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毎日新聞2024/5/23 東京朝刊有料記事766文字
太陽の表面に表れた巨大な黒点=東京都三鷹市で10日、手塚耕一郎撮影
なるほドリ 世界各地でオーロラが観測されて話題になったね。
記者 今月8日ごろから、太陽の表面で「太陽フレア」と呼ばれる大爆発が連続しました。その勢いで宇宙空間に飛び出した高エネルギー粒子(りゅうし)が地球までやって来て、上空の大気とぶつかり、これを光らせました。オーロラは北極と南極付近でよく見られますが、今回は爆発が連続した分、威力が増し、緯度の低い米ハワイで165年ぶりにオーロラが観測されました。日本でも11日夜~12日未明に北海道や東北、北陸、兵庫県の日本海側などで観測されました。
Q 太陽フレアはどうして起こるの?
A 太陽の表面に黒い斑点(はんてん)があるのを知っていますか? 「黒点(こくてん)」といって、周囲より温度が低い場所が暗く見えます。なぜ温度が低いかというと、そこだけ磁場(じば)の力が周囲より強く、内部の熱を抑え込んでいるからです。ところが、内部のエネルギーが抑えきれないほど活発になると、突然大爆発が起きます。これが太陽フレアです。黒点は数や大きさを次々と変え、黒点が多い時期はフレアも多くなります。
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Q 今は黒点が多い時期なの?
A 黒点の数は約11年周期で増減を繰り返すことが知られています。次のピークは2025年と予想され、現在はかなり出現頻度(ひんど)が増えています。ちなみに、太陽活動が11年周期になる理由はまだ謎です。
Q 近々またオーロラが見られるかも!
A 美しいオーロラは楽しみですが、太陽フレアの影響で、人工衛星に不具合が生じたり、地上で停電や通信障害が起きたりする恐れもあります。国立研究開発法人「情報通信研究機構(じょうほうつうしんけんきゅうきこう)」は、国内外の組織と連携して太陽の活動を監視し、生活への影響を「宇宙天気予報」として毎日発表しています。(くらし科学環境部)