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毎日新聞2025/7/27 08:12(最終更新 7/27 08:12)有料記事659文字
写真はイメージ=ゲッティ
人工多能性幹細胞(iPS細胞)から心臓や血管の細胞を作る際に必要なたんぱく質を、植物から生産することに成功したと、理化学研究所などのチームが国際科学誌に発表した。実用化すれば安価で大量生産できるようになる可能性があり、心筋梗塞(こうそく)や心不全などの患者に向けた再生医療が大きく進むことが期待できるという。
iPS細胞から作った心臓組織を移植する再生医療では、効率的な分化にたんぱく質の一種「サイトカイン」が不可欠。現在は大腸菌や哺乳類の細胞を用いて製品化されているが、ウイルス汚染などのリスクがあった。
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升本英利・京都大特定教授(当時・理研上級研究員)らのチームは、植物が持つ安全性の高さ、低コスト、大量生産可能という特徴に着目。生育が早く遺伝子組み換えが簡単なタバコ属の植物を用いて開発を進めた。
チームは、遺伝子を導入した土中のバクテリアを植物に感染させ、植物本体に組み込む方法を利用。タバコの葉にサイトカイン遺伝子を入れ、葉の中でたんぱく質が作られるようにした。収穫した葉からたんぱく質を抽出し、分析したところ、大腸菌などから作るものと同等の性質があることが確かめられた。
植物からサイトカインを作る流れ(イメージ・共同)
実際に人のiPS細胞を使い、サイトカインを加えて心筋細胞などが効率的にできるかを検証。同等の効率を発揮し、細胞の生存率にも影響はなかった。必要な濃度はやや高くなったという。
升本さんは「植物から作れたことで、安全性を高めることができた」と説明。今後生産工程の自動化などが進めば、再生医療のさらなる発展が期待できるとしている。(共同)