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毎日新聞 2023/8/1 18:44(最終更新 8/1 19:10) 573文字
実証実験の開始式に臨む横浜市の山中竹春市長(右から2番目)ら=同市鶴見区の東京ガス横浜テクノステーションで
横浜市は、ごみ焼却工場の排ガスから二酸化炭素(CO2)を回収し、都市ガスの主成分であるメタンの生成に利用する実証実験を始めた。東京ガスや三菱重工グループとの官民共同事業。将来的には、CO2を活用して都市ガスをつくり、新たにCO2を発生させないことを目指す。
1日当たり260世帯分のメタン生成
CO2は地球温暖化の原因で、各地で排出削減に向けた取り組みが進んでいる。横浜市、東京ガス、三菱重工グループの3者は2022年に協定を締結。市が臨海部の「脱炭素モデル」としたい鶴見区の末広地区を舞台に、実証実験に向けた準備を進めてきた。
二酸化炭素を回収する装置(奥)と、輸送するためのトレーラーのタンク(左)=横浜市鶴見区で2023年7月28日午後0時14分、岡正勝撮影
ごみ焼却施設の鶴見工場から排出されるガス中に含まれるCO2を、三菱重工グループが開発した装置で1日当たり200キロ分離・回収。500メートルほど離れた「東京ガス横浜テクノステーション」にトレーラーで運び、メタンの生成に活用する。最終的には1日当たり家庭約260世帯分のメタンができるという。
実証実験は今年度末まで実施し、有用性を検証するとともに、メタン生成施設以外へのCO2の活用も目指す。
7月28日に同地区の東京ガス横浜テクノステーションであった実証実験の開始式で、横浜市の山中竹春市長は「社会、経済、産業構造を大きく変える。グリーンイノベーションに向けた大きな第一歩を踏み出せる」と意気込んだ。【岡正勝】