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こんにちは、東京都在住でLGBTに関する啓発活動をしています、松岡宗嗣です。
今週の日曜日、7月2日に投票日を迎える東京都議会議員選挙。豊洲移転や東京オリンピック・パラリンピック、子育て支援などが争点として注目されています。
東京に住むゲイの一人として、「LGBTに関しては、各党どのように考えているのだろうか」と気になったので、主要な政党、会派にアンケートを送ってみました。
アンケートで聞いた質問は以下の4つ
問1 LGBTに関する課題全般を人権課題として捉え、性的指向及び性自認に関する差別を禁止する条例を検討していますか?
問2 東京都として、教育現場などで性的指向及び性自認に関する啓発を行うべきだと考えていますか?
問3 渋谷区や世田谷区では同性パートナーシップ制度がつくられ、他の自治体にも広がりを見せています。同様の制度について東京都でも導入を検討しますか?
問4 同性カップルが里親として子育てをすることについて、どうお考えですか?
政策でLGBTについて言及しているかどうかも加えて、アンケートの回答をまとめた表が以下になります。
啓発することに関しては、ほとんどの政党が賛成でしたが、やはり制度をつくるかどうかという所で考え方にバラツキが出てくるようです。
一問ずつ回答を比較してみましょう。
■問1 LGBTに関する課題全般を人権課題として捉え、性的指向及び性自認に関する差別を禁止する条例を検討していますか?
「検討している」と回答した政党は、オリンピック憲章に「性的指向による差別の禁止」が明記されていることをあげ、東京オリンピック・パラリンピックを開催する東京都だからこそ、条例を検討すべきという回答が目立ちました。
一方で、回答をしなかった自民党は「まずは啓発の充実等」が重要と述べ、維新の会は「党内で議論をしていない」と回答しました。
ちなみに、東京都文京区や多摩市などは、すでに性的指向や性自認に基づく差別やハラスメントの禁止を条例で明記しています。
■問2 東京都として、教育現場などで性的指向及び性自認に関する啓発を行うべきだと考えていますか?
啓発については、ほとんどの政党が「啓発すべき」と回答。理由として、文科省が2015年に出した性的マイノリティに関する通知をあげ、差別や偏見は「知らない」ということからくるため、教育現場をはじめとする社会的な啓発が重要という意見が多くありました。
■問3 渋谷区や世田谷区では同性パートナーシップ制度がつくられ、他の自治体にも広がりを見せています。同様の制度について東京都でも導入を検討しますか?
「検討したい」と回答した政党は、既に6つの自治体で同性パートナーシップ制度が導入されていることをあげ、東京都でも積極的に取り入れるべきと回答。特に、民進党や社民党は「根本的には、法改正による対応が必要」とした上で、まずは自治体からという姿勢であると述べました。
「回答しない」とした政党のうち、自民党は、同性パートナーシップについて「家族のあり方に関わる問題であり、国民的な議論を深めていく必要」があると述べました。公明党も自民党と同じく、国民的な議論が必要とした上で「検討したい」と回答。
■問4 同性カップルが里親として子育てをすることについて、どうお考えですか?
「認めるべき」とした政党は、大阪市で同性カップルが里親として認められた例をあげ、法令上、里親が婚姻しているかどうかは条件ではない、重要なのは性的指向ではなく「子どもを育てることができるかどうか」であり、同性カップルを排除する理由はない、としました。
「回答しない」とした政党は「東京都児童福祉審議会の議論の結果を踏まえたい」と述べました。
公約には「LGBT同性カップルの活躍の場が制限されるのは社会的損失です。
同性カップルの里親認定を推進します」と掲げているはずの維新の会は「党内で議論をしていない」という回答でした。
まとめ:啓発は進めるが、制度にするかどうかが分岐点
まず、基本的に差別や偏見をなくすために啓発が必要だ、という考えをほとんどの政党が持っているという点に、社会の変化を感じました。
特に、自民党が東京都の指針を引きながらも、「偏見・差別の解消に向けた啓発」と「差別解消」に向けた取り組みの充実に触れたことは画期的なことだと思います。
一方で「制度にするかどうかでバラツキが出た」という所が今回のポイントだと思います。
今月、埼玉県の小学校の先生による「誰だオカマは」という差別発言がニュースになりましたが、2015年に文科省が全国の教育委員会に通知を出していたにもかかわらず、こうした発言が出てしまうということは、やはり通知がなかなか浸透していないことを示しています。
意識のある学校は研修を実施していて、そうではない学校はスルーしてしまう現状。
学校だけでなく、企業においても、国や自治体の制度がないため、意識のある企業だけがLGBTについて取り組み、そうではない企業は取り組まない、そんな現状になってしまっています。
やはり、枠組みとして差別を禁止したり「LGBTも市民の一人として捉えている」ということを示す制度を整え、その上で啓発を行っていくという「両輪」で回す必要があると思います。
どんな問題でも、周りに意識があるかないかによって、当事者が生きやすい場所になるか、生きづらい場所のままなのか、そこに濃淡がでてしまうというのは望ましくありません。だからこそ、広く枠組みを設定することで、最終的にフラットな社会へと整っていく。
ここに、政治の果たす役割が大きく現れるのではないでしょうか。
都議選では、もちろん他の様々な争点を見比べて投票してほしいと思いますが、ぜひそのひとつの軸として「LGBT」についても捉えていただけたら幸いです。
ちなみに、国際人権NGOのアムネスティインターナショナルも、「立候補者への人権意識アンケート」を行っていて、LGBTに関する質問がいくつか入っています。こちらは政党ではなく、もっと細かい候補者へのアンケートなので、ぜひあわせて参考にしてみてください。
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最後に、資料として各党からのアンケートの回答を全文掲載します。
■自民党
政策の中にはLGBTに関する言及なし。
問1 LGBTに関する課題全般を人権課題として捉え、性的指向及び性自認に関する差別を禁止する条例を検討していますか?
A. 回答の選択肢は選ばない
理由:条例制定の検討は、国会の法案審議の状況を見守り、結果を受けて行います。まずは、東京都人権施策推進指針に掲げた偏見・差別の解消に向けた啓発等の充実と考えます。
問2 東京都として、教育現場などで性的指向及び性自認に関する啓発を行うべきだと考えていますか?
A.啓発を行うべき
理由:記載なし
問3 渋谷区や世田谷区では同性パートナーシップ制度がつくられ、他の自治体にも広がりを見せています。同様の制度について東京都でも導入を検討しますか?
A.回答の選択肢は選ばない。
理由:同性パートナーシップ制度は、社会の基本的な制度である家族のあり方に関わることで、国民的な議論が必要だと考えています。
問4 同性カップルが里親として子育てをすることについて、どうお考えですか?
A.回答の選択肢は選ばない。
理由:里親制度は、社会的養護を必要とする子供を支援する制度で、本制度の制定以降、東京都児童福祉審議会の議論を踏まえて定められています。昨年度も、基準緩和について議論がありましたが、結論には至らなかったと聞いています。基準については、審議会の報告を得て、子供の視点に立って適切な対応を進めることが大切と考えます。
■最後に当事者やその周囲の皆さんへのメッセージなど、自由にコメントをお願いします。
記載なし
■公明党
政策の中にはLGBTに関する言及なし。
問1 LGBTに関する課題全般を人権課題として捉え、性的指向及び性自認に関する差別を禁止する条例を検討していますか?
A.検討している
理由:東京都では、人権施策の基本理念や施策展開に当たっての考えを示した「東京都人権施策推進指針」(平成28年8月に策定)に基づいて「性的指向」等を取り組むべき人権課題を掲げ、偏見や差別の解消に向けて取り組んでいるところです。
条例につきましては、国会において、自民、公明の与党が、LGBTの理解促進をめざす法案提出を検討しています。今後のこうした法案審議やその結果等を踏まえ、検討していきたいと考えています。
問2 東京都として、教育現場などで性的指向及び性自認に関する啓発を行うべきだと考えていますか?
A.啓発を行うべき
理由:東京都は、「東京都人権施策推進指針」に加え、文部科学省からの通知「性同一性障害や性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」を踏まえて、教育現場等で、性同一性障害や性自認に関する啓発に取り組んでいます。
例えば、「性自認」と「性的指向」との違いなど、対応に当たっては混乱することなく、一人一人に寄り添った対応ができるよう、理解を深める研修の充実等に取り組んでいきたいと考えています。
問3 渋谷区や世田谷区では同性パートナーシップ制度がつくられ、他の自治体にも広がりを見せています。同様の制度について東京都でも導入を検討しますか?
A.導入を検討したい
理由:同性パートナーシップにつきましては、家族のあり方に関わる問題であり、国民的な議論を深めていく必要があります。性自認と性的指向等について、国民的な理解の状況を踏まえ、今後、検討すべきだと考えます。
問4 同性カップルが里親として子育てをすることについて、どうお考えですか?
A.現状では「どちらともいえません」
理由:東京都の里親の認定基準につきましては、東京都児童福祉審議会が多様性を含めた基準緩和について議論していますが、いまだ結論には至っておりません。また、自治体によって認定基準が異なるため、今後、全国的な実施を把握した上で、検討が必要と考えます。
■最後に当事者やその周囲の皆さんへのメッセージなど、自由にコメントをお願いします。
性自認と性的指向の無理解などにより、さまざまな問題が起きています。そうした問題に対し、正しい理解や認識を広げる国民的な取り組みが今こそ求められています。
公明党はこれからも、当事者の皆さまやその周囲の皆さまとの連携をより深めながら、多様性が尊重され、差別のない社会をめざして、尽力していく所存です。
■日本共産党
政策の中には「LGBT・性的マイノリティの差別解消や支援の推進など、一人ひとりの人格と個性が尊重される東京をつくります。」と言及。
問1 LGBTに関する課題全般を人権課題として捉え、性的指向及び性自認に関する差別を禁止する条例を検討していますか?
A.検討している
理由:日本国憲法は「すべて国民は、個人として尊重される」(13条)「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」(14条)とうたっています。
LGBT・性的マイノリティの人たちが肩身の狭い思いで生活せざるをえなかったり、差別や偏見のためにありのままの自分を肯定できなかったりすることは人権問題であり、そのような社会は健全な社会とはいえません。
この間、自治体でも、性的指向及び性自認に関する差別を禁止する条例の制定がすすみはじめています。首都であり、2020年東京五輪・パラリンピックの開催としでもある東京都こそ、このような条例を積極的に制定すべきだと考えます。
問2 東京都として、教育現場などで性的指向及び性自認に関する啓発を行うべきだと考えていますか?
A.啓発を行うべき
理由:LGBT・性的マイノリティをめぐる問題は、ふだんは公然と語られることの少ない性意識・性行動にかかわる事柄であり、また、当事者がカミングアウト(公表)しなければ事態が表面化しにくい問題です。そのことが、当事者の困難を深め、差別や偏見を生む要因ともなっています。
したがって、LGBT・性的マイノリティへの差別や偏見をなくし、その権利が保障される社会をつくるには、教育現場をはじめとした社会的な啓発活動がきわめて大切です。
日本共産党都議会議員団は、昨年12月に知事に提出した予算要望書で、「教育現場で児童・生徒に対しLGBT、性的マイノリティの理解促進を図るよう、学びの場を設けるよう支援すること。教員への研修を拡充すること」「都内の学校を対象に、LGBT、性的マイノリティの児童生徒についての実態調査を実施すること」「就職や雇用でLGBT、性的マイノリティ当事者が不当に差別されることのないよう啓発事業を拡充すること。LGBTフレンドリー企業を認定し、支援する施策を具体化すること」などを求めました。
問3 渋谷区や世田谷区では同性パートナーシップ制度がつくられ、他の自治体にも広がりを見せています。同様の制度について東京都でも導入を検討しますか?
A.導入を検討したい
理由:同性パートナーシップ制度は、全国で6つの自治体で実施されており、首都であり、2020東京五輪・パラリンピック開催都市である東京都でも、積極的に導入するべきだと考えます。
なお、日本共産党は、昨年の参議院選挙にあたって発表した政策で「すべての自治体で、東京都渋谷区や三重県伊賀市などで導入したような、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認定する条例や施策を実現する」ことを公約しています。
問4 同性カップルが里親として子育てをすることについて、どうお考えですか?
A.同性カップルも里親として認められるべきだ
理由:里親は、虐待や貧困のため親元で暮らせない子を預かって育てるもので、申請を受けた自治体が適格性を判断して認定しますが、法令上、里親の婚姻の有無は認定の条件ではありません。それなのに、同性カップルが里親になる権利を認めないことは、同性カップルへの偏見・差別につながりかねません。子どもにとっても、家族形態が多様化しているもとで、同性カップルに育てられることに特別の問題はなく、むしろ大事なのは、里親とのマッチングだといえます。
毎日新聞(今年4月16日付)によれば、47都道府県・20政令市のうち、東京都だけが里親認定基準で実質的に同性カップルを除外しています。このことは、施設で暮らす子の数に比べ圧倒的に少ない里親の貴重な担い手を都が失っているともいえるもので、改善が求められていると考えます。
■最後に当事者やその周囲の皆さんへのメッセージなど、自由にコメントをお願いします。
LGBT・性的マイノリティのみなさんの人権を守り、暮らしやすい社会をつくることは、社会のすべての人々にとっても暮らしやすい社会をつくることです。
当事者や家族のみなさんの運動などが力となり、この数年で、LGBT・性的マイノリティをめぐる問題には、施策の一定の前進や社会的認知など、行政的にも社会的にも大きな変化・発展がありました。
日本共産党も、民進党など野党4党共同で、「性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案」を昨年5月27日に衆議院に提出しました。同法案は、性的指向(恋愛対象)や性自認(心の性)を理由とする差別について、行政機関や事業者における「差別的取扱いの禁止」を定め、職場や学校などでの差別を解消する方策を盛り込んでいます。その実現へ、今後も力をつくします。
力をあわせて、性的マイノリティにたいする差別や偏見をなくし、だれもが自分らしく生きやすい社会をつくっていきましょう。
■民進党
政策の中には「偏見や差別を受けることが多いLGBTの人権施策はもとより、ヘイトスピーチは許さないとの立場から、多様性が尊重される東京の実現に取り組みます。」と言及。
問1 LGBTに関する課題全般を人権課題として捉え、性的指向及び性自認に関する差別を禁止する条例を検討していますか?
A.検討している
理由:民進党は、すべての人に居場所と出番を、共生社会の実現を政策の重要課題のひとつに位置づけて推進しています。性的指向を理由とするものも含めたあらゆる差別を許さない、偏見をなくすために取り組むべきと考えています。
そのためには条例に明記することも必要だと思います。
問2 東京都として、教育現場などで性的指向及び性自認に関する啓発を行うべきだと考えていますか?
A.啓発を行うべき
理由:差別や偏見の多くは、無知・無理解によるものだから。
問3 渋谷区や世田谷区では同性パートナーシップ制度がつくられ、他の自治体にも広がりを見せています。同様の制度について東京都でも導入を検討しますか?
A.導入を検討したい
理由:根本的には、法改正による対応が必要だと考えています。自治体サービスの多くは、法・国制度によるものが多くあり、地方自治体による対応では限界があります。
しかし、国が動かないのであれば自治体での対応を検討していかなければならないと考えます。
問4 同性カップルが里親として子育てをすることについて、どうお考えですか?
A.同性カップルも里親として認められるべきだ
理由:問われるべきは性的指向ではなく、子どもを育むことができる家庭かどうかであると考えます。
■最後に当事者やその周囲の皆さんへのメッセージなど、自由にコメントをお願いします。
すべての人に居場所と出番を。このことがすみずみまで行き渡った東京、日本社会を実現するために、ともに闘いましょう!
■都民ファーストの会
政策の中にはLGBTに関する言及なし。
問1 LGBTに関する課題全般を人権課題として捉え、性的指向及び性自認に関する差別を禁止する条例を検討していますか?
A.検討している
理由:国連がLGBTの差別禁止を打ち出していること、また国際オリンピック委員会が「オリンピック憲章に性的指向を盛り込む」と決議したことも踏まえ、知事の公約でもある、多様性(ダイバーシティ)が尊重される東京の実現のため、しかるべき対応を検討する。
問2 東京都として、教育現場などで性的指向及び性自認に関する啓発を行うべきだと考えていますか?
A.啓発を行うべき
理由:性的指向による差別が生まれる原因は、知らないということからくるため、性的マイノリティへの理解を深めるために啓発活動は必要である。
問3 渋谷区や世田谷区では同性パートナーシップ制度がつくられ、他の自治体にも広がりを見せています。同様の制度について東京都でも導入を検討しますか?
A.回答なし
理由:制度を整える前に、差別解消に向けた理解の深化を図るべき。
問4 同性カップルが里親として子育てをすることについて、どうお考えですか?
A.回答なし
理由:子どもの中にも性的マイノリティがいるため、あらゆるケースに対応できることが望ましいが、同性カップルへの社会の理解不十分な現状では、里親と里子の信頼関係構築が一層難しくなる可能性もある。まずは社会の理解の深化を優先すべき。
■最後に当事者やその周囲の皆さんへのメッセージなど、自由にコメントをお願いします。
全ての人権は守られるべきであり、差別がなく、多様性が尊重され、優しさ溢れる都市「ダイバーシティ」の実現を目指します。
■東京・生活者ネットワーク
政策の中には「意見や立場が異なる人を認めない不寛容な社会は、外国人、障がい者、SOGI(性的指向と性自認)など、社会的少数者(マイノリティ)の人権侵害につながる。それは、個人の"生きづらさ"にとどまらず、昨今、ヘイ トスピーチやヘイトクライムなど、具体的な問題となって表れている。多様性を認め合い、誰もが排除されない、インクルーシブな社会をつくるために、すべての人の人権を尊重する社会をめざさなくてはならない。」と言及。
問1 LGBTに関する課題全般を人権課題として捉え、性的指向及び性自認に関する差別を禁止する条例を検討していますか?
A.検討している
理由:都は2015年、人権施策推進指針を15年ぶりにようやく見直し、この中に「性同一性障害」と「性的指向」について記述がある。しかし、トランスジェンダーを「障害」としてしかとらえていない。性自認のバリエーションを認め、支援することが重要である。また、性的指向のところには「なお、我が国では憲法で「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し」と規定しています。」とあえて記述してあるなど、現在の状況にマッチした内容とは言えない。
また、今年3月に男女平等参画推進総合計画が出された。この中には初めて「性的少数者への支援」が入り、性自認・性的指向についても述べられ、少しは前進が見られる。ただ、具体的な取り組みは緒に就いたばかりであり、人権侵害を防ぐために、条例化も含めて検討する必要がある。
問2 東京都として、教育現場などで性的指向及び性自認に関する啓発を行うべきだと考えていますか?
A.啓発を行うべき
理由:2015年文科省から通知が出され、さまざまな性的指向や性自認の子どもに対して相談体制や配慮が教育現場で求められるようになった。当事者の子どもは、教職員や周りの理解がないと、悩みや苦しみを抱えることになり、学校生活での配慮は非常に重要である。教職員への研修を充実させるとともに、人権教育として子どもたちが性の多様性に気づき理解するようにしていく必要がある。
問3 渋谷区や世田谷区では同性パートナーシップ制度がつくられ、他の自治体にも広がりを見せています。同様の制度について東京都でも導入を検討しますか?
A.導入を検討したい
理由:例えば、都営住宅の入居資格にある同居親族は、内縁関係の男女は含まれるが同性カップルは認められていない。このように、親族と認められないために行政サービスでの不利益が生じる。多様な家族のあり方を認め、ともに地域で生きていくためには、同性カップルを認めるための制度が必要と考える。
問4 同性カップルが里親として子育てをすることについて、どうお考えですか?
A.同性カップルも里親として認められるべきだ
理由:日本では、社会的養護の下で育つ子どもは施設で育てられることが多く、家庭で育てる里親を増やすことが課題となっている。今年4月に大阪市で男性カップルを養育里親に認定したというニュースが報道され話題になった。里親は、夫婦に限られるわけではなく、経済状況や愛情を持って子育てにあたる条件を備えれば、同性カップルを排除する理由はない。
東京都は同性カップルを里親として認めないと規定しており、見直しが必要である。
■最後に当事者やその周囲の皆さんへのメッセージなど、自由にコメントをお願いします。
昨年1月、LGBTをテーマにした「市民と行政の協議会」を実行委員会で開催した。生活者ネットワークが呼びかけ、都の担当者と当事者や支援者が議論する場で、200人以上が参加した。そこで提起された問題は多岐にわたり、参加した行政にとっても今後の施策に生かせるものとなったと思う。これまでも都議会の質問などで取り上げてきたが、オリンピック・パラリンピックを機に、多様性を認め合い、社会全体で差別をなくすよう、今後も働きかけていく。
■日本維新の会
政策の中には「LGBT同性カップルの活躍の場が制限されるのは社会的損失で
す。同性カップルの里親認定を推進します。」 と言及。
問1 LGBTに関する課題全般を人権課題として捉え、性的指向及び性自認に関する差別を禁止する条例を検討していますか?
A.検討していない
理由:党内で議論をしていない。
問2 東京都として、教育現場などで性的指向及び性自認に関する啓発を行うべきだと考えていますか?
A.無回答
理由:党内で議論をしていない。
問3 渋谷区や世田谷区では同性パートナーシップ制度がつくられ、他の自治体にも広がりを見せています。同様の制度について東京都でも導入を検討しますか?
A.無回答
理由:党内で議論をしていない。
問4 同性カップルが里親として子育てをすることについて、どうお考えですか?
A.無回答
理由;党内で議論をしていない。
■最後に当事者やその周囲の皆さんへのメッセージなど、自由にコメントをお願いします。
記載なし
■社民党
政策の中には「誰もが自分らしく暮らし、希望が持てる社会をつくりたい。」「子どもも大人も、男女の区別なくセクシャル・マイノリティも、障がいのあるなしに関わらず、誰もが主役の暮らしやすい都政を実現します。」 と言及。
問1 LGBTに関する課題全般を人権課題として捉え、性的指向及び性自認に関する差別を禁止する条例を検討していますか?
A.検討している
理由:社民党は昨年5月、野党4党で「LGBT差別解消法案」を国会に提出しました。性的指向や性自認に関する差別はあってはならないことで、実効性のある法律が必要だと考えています。
また、東京都においても差別を禁止し、当事者の権利を明確にし、みなさんが生きやすい社会をつくるための条例制定が必要だと考えています。都議会議員として、当事者団体の皆さんとも連携して、より良い条例をつくっていきたいと思います。
問2 東京都として、教育現場などで性的指向及び性自認に関する啓発を行うべきだと考えていますか?
A.啓発を行うべき
理由:多くの当事者のみなさんが、思春期に孤立し、悩んでいると聞きます。
教育現場での啓発は急務です。先日も埼玉県で心ないLGBTに関する差別発言が教員から発せされました。こうしたことのないよう、教員の研修はもちろん、児童生徒にもLGBTに関する正確な情報の提供を行います。また、当事者の児童生徒が孤立しないよう、サポート体制も充実させます。
問3 渋谷区や世田谷区では同性パートナーシップ制度がつくられ、他の自治体にも広がりを見せています。同様の制度について東京都でも導入を検討しますか?
A.導入を検討したい
理由:同性カップルの方々が生活をするうえで、多くの困難があると聞いています。こうした困難を少しでも解消するため、渋谷区や世田谷区が行っているパートナーシップ制度を高く評価します。
社民党は世田谷区から候補者を出し選挙戦をたたかっていますが、候補の桜井純子さんは区議として、元社民党衆議院議員である保坂展人区長とともに、同性パートナー制度を力強くバックアップしてきました。当選後は都議として東京都でもこうした制度の創設に全力をつくします。
また、社民党は国政でも「同性婚の実現を目指す」とマニフェストで宣言しています。国政と自治体との連携のもと、LGBTのみなさんのため、全力をつくします。
問4 同性カップルが里親として子育てをすることについて、どうお考えですか?
A.同性カップルも里親として認められるべきだ
理由:大阪府で同性カップルが里親として認められたことは社会が一歩進んだと評価しています。
東京都の里親制度においても、同性カップルが里親として認定できるよう、環境を整えます。
■最後に当事者やその周囲の皆さんへのメッセージなど、自由にコメントをお願いします。
社民党は東京都議選に世田谷区選挙区から世田谷区議を3期12年務めた桜井純子さんを公認候補として闘っています。
桜井候補は「みんなの居場所がある東京へ」をスローガンにLGBTのみなさんに関するテーマについても大きな関心をもっています。社民党の「2017東京政策」では17の重点施策のうち1つにLGBTに関して「性的マイノリティの理解と権利をひろげる」を掲げています。また桜井候補の選挙カーには6色のレインボーリングをデザインしたマークが貼られています。
上記でご質問いただいた、性的指向と性自認に関する差別禁止の条例、教育現場での(児童生徒に届く形での)啓発、当事者の児童生徒へのサポート、同性カップルの平等の実現などの他、都営住宅に関しても、同性カップルが入居できるよう、条例の「同居親族要件」の撤廃など、みなさんの平等を実現するため頑張ります。