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毎日新聞2025/2/13 17:02(最終更新 2/13 17:02)735文字
高濃度のPFASが敷地内から検出された住友電工ファインポリマー=大阪府熊取町で2025年2月13日午後1時1分、中村宰和撮影
住友電気工業の100%子会社で樹脂加工を手がける「住友電工ファインポリマー」(大阪府熊取町)で検出されたPFAS(ピーファス)。最近よく聞くようになったが、人体への影響も指摘されているこの化学物質はそもそも何のことなのか。
PFASは1万種類以上ある有機フッ素化合物の総称で、自然界でほぼ分解されないことから「永遠の化学物質」とも呼ばれている。体内にとどまりやすく、人の血液中でも見つかっている。
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水や油をはじき、熱に強い特性があり、焦げつきにくいフライパンの表面加工で使われてきた。消火剤や食品の包み紙など幅広い分野でも利用されている。
PFASのうち代表的なペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS=ピーフォス)とペルフルオロオクタン酸(PFOA=ピーフォア)は、健康への影響が指摘されている。
国際がん研究機関はPFOAの人体への影響について、発がん性の可能性があるとしている。赤ちゃんの低体重との関係性や乳幼児のワクチン接種の効果を引き下げることをうかがわせる報告もある。
国内では化学物質審査規制法でPFOSとPFOAの製造や輸出入を禁じ、水道水1リットル当たりの暫定目標値としてこの2種合計で50ナノグラム(ナノは10億分の1)との基準が定められている。
PFOAは2019年、ストックホルム条約で製造や使用、輸出入が原則禁止になり、PFOSも一部を除き使用できなくなった。
在日米軍基地周辺の川や地下水などで国の目標値を超える数値が検出されているほか、岡山県吉備中央町では20~23年度、東部の浄水場で1リットル当たり800~1400ナノグラムのPFASを検出。24年11月からは住民らを対象に、全国で初めて公費による血液検査を実施している。【高木香奈】