|
毎日新聞2024/6/22 東京夕刊有料記事453文字
対独戦勝記念式典の軍事パレードを見ようと観覧席に集まる招待客ら=モスクワの赤の広場で2024年5月9日午前9時31分、山衛守剛撮影
モスクワの「赤の広場」で5月9日に開かれた第二次大戦の対独戦勝記念式典。雪が舞ったこの日、赤いジャンパーを着て軍事パレードを見守った男性は「誇らしい」と笑った。古希が近いウクライナ系の男性は国籍もウクライナだという。ロシアによるウクライナでの「特別軍事作戦」が始まる数年前に高齢の母親を祖国に残し、仕事でモスクワに移ったと打ち明ける。
対独戦勝記念式典の軍事パレードで行進するロシア軍の兵士ら=モスクワの赤の広場で2024年5月9日午前10時24分、山衛守剛撮影
式典は文字通り、ロシアやウクライナの前身だったソ連のドイツへの勝利を祝う。人生の半分以上を「ソ連人」として生きた人が誇りに思うのはおかしくはない。ウクライナ人でありながらも、この男性はパレードを見て「未来は明るいと感じた」と話した。
Advertisement
軍事作戦に反対するロシア人も、賛成するウクライナ人もいる。生きている環境がみな違う。民族で賛否の線引きができるほど単純ではない。ただ、男性は軍事作戦の開始後、ウクライナに戻れなくなったらしく「母に会いたい」とも。戦闘が終結しても、祖国は彼を受け入れるだろうか。終始笑顔だったが、時折見せる寂しそうな様子が心にひっかかった。【山衛守剛】