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毎日新聞2024/5/29 東京朝刊有料記事771文字
海上自衛隊の護衛艦「いずも」を空撮したとされる動画のスクリーンショット
なるほドリ 自衛隊の護衛艦(ごえいかん)が無人機(ドローン)で空撮されたと聞いたよ。
記者 海上自衛隊横須賀(よこすか)基地に停泊(ていはく)中の護衛艦「いずも」が空撮されたとみられる動画が、ネット交流サービス(SNS)で出回りました。木原稔(きはらみのる)防衛相は当初、捏造(ねつぞう)の可能性を指摘しましたが、5月に一転し、空撮の可能性が高いと判断しました。
Q ドローンの飛行は規制されているの?
A 首相官邸(かんてい)にドローンが落下した事件を受け、官邸や皇居(こうきょ)など国の重要施設上空を飛行禁止とするドローン規制法が2016年に成立しました。19年の改正で、自衛隊や在日米軍基地にも対象が拡大。施設内や周囲約300メートルでは原則、ドローンを飛ばせません。違反すると1年以下の懲役(ちょうえき)か50万円以下の罰金が科されます。
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Q ドローンが飛んできたら自衛隊はどう対応するの?
A 操縦(そうじゅう)者が特定できれば、まず退去(たいきょ)を求めます。退去しない時や、操縦者が特定できない場合は妨害(ぼうがい)電波で飛行を妨害したり、捕獲(ほかく)したりすることもできます。
Q 自衛隊の装備で撃ち落とせるの?
A 規制法に基づく対応では原則、武器は使用できません。ただし、ドローンが護衛艦や基地を攻撃して被害を与えると想定される場合は、自衛隊法に基づく武器使用が認められ、撃ち落とすことが可能になる場合もあります。
Q 簡単なことではないんだね。
A 自衛隊の武器使用には厳格な条件があるため、簡単には使えません。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻でドローンが使われるなど、軍事的な重要性が増しています。防衛省は今後、ドローンに対処するレーザーなどの機材を拡充するとしていますが、対策は急務と言えるでしょう。(政治部)