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『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(日本以外で)大躍進の要因は? ゲームチェンジャーが語る新時代のアニメ制作論 / 11/18(火) / Rolling Stone Japan
『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(C)2025 Netflix
今年の6月20日に、Netflixは、ソニー・ピクチャーズ アニメーション製作のオリジナル長編アニメーション映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』を配信開始した。ほとんどプロモーションもなかったが、口コミであれよあれよという間に評価を集め、2025年を代表する一大文化現象となった。おそらく誰もこれほどまでのヒットになるとは予想していなかったのも無理はない。この映画は、タイトルそのままに「K-POPアイドルが悪魔退治をする」という、一見して鑑賞欲をそそらない作品だったからだ。だが、蓋を開けてみると、映像、音楽、キャラクター設計は斬新で目覚ましく、ストーリーやそこに込められたメッセージは広い共感を集める、繰り返し観たくなる傑作だった。
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『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、これまでのハリウッド・ミュージカルアニメを見事に刷新しただけでなく、成績も凄まじい。〈Netflixオリジナルアニメーション作品として史上最多視聴を記録(一部報道では91日間で3億2500万回再生を超えたとも)〉〈北米劇場公開において、Netflix作品として初めて 週末興行収入1位を獲得〉〈サウンドトラックが Billboard 200アルバムチャートに初登場トップ10入り〉〈作品中の架空グループ「HUNTR/X」 が全米Billboard Hot 100で1位〉〈サウンドトラックがRIAAよりプラチナ認定〉〈シングル「ゴールデン」がダブルプラチナ達成〉〈全世界40か国以上のNetflix映画部門で1位獲得〉〈批評・観客双方から高評価を獲得しNetflixオリジナル作品として「最高総合評価」を更新〉等々、映画、音楽の両面で今年一番のチャートアクションを引き起こした。もちろん、アニメーション長編、オリジナルソング部門でアカデミー賞ノミネートの可能性が報じられるほか、グラミー賞にもノミネートされるなど、今年から来年にかけての映画・音楽の賞レースにおける台風の目になるとも目されている。
加えて本作は、『スパイダーバース』(2018年の『スパイダーマン:スパイダーバース』、2023年の『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』、2027年公開予定の『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』の三部作の総称)、『ミッチェル家とマシンの反乱』といった傑作を世に問うてきたソニー・ピクチャーズ アニメーション(以下、SPA)の評価を決定づけ、SPAがピクサーやディズニーの覇権に取って変わって、向こう10年のアニメ業界を牛耳ることになるだろうとの予測まで生むにいたっている。『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の成功の秘密はいったいどこにあったのか、SPAの躍進の駆動力になったのは何だったのか。ハリウッドアニメのゲームチェンジャーとなったSPAのプレジデント、クリスティン・ベルソンに(「なぜ日本では『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』がヒットにいたっていないのか」も含めて)聞いてみた。
アニメの「新しい領域」を開拓
―『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の大成功、おめでとうございます。社内ではどのように受け止められていますか?
クリスティン:ありがとうございます。本当に、スタジオ全体が喜びに包まれています。ソニー・ピクチャーズには実写とアニメーションの2つのキャンパスがありますが、どちらのチームからも「やった!」という声が上がりました。特にアニメーションキャンパスでは、何年もこの作品に関わってきたメンバーが多く、感慨もひとしおでした。制作期間はおよそ7年。最後のエンドクレジットでは「制作期間中に誕生した赤ちゃんの数」まで紹介されるほど、長い年月を共にしたチームです。
アニメーションスタジオは一種のコミュニティです。何年も毎日関わる人もいれば、数ヶ月だけ関わる人もいますが、作品が成功すると全員が自分ごとのように喜ぶ。今回はその喜びが社内全体に広がりました。そして外に出れば、誰もが「大好き」「5回観た」「15回観た」「音楽が頭から離れない!」と話してくれます。私自身これまでにもヒット作は経験してきましたが、これは“現象”と呼ぶべきもので、初めての感覚でした。本当に楽しく、幸せな経験です。
―ここまでのヒットとなった要因は何だとお考えですか?
クリスティン:ヒットは予測できるものではありませんが、でも改めて分析してみると、いくつかの要因があります。まず、この映画はとても個人的な物語です。監督・脚本を務めたマギー・カンとクリス・アペルハンスは、「恥」について語る作品を作りたかったと語っています。人に見せられない自分、隠してしまう部分。でもその「恥」をも受け入れることができたとき、人は本当の意味で自分を愛せるし、他者からも愛される。このメッセージが、世界中の誰もが共感できる普遍的なテーマになりました。
次に音楽です。素晴らしい楽曲を作るのは本当に難しいのですが、彼らは見事に成功しました。映画のヒットを後押ししたのは間違いなく音楽です。そしてもちろん、作品そのものの完成度。ストーリーは面白く、感動的で、映像は息をのむほど美しい。何度でも観たくなる理由はそこにあります。
―最近では「ソニー・ピクチャーズアニメーション(以下SPA)がディズニーやピクサーの王位を奪った」と言われています。この評価についてはどう感じていますか?
クリスティン:そういう声があるのはとても光栄です。10年前には、SPAがディズニーやピクサーと並んで語られるなんて誰も思っていませんでしたから。ディズニーもピクサーもこれまでに素晴らしい作品を数えきれないほど生み出してきた偉大なスタジオです。業界は常に循環していて、どのスタジオにも好調な年とそうでない年がある。ですから、率直に言えば「誰が王座にいるか」を語ることに、さほど意味があるとは思ってはいません。
とはいえ、『スパイダーバース』、『ミッチェル家とマシンの反乱』、そして『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の成功によって人びとが「ソニーは違ったことをやってくれる」と期待してくれるようになったのは間違いないと思います。私たちは最初からディズニー的な物語を再現しようとはしておらず、むしろ「アニメーションで何ができるか」を広げたいと考えてきました。ディズニーやピクサーと比べられることは嬉しいことですが、「王位を奪う」というより、私たちはただ「新しい領域」を開拓しているだけだと考えています。
―キャラクターの造形においても、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、ディズニーがこの間採用してきた「ガールボス」路線とは、方向性が違いますね。
クリスティン:この映画では、登場人物の全員が「とにかく美しく、セクシーであること」が大きなテーマとしてまずありました。制作の初期段階から「これはファッション誌のような映画にしよう」と話していました。監督たちは毎回レビューのたびに「もっとホットに! もっと美しく!」と口にしていました。キャラクターのアイデアが出るたびに、「まだ十分にセクシーじゃない」「もっと輝かせて」「VOGUEのファッション写真のようにして」と。髪は完璧に、肌は艶やかに、メイクも照明もすべてが理想的であること。全てのカットを「ビューティショット」として扱う姿勢でした。
その一方で、マギー・カン監督がこだわったのは、「完璧さの裏側を見せること」でした。彼女たちは確かに美しく、クールですが、同時にドジでおかしくて、恥ずかしい瞬間もたくさんある。そうした人間らしい部分も含めた両面を見せることが、観客がキャラクターを愛する最大の理由になったと思います。
また、私はこの映画を一種のロマンス映画として捉えたいと思ってもいました。私はロマンス映画が大好きなんです。これまで多くのアニメーション映画を手がけてきましたが、正直なところ、ファンタジーの中でここまでメロドラマ的な恋愛を描いた作品はあまりありませんでした。通常、アニメーションではコメディの要素が中心になりがちです。でもこの映画は、恋愛や感情の揺れを真正面から描いていて、それが観客にとって新鮮に映ったところもあったように思います。
突拍子もない企画が新しい可能性を開く
―SPAが他社と違っている点は何だと言えるのでしょう?
クリスティン:私たちは「監督のビジョンを最優先する」ことを徹底しています。他のスタジオでは、制作の最終判断を経営陣が下す場合もありますが、私たちは違います。もし監督と私の間で意見の違いがあっても、最終判断は監督に委ねます。スタジオの役割は、導くことではなく支えること。コメントはしますが、それはあくまで「あなたの物語をどうすればより良く伝えられるか」を一緒に考えるためのものです。
また、私たちは「安全運転をしない」ことを大切にしています。『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』のアイデア──「K-POPスターが悪魔と戦う」なんて、普通に考えたら奇抜で笑ってしまうような設定ですよね。でも、そんな突拍子もない企画こそが新しい可能性を開くことにつながります。怖がらずに挑戦する勇気、それこそが私たちのDNAだと考えています。
―現在のSPAのスタイルが確立されていく上で、『スパイダーバース』の成功は、やはり大きな転機になったと言えるのでしょうか。
クリスティン:まさにそうです。私がスタジオに入った10年前、「フィルムメーカー主導のスタジオにしたい」と宣言しましたが、それを証明したのが『スパイダーバース』でした。あの作品は業界の常識を覆しました。アニメーションの美学を変え、観客の期待を変えた。スタジオとしても世界からの見られ方が大きく変わりました。「ソニーは違ったことをやってくれる」と言われるようになり、その成功が「リスクを恐れず新しいことをやる」自信につながりました。『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』も、『ミッチェル家とマシンの反乱』も、同じ流れの中にあります。アニメ映画はかつて「家族向けの狭いジャンル」でしたが、今はもっと幅広い層に届くようになっています。
また、ここで付言しておきたいのは、ゲンディ・タルタコフスキー監督についてです。タルタコフスキー監督は、私たちのスタジオにとって重要なフィルムメーカーです。というのも、『モンスター・ホテル』シリーズの成功が、今日のソニー・アニメーションを支えていると言っても過言ではないからです。あの作品は、当時の他社のアニメーションとはまったく異なるビジュアルスタイルを打ち出し、動きや演出の面でも非常に実験的でした。ゲンディは常にアニメーションという表現を、「どう動かすか」という視点から拡張してきた人で、後の多くのアニメーターにも影響を与えました。
―『スパイダーバース』がもたらした革新の底流として、『モンスター・ホテル』があった、と。
クリスティン:はい。『スパイダーバース』がアニメーション表現を新しい次元に押し上げたのは確かですが、その根底にはゲンディ作品で培われた「スタイルの自由さ」がありました。『Primal: Tales of Savagery』(※日本未公開)を観ていただけるとわかると思いますが、彼は今もその創造性は進化し続けています。
―『スパイダーバース』の脚本家/プロデューサーである「ロード&ミラー」との協働は、会社全体に大きな影響をもたらしたとも言われていますが、彼らから学んだことがあるとすれば、どんなことでしょう?
クリスティン:彼らは本当に特別な才能の持ち主です。彼らと仕事をして強く学んだのは、「怖いと感じる決断こそ正しい」ということでしょうか。安全な選択をしているときは、たぶん何も新しいことをしていない。もうひとつは「完璧は存在しない」という厳しい教えです。『スパイダーバース』の制作中、私が「もう十分いい」と思っても、彼らは「いや、まだ始まったばかりだ」と言うんです。納期が迫っても、彼らは最後の一秒までクオリティを磨き続ける。その姿勢はスタジオ全体に影響を与えました。
IPは戦略ではなく結果として生まれる
―ソニーはこの間、ハードウェア企業からIP企業へと変貌していますが、強いIPを生み出すための方程式のようなものはあり得るのでしょうか?
クリスティン:これについては、残念ながら「方程式は存在しない」とお答えするしかありません。私たちができるのは、「人の感情を動かす映画をつくること」だけなんです。笑って、泣いて、踊りたくなるような感情体験を届けることがまずは大前提です。その意味では、IPは戦略ではなく結果として生まれるものです。素晴らしい脚本と情熱的なクリエイターたちがいれば、自然に世界がそのキャラクターや世界観を愛するようになります。
―新しい才能の発掘についても同じことが言えるのでしょうか。
クリスティン:これにもやはり公式はありません。私たちが重視するのは「意見を持つ人」です。自分の考えをはっきり伝えられる監督や脚本家。スタジオ幹部と議論して、「あなたは間違っている」と言える人。そういう強い視点を持った人が、結果的に面白い作品を作る。だからこそ、彼らが安心して意見を言える環境をつくることが、私たちの仕事です。
―『スパイダーバース』と『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の成功を受け、プレッシャーはありますか?
クリスティン:多少はあります。でも、それ以上にチャンスが広がったと感じています。この成功によって「ちょっと変わった企画」でも社内でGOサインを出しやすくなりました。『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』のように、家族向けとは思えないほどスタイリッシュで洗練された作品がヒットしたことは、アニメ映画の可能性を広げたと思います。『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の直後にリリースしたのは、『Fixed』(※日本未公開)という2Dアニメーションの作品でした。これはアニメ映画としては珍しいR指定の作品で、監督は先ほどお話したゲンディ・タルタコフスキーです。内容も対照的で、犬たちがかなりキワドイやり取りを繰り広げる大人向けのコメディなんです。
―制作開始当初は、K-POPも欧米では今ほど巨大化してはいなかったように思うのですが、K-POPを映画の主題に据えるというのは賭けではなかったですか?
クリスティン:制作の初期段階でも、すでにBTSやBLACKPINKが既に人気を得ており、かなり大きなマーケットになってはいましたので、少なくともK-POPファンを惹きつけることはできるだろうとは思っていました。ただ、K-POPは、ある意味、極端なジャンルなんです。熱狂的なファンがいる一方で、まったく興味がない人も多い。特に男性の中には「アイドル映画は自分向けじゃない」と感じる人も多くいたと思います。ですから当初は、「少なくともK-POPファンには届くだろう」という想定で進めていました。でも実際には、K-POPファンだけでなく、全くの無関心層まで巻き込むことができました。それは、音楽とドラマの力が「ジャンルの壁」を超えたからだと思います。
―クリスティンさん自身もK-POP好きでいらっしゃる?
クリスティン:ファンと言っても、BTSやBLACKPINKといった知られたグループをなぞるくらいで、とてもファンと言えるほどではなかったのですが、監督のマギー・カンやプロダクションデザイナーのヘレン・ミンジュ・チェン(ティム・バートンの『フランケンウィーニー』、ディズニーの『ベイマックス』『ラーヤと龍の王国』などを手がけた)、それに共同監督のクリスは本物のK-POPファンでしたから、彼女たちに「NewJeansを聴いて!」「このMVを見て!」と盛んに勧められたことでだいぶ詳しくなりました(笑)。何度かコンサートに足を運びましたし。その過程で、K-POPが単なる音楽ではなく「みんなの自己表現のプラットフォーム」であることを理解しました。
「型を持たない」ことがアイデンティティ
―先ほどの会社のスタンスの話に戻るのですが、ピクサーやディズニーには一定のフォーマットがあってそれが強みになってきましたが、SPAはあえてそうしたフォーマットをつくることを避けています。スタジオのアイデンティティという観点からすると、リスキーな戦略のようにも思えますが、どうなのでしょう。
クリスティン:アイデンティティということでいえば、私たちはあえて「型を持たない」ことをアイデンティティにしたいんです。ディズニーやイルミネーションは、ひと目で自社作品だとわかるスタイルを確立しています。でも私たちは、『EMOJI(絵文字の国のジーン)』の翌年に『スパイダーバース』を出すようなスタジオ。つまり、毎回まったく違うものをつくることをアイデンティティとしています。これはリスクも伴いますが、それが強みになるところもあります。観客が「これはSPAの映画だ」と感じるのは、10分ほど経ってからになりますが、そこで「なにかが違う」と思ってもらえれば成功だと考えます。
―監督主導の制作スタイルや、固定した作品のスタイルを持たないということでいえば、例えば「A24」のようなあり方を思い浮かべたくもなります。もちろん制作する作品の規模も、ターゲットもまったく違いますが。
クリスティン:A24は私も大好きですし、尊敬しています。ただ私たちが手がけるのは「インディ映画」ではなく、あくまでも「メジャー」ですから、できるだけ世界中の観客に届く作品を作ることが使命となります。もっとも、今日の映画界ではインディとメインストリームの境界はどんどん曖昧になっています。『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』も、モチーフはある意味ニッチで特定の文化的な背景を持っていますが、にもかかわらずメジャーな現象になりました。つまり、「マスに届くためにはオルタナティブな視点が必要」ということなのかもしれません。
―監督の自由を尊重するなかで、スタジオ幹部の役割とは何でしょうか?
クリスティン:基本的には「対話者」であることだと思います。スタジオが上に立って命令するのではなく、横に並んで話す関係でいられるかどうかが重要です。私たちの役割は、まず作品の問題点を発見することで、「第2幕の後半が少し冗長だ」といった分析はできます。ただし、その解決法を提示することはできません。私たちが出した指摘が妥当なものだったとしても、それをどのように修正し軌道修正するのかを決めるのは、あくまでも監督であるべきです。要するに、私たちは観客の代表として意見を伝えることになりますが、それよりも手っ取り早いのは、完成前でもストーリーボード段階で試写を行って、観客のリアルな反応を聞くことです。スタジオ内部の声より、観客の声を信じるというのも、私たちの大事なポリシーのひとつとなっています。
―今後の展望を教えてください。
クリスティン:まず、NBAの大スター、ステフィン・カリーがプロデューサーを務めたアニメ映画『GOAT』という新作が2026年2月に劇場公開されます。その後、2027年夏に『スパイダーバース』の第3作を予定しているほか、『ミッチェル家とマシンの反乱』の続編も進行中です。シリーズでは『ゴーストバスターズ』の新アニメをNetflix向けに制作中です。
―ストリーミングと劇場の振り分けは、どのように決まるのでしょう?
クリスティン:これは劇場向け、これはストリーミング向け、とあらかじめ決めて制作に入ることは基本ありません。判断基準は、その作品が「どこで最も輝くか」です。『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』については「劇場公開すればよかったのに」と言われることもありますが、私はNetflixでの配信がベストの選択だったと思っています。というのも、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は繰り返し観るファンが多く、それこそが成功の鍵となったからです。劇場公開だったら、ここまでの波及効果は望めなかったようにも思います。
日本での不人気に思うこと
―『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は結果的にNetflixで最も視聴された映画作品になっただけでなく、間違いなくグラミーでも何らかの賞を獲ることになりそうな勢いで、まさに「現象」と呼ぶに相応しいものですが、残念ながら日本ではほとんど話題になっていません。なぜだと思いますか?
クリスティン:本当に不思議な現象ですよね。日本はアニメーション文化がとても豊かで、アメリカとはまったく違う文脈を持っています。ですから、まず大前提として「日本の観客は西洋アニメーションを特別視していない」という点があるのかもしれません。もともと日本には、長い歴史と高い完成度を誇る自国のアニメーション産業があり、スタジオジブリを筆頭に、アニメは日常文化の一部になっています。だから「海外のアニメ作品を観なければ」という動機が、他の国ほど強くないのかもしれません。
―なるほど。
クリスティン:かつてドリームワークスに勤めていたときに関わった『ヒックとドラゴン』でも同じことが起きました。アメリカでもヨーロッパでも大ヒットしたのに、日本ではそれほど響かなかったんです。当時、監督のディーン・デュボアと私は「これは絶対日本の観客に届くぞ」と、かなり期待を寄せていたのですが、結果はやはり厳しかった。つまり、日本の観客はアニメーションを「外から来た文化」としては受け取らないということなのかもしれません。それだけ自国の作品への信頼と誇りがあるということなのか、と思ったりもしますが、逆に、あなたはどう思います?
―ディズニー作品は日本でも一定の成功を収めてきましたし、『アナ雪』は、それこそ「現象」といっていいほどの人気でした。ただ、そこにはやはり西洋的な世界観への憧れが強く作動していたような気もします。一方の『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、アジアを主題にした欧米映画だという若干複雑な回路を通して受容することになりますので、コミットしにくさがあったのかもしれません。
クリスティン:たしかに。『アナと雪の女王』や『美女と野獣』のような作品は「西洋のプリンセス像」や、ある意味古典的なミュージカルの魅力がありましたよね。一方で『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、アジア的な感性やK-カルチャーを前面に出した作品ですから、日本の観客にとっては「私たちがすでに知っている文化を、アメリカが解釈したもの」と見えてしまうのかもしれません。
いずれにせよ、世界中でこれだけの「現象」になっているにも関わらず、日本だけはどこ吹く風というのも、日本らしいと思いますし、そうであればこそ日本はリスペクトされているのだとも思います。もちろん日本でも、ぜひブレイクして欲しいとは思っていますが(笑)。
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『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』
Netflixで独占配信中
クリスティン・ベルソン(Kristine Belson)
2015年にソニー・ピクチャーズアニメーションに入社。それ以前は約10年間、ドリームワークス・アニメーションに在籍し、アカデミー賞にノミネートされた長編作品『クルードさんちのはじめての冒険(The Croods)』のプロデューサーを務めた。同じくアカデミー賞ノミネート作品『ヒックとドラゴン(How to Train Your Dragon)』では製作総指揮を担当。ドリームワークス以前は、ジム・ヘンソン・カンパニー、コロンビア・ピクチャーズ、ターナー・ピクチャーズ、20世紀フォックスなどで、実写およびアニメーション映画の開発・制作に15年以上携わった経験をもつ。
Kei Wakabayashi
https://news.yahoo.co.jp/articles/9c551c481a2aa5f5917c70cd7a3e564f5f85be38?page=1
"케이팝 걸즈! 데몬 헌터스" (일본 이외에서) 대약진의 원인은? 게임 체인저가 말하는 신시대 애니메이션 제작론 / 11/18(화) / Rolling Stone Japan
케이팝걸즈! 데몬 헌터스'(C)2025 넷플릭스
올해 6월 20일에 넷플릭스는 소니 픽처스 애니메이션 제작의 오리지널 장편 애니메이션 영화 <KPOP 걸즈! 데몬 헌터스'를 배포하기 시작했다. 거의 프로모션도 없었지만 입소문을 타고 우왕좌왕하는 사이에 평가를 모으며 2025년을 대표하는 일대 문화 현상이 됐다. 아마 아무도 이 정도의 히트가 될 것이라고는 예상하지 않았던 것도 무리는 아니다. 이 영화는 제목 그대로 'K팝 아이돌이 악마 퇴치를 한다'는 얼핏 감상욕을 부리지 않는 작품이었기 때문이다. 하지만 뚜껑을 열어보니 영상, 음악, 캐릭터 설계는 참신하고 눈부셨으며, 스토리나 거기에 담긴 메시지는 넓은 공감을 모으는, 반복해서 보고 싶어지는 걸작이었다.
'케이팝 걸즈! 데몬 헌터스'는, 지금까지의 할리우드·뮤지컬 애니메이션을 훌륭하게 쇄신했을 뿐만 아니라, 성적도 굉장하다. 〈Netflix 오리지널 애니메이션 작품으로서 사상 최다 시청을 기록(일부 보도에서는 91일간 3억 2500만회 재생을 넘었다고도)〉〈북미 극장 개봉에서, Netflix 작품으로서 처음으로 주말 흥행 수입 1위를 획득〉〈사운드트랙이 Billboard 200 앨범 차트에 첫 등장 톱 10 진입〉〈작품중의 가공 그룹 「HUNTR/X」 전미 Billboard Hot 100에서 1위><사운드 트랙이 RIAA보다 플래티넘 인정><싱글 「골든」이 더블 플래티넘 달성><전세계 40개국 이상의 넷플릭스 영화 부문에서 1위 획득><비평·관객 쌍방으로부터 고평가를 획득해 넷플릭스 오리지널 작품으로서 「최고 종합 평가」를 갱신> 등등, 영화, 음악의 양면에서 금년 제일의 차트 액션을 일으켰다. 물론 애니메이션 장편, 오리지널 송 부문에서 아카데미상 노미네이트 가능성이 보도되고 그래미상에도 노미네이트되는 등 올해부터 내년까지의 영화·음악상 레이스에 태풍의 눈이 될 것으로도 주목받고 있다.
또한 이 작품은 '스파이더버스'(2018년 '스파이더맨: 스파이더버스', 2023년 '스파이더맨: 아크로스 더 스파이더버스', 2027년 개봉 예정인 '스파이더맨: 비욘드 더 스파이더버스'의 3부작 총칭), '미첼 가문과 기계의 반란' 등 걸작을 세상에 물어온 소니 픽처스 애니메이션(이하 SPA)의 평가를 결정하면서 SPA가 픽사나 디즈니의 패권으로 바뀌어 향후 10년간 애니메이션 업계를 좌지우지할 것이라는 예측까지 낳고 있다. "케이팝 걸즈! 데몬 헌터스"의 성공 비밀은 도대체 어디에 있었던 것일까, SPA 약진의 구동력이 된 것은 무엇이었을까. 할리우드 애니메이션의 게임 체인저가 된 SPA의 프레지던트, 크리스틴·벨슨에게(왜 일본에서는 「KPOP 걸즈! 데몬 헌터스가 히트에 있지는 않은지도 포함해) 물어봤다.
◇ 애니메이션 '새로운 영역' 개척
― '케이팝 걸즈! 데몬 헌터스'의 대성공을 축하드립니다. 사내에서는 어떻게 받아들여집니까?
- 크리스틴
감사합니다. 정말 스튜디오 전체가 기쁨에 휩싸여 있습니다. 소니 픽처스에는 실사와 애니메이션의 2개의 캠퍼스가 있는데, 어느 팀에서도 「해냈다!」라는 소리가 나왔습니다. 특히 애니메이션 캠퍼스에서는 몇 년 동안 이 작품에 관여한 멤버가 많아 감회도 남달랐습니다. 제작 기간은 약 7년. 마지막 엔드크레딧에서는 '제작기간 동안 탄생한 아기의 수'까지 소개될 정도로 오랜 세월을 함께한 팀입니다.
애니메이션 스튜디오는 일종의 커뮤니티입니다. 몇 년 동안 매일 관련된 사람도 있고, 몇 달 동안만 관련된 사람도 있지만, 작품이 성공하면 모두가 자기 일처럼 기뻐한다. 이번에는 그 기쁨이 사내 전체에 퍼졌습니다. 그리고 밖에 나가면 누구나 '너무 좋아', '5번 봤다', '15번 봤다', '음악이 머리에서 떠나지 않아!'라고 이야기해 줍니다. 저 자신도 지금까지 히트작은 경험해 왔지만, 이것은 "현상"이라고 불러야 할 것으로, 처음의 감각이었습니다. 정말 즐겁고 행복한 경험입니다.
― 지금까지 히트를 친 요인은 무엇이라고 생각하십니까?
- 크리스틴
히트는 예측할 수 있는 것은 아니지만, 하지만 다시 분석해 보면 몇 가지 요인이 있습니다. 우선 이 영화는 매우 개인적인 이야기입니다. 감독·각본을 맡은 매기 강과 크리스 아페르한스는 '부끄러움'에 대해 이야기하는 작품을 만들고 싶었다고 말했습니다. 남에게 보여줄 수 없는 자신, 숨겨버리는 부분. 하지만 그 '부끄러움'도 받아들일 수 있을 때, 사람은 진정한 의미에서 자신을 사랑할 수 있고, 다른 사람으로부터도 사랑받을 수 있다. 이 메시지가 전 세계 누구나 공감할 수 있는 보편적인 주제가 되었습니다.
다음은 음악입니다. 훌륭한 악곡을 만드는 것은 정말 어렵지만, 그들은 훌륭하게 성공했습니다. 영화의 히트를 뒷받침한 것은 틀림없이 음악입니다. 그리고 물론 작품 자체의 완성도. 스토리는 재미있고, 감동적이며, 영상은 숨이 막힐 정도로 아름답다. 몇 번이라도 보고 싶어지는 이유는 거기에 있습니다.
― 최근에는 '소니 픽처스 애니메이션(이하 SPA)이 디즈니와 픽사의 왕위를 빼앗았다'고 합니다. 이 평가에 대해서는 어떻게 느끼고 있습니까?
- 크리스틴
그런 목소리가 있다는 것은 매우 영광입니다. 10년 전에는 SPA가 디즈니나 픽사와 나란히 이야기될 거라고는 아무도 생각하지 않았으니까요. 디즈니도 픽사도 지금까지 훌륭한 작품을 수없이 만들어 온 위대한 스튜디오입니다. 업계는 항상 순환하고 있고, 어느 스튜디오에나 잘 나가는 해와 그렇지 않은 해가 있다. 그래서 솔직히 말하면 '누가 왕좌에 있는가'를 말하는 것이 그다지 의미가 있다고 생각하지는 않습니다.
하지만 '스파이더버스', '미첼 가문과 머신의 반란', 그리고 'KPOP 걸스! 데몬 헌터스'의 성공으로 인해 사람들이 '소니는 다른 것을 해줄 것'이라고 기대해 주게 된 것은 틀림없다고 생각합니다. 우리는 처음부터 디즈니적인 이야기를 재현하려고 하지 않고, 오히려 '애니메이션으로 무엇을 할 수 있을까'를 넓히고 싶다고 생각해 왔습니다. 디즈니나 픽사와 비교되는 것은 기쁜 일이지만, '왕위를 빼앗는다'기보다는 우리는 단지 '새로운 영역'을 개척하고 있을 뿐이라고 생각합니다.
― 캐릭터 조형에서도 'KPOP 걸즈! 데몬 헌터스는 디즈니가 그동안 채용해 온 '걸보스' 노선과는 방향성이 다르네요.
- 크리스틴
이 영화에서는 등장인물 모두가 '어쨌든 아름답고 섹시한 것'이 큰 주제로 우선 있었습니다. 제작 초기부터 '이건 패션지 같은 영화로 하자'고 말했습니다. 감독들은 매번 리뷰 때마다 "더 핫하게! 더 아름답게!"라고 말했습니다. 캐릭터 아이디어가 나올 때마다 아직 충분히 섹시하지 않다 더 빛나게 VOGUE 패션사진처럼 해달라고. 머리는 완벽하게, 피부는 윤기있게, 메이크업도 조명도 모두 이상적이어야 한다. 모든 컷을 '뷰티샷'으로 다루는 자세였습니다.
그러면서도 매기 강 감독이 고집한 것은 완벽함의 이면을 보여주는 것이었습니다. 그녀들은 확실히 아름답고, 쿨하지만, 동시에 얼빠지고, 이상하고, 부끄러운 순간도 많이 있다. 그러한 인간다운 부분도 포함한 양면을 보여주는 것이 관객이 캐릭터를 사랑하는 가장 큰 이유가 되었다고 생각합니다.
또한 저는 이 영화를 일종의 로맨스 영화로 파악하고 싶다고 생각하기도 했습니다. 저는 로맨스 영화를 너무 좋아하거든요. 지금까지 많은 애니메이션 영화를 다루어 왔지만, 솔직히 판타지 중에서 이렇게까지 멜로드라마적인 연애를 그린 작품은 별로 없었습니다. 보통 애니메이션에서는 코미디의 요소가 중심이 되기 쉽습니다. 하지만 이 영화는 연애나 감정의 흔들림을 정면으로 그리고 있어서, 그것이 관객에게 신선하게 비친 곳도 있었던 것 같습니다.
◇ 엉뚱한 기획이 새로운 가능성을 열어 준다
― SPA가 타사와 다른 점은 뭐라고 할 수 있을까요?
- 크리스틴
우리는 '감독의 비전을 최우선으로 한다'는 것을 철저히 하고 있습니다. 다른 스튜디오에서는 제작의 최종 판단을 경영진이 내리는 경우도 있지만 우리는 다릅니다. 만약 감독과 나 사이에 의견 차이가 있더라도 최종 판단은 감독에게 맡깁니다. 스튜디오의 역할은 이끄는 것이 아니라 지탱하는 것이다. 코멘트는 하겠지만, 그것은 어디까지나 '당신의 이야기를 어떻게 하면 더 잘 전달할 수 있을까'를 함께 생각하기 위한 것입니다.
또, 우리는 「안전 운전을 하지 않는다」를 중요하게 생각하고 있습니다. 케이팝 걸즈! 데몬 헌터스'의 아이디어--'K-POP 스타가 악마와 싸운다'는, 보통 생각하면 기발하고 웃어 버리는 설정이죠. 하지만, 그런 엉뚱한 기획이야말로 새로운 가능성을 여는 것으로 연결됩니다. 두려워하지 않고 도전하는 용기, 그것이 바로 우리의 DNA라고 생각하고 있습니다.
― 현재의 SPA의 스타일이 확립되어 가는데 있어서, 「스파이더 버스」의 성공은, 역시 큰 전기가 되었다고 말할 수 있는 것일까요.
- 크리스틴
바로 그렇습니다. 제가 스튜디오에 들어간 10년 전, "필름 메이커 주도의 스튜디오로 만들고 싶다"고 선언했는데, 그걸 증명한 게 '스파이더버스'였습니다. 그 작품은 업계의 상식을 뒤집었습니다. 애니메이션의 미학을 바꾸고 관객의 기대를 바꿨다. 스튜디오로서도 세계에서 볼 수 있는 방식이 크게 바뀌었습니다. '소니는 다른 것을 해준다'는 말을 듣게 되었고, 그 성공이 '리스크를 두려워하지 않고 새로운 것을 한다'는 자신감으로 이어졌습니다. 케이팝 걸즈! 데몬 헌터스도 미첼 가문과 기계의 반란도 같은 흐름 속에 있습니다. 애니메이션 영화는 한때 '가족용 좁은 장르'였지만, 지금은 더 폭넓은 층에 닿게 되었습니다.
또한 여기서 덧붙이고 싶은 것은 겐디 타르타코프스키 감독에 관한 것입니다. 타르타코프스키 감독은 우리 스튜디오에 중요한 필름 메이커입니다. 왜냐하면 『몬스터 호텔』 시리즈의 성공이 오늘날 소니 애니메이션을 지탱하고 있다고 해도 과언이 아니기 때문입니다. 그 작품은 당시의 타사 애니메이션과는 전혀 다른 비주얼 스타일을 내세웠고 움직임이나 연출 면에서도 매우 실험적이었습니다. 겐디는 항상 애니메이션이라는 표현을 '어떻게 움직일까'라는 관점에서 확장해 온 사람으로, 나중의 많은 애니메이터들에게도 영향을 미쳤습니다.
― 「스파이더 버스」가 가져온 혁신의 저류로서, 「몬스터·호텔」이 있었다, 라고.
- 크리스틴
네. 『스파이더버스』가 애니메이션 표현을 새로운 차원으로 끌어올린 것은 사실이지만, 그 근저에는 겐디 작품에서 길러진 「스타일의 자유로움」이 있었습니다. 『Primal: Tales of Savagery』(※일본 미공개)를 보시면 아시겠지만, 그는 지금도 그 창조성은 계속 진화하고 있습니다.
― 스파이더 버스의 각본가/프로듀서인 로드&미러와의 협동은 회사 전체에 큰 영향을 미쳤다고도 하는데, 그들에게서 배운 것이 있다면 어떤 것일까요?
- 크리스틴
그들은 정말 특별한 재능의 소유자입니다. 그들과 일하며 강하게 배운 것은, 「무섭다고 느끼는 결단이야말로 옳다」는 것일까요. 안전한 선택을 하고 있을 때는 아마 아무것도 새로운 것을 하고 있지 않을 것이다. 또 하나는 '완벽은 존재하지 않는다'는 엄격한 가르침입니다. 스파이더 버스 제작 중에 내가 이미 충분히 좋다고 생각해도 그들은 아니, 이제 막 시작했다고 하더라고요. 납기가 임박해도 그들은 마지막 1초까지 퀄리티를 계속 연마한다. 그 자세는 스튜디오 전체에 영향을 미쳤습니다.
◇ IP는 전략이 아니라 결과로 생겨난다
― 소니는 그동안 하드웨어 기업에서 IP 기업으로 변모했는데, 강한 IP를 만들어내기 위한 방정식 같은 것이 있을 수 있을까요?
- 크리스틴
이것에 대해서는 유감스럽게도 '방정식은 존재하지 않는다'라고 대답할 수밖에 없습니다. 우리가 할 수 있는 건 '사람의 감정을 움직이는 영화를 만드는 것'뿐이에요. 웃고, 울고, 춤추고 싶어지는 감정 체험을 전달하는 것이 우선은 대전제입니다. 그런 의미에서 IP는 전략이 아니라 결과로 생겨나는 것입니다. 훌륭한 각본과 열정적인 창작자들이 있으면 자연스럽게 세계가 그 캐릭터나 세계관을 사랑하게 됩니다.
― 새로운 재능의 발굴에 대해서도 같은 말을 할 수 있을까요?
- 크리스틴
이것에도 역시 공식은 없습니다. 우리가 중시하는 것은 '의견을 가진 사람'입니다. 자신의 생각을 확실히 전할 수 있는 감독이나 각본가. 스튜디오 간부와 논의해서 '당신은 틀렸다'고 말할 수 있는 사람. 그런 강한 시각을 가진 사람이 결과적으로 재미있는 작품을 만든다. 그렇기 때문에 그들이 안심하고 의견을 말할 수 있는 환경을 만드는 것이 우리의 일입니다.
― 스파이더 버스와 케이팝 걸즈! 데몬 헌터스'의 성공으로 압박감이 있습니까?
- 크리스틴
다소는 있어요. 하지만 그 이상으로 기회가 넓어졌다고 느끼고 있습니다. 이 성공으로 인해 '좀 특이한 기획'에서도 사내에서 GO 사인을 내기 쉬워졌습니다. 케이팝 걸즈! 데몬 헌터스(デーモン··ハンターズ』向け家族)처럼 가족용이라고는 생각되지 않을 정도로 스타일리시하고 세련된 작품이 히트한 것은 애니메이션 영화의 가능성을 넓혔다고 생각합니다. 케이팝 걸즈! 데몬 헌터스'의 직후에 발매한 것은, 'Fixed'(※일본 미공개)라고 하는 2D 애니메이션의 작품이었습니다. 이것은 애니메이션 영화로서는 드문 R지정 작품으로, 감독은 아까 말씀드린 겐디 타르타코프스키입니다. 내용도 대조적이고, 개들이 꽤 큰 소리로 주고받는 어른들을 위한 코미디입니다.
― 제작 시작 초기에는 K-POP도 유럽에서는 지금처럼 거대하지 않았던 것 같은데, K-POP을 영화의 주제로 삼는다는 것은 내기가 아니었나요?
- 크리스틴
제작 초기 단계에서도 이미 BTS나 블랙핑크가 이미 인기를 얻었고 꽤 큰 시장이 되었기 때문에 적어도 K-POP 팬들을 끌어들일 수 있을 거라고는 생각했습니다. 다만 K-POP은 어떻게 보면 극단적인 장르거든요. 열광적인 팬이 있는가 하면 전혀 관심이 없는 사람도 많다. 특히 남자들 중에는 '아이돌 영화는 자기 것이 아니다'라고 느끼는 사람도 많았을 것 같아요. 그래서 처음에는 '적어도 K-POP 팬들에게는 닿을 것이다'라는 가정으로 진행하고 있었습니다. 하지만 실제로는 K-POP 팬뿐만 아니라 전혀 무관심한 층까지 끌어들일 수 있었습니다. 그건 음악과 드라마의 힘이 '장르의 벽'을 넘어섰기 때문인 것 같아요.
― 크리스틴 씨 자신도 K-POP을 좋아하시나요?
- 크리스틴
팬이라고 해도 BTS나 블랙핑크 같은 알려진 그룹을 빗댈 정도로, 도저히 팬이라고 할 수 없을 정도는 아니었지만, 감독 매기 강이나 프로덕션 디자이너 헬렌 민주 첸(팀 버튼의 '프랑켄 위니', 디즈니의 '베이맥스', '라야와 용의 왕국' 등을 다뤘다), 게다가 공동 감독 크리스는 진짜 K-POP 팬이었기 때문에, 그녀들에게 'New Jeans를 들어!', '이 MV를 봐!'라고 적극적으로 권유하면서 꽤 자세히 알게 되었습니다(웃음). 몇 번인가 콘서트를 방문했습니다. 그 과정에서 K-POP이 단순한 음악이 아니라 '모두의 자기표현 플랫폼'임을 이해했습니다.
◇ 틀을 갖지 않는 것이 정체성
― 조금 전의 회사의 스탠스 이야기로 돌아갑니다만, 픽사나 디즈니에는 일정한 포맷이 있어 그것이 강점이 되어 왔습니다만, SPA는 굳이 그러한 포맷을 만드는 것을 피하고 있습니다. 스튜디오의 정체성이라는 관점에서 보면 위험한 전략인 것 같기도 합니다만, 어떨까요.
- 크리스틴
정체성이라고 하면, 우리는 굳이 '틀을 갖지 않는' 것을 정체성으로 만들고 싶어요. 디즈니나 일루미네이션은 한눈에 자사 작품이라고 알 수 있는 스타일을 확립하고 있습니다. 하지만 우리는, 「EMOJI(이모티콘 나라의 진)」의 다음 해에 「스파이더 버스」를 내는 스튜디오. 즉, 매회 전혀 다른 것을 만드는 것을 정체성으로 하고 있습니다. 이것은 리스크도 수반되지만, 그것이 강점이 되는 점도 있습니다. 관객들이 '이건 SPA 영화다'라고 느끼는 것은 10분 정도가 지나서야 되지만, 거기서 '뭔가 다르다'고 생각하면 성공이라고 생각합니다.
― 감독 주도의 제작 스타일이나, 고정한 작품의 스타일을 갖지 않는다고 하면, 예를 들면 「A24」와 같은 본연의 자세를 떠올리고 싶기도 합니다. 물론 제작하는 작품의 규모도, 타겟도 전혀 다르지만요.
- 크리스틴
A24는 저도 매우 좋아하고 존경합니다. 단지 우리가 다루는 것은 「인디 영화」가 아니고, 어디까지나 「메이저」이기 때문에, 가능한 한 전세계의 관객에게 닿는 작품을 만드는 것이 사명이 됩니다. 무엇보다, 오늘날 영화계에서는 인디와 주류의 경계는 점점 모호해지고 있습니다. 케이팝 걸즈! 데몬 헌터스'도 모티브는 어떻게 보면 틈새에서 특정한 문화적 배경을 가지고 있지만, 그럼에도 불구하고 메이저한 현상이 되었습니다. 즉, 「매스에 닿기 위해서는 얼터너티브한 시점이 필요하다」라고 하는 것일지도 모릅니다.
― 감독의 자유를 존중하는 가운데 스튜디오 간부의 역할은 무엇일까요?
- 크리스틴
기본적으로는 '대화자'인 것 같아요. 스튜디오가 위에 서서 명령하는 것이 아니라 옆으로 나란히 이야기하는 관계로 있을 수 있는지가 중요합니다. 우리의 역할은, 우선 작품의 문제점을 발견하는 것으로, 「제2막의 후반이 조금 장황하다」라고 하는 분석은 할 수 있습니다. 단, 그 해결법을 제시할 수는 없습니다. 우리가 내놓은 지적이 타당한 것이었다고 해도 그것을 어떻게 수정하고 궤도 수정할 것인지 결정하는 것은 어디까지나 감독이어야 합니다. 요컨대, 우리는 관객의 대표로서 의견을 전달하게 되는데, 그보다 손쉬운 것은 완성 전이라도 스토리보드 단계에서 시사를 하고 관객의 리얼한 반응을 듣는 것입니다. 스튜디오 내부의 목소리보다 관객의 목소리를 믿는 것도 우리의 중요한 정책 중 하나가 되고 있습니다.
― 앞으로의 전망을 알려주세요.
- 크리스틴
먼저 NBA의 대스타 스테핀 커리가 프로듀서를 맡은 애니메이션 영화 'GOAT'라는 신작이 2026년 2월 극장 개봉됩니다. 그 후, 2027년 여름에 「스파이더 버스」의 제3작을 예정하고 있는 것 외에 「미첼가와 머신의 반란」의 속편도 진행중입니다. 시리즈에서는 '고스트버스터즈'의 새로운 애니메이션을 넷플릭스(Netflix)용으로 제작 중입니다.
― 스트리밍과 극장 배정은 어떻게 결정될까요?
- 크리스틴
이것은 극장용, 이것은 스트리밍용이라고 미리 정하고 제작에 들어가는 것은 기본이 아닙니다. 판단 기준은 그 작품이 '어디서 가장 빛날 것인가'입니다. 케이팝 걸즈! 데몬 헌터스'에 대해서는 '극장 개봉을 하지 그랬어'라는 말을 듣기도 하지만, 저는 넷플릭스에서의 방송이 베스트의 선택이었다고 생각합니다. 그렇다는 것도 'KPOP 걸즈! 데몬 헌터스'는 반복해서 보는 팬이 많아, 그것이야말로 성공의 열쇠가 되었기 때문입니다. 극장 개봉이라면 지금까지의 파급 효과는 바랄 수 없었던 것 같기도 합니다.
◇ 일본에서의 인기가 없다고 생각하는 것
― 케이팝 걸즈! 데몬 헌터스'는 결과적으로 넷플릭스에서 가장 시청된 영화 작품이 되었을 뿐만 아니라, 틀림없이 그래미에서도 어떤 상을 받게 될 것 같은 기세로, 그야말로 '현상'이라고 부르기에 적합하지만, 유감스럽게도 일본에서는 거의 화제가 되지 않습니다. 왜라고 생각하십니까?
- 크리스틴
정말 신기한 현상이죠. 일본은 애니메이션 문화가 매우 풍부하여 미국과는 전혀 다른 맥락을 가지고 있습니다. 그래서 우선 대전제로 '일본 관객은 서양 애니메이션을 특별시하지 않는다'는 점이 있을지도 모릅니다. 원래 일본에는 오랜 역사와 높은 완성도를 자랑하는 자국의 애니메이션 산업이 있어 스튜디오 지브리를 필두로 애니메이션은 일상 문화의 일부가 되고 있습니다. 그래서 '해외 애니메이션 작품을 봐야겠다'는 동기가 다른 나라만큼 강하지 않을 수도 있습니다.
― 그렇군요.
- 크리스틴
예전에 드림웍스에 근무할 때 관련된 '힉과 드래곤'에서도 같은 일이 일어났습니다. 미국에서도 유럽에서도 대히트를 쳤는데 일본에서는 그다지 와닿지 않았어요. 당시 감독 딘 듀보어와 나는 이건 무조건 일본 관객에게 갈 거야라고 꽤 기대를 걸었지만 결과는 역시 냉혹했다. 즉, 일본 관객은 애니메이션을 '밖에서 온 문화'로는 받아들이지 않는다는 것일지도 모릅니다. 그만큼 자국 작품에 대한 신뢰와 자부심이 있다는 말인가 싶기도 하지만, 반대로 당신은 어떻게 생각하나요?
― 디즈니 작품은 일본에서도 일정한 성공을 거두어 왔고, '겨울왕국'은 그야말로 '현상'이라고 해도 좋을 정도의 인기였습니다. 다만, 거기에는 역시 서양적인 세계관에 대한 동경이 강하게 작동하고 있었던 것 같은 생각도 듭니다. 한편 'KPOP 걸스! 데몬 헌터스'는 아시아를 주제로 한 서구 영화라는 약간 복잡한 회로를 통해 수용하게 되기 때문에 커밋하기 어려운 점이 있었을지도 모릅니다.
- 크리스틴
확실히 '겨울왕국' '미녀와 야수' 같은 작품은 서양의 공주상이나 어떻게 보면 고전적인 뮤지컬의 매력이 있었죠. 한편으로 'KPOP 걸스! 데몬 헌터스'는 아시아적인 감성과 K-컬처를 앞세운 작품이기 때문에 일본 관객들에게는 '우리가 이미 알고 있는 문화를 미국이 해석한 것'으로 보일 수도 있습니다.
어쨌든, 전 세계에서 이만큼의 '현상'이 되고 있음에도 불구하고, 일본만은 어디 부는 바람이라는 것도 일본답고, 그럴수록 일본은 리스펙트 되어 있다고도 생각합니다. 물론 일본에서도 꼭 브레이크 했으면 좋겠다고는 생각하고 있습니다만(웃음).
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케이팝 걸즈! 데몬 헌터스
Netflix에서 독점 배포 중
크리스틴 벨슨(Kristine Belson)
2015년에 소니 픽처스 애니메이션에 입사. 그 이전에는 10여 년간 드림웍스 애니메이션에 몸담으며 아카데미상 후보에 오른 장편 작품 크루드 씨네의 첫 모험(The Croods)의 프로듀서를 맡았다. 같은 아카데미상 노미네이트 작품 「히크와 드래곤(How to Train Your Dragon)」에서는 제작 총지휘를 담당. 드림웍스 이전에는 짐 헨슨 컴퍼니, 컬럼비아 픽처스, 터너 픽처스, 20세기 폭스 등에서 실사 및 애니메이션 영화 개발 제작에 15년 이상 종사한 경험이 있다.
Kei Wakabayashi
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