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毎日新聞2024/8/28 東京朝刊有料記事726文字
百度の生成AIで作成された画像
なるほドリ 生成(せいせい)AI(人工知能(じんこうちのう))の開発競争(かいはつきょうそう)で、中国の勢(いきお)いがすごいみたいだね。
記者 はい。世界知的所有権機関(WIPO)の7月の発表では、2014~23年の10年間に出願(しゅつがん)された生成AIの特許(とっきょ)は約5万4000件。このうち中国が3万8210件で約7割を占めました。2位の米国(6276件)、3位の韓国(4155件)、4位の日本(3409件)を大きく引き離して断トツです。
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Q どうして中国がそんなに多いの?
A 中国政府は21年、「第14次5カ年計画」でAIなどデジタル技術と経済・社会との融合(ゆうごう)を打ち出しました。AIを重要な産業と位置付け、中央や地方の政府が優遇政策(ゆうぐうせいさく)によって発展を促進しています。近年、IT大手「百度(バイドゥ)」や「騰訊控股(テンセント)」など中国を代表する企業が続々と参入し、特許をどんどん出願しています。
Q 米国よりもすごいと言ってよいのかな。
A 特許数は技術力の一側面に過ぎません。世界で主流となっている生成AI技術は、やはり米国がリードしており、短期間で追いつくのは簡単ではありません。中国にとっては今後、現状では国内中心のサービスを海外にまで展開(てんかい)できるかが課題(かだい)となりそうです。
Q 競争はますます激しくなりそうだね。
A 世界では生成AIの特許が、23年の1年間だけで過去10年の4分の1以上出願されました。また、規制(きせい)や基準(きじゅん)などルール作りも今後の課題です。生成AIを巡って、米中を軸に各国の主導権争(しゅどうけんあらそ)いが一層激しくなりそうです。(外信部)