|
毎日新聞2024/6/7 08:39(最終更新 6/7 08:39)有料記事575文字
無人飛行試験で上昇するスペースXの宇宙船「スターシップ」。大型ロケット「スーパーヘビー」の上部に据え付けられている=2024年6月6日、同社の中継から・共同
米宇宙企業スペースXは6日、大型宇宙船「スターシップ」とロケット「スーパーヘビー」をテキサス州から打ち上げた。4回目の無人飛行試験。宇宙船は上空200キロを超える宇宙空間まで上昇した後、大気圏に突入。高温で機体の一部が分解しながらも姿勢を制御し、海に降りたとの見方を示した。出発から、目標としたインド洋への帰還まで、全行程の実施に初めて成功した模様だ。
宇宙船を送り出した後のロケットは、メキシコ湾に落ちる前にエンジンを起動し、機体を制御することに成功。回収と再利用に一歩近づいた。
Advertisement
同社を率いるイーロン・マスク氏はX(ツイッター)に「多くの耐熱タイルと翼は損傷したが、海に着水できた。おめでとう」と投稿した。
宇宙船とロケットを組み合わせた全長は121メートル。米主導の国際月探査「アルテミス計画」で飛行士が乗る月面着陸船として2026年から使われる予定で、将来は日本人飛行士も搭乗する可能性がある。昨年4月から急ピッチで飛行試験と改良を重ねてきている。
この後は、地球周回軌道上で燃料補給を受け、月に向かうという難しい課題が待ち受けている。
スターシップは民間宇宙旅行にも使われる見込み。衣料品通販大手ZOZO創業者の前沢友作さんらも乗って月周回旅行に行く計画だったが、23年実施の目標がどこまで遅れるか分からないとして今月、断念した。(共同)