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E-P2 | DMC-GF1 | ||
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実勢価格 | ボディのみ | 104,800円 (受注生産) |
63,500円 |
レンズキット | 124,800円 (17mm F2.8) |
89,800円 (20mm F1.7) | |
本体色 | ブラック シルバー |
ブラック アーバンレッド シェルホワイト | |
ボディ内手ブレ補正 | ○ | ― | |
有効画素数 | 1,230万 | 1,210万 | |
最高感度 | ISO6400 | ISO3200 | |
液晶モニター | 3型約23万ドット | 3型約46万ドット | |
動画記録 | 最大解像度 | 1,280×720ピクセル | |
記録形式 | Motion JPEG | AVCHD Lite Motion JPEG | |
撮影可能コマ数 | 約300 | 約380 | |
本体サイズ | 幅 | 約120.5mm | 約119.0mm |
奥行き | 約35.0mm | 約36.3mm | |
高さ | 約70.0mm | 約71.0mm | |
重量(本体のみ) | 約335g | 約285g |
改めて述べるまでもないが、両モデルともマイクロフォーサーズ規格に準拠するカメラである。
イメージセンサーのサイズはオリジナルのフォーサーズと同じ17.3mm×13mm。
しかしながら、レンズマウント口径は6mm小さく、フランジバックは半分の20mmとなる。
ミラーボックスは物理的に設置できず、背面の液晶モニターもしくはEVFに表示されるライブビュー画像を見て撮影を行なう。
信号ピンはオリジナルフォーサーズよりも2ピン増えた11ピンとなる。
E-P2とGF1の機構的な相違点といえば、センサーシフト方式の手ブレ補正機能とストロボを搭載しているか否かだ。
E-P2には手ブレ補正機能が搭載されているが、ストロボは未搭載。
GF1にはストロボが搭載されているものの、手ブレ補正機能はボディ本体には内蔵されていない。
考え方によっては、マニアックにアベイラブル撮影に重きを置いたE-P2、記念写真のような手軽な撮影も意識したつくりのGF1といったカメラの
性格付けもできないわけではない。
実際、E-P2のボディデザインは未だに愛好者の多い往年のペンを模したものだし、GF1は遠目には同社のコンパクトデジカメ、LUMIX DMC-LX3や
同DMC-TZ7と見間違いそうであることからも、何となくそんな印象を受ける。
E-P2+M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8 GF1+LUMIX G 20mm F1.7 ASPH
個人的にはセンサーシフト方式の手ブレ補正機能とストロボのどちらかを取るとなると、迷わず手ブレ補正機能を選ぶと思う。
マイクロフォーサーズの楽しみのひとつに、短いフランジバックを活かし、さまざまなレンズを装着できることがある。
いうまでもなくセンサーシフト方式なら手ブレ補正がほとんどのレンズで効くからだ。また、暗い場所での撮影などでは、ストロボをダイレクトに
被写体に当てるよりも、ISO感度を上げ、手ブレ補正機能を効かせて撮るほうが、写真としてよい結果が得られることが多いことも挙げられる。
ちなみに、E-P2では、マウントアダプターを介して装着したレンズでも、カメラに焦点距離さえ入力すれば手ブレ補正が効くようになる。
今回試用した両社の単焦点パンケーキレンズは、レンズ構成上どちらも手ブレ補正機能を搭載していない。
そんなレンズを使用するときにも、センサーシフト方式の手ブレ補正機能の搭載はやはりありがたい。
では、手ブレ補正を搭載しないGF1はだめかというと、先のLUMIX G 20mm F1.7 ASPH.とLUMIX G VARIO 7-14mm F4 ASPH.の2本を除く
パナソニック製マイクロフォーサーズ用レンズを使用するにおいては何ら不足を感じない。
なぜなら、レンズ自体に手ブレ補正機能が備わっているからだ。
さらにE-P2にもいえることであるが、手ブレが発生しやすそうな条件での撮影では、EVFを積極的に活用するとよいだろう。
操作性全般としては、GF1の方が洗練された感じに受けとれる。
パナソニックではコンパクトデジカメはほぼ統一した操作性としており、電源のボタンはスライド式、撮影モードダイヤルはダイヤル式とするなど
一部アナログ操作の直感的で視認性のよさを活かしたものとしている。
GF1もこのあたりの部分は同じだ。
さらに、コマンドダイヤルをプッシュすると露出補正と露出設定に切り換わるところなど実に使い勝手がよいうえに、メニューの設定項目も
深度が浅く分かりやすい。
一方、E-P2はシンプルなボタンのレイアウトで、こちらも操作性自体は上々。
液晶モニターに表示されるライブコントロール画面も、素早く設定の変更を行なうことができ使いやすい。
ただし、メニューの深度がGF1にくらべれば深く分かりにくいのは残念。
実際に使っていて、AEブラケティングの設定項目など探し出すのには苦労した。
オリンパス以外のデジタル一眼レフを使っているユーザーの中には、ちょっとクセがあるように感じるかも知れない。
EVFを装着したE-P2とGF1の背面部。
EVFがなければ、操作部材のレイアウトなどどちらもコンパクトデジカメとさほど変わらない。
ボタン類の操作性に関しては、GF1のほうがわずかに上回っているように感じる。
液晶モニターには、E-P2が3.0インチ約23万ドット、GF1が3.0インチ約46万ドットを採用。どちらも固定式となる。
見やすさに関してはスペックどおり精細感、コントラストの高さなどでGF1が上手。
E-P2は若干精細感に欠ける。望遠やマクロ撮影などでは、GF1のほうがピントの状態がより把握しやすいことだろう。
ただし、太陽の光が直接当るような屋外では、E-P2のほうが見やすさではわずかに上回る。
どちらがよいかはユーザーの使い方次第といえる。
別売のオプションとはなるが、両モデルのEVFを見てみよう。
E-P2のEVF、VF-2は約144万ドット。
カラーフィルタータイプのエプソン製液晶パネルを採用する。
一方、GF1のEVF、DMW-LVF1は約20.0万ドット、フィールドシーケンシャルタイプの液晶となる。
こちらに関しては液晶モニターとは反対にE-P2のVF-2のほうが高精細でクッキリ。
倍率も1.15倍あるうえに残像も少ない。
しかもアイピース部が大きいため、覗いていて周囲の光が漏れて見えづらくなるようなことも少ない。
GF1用のDMW-LVF1はドット数や倍率だけみればEVFとして平凡だが、コントラストが高く比較的見やすい。
もちろんE-P2のEVFには及ばないものの、十分実用となるものである。
VF-2よりも安価なのもうれしい。
左がGF1のEVF、DMW-LVF1、右がE-P2のEVF、VF-2。
アイピースの大きいVF-2は覗きやすいうえに表示される画像は大きく、高精細でコントラストも高い
EVFでの表示例。
上がGF1用のDMW-LVF1、下がE-P2用のVF-2
搭載する撮像素子は、E-P2が有効1,230万画素、GF1が有効1,210万画素で、どちらもLive MOSセンサーである。
有効画素数はわずかに異なるものの、同一のセンサーといってよいだろう。
ノイズレベルは、E-P2のノイズリダクションをOFFにしたものと比較したところ(GF1には高感度用NRは搭載されていない)、検証した画像を
見る限りISO200までは同等だが、ISO400以上となるとどちらもノイズが現れはじめてくる。
感度が上がるに従い、GF1のほうがE-P2よりもノイズの現れ方は顕著。
しかも、作例ではなぜか格子状の模様まで現れた。
以前掲載した、GF1のレビューではここまでのノイズは現れなかったので、長時間露光の影響か個体によるものかも知れない。
ただし、高感度での解像感はGF1のほうが概ねE-P2よりも上に感じた。
絵づくりに関しては、E-P2の仕上りを「NATURAL」、GF1のフィルムモードを「STANDARD」に設定した。
両機で撮影した画像を比較した限り、色のりがよく感じるのがE-P2。
こってりとした印象だ。
GF1は、美しい色調であるが、E-P2で撮影した画像と比較するといわゆる素材性を重視した絵づくりのように見えてしまう。
同じ露出での撮影だが、GF1ではわずかに露出オーバーとなってしまったことも関係しているかも知れない。
両モデルとも仕上り設定のほかに、画像編集機能としてE-P2には「ジオラマ」や「クロスプロセス」など8つの効果を持つ「アートフィルター」を、
GF1には「レトロ」、「ダイナミックアート」など6つの効果の「マイカラーモード」を備えている。
それぞれのレンズキットに付属するレンズについても少しばかり触れたい。
E-P2のM.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8およびGF1のLUMIX G 20mm F1.7 ASPH.ともパンケーキタイプのレンズ。
単品での価格は僅かしか違わない。
ちなみに大手量販店では、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8が税込み39,900円、LUMIX G 20mm F1.7 ASPH.が4万2,000円である。
画角は35mm判換算で、34mm相当と40mm相当となる。
画角からいえば、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8が広角レンズ、LUMIX G 20mm F1.7 ASPH.は広めの標準レンズといった感じだが、実際には
それほどの違いはない。
むしろ、一絞り半も違うレンズの明るさのほうが使っていても大きく感じる。
あと少しレンズが明るかったらと思うような撮影では心強い。
画質で見ると、解像感やコントラストなどは同じといってよいものだが、色のにじみや画像周辺部の像の流れなどに関してはLUMIX G 20mm F1.7 ASPH.の
ほうが描写的にわずかに上回る。
ボケの柔らかさも同様だ。
ただし、ズームにくらべれば、両者とも単焦点レンズらしい高い描写特性を誇ることはいうまでもない。
なお、両レンズとも距離目盛りが無いのは残念。
実用度は別にして、目盛りがどこかに打ってあると、よりカメラ(のレンズ)らしく見えるのに。
今回のトライアルで感じたのが、両モデルとも夢の持てるカメラのように思えたこと。
コンパクトなボディにデジタル一眼レフに負けないほどの機能が詰め込まれ、レンズ交換も可能。望遠やマクロ撮影で便利なEVFも装着できる。
そのようなカメラと何本かのレンズを小さなカメラバッグに入れ、どこか旅に出かけたら、きっといい写真が撮れるんじゃないかとささやかな期待を
持ってしまう。
実際には道具が変わっただけで、写真の腕が上達するようなことはないけれど、この2台のカメラを触っていると強くそう感じさせてくれる。
仕事柄いろんなカメラを使わせてもらっているが、なかなかこのような印象を持つカメラに出会うことは少ない。
それほどまでにE-P2もGF1も魅力的なカメラに仕上がっているといえる。
マイクロフォーサーズを狙っているカメラ愛好家にとって、この年末年始にどちらを選ぶかあれこれ悩んで過ごすのも悪くなさそうだ。
첫댓글 ㅎㅎ 알수가 없네요