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毎日新聞2024/11/23 09:39(最終更新 11/23 10:13)904文字
北海道の鈴木直道知事との面会後、報道陣の取材に応じる原子力発電環境整備機構の山口彰理事長=道庁で2024年11月22日午後4時37分、片野裕之撮影
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定に向けた北海道寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村での文献調査は開始から4年超を経て報告書完成に至った。次のステップである「概要調査」移行は地元首長の判断となる。
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原子力発電環境整備機構(NUMO)の山口彰理事長は22日、道庁で報道陣の取材に応じた。主なやりとりは次の通り。【片野裕之】
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――両町村と知事の反応への受け止めは。
◆国民の理解を深めていくための活動をしっかりやってくださいという励まし、指導をいただいた。知事からも国民の理解が極めて大切であると指導いただいた。真摯(しんし)に受け止め、取り組んでいく覚悟を新たにした。
――知事が改めて反対の意見を伝えた。
◆重く受け止めている。一方で、知事は皆様の意見を伺うともおっしゃっている。いろいろな場を通じて説明し、ご理解いただけるように全力を尽くす。
――縦覧期間を90日間とした理由は。
◆しっかりと理解を得るため、時間を取ることが大事。だが、長すぎると関心が薄まるということもあろうかと思う。いろんなことを勘案して、90日間が適切と思った。
――縦覧期間を延長する可能性は。
やるべきことを一つずつしっかりやり、国民の疑問に丁寧に答える。地層処分は大切な事業と言っていただける取り組みを全力で行う。今の時点で予断を持って言うことはできない。取り組みが有効かを見た上で、必要な対策を取っていく。
――全国初の文献調査で感じた課題は。
◆対話活動、理解活動のあり方について悩みながら進めてきた。これからの活動は、文献調査での教訓、反省、良かった点を生かし、効果的、順調に進めるよう取り組む。
――文献調査地は3カ所に限られている。
◆調査を受け入れていただくのは相当重い決断だと思う。簡単に受け入れていただく場所が増えるとは思っていない。
佐賀県玄海町で文献調査を受け入れる判断をいただいた。(国、NUMO、電気事業者の)取り組みの成果がわずかながらも上がったと思っている。できるだけ多くの自治体にそう考えていただけるよう、継続して多くの地域で理解、情報提供活動を進めたい。