… </P>
<P>ソフィー ：軍艦？ </P>
<P>ハウル ：町や人を焼きに行くのさ。 </P>
<P>ソフィー ：敵？味方？ </P>
<P>ハウル ：どちらでも同じことさ。 </P>
<P> ……人殺し共め。ごらん、あんなに爆弾をくっつけてる。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：……止まっちゃった。ハウルがやったの！？ </P>
<P>ハウル ：ちょっといじった。落としゃしないよ。 </P>
<P>ソフィー ：……はっ！ハウル！ </P>
<P>ハウル ：おっとっと、気付かれたかな？ </P>
<P> </P>
<P>ハウル ：サリマン先生の下っ端の下っ端さ。戻ろう！ </P>
<P>ソフィー ：うわっ！わ、わ、あっ……！ </P>
<P>ハウル ：走れ！足を踏ん張れ！ </P>
<P> あそこへ走れ！ </P>
<P>ソフィー ：いやー、離さないで！いやーあああ！ </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：……ソフィー、どうしたの？ </P>
<P>ソフィー ：はぁ、はぁ、……もーこんなうち出てってやる！ </P>
<P> </P>
<P> （コンコン） </P>
<P>マルクル ：ソフィー、お休み。 </P>
<P>ソフィー ：お休み。 </P>
<P>マルクル ：……ソフィー、ハウルさんなら心配いらないよ。前も何日もいなかったことあるから。 </P>
<P>ソフィー ：ありがとうマルクル。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：トイレは？ </P>
<P>荒地の魔女 ：平気だよ。 </P>
<P>ソフィー ：お休みなさい。 </P>
<P>荒地の魔女 ：……恋だね。 </P>
<P>ソフィー ：……！ </P>
<P>荒地の魔女 ：あんたさっきからため息ばっかりついてるよ。 </P>
<P>ソフィー ：……はぁ…… </P>
<P>荒地の魔女 ：図星だね。 </P>
<P>ソフィー ：おばあちゃん、恋をしたことあるの？ </P>
<P>荒地の魔女 ：そりゃしたね。今もしてるよ？ </P>
<P>ソフィー ：えー？ </P>
<P>荒地の魔女 ：男なんか仕方のないものだけどね。若い心臓は良いよ。 </P>
<P>ソフィー ：あっきれた。 </P>
<P>荒地の魔女 ：それにかわいいからね。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：なにかしら？ </P>
<P>荒地の魔女 ：空襲警報だね。 </P>
<P>ソフィー ：空襲？ </P>
<P>荒地の魔女 ：この街じゃないよ。でも今夜は外へ出てない方がいいね。 </P>
<P> そこら中でサリマンの手先がこの家を探し回っている。 </P>
<P> いい火だねえ……よくこのうちを隠してる。 </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：ソフィー、変な人が入って来ちゃった！ </P>
<P>ソフィー ：ん？……お母さん！ </P>
<P>ソフィーの母 ：ソフィー！！！あなたどこ行ってたの、さんざん探したのよ！ </P>
<P> まあこんなおばあちゃんになっちゃって……！ </P>
<P> みんな私が悪いの……ごめんねソフィー……ごめんね……！ </P>
<P>ソフィー ：お母さん……。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィーの母 ：すっかり模様替えしたのねー。……あの方はどなた？ああ、家主さんね。 </P>
<P> そうだ、ソフィー、私再婚したの！ </P>
<P>ソフィー ：ええ！？ </P>
<P>ソフィーの母 ：とってもいい人、それにお金持ちなの！またみんなで暮らせるわ！ </P>
<P> ねっ、掃除婦なんてしなくていいのよ！ </P>
<P>ソフィー ：でもあたし、今の暮らしが気に入ってるから…… </P>
<P>ソフィーの母 ：そぅお？……あ、いけない、車を待たせてあるの。行かなきゃ。 </P>
<P> </P>
<P>荒地の魔女 ：覗き虫かい。サリマンも古い手を使うね。カルちゃん燃して！ </P>
<P>カルシファー ：むぐっ……あ、ああああー！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：お母さん、幸せになってね。 </P>
<P>ソフィーの母 ：ありがとう。ソフィーもね。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィーの母 ：……言われた通りにしたわ。夫の元へ返して。 </P>
<P>小姓 ：はい。サリマン先生もさぞお喜びでしょう。 </P>
<P>ソフィーの母 ：……ごめんね、ソフィー…… </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：すごい人ね。みんな逃げ出して、町中空っぽになっちゃうわね。 </P>
<P>マルクル ：ソフィーも行きたいんか？ </P>
<P>ソフィー ：えっ？ </P>
<P>マルクル ：さっきの人がそう言っておったぞ。 </P>
<P>ソフィー ：そうね。仲直りできて良かった。 </P>
<P>マルクル ：ソフィー、行かないで！僕、ソフィーが好きだ！ここにいて！ </P>
<P>ソフィー ：あたしもよマルクル。大丈夫、行かない。 </P>
<P>マルクル ：本当！？ </P>
<P>ソフィー ：うん。 </P>
<P>マルクル ：ぼくら、家族？ </P>
<P>ソフィー ：そう。家族よ。 </P>
<P>マルクル ：……よかった！ </P>
<P> </P>
<P>荒地の魔女 ：サリマンなんかにハウルは渡さないよ！ </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：……でも、勝ったって書いてあるよ？ </P>
<P>荒地の魔女 ：若者だけさ、信じるのは。 </P>
<P>マルクル ：ふーん…… </P>
<P>ソフィー ：おかしいわね、カルシファーがちっとも燃えないの。 </P>
<P> おばあちゃんそれやめてくれない？ひどい匂いよ。 </P>
<P>荒地の魔女 ：年寄りの楽しみを取るもんじゃないよ。 </P>
<P>ソフィー ：窓開けて、マルクル。 </P>
<P>マルクル ：うん。 </P>
<P>荒地の魔女 ：窓は開けない方が良いと思うよ……カルちゃんの力が弱くなってるからね。 </P>
<P> 奴らが入ってくるよ。 </P>
<P>ソフィー ：……マルクル！ </P>
<P> きゃあっ！わ、わっ……！早く閉めて！ </P>
<P> おばあちゃんをお願い。お店見てくる！ </P>
<P>マルクル ：うん！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：こんな時に何よ！そんなヒマがあったら、火事を消しなさい！ </P>
<P> </P>
<P>荒地の魔女 ：派手ねえ……。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：は、ハウル！ </P>
<P>ハウル ：すまない……今夜は相手が多すぎた。 </P>
<P>ソフィー ：ハウル、ああ、ハウル！ </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：ハウルさん！ソフィー！ </P>
<P>ハウル ：カルシファー、しっかりしろ！ </P>
<P> ……マダム、それはサリマン先生のプレゼントですね？ </P>
<P>カルシファー ：そのばあちゃんがおいらに、変なものを食わせたんだ！ </P>
<P>荒地の魔女 ：あら、ハウルじゃない。あなたとはゆっくり話をしたいわねえ。 </P>
<P>ハウル ：私もです、マダム。でも今は時間がありません。 </P>
<P>荒地の魔女 ：あら～、珍しいわねえあなたが逃げないなんて。 </P>
<P>ハウル ：では、また。 </P>
<P> ソフィーはここにいろ。カルシファーが守ってくれる。外は僕が守る。 </P>
<P>ソフィー ：待って！ハウル、行ってはだめ！ここにいて！ </P>
<P>ハウル ：次の空襲が来る。カルシファーも、爆弾は防げない。 </P>
<P>ソフィー ：逃げましょう。戦ってはだめ！ </P>
<P>ハウル ：何故？僕はもう十分逃げた。 </P>
<P> ようやく守らなければならないものができたんだ。……君だ。 </P>
<P>ソフィー ：ハウル！ </P>
<P> ああっ……！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：あたしたちのいる街だ！ </P>
<P> あそこにハウルがいる……！ </P>
<P> あっ！ハウル！ </P>
<P>マルクル ：ソフィー！……カブ！ </P>
<P>ソフィー ：マルクル、こっちへこよう！ </P>
<P>マルクル ：えっ！？ </P>
<P> </P>
<P>カルシファー ：引っ越し！？無茶だよ、あっちは空っぽだよ！ </P>
<P>ソフィー ：だめ！あたしたちがここにいるかぎり、ハウルは戦うわ。あのひとは弱虫がいいの。 </P>
<P> おばあちゃん、立って！ </P>
<P>荒地の魔女 ：散歩かい？ </P>
<P>カルシファー ：だって、サリマンにすぐ見つかっちゃうよ！ </P>
<P>ソフィー ：もう見つかってる！こんなことしてたら、あのひと戻れなくなっちゃう！ </P>
<P>マルクル ：ソフィー！お城ぼろぼろだよ！ </P>
<P>ソフィー ：いいの！マルクル、おばあちゃんお願い！ </P>
<P>マルクル ：うん！ </P>
<P>ソフィー ：あなたも行くの！乗って！ </P>
<P>カルシファー ：えぇえ、無理だよ。おいらは契約で暖炉から出られないんだ！ </P>
<P>ソフィー ：あなたたちにできないなら、あたしがやってあげる！ </P>
<P>カルシファー ：あぁああ、あぶない！やめろ！やめろってば、やめてー！ </P>
<P> おいらが出たらこの家も崩れちゃうぞ！ </P>
<P>ソフィー ：いい！ </P>
<P>マルクル ：出たよ！ </P>
<P>ソフィー ：離れて！ </P>
<P>カルシファー ：お、おいらを最後にした方がいいぜ！ </P>
<P> 何が起こるか、おいらにももう分からないんだ！ </P>
<P> （城が崩れる） </P>
<P>カルシファー ：だから言ったろ、崩れるって！……雨だ！ </P>
<P> </P>
<P> （軍艦が飛んでいく） </P>
<P>マルクル ：街に行くのかな？ </P>
<P>ソフィー ：マルクル、おばあちゃんお願いね！カブ、中に入れる所を探して！ </P>
<P>マルクル ：おばあちゃん、大丈夫だよ。僕がついてる。 </P>
<P>ソフィー ：マルクル、ここから入れる！ </P>
<P> </P>
<P>カルシファー ：あああ雨漏りしてる！おいら消えちゃうよ！ </P>
<P>ソフィー ：ここで待ってて！ </P>
<P>カルシファー ：ここ濡れてるよー！これ湿ってるー！ </P>
<P>ソフィー ：マルクル、おばあちゃんをここへ！ </P>
<P>マルクル ：お城空っぽだね。 </P>
<P>カルシファー ：だから、あっちにいればおいらとハウルで守れたんだよ！ </P>
<P>ソフィー ：カルシファーお願い。あなたにしかできないの。 </P>
<P> ハウルの所に行きたいの、お城を動かして！ </P>
<P>カルシファー ：えぇーっ！ </P>
<P>ソフィー ：あなたならできるわ、すごい力を持ってるもの！ </P>
<P>カルシファー ：でもさあ、ここには煙突もないしぃ、湿ってるしぃ～……。 </P>
<P>ソフィー ：だって昔から言うじゃない。一流は場所を選ばないって。 </P>
<P>カルシファー ：そりゃそうだけどさー。そうかなあ？ </P>
<P>荒地の魔女 ：カルちゃんきれいだねー。 </P>
<P>マルクル ：おばあちゃん、ここ！ </P>
<P>カルシファー ：じゃあさ、ソフィーの何かをくれるかい？ </P>
<P>ソフィー ：あたしの？ </P>
<P>カルシファー ：おいらだけじゃだめなんだ、目とか…… </P>
<P>ソフィー ：目？これは？ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：すごいわカルシファー！あなたは一流よ！ </P>
<P>カルシファー ：目か心臓をくれれば、もっとすごいぞ！ </P>
<P>荒地の魔女 ：心臓！？心臓があるのかい！？あらーっ！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：あそこにハウルがいる。囲まれてるわ。 </P>
<P> あっ！カルシファー早く……あっ！ </P>
<P>カルシファー ：やめー！ </P>
<P>ソフィー ：おばあちゃん！やめて！ </P>
<P>荒地の魔女 ：ハウルの心臓だよ！ </P>
<P>カルシファー ：やめろー！ </P>
<P>ソフィー ：おばあちゃん！ </P>
<P>荒地の魔女 ：熱い、熱い！！ </P>
<P>ソフィー ：放して、死んじゃう、おばあちゃん！ </P>
<P>荒地の魔女 ：嫌だ、あたしんだよ！熱い、熱いよ！ </P>
<P>カルシファー ：あーーー！ </P>
<P>マルクル ：ソフィー！ソフィー！！ </P>
<P> </P>
<P>ヒン ：……ヒンッ、ヒン！ヒン！ </P>
<P>ソフィー ：……ヒン大変なことしちゃった……カルシファーに水を掛けちゃった…… </P>
<P> ハウルが死んだらどうしよう……！うわあああーん、あああーん……！ </P>
<P>ヒン ：ヒン！ヒン、ヒン、ヒン！ </P>
<P>ソフィー ：……動いてる！ハウルは生きてるの！？ハウルの居場所を教えて！ </P>
<P> はっ！ </P>
<P> お城のドア！ </P>
<P> </P>
<P> （扉の中へ） </P>
<P>ソフィー ：はっ。……ヒン。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：ああっ！……ハウル！ </P>
<P> あたし今、ハウルの子供時代にいるんだ！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：あっ、あああ！ </P>
<P> ハウルー、カルシファー！あたしはソフィー！ </P>
<P> 待ってて、あたしきっと行くから！未来で待ってて！ </P>
<P> </P>
<P>ヒン ：ヒン、ヒン！ </P>
<P>ソフィー ……うん、歩くよ。ヒン、歩くから。涙が止まらないの。 </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：ハウル……。ごめんね、あたしぐずだから。 </P>
<P> ハウルはずっと待っててくれたのに……。 </P>
<P> （キス） </P>
<P> あたしをカルシファーの所へ連れてって。 </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：死んじゃった？ </P>
<P>ソフィー ：ううん、大丈夫。……おばあちゃん。 </P>
<P>荒地の魔女 ：あたしゃ知らないよ、何にも持ってないよ。 </P>
<P>ソフィー ：お願い。おばあちゃん。 </P>
<P>荒地の魔女 ：……そんなに欲しいのかい？ </P>
<P>ソフィー ：うん。 </P>
<P>荒地の魔女 ：仕方ないね。大事にするんだよ。 </P>
<P>ソフィー ：うん。 </P>
<P>荒地の魔女 ：ほら。 </P>
<P>ソフィー ：ありがとう、おばあちゃん。 </P>
<P> （ちゅっ） </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：カルシファー。 </P>
<P>カルシファー ：ソフィー、くたくただよ…… </P>
<P>ソフィー ：心臓をハウルに返したら、あなたは死んじゃうの？ </P>
<P>カルシファー ：ソフィーなら平気だよ、たぶん……おいらに水を掛けても、 </P>
<P> おいらもハウルも死ななかったから…… </P>
<P>ソフィー ：やってみるね。 </P>
<P> 暖かくて、小鳥みたいに動いてる。 </P>
<P>カルシファー ：子供の時のまんまだからさ。 </P>
<P>ソフィー ：どうか、カルシファーが千年も生き、ハウルが心を取り戻しますように……。 </P>
<P> </P>
<P>カルシファー ：……生きてる！おいら、自由だー！ </P>
<P>ハウル ：んん……う…… </P>
<P>マルクル ：動いた！生きてる！……わっ！？ </P>
<P> カルシファーの魔法が解けたんだ！ </P>
<P>ソフィー ：カブ！ </P>
<P> </P>
<P>ソフィー ：カブ、大丈夫！？ </P>
<P> すぐ新しい棒を見つけてあげるね！ </P>
<P> カブ、ありがとう！ </P>
<P> （ちゅっ） </P>
<P> ……ああっ！？ </P>
<P>カブ王子 ：ありがとう、ソフィー。 </P>
<P> 私は隣の国の王子です。呪いで、カブ頭にされていたのです。 </P>
<P>荒地の魔女 ：愛する者にキスされないと解けない呪いね。 </P>
<P>カブ王子 ：その通り。ソフィーが助けてくれなければ、私は死んでいたでしょう。 </P>
<P>荒地の魔女 ：いい男だねえ。 </P>
<P>ハウル ：……うるさいな、なんの騒ぎ？……うっ！こりゃひどい、体が石みたいだ。 </P>
<P>ソフィー ：そうなの！心って重いの。 </P>
<P>ハウル ：あっ、ソフィーの髪の毛、星の光に染まってるね！……きれいだよ。 </P>
<P>ソフィー ：ハウル、大好き。よかったー！ </P>
<P>ハウル ：いたっ！ </P>
<P> </P>
<P>荒地の魔女 ：ソフィーの気持ちは分かったでしょ。 </P>
<P> あなたは国へ帰って、戦争でも止めさせなさいな。 </P>
<P>カブ王子 ：そうさせていただきます。戦争が終わりましたら、また伺いましょう。 </P>
<P> 心変わりは、人の世の常と申しますから。 </P>
<P>荒地の魔女 ：あら良いこと言うわねえ。じゃあ、あたしが待っててあげるわ。 </P>
<P> </P>
<P>ヒン ：ヒン、ヒン！ </P>
<P>サリマン ：……なんです？今頃連絡してきて。あなた何をやってたの？ </P>
<P> ハッピーエンドってわけね。この浮気者。 </P>
<P>ヒン ：ヒン！ </P>
<P>サリマン ：しょうがないわね……。 </P>
<P> 総理大臣と、参謀長を呼びなさい。この馬鹿げた戦争を、終わらせましょう。 </P>
<P>小姓 ：はい！ </P>
<P> </P>
<P>マルクル ：カルシファーが！ </P>
<P>ハウル ：戻ってこなくても良かったのに。 </P>
<P>カルシファー ：おいら、みんなといたいんだ。雨も降りそうだしさ。 </P>
<P>ソフィー ：ありがとう、カルシファー。 </P>
<P> （ちゅっ） </P>
<P>カルシファー ：うふ、うふっ。 </P>
<P> </P>
<P> ～おしまい～ </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P> 世界の約束 </P>
<P> </P>
<P> 涙の奥にゆらぐほほえみは </P>
<P> 時の始めからの世界の約束 </P>
<P> </P>
<P> いまは一人でも二人の昨日から </P>
<P> 今日は生まれきらめく </P>
<P> 初めて会った日のように </P>
<P> </P>
<P> 思い出のうちにあなたはいない </P>
<P> そよかぜとなって頬に触れてくる </P>
<P> </P>
<P> 木漏れ日の午後の別れのあとも </P>
<P> 決して終わらない世界の約束 </P>
<P> </P>
<P> いまは一人でも明日は限りない </P>
<P> あなたが教えてくれた </P>
<P> 夜にひそむやさしさ </P>
<P> </P>
<P> 思い出のうちにあなたはいない </P>
<P> せせらぎの歌にこの空の色に </P>
<P> 花の香りにいつまでも生きて </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P> </P>
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<P> </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P> </P>
<P><BR></P>
<P><a href='javascript:fileFilterViewer("http://pds55.cafe.daum.net/attach/10/cafe/2007/12/18/14/56/47675bfcde72f?.hwp", "/pds55_disk10/20071218/1456_47675bfcde72f", "[일어]하울의움직이는성대본.hwp", "grpid%3Dya44%26fldid%3DHmM3%26dataid%3D4%26fileid%3D1%26regdt%3D20071218145836&url=http%3A%2F%2Fpds55.cafe.daum.net%2Fattach%2F10%2Fcafe%2F2007%2F12%2F18%2F14%2F56%2F47675bfcde72f%3F.hwp")'><img src="https://t1.daumcdn.net/daumtop_deco/icon/icon.hanmail.net/editor/p_hwp_s.gif?rv=1.0.1" border="0" alt="첨부파일" class="vam"/> [일어]하울의움직이는성대본.hwp</a></P>
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시나리오[국외]
2004
[하울의 움직이는 성] ハウルの動く城
수다쟁이
추천 0
조회 1,019
07.12.18 14:58
댓글 3
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첫댓글 으아.... 이건 읽을 수가 없네요 ㅜㅜㅜㅜㅜㅜㅜ ㅋㅋㅋ 그래도 멋진 영화였어용
제가 공부하려고 (영어, 일본어) 올려둔 건데,,, 계속 미뤄두고 있네요;;;;
고맙습니다^^멋진 영화에요