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円安で逃げ切りはもうできない…トランプの「ムチ」か中国の「アメ」か、日本が生き残るためにとるべき"生存戦略" / 2/3(火) / プレジデントオンライン
米国のトランプ政権によるベネズエラ攻撃やグリーンランド「領有」要求などが続いている。トランプ大統領の真の狙いとは何か。日本工業大学大学院技術経営研究科の田中道昭教授は「『トランプ2.0』は、19世紀型の帝国主義的思考を参照しながら、21世紀という全く異なる条件の世界でそれを実行しようとしている」という――。
■ 冒頭章 :トランプ2.0は「世界地図」を本気で塗り替え始めた
ベネズエラへの電撃的軍事行動。
同盟国デンマークの主権を顧みない、グリーンランド獲得構想。
この二つを「トランプ流の強硬姿勢」や「交渉のための脅し」として読み流すのは危険である。なぜなら、トランプ2.0は戦後80年かけて米国自身が築いた「ルールに基づく国際秩序」そのものを、意識的に無効化し始めているからだ。
本質は、トランプ2.0が“突飛な外交”をしていることではない。むしろ、彼が世界をどういう時代の眼鏡で見ているかである。トランプ2.0を読み解く鍵は、21世紀の安全保障・資源・地政学の現実に、19世紀の帝国主義時代の米国大統領の思考が重ね合わされているという一点にある。この「時代をまたいだ重ね合わせ」が、ベネズエラやグリーンランドを「政策の一部」ではなく「歴史の反転」として成立させてしまっている。
トランプ氏が参照しているのは、戦後秩序を構築した大統領ではない。彼が尊敬を公言してきたのは、力で勢力圏を押さえ、国家の拡張を正統化した19世紀の大統領たちである。具体的に言えば、法や制度よりも結果と力を優先し、既成事実で勢力圏を拡張したアンドリュー・ジャクソンと、高関税と軍事力を組み合わせて資源・拠点・通商路を押さえ、国家の繁栄を実現したウィリアム・マッキンリーである。
しかし、ここからが決定的に重要だ。トランプ2.0は、19世紀型の帝国主義的思考を参照しながら、21世紀という全く異なる条件の世界でそれを実行しようとしている。情報は瞬時に拡散し、ナショナリズムは外圧で増幅され、戦争は非対称化し、同盟は取引化する。もはや「取れば終わり」の時代ではない。
それでもトランプ2.0がこの道を選ぶのは、国家運営のOS(オペレーティングシステム、基本ソフト)において、内向きの求心力(ポピュリズム)と、外向きの遠心力(帝国拡張)という、互いに矛盾する二つのプログラムを同時に走らせているからである。
では、この構造は、どこへ向かうのか。次章では、トランプが参照する2人の大統領を掘り下げ、なぜこのOSが「強さ」を演出しながら、不可避の自壊を内包するのかを解剖する。
■ 第1章:トランプが参照する2人の大統領
アンドリュー・ジャクソンとウィリアム・マッキンリーは「何をした人物」だったのか
トランプ2.0を読み解く上で欠かせないのが、彼が繰り返し尊敬を公言してきた2人の米国大統領である。重要なのは、彼らが「立派な制度設計者」でも「戦後秩序の建築家」でもない点だ。トランプが参照しているのは、力と結果によって国家の輪郭を変えた人物である。まずは善悪判断をいったん脇に置き、2人がそれぞれの時代に「具体的に何をした大統領だったのか」を押さえる。そのうえで、彼らが動かしていた国家運営の論理=OSを抽出し、最後にトランプ2.0の矛盾へ接続する。
1.アンドリュー・ジャクソン
国内を「力でまとめ直した」大統領――民意直結・結果主義の統治
アンドリュー・ジャクソン(第7代大統領、1829〜1837年)は、米国史上でも特に強烈な形で「民衆の代表」を名乗った大統領である。白人男性普通選挙の拡大という社会変化を追い風に、「自分は民意の体現者であり、制度がそれを妨げるなら制度のほうが間違っている」という世界観を持った。
象徴的なのが、先住民の権利を認めた最高裁判断を事実上無視し、インディアン強制移住(トレイル・オブ・ティアーズ)を断行したことだ。ここに見えるのは、制度の正当性よりも、国家が目指す結果を優先する統治観である。現代の価値観から見て許されない側面を含むが、ここで重要なのは倫理評価ではなく、「制度より結果」という統治ロジックそのものだ。
もう一つの軸が「反金融・反エリート」だ。ジャクソンは第二合衆国銀行を解体し、金融特権を「腐敗」と断じた。これは単なる金融政策ではない。国民の生活不安(賃金、物価、雇用)の原因を「見えない支配者」に投影し、「国を取り戻す」という物語で求心力を作る政治技術である。彼の政治は、国内の怒りや不満を束ね、内向きの結束を力で作り直すことに成功した。
この点が、トランプがジャクソンに自己同一化しやすい理由でもある。ジャクソンは外交や世界秩序の設計者ではなかった。彼の関心は徹底して国内にあり、「我々の税金と生活を守る」ことが正統性の中心だった。だからこそジャクソンの統治は、内向きの求心力を最大化する方向へ自動的に収束する。
■ 領土を「戦略資産」とみなす視点
2.ウィリアム・マッキンリー
外に出て「帝国を築いた」大統領――関税と軍事で資源・拠点を押さえる
ウィリアム・マッキンリー(第25代大統領、1897〜1901年)は、米国を事実上の帝国国家へ転換させた大統領である。彼の特徴は、国家の繁栄を「国内の再分配」ではなく、外部空間の確保によって作ろうとした点にある。
マッキンリーが象徴する政策は高関税だ。ただしここでの関税は、現代の「交渉カード」ではない。国内産業を守り、競争相手を締め出し、国家が市場を主導するための恒常的な主権行使として位置づけられる。国家が前に出て、国内の製造・雇用・賃金を守り、その経済余力を軍事・拠点へ転換する。関税→産業→軍事→拠点という連結が、マッキンリー的国家観の中核にある。
1898年の米西戦争で米国はフィリピン、グアム、プエルトリコを獲得した。ここで重要なのは、マッキンリーが領土を「統治すべき共同体」ではなく、資源・通商路・軍事拠点という戦略資産として捉えていた点である。領土は“面”ではない。“点”であり、世界に打ち込む杭だ。世界をルールで調整する対象ではなく、競争し、押さえ、排除する空間として見る。この外向きの遠心力がマッキンリーOSの本質である。
トランプが関税、資源、軍事拠点を一体で語るとき、その背後には「世界は資産であり、押さえた者が勝つ」というこの視線がある。ベネズエラやグリーンランドが、道徳や国際法の話ではなく「戦略資産の争奪戦」に見えているのは、このマッキンリー的国家観が作用しているからだ。
3.2人が実装した「国家運営のOS」
史実の背後にある統治ロジックを抽出する
ここまでの史実を、国家運営のOSとして抽象化すると、次のようになる。
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ジャクソンOS(内向き・求心力)
・正統性:民意と結果(制度より勝利)
・主戦場:国内(生活不安の処理)
・統治技術:怒りの動員、敵の明確化、強い決断
・成果の形:短期での結束、支持の熱量
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このOSが恐れる最大の敵は「外敵」よりも「生活コスト」だ。物価、雇用、賃金。つまりインフレである。内向きの求心力は、生活の安定と引き換えに維持される。
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マッキンリーOS(外向き・遠心力)
・正統性:国家成果(繁栄と拡張)
・主戦場:国外(勢力圏・資源・拠点)
・統治技術:関税・経済強要、軍事的示威、拠点の既成事実化
・成果の形:外で勝ち続けることで内を支える
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このOSは、外で勝つことを前提にしているため、持続的な財政負担と国民の忍耐、同盟の信用を必要とする。
■ トランプ2.0「自壊メカニズム」の出発点
4.ジャクソン=マッキンリー・パラドックス
なぜ2つのOSは同時に走らせられないのか
ここで、トランプ2.0の構造的矛盾が表れる。トランプ2.0は、ジャクソンOSで国内の求心力を高めながら、マッキンリーOSで外向きの勢力圏拡張を行おうとしている。だが、この二つは同時実行を前提に設計されていない。
ジャクソンOSは、内向きの求心力を維持するために、低インフレ・低負担・内政最優先を要求する。一方でマッキンリーOSは、関税・軍事・占領・拠点維持という持続的コストを要求し、財政と物価に圧力をかける。両者は同じ国家資源――税、財政、国民の忍耐、同盟の信頼――を奪い合う。
外向きの圧力が強まるほど、インフレと赤字が進み、生活不安が増す。生活不安が増すほど、ジャクソンOSは怒りを動員し、さらなる強硬策を求める。結果として、外向きの拡張は加速し、統治コストは増大し、さらに内向きの支持基盤が破壊される。これは政策の是非の問題ではない。構造的な自己増幅ループである。
このループが回り始めたとき、国家には二つの亀裂が走る。財政的破綻(Fiscal Ruin)と、政治的分裂(Political Schism)だ。短期的には「強いアメリカ」を演出できる。しかし中長期的には国家が内部から裂けていく。これがトランプ2.0の自壊メカニズムの出発点である。
■ 第2章:経済・財政の崩壊可能性
「帝国維持コスト(Imperial Overhead)」が、資源略奪のROIを上回る理由
トランプ2.0をそのまま突き進めれば、その自壊は、まず経済・財政から始まる可能性がある。これは道徳論ではない。冷酷な会計の問題だ。帝国主義が成立するためには、外で得る利益(資源・拠点・通商)で、外で支払う費用(軍事・治安・統治・再建)を上回らなければならない。すなわちROI(投資対効果)がプラスである必要がある。
19世紀には、この計算が成立しやすかった。だが21世紀では、世界の条件が変わった。現代の帝国は、「取ること」より「維持すること」にコストがかかる。しかもそのコストは、単に膨らむだけではない。政治的に回収不能な形で膨らむ。これが、ジャクソン×マッキンリー・パラドックスが財政破綻へ接続する第一の回路である。
1.ベネズエラ攻略は「宝の山」ではなく、巨大な負債になる
――“重質油の罠”と“占領下CAPEX”という現実
ベネズエラは「資源帝国主義」の象徴として語られやすい。石油埋蔵量という数字だけを見ると、確かに魅力的に見える。しかしここには、19世紀型帝国主義が理解できない現代の罠がある。それが重質油だ。
■ 帝国政策が生む「負債」と「コスト」
ベネズエラの原油は超重質油が中心で、精製には高度な設備(アップグラダー)と希釈剤が必要になる。さらに、長年の制裁と投資不足により、油田・パイプライン・精製設備・港湾・電力といったインフラは深く傷んでいる。つまり、仮に「油田を押さえた」としても、そこから直ちにキャッシュが湧くわけではない。石油は“掘れば儲かる”資産ではなく、大規模な再投資を前提とする工業システムなのである。
ここで必要になるのがCAPEX(設備投資)だ。石油産業を正常化し、輸出を増やし、トランプ氏が望むような利益を生むためには、初期投資だけで数千億ドル規模が必要になる。しかもこれは、単なる工場投資ではない。治安、保険、輸送、労務、法的枠組みの再設計が同時に必要になる「占領下CAPEX」である。平時の投資とは桁が違う。
問題は次だ。誰がその金を出すのか。
ジャクソンOSを支える支持層は「我々の税金を外国に使うな」である。税金投入は政治的に許容されにくい。
民間企業にとって、占領下でゲリラ攻撃や契約破棄のリスクがある油田に巨額投資をする合理性は厳しいものとなる。さらに投資したとしても、次の政権交代や国際的制裁、国内ナショナリズムの反発で“収奪企業”として狙われる可能性もある。
結論は明白だ。ベネズエラは「宝の山」ではない。米国の財政と政治資本を吸い尽くす巨大なブラックホールになり得る。つまり、帝国政策は「収入」を生む前に、「負債」と「統治コスト」を先に生む可能性を秘めている。
2.「略奪の不可能性」――21世紀は資源を“運べない”
19世紀の帝国主義は、資源を押さえれば、それを比較的単純に運び出せた。だが21世紀は違う。資源は、採掘→精製→輸送→販売までが巨大なサプライチェーンであり、どこかが破壊されれば価値はゼロに近づく。占領下では、抵抗勢力は「油田そのもの」を守る必要がない。彼らはパイプライン、港湾、送電網、希釈剤供給、労働者の安全――つまり脆弱な結節点を狙えばよい。少額のコストで、巨額の損害を生み出せる。これが後の第3章につながる「非対称性」だが、経済の観点から言えば、これは「略奪が成立しない」という意味である。
■ 支持層の怒りが向かう先の「転換」
3.インフレ・スパイラル――帝国政策は支持基盤を内側から破壊する――マッキンリー的外向き拡張が、ジャクソン的生活防衛を直撃する
トランプ2.0の経済・財政が崩れる第二の回路はインフレ可能性である。ジャクソンOSは、国内の生活不安を抑えることで求心力を維持する。とりわけ労働者階級にとって最大の敵は、抽象的な地政学ではない。日々のスーパーの価格だ。ところがマッキンリーOSは、外向き拡張のために、インフレを招く政策を組み合わせてしまう。
①コストプッシュ・インフレ(関税)
一律関税は、輸入品価格を押し上げる。企業はコストを価格に転嫁し、生活必需品にも波及する。関税は「相手国に払わせる」と語られがちだが、現実には国内の価格体系に組み込まれる。
②財政ファイナンス型インフレ(帝国維持費)
帝国には維持費がかかる。軍事費、占領費、治安維持、復興、行政運営、情報戦、サイバー防衛、同盟への補填。これを賄うために国債が増発され、金利とドルの安定が揺らぐ。市場が疑い始めるのは「戦争に勝てるか」ではなく「この支出が持続可能か」だ。
③支持層の離反(政治の臨界点)
インフレが臨界点を超えると、ポピュリズムの熱狂は反転する。支持者は「中国に勝て」と言っていたのではない。「生活を良くしろ」と言っていたのだ。帝国政策が生活コストを押し上げた瞬間、熱狂は「裏切られた」という怒りに変わる。ここでジャクソンOSの求心力が崩れる。
4.財政的破綻(Fiscal Ruin)の正体――“経済の話”ではなく“政治の話”
ここまでの議論は経済の話に見えるかもしれない。だが本質は政治である。
帝国政策が持続不能になる最大の理由は、「金がない」からではない。金を使う政治的正統性がないからだ。帝国維持コストは、米国の外で生まれる。しかし支払うのは、米国の有権者である。この構造は、ジャクソンOSの第一原理――「我々の税金を外国に使うな」――と正面衝突する。したがって帝国政策は、最初から国内政治において“正統性の赤字”を抱える。これが、帝国主義が21世紀で長続きしない経済・財政上の理由である。外で勝ったように見える瞬間に、内側では財政と物価が揺れ、支持基盤が崩れ始める可能性がある。
なお、これらの点は、筆者の独自見解にとどまらない。政治リスク分析で知られるユーラシア・グループも、2026年の世界10大リスク分析において、トランプ政権の対外姿勢を「ドンロー主義(Donroe Doctrine)」と名付け、明確に構造化している。
同社は、ドンロー主義を「西半球において中国・ロシア・イランなどの域外勢力の影響力を制限するだけでなく、軍事圧力、経済的強要、選別的同盟構築、そしてトランプ個人の政治的決着を組み合わせることで、米国の優位性を積極的に主張しようとする姿勢」と定義する。
■ 米シカゴ大教授が説く「大国の行動原理」
重要なのは、ユーラシア・グループがこれを完成した戦略ではなく、複数の手段が未分離のまま混合された「姿勢(posture)」と位置づけている点だ。軍事・経済・同盟・個人政治が同時に動くことで、短期的には成果が出ても、中長期的には「政策の行き過ぎ」や「意図しない結果」を招くリスクが高まると警告している。これは、トランプ2.0が内向きの動員と外向きの拡張を同時に走らせているという、本稿の問題意識と重なる。
さらに、この構造は、国際政治学の理論的蓄積とも整合的である。米シカゴ大学のジョン・J・ミアシャイマー教授は、代表作『The Tragedy of Great Power Politics』において、いわゆる「攻撃的リアリズム」の立場から、大国の行動原理を説明してきた。
ミアシャイマーの理論の要点は明快だ。国際社会は無政府状態であり、国家は生存を最優先し、他国の意図を完全には読み切れない。こうした条件の下では、大国は防衛だけでは不安を解消できず、合理的に勢力拡張へと傾く。
重要なのは、彼がこれを「悪意」や「狂気」の結果としてではなく、合理性の帰結として描いている点である。だからこそ、彼は大国政治を「悲劇(Tragedy)」と呼んだ。善意と合理性をもって行動した結果、避けがたい構造によって破局に近づいてしまう――それがギリシャ悲劇型の悲劇である。
しかし同時に、ミアシャイマーは一貫して警告する。勢力を取ることはできても、占領し、治めることは難しい。外部からの支配は正統性を欠き、時間とともに現地のナショナリズムを刺激し、抵抗を統合してしまうからだ。帝国主義が長続きしない理由は、軍事力の不足ではなく、ナショナリズムという反作用にある。
トランプ2.0の行動は、攻撃的リアリズムが予測する方向に沿っている一方で、ミアシャイマー自身が繰り返し警告してきた「悲劇的帰結」を自ら再演しつつあるようにも見える。
次章では、ここで生じた歪みが、なぜ「恐怖」ではなく「憎悪」を生み、なぜ「取っても治められない」状態へ転化するのか。統治・心理の崩壊メカニズムを解剖する。
■ 第3章:「恐れられる」から「憎まれる」へ
トランプ2.0はなぜ“力の行使”そのものに制約されていくのか
トランプ2.0を読み解く鍵は、21世紀の安全保障・資源・地政学の現実に、19世紀の帝国主義時代の米国大統領の思考が重ね合わされている点にある。ジャクソンは法や制度よりも結果と力を優先し、既成事実によって勢力圏を拡張した。マッキンリーは高関税と軍事力を組み合わせ、資源・拠点・通商路を押さえることで国家の繁栄を実現した。
だが、歴史が示す通り帝国主義は長続きしない。外からの恐怖による支配は、時間とともに被支配側のナショナリズムを刺激し、必ず抵抗を生む。取ることはできても、治めることは難しい。トランプ2.0は短期的には強く見えるが、その先では力の行使自体が米国の制約となる――この結論に至る論理を、ここでは二つの歴史モデルで“必然”として示す。
1.「マキャベリズムの限界点」を突破する――恐れられることは安全だが、憎まれてはならない
トランプ氏の持論として「真の力とは恐怖だ」という趣旨の言葉が繰り返されるとするなら、それはマキャベリ的直感に近い。マキャベリは『君主論』で「愛されるより恐れられる方が安全だが、憎まれてはならない」と説いた。ここには政治の冷徹な真理がある。恐怖は服従を生む。だが憎悪は反乱を生む。
19世紀の帝国主義が成立したのは、恐怖が「憎悪」へと変質しにくい条件が揃っていたからだ。通信は遅く、支配の可視化は限定的で、反抗の連携は難しく、抵抗のコストは高かった。圧倒的な国力差があれば、恐怖は長く維持できた。しかし21世紀は、その前提がすべて逆転している。恐怖は、維持される前に変質する。しかも一方向に――憎悪へ。
①変質を加速するのは「SNS=感情増幅装置」
現代の戦争・介入が19世紀と決定的に違うのは、武器の性能以上に、感情の拡散速度である。米軍が首都カラカスを制圧する映像が、TikTokやXで拡散された瞬間、それは単なる軍事的勝利ではなく、地域の若者にとっての「屈辱の象徴」になる。恐怖の映像は、服従を生む前に、屈辱と怒りを生む。そして屈辱は、最も強い政治的エネルギーに変換される。それがナショナリズムだ。
②ナショナリズムの「相転移」
外圧がかかった瞬間、バラバラだった不満は結晶化する。「腐敗した独裁者」への反発、「経済苦」への怒り、「米国への不信」――それぞれが独立していた感情が、侵攻という物理的圧力で一本の物語に収束する。「打倒・米国帝国」という、単純だが強力なイデオロギーへと相転移する。これは核分裂のように爆発的エネルギーを生む。ここで重要なのは、帝国の側がどれほど正当化の物語を用意しても、相手側では別の物語が生まれる点だ。外からの恐怖は、必ず内側の物語を起動する。「指図されること」への拒否が国民感情を統合し始める。つまり、トランプ2.0の力の行使は、短期の服従を生んでも、長期の敵を育てる。
■「勝つ」ことはできても治められない
2.「非対称戦」の罠――圧倒的な力に、安価な破壊で対抗される世界
次に、21世紀の戦争が帝国に不利な理由は、戦いのコスト構造が非対称化したことにある。帝国は「守る側」に立つ。守る側のコストは高い。攻める側のコストは低い。ここに終わりのない消耗戦が生まれる。防衛側は、パイプライン、港湾、タンカー、送電網、通信網を24時間守らねばならない。そのためには高価な監視網と防空システム、警備部隊が必要だ。攻撃側は、市販ドローンに爆薬を載せて突っ込ませるだけでよい。サイバーでもよい。小規模ゲリラでもよい。
重要なのは、相手の「脆弱な結節点」を叩けば価値が止まることだ。この非対称性の下では、帝国は「勝つ」ことが難しいのではない。勝っても利益にならないのである。治め続ける限り出血が止まらない。これが「取ることはできても治めることはできない」という構造的な意味だ。ベトナムやアフガニスタンの教訓は、領土の色を塗る感覚では見えない。勝利の映像の裏側で、コストが指数関数的に積み上がる。だからこそ、トランプ2.0は「力」を振るえば振るうほど、力の行使自体が政治・経済の制約になっていく。恐怖で統治しようとするほど、憎悪が生まれ、抵抗が常態化し、コストが膨らむ。ここに歴史的必然がある。
3.「同盟の属国化」が招く遠心力――アテネ帝国(デロス同盟)の崩壊と、トランプ2.0の未来
帝国が長続きしないもう一つの理由は、帝国が外に敵を作るより早く、内側の同盟を壊すからだ。この点を理解する最適な歴史モデルが、古代ギリシャのアテネである。
当初、デロス同盟は対ペルシャ防衛のための「同盟」だった。だがアテネはこれを次第に自国のための「帝国」へ変質させた。同盟国から金銭を取り立て、従わない国を武力で制圧し、同盟を「パートナーのネットワーク」から「搾取のシステム」へ変えた。結果、同盟国は離反し、スパルタ側につき、アテネは孤立して滅びた。この崩壊ロジックは、現代にも驚くほど当てはまる。
■「鞭」を振るうほど敵を招く
①同盟をATM扱いした瞬間に、同盟は“静かに離反”する
トランプ2.0が日本や欧州、あるいは中南米諸国に対して行おうとしているのは、「同盟のネットワーク」を「コスト回収の装置」に変えることだ。「関税を払え」「駐留費を全額出せ」「言うことを聞け」。これは短期的には米国に得をもたらすかもしれない。だが長期的には、同盟国を“属国化”し、遠心力を生む。同盟国は表面的には従う。しかし水面下ではDe-Americanization(米国離れ)を加速させる。ドル決済の回避、独自防衛網の構築、そして中国との天秤外交。同盟の弱体化は、ある日突然起きるのではない。静かに、しかし不可逆的に進む。
②そして真空が生まれ、そこが中国化する
米国が鞭を振るうほど、中国はアメを差し出す。インフラ投資、資源購入、市場アクセス。経済合理性に従えば、中南米諸国は中国を選ぶ。物理的には「裏庭」でも、経済的生命線は太平洋の向こうへつながっている。米国が軍事力で介入すればするほど、地域は「外部勢力を招く口実」を得る。こうして帝国は、自らの手で真空を作り、自らの敵を招き入れる。
ここに歴史的皮肉がある。帝国主義的な振る舞いが、皮肉にも「パックス・アメリカーナ」の終焉を早める。同盟の属国化は、覇権の短期回収に見えて、長期の覇権基盤を破壊する。
まとめ:力の行使が“力の制約”に変わる瞬間
ここまでの論理を一文に凝縮すると、こうなる。
トランプ2.0は「恐怖」によって秩序を作ろうとするが、21世紀では恐怖は憎悪へ変質し、ナショナリズムが相転移し、非対称戦がコストを無限化し、同盟の属国化が遠心力を増幅する。その結果、力の行使それ自体が、米国の制約として跳ね返る。
次章では、この心理・同盟の崩壊が「地政学の構造崩壊」へどう接続し、世界がブロック化し、真空が中国化していくのか――さらに詳しく、上記の局面を見ていく。
■ 第4章:地政学・構造の崩壊可能性
「同盟の空洞化(Hollowing Out)」と「真空地帯の中国化」――帝国はなぜ“勝ちながら負ける”のか
前章で見た通り、トランプ2.0を突き進めた場合での力の行使は、短期には「恐れ」を生むが、時間とともに「憎悪」を生み、ナショナリズムの相転移を引き起こす。さらに同盟国に「保護料」や「服従」を迫るほど、同盟は静かに離反し、De-Americanization(米国離れ)が進む。ここから先に起きるのが、地政学の構造崩壊である。
重要なのは、これは個別の外交失策の積み重ねではないという点だ。トランプ2.0が採用する「勢力圏主義」は、その性質上、同盟を空洞化させ、世界をブロック化させ、最終的に競争相手に“真空”を渡してしまう。帝国はこの局面で、勝っているように見えながら負ける。なぜそうなるのかを、構造として解剖する。
1.同盟をATM化した瞬間、同盟は「制度」から「損得計算」に落ちる
――同盟の空洞化は“目に見えない速度”で進む
同盟の強さは、軍事力の合算ではない。信頼の合算である。そして信頼は、条約文書ではなく「運用」で作られる。同盟国が安心して米国側に立てるのは、米国が同盟国の主権と国内政治を理解し、一定の予測可能性を維持してくれるからだ。トランプ2.0は、この同盟の条件を根底から変える。「関税を払え」「駐留費を全額出せ」「投資を上納せよ」「言うことを聞け」。同盟国をパートナーではなく「貢納者」として扱い始めると、同盟は制度から損得計算へ落ちる。ここから“空洞化”が始まる。
空洞化は、反米宣言の形では表れない。むしろ逆である。表向きは協力し、微笑む。しかし水面下で、次のことが起きる。情報共有が鈍る、共同作戦の設計が遅れる、装備調達・標準化が分散する、「米国が不確実な時のための第二ルート」が整備される。同盟は壊れるのではない。薄くなる。この“薄さ”が臨界点を超えた瞬間、抑止力は崩れる。
2.「ブロック化」は各国の意思ではなく、米国の圧力が自動的に生む
――世界が“二択”を迫られるとき、中間層は消える
トランプ2.0が同盟国に対して行っているのは、単なる強硬姿勢ではない。各国に「どちら側につくか」を迫る政治だ。関税・投資・安全保障を一体化し、「従うか、払うか、外れるか」を迫る。この瞬間に、世界で起きるのは「ブロック化」だ。重要なのは、ブロック化は世界の自然な帰結ではなく、二択を迫る側が作り出す現象だという点である。国際秩序の強みは、曖昧さを許容することにあった。
同盟国でも、対米依存度には幅がある。中国とも部分協力しながら、米国とも協調する。国益に応じて揺れ動く余地がある。この「曖昧さ」が、安定のための潤滑油だった。しかしトランプ2.0がそれを許さず、二択を迫ると、中間層が消える。世界は硬直化し、ブロック化は加速する。
そしてブロック化が進むほど、米国は「力で縛る」コストを背負い、同盟国は「逃げ道」を作るインセンティブを持つ。つまり、ブロック化は米国の覇権を強化するどころか、覇権の運用コストを跳ね上げる。
■ 米国の「鞭」と中国の「アメ」
3.真空地帯の中国化――米国が“鞭”を振るうほど、中国の“アメ”が効く
――勢力圏は軍事ではなく、経済で決まる時代に入っている
ここで最も重要な逆説が表れる。米国が勢力圏を守ろうとすればするほど、米国は「鞭」を振るう。関税、制裁、軍事的圧力、政治介入。しかし「鞭」は一時的な服従を生んでも、生活を改善しない。生活を改善しない同盟は長続きしない。
そこに中国は「アメ」を差し出す。インフラ投資、資源購入、市場アクセス、工業製品の供給。重要なのは、中国が提示するのは「理念」ではなく「経済合理性」だという点だ。
ここで“真空地帯の中国化”が起きる。米国が圧力を増すほど、地域は経済的生命線を守るために、中国へ傾く。これは政治思想ではなく、家計と雇用の問題として起きる。中南米の例が典型だ。物理的には「米国の裏庭」だとしても、経済的にはすでに中国が最大の顧客になっている国が増えている。資源を売る相手、インフラを作ってくれる相手、工業製品を供給してくれる相手が中国であれば、地域は合理的に中国へ傾く。米国が軍事力で介入すればするほど、その介入は「域外支援者」を呼び込む口実になり、結果として中国の浸透を加速させる。
ここに、トランプ2.0の最大の誤算がある。19世紀的世界観では「裏庭」は物理的距離で決まる。しかし21世紀では、勢力圏は経済の重力で決まる。経済の重力が中国側に移った地域に、米国が軍事で圧力をかければ、反発と離反を生み、重力移動をさらに促進する。
4.帝国は「征服」で勝ち、「維持」で負ける
――パックス・アメリカーナが崩れる“歴史的皮肉”
ここまでの構造をまとめると、こうなる。
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・同盟を搾取に変える→同盟が空洞化する
・空洞化した同盟を力で縛る→ブロック化が進む
・ブロック化した世界では中間が消え、各国は逃げ道を作る
・逃げ道を提供するのが中国→真空地帯が中国化する
・その結果、米国は勝っているように見えながら、影響力を削る
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つまり、帝国主義的振る舞いが、皮肉にも「パックス・アメリカーナ」の完全な終焉を早める。トランプ2.0が作ろうとしているのは「強いアメリカ」だが、構造的帰結として表れるのは「高コストで、頼られず、嫌われるアメリカ」になりやすい。
5.次に起きること――“支配”は拡張ではなく「収縮」を呼ぶ
トランプ2.0の最終局面は、外での拡張ではない。
外で膨らんだコストが内に回り、国内の求心力が崩れ、政治が分裂し、結局は内向きの孤立へ向かう。これが、ジャクソン×マッキンリーOSが同時実行されたときの終着点である。
次章では、この構造が時間軸の上でどう進み、トランプ2.0がそのまま突き進んだ場合、2027年以降にどのような「帝国の黄昏」が訪れるのかを、シナリオ分析として描く。そして最後に、日本がこの世界で何を磨くべきかを結論として示す。
■ 最終章:「煉獄(Purgatorio)」としてのトランプ2.0時代
――試練の山は偶然ではない。「安売り国家」を焼き尽くすための歴史的装置である
トランプ2.0の出現を、単なる混乱や例外として理解するのは誤りである。それは世界の終わり(地獄)ではない。むしろ、戦後秩序が抱え込んできた歪みを強制的に露出させるための「煉獄」である。
ダンテの『神曲』において、煉獄は罰の場ではない。地獄と天国の間に置かれた、再生のための通過点だ。苦しみはあるが、そこには明確な方向性と意味がある。トランプ2.0が世界にもたらしているのも、まさにこの種の試練である。重要なのは、この煉獄は偶然生まれたのではないという点だ。グローバリズムの下で、安全保障は米国任せ、通貨秩序も米国任せ、市場アクセスも米国任せ、という“依存構造”を放置してきた世界が、自ら用意した必然的帰結なのである。
1.煉獄の炎は「必然」だった――トランプは原因ではなく、結果である
トランプ2.0が突きつける関税、圧力、同盟への要求は、気まぐれではない。それは、米国自身が長年抱えてきた矛盾――「覇権を維持したいが、そのコストは払いたくない」という自己矛盾が、政治的に噴出した形である。
米国は今、軍事力、通貨、市場という三つの公共財を世界に提供してきた国家である。だが同時に、そのコストを国内有権者が負担することへの耐性は、確実に低下している。
トランプ2.0は、この耐性低下を「力で押し返す」政治である。だからこそ、これは一時的な逸脱ではない。世界が依存を続ける限り、第二、第三の“トランプ的局面”は必ず表れる。煉獄の炎は、偶発的な火災ではない。構造的に点火された。
2.日本の「罪」は精神論ではない――それは構造的怠惰(Acedia)である
煉獄の中腹で裁かれる「怠惰(Acedia)」とは、何もしないことではない。本来やるべきことから目を逸らし、楽な代替手段に逃げ続けることだ。
日本が長年続けてきたのは、まさにこの怠惰である。円安で価格競争力を保てばよい。賃金は上げなくても輸出は回る。技術投資は選別的でよい。安全保障は米国に任せればよい。これは保守でも改革でもない。「決断の先送り」を制度化した国家運営である。
トランプ2.0は、この逃げ道を意図的に塞ぐ。関税は、日本に「為替と価格で逃げる道」を与えない。通貨批判は、「金融緩和による時間稼ぎ」を許さない。過酷である。だが同時に、これは日本にとって数十年ぶりの構造改革の強制装置でもある。
■ 従う国でも、安い国でもない「真の独立国家」へ
3.「クオリティ・ステート」は抽象概念ではない――到達条件はすでに決まっている
煉獄の先にある「地上楽園」は、夢物語ではない。それは、国家として満たすべき明確な条件を備えた状態である。クオリティ・ステートとは、次の三条件を同時に満たす国家だ。
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①価格ではなく「代替不能性」で選ばれる産業構造
安いから買われるのではない。「これがなければ困る」技術・部材・システムを持つ。
②同盟に依存せず、同盟から信頼される安全保障姿勢
ただ守られる国ではない。役割を分担できる国。
③通貨・技術・制度が一体となった国家信用
円安・金利操作に頼らない。制度そのものが信頼資産である状態。
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これは精神論ではない。国家戦略の設計図である。
結語:火の中を通り抜けよ――煉獄は、通過した者だけを次の時代へ送る
トランプ2.0という時代を、恐れる必要はない。だが、通り抜ける覚悟は必要だ。炎は熱い。関税は痛い。要求は理不尽に見える。しかし、それらを避けようとする国は、「依存」と「安売り」に戻り、次の煉獄でより深く焼かれる。
顔を上げよ。見るべきは地獄ではない。登るべき山と、その先にある国家の姿である。
この煉獄を通過したとき、日本は「従う国」でも「安い国」でもなく、価値と信頼で選ばれる真正の独立国家として、次の秩序の設計側に立つだろう。
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田中 道昭(たなか・みちあき)
日本工業大学大学院技術経営研究科教授、戦略コンサルタント
専門は企業・産業・技術・金融・経済・国際関係等の戦略分析。日米欧の金融機関にも長年勤務。主な著作に『GAFA×BATH』『2025年のデジタル資本主義』など。シカゴ大学MBA。テレビ東京WBSコメンテーター。テレビ朝日ワイドスクランブル月曜レギュラーコメンテーター。公正取引委員会独禁法懇話会メンバーなども兼務している。
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日本工業大学大学院技術経営研究科教授、戦略コンサルタント 田中 道昭
https://news.yahoo.co.jp/articles/165677e2acf8b28d0cc1d0ef13123b88366ade7a?page=1
엔화 약세 때문에 이제는 도망칠 수 없다… 트럼프의 ‘채찍’인가, 중국의 ‘사탕’인가, 일본이 살아남기 위해 취해야 할 ‘생존 전략’ / 2월 3일(화) / 프레지던트 온라인
미국 트럼프 행정부의 베네수엘라 공격과 그린란드 ‘영유권’ 요구 등이 계속되고 있다. 트럼프 대통령의 진정한 목표는 무엇인가. 일본공업대학 대학원 기술경영연구과의 다나카 미치아키 교수는 “‘트럼프 2.0’은 19세기형 제국주의적 사고를 참고하면서도, 21세기라는 전혀 다른 조건의 세계에서 그것을 실행하려 하고 있다”고 말했다.
■ 서두장 : 트럼프 2.0은 '세계 지도'를 진지하게 다시 그리기 시작했다
베네수엘라에 대한 급작스러운 군사 행동.
동맹국 덴마크의 주권을 무시하는 그린란드 영입 구상.
이 두 가지를 ‘트럼프식 강경 자세’나 ‘협상을 위한 협박’으로 흘려보는 것은 위험하다. 그 이유는 트럼프 2.0이 전후 80년 동안 미국이 스스로 구축한 ‘규칙에 기반한 국제 질서’ 자체를 의도적으로 무효화하기 시작했기 때문이다.
본질은 트럼프 2.0이 ‘돌발 외교’를 하고 있다는 것이 아니다. 오히려 그가 세상을 어떤 시대의 안경으로 보고 있는가가 문제다. 트럼프 2.0을 해석하는 열쇠는 21세기의 안보·자원·지정학 현실에 19세기 제국주의 시기의 미국 대통령 사상이 겹쳐져 있다는 점에 있다. 이 ‘시대를 초월한 겹침’이 베네수엘라와 그린란드를 ‘정책의 일부’가 아니라 ‘역사의 전환’으로 성립시켜 버리고 있다.
트럼프 씨가 참고하고 있는 사람은 전후 질서를 구축한 대통령이 아니다. 그가 존경을 공개적으로 말해온 것은, 힘으로 세력권을 장악하고 국가 확장을 정당화한 19세기 대통령들이다. 구체적으로 말하면, 법이나 제도보다 결과와 권력을 우선시하고 기존 사실로 세력권을 확장한 앤드류 잭슨과, 높은 관세와 군사력을 결합해 자원·거점·통상로를 장악하고 국가의 번영을 실현한 윌리엄 매킨리이다.
하지만 여기서부터가 결정적으로 중요하다. 트럼프 2.0은 19세기형 제국주의적 사고를 참고하면서, 21세기라는 전혀 다른 조건의 세계에서 그것을 실행하려 하고 있다. 정보는 순식간에 퍼지고, 민족주의는 외압으로 증폭되며, 전쟁은 비대칭화되고, 동맹은 거래화된다. 이제는 ‘잡으면 끝’이라는 시대가 아니다.
그럼에도 트럼프 2.0이 이 길을 선택한 이유는, 국가운영OS(운영 체제, 기본 소프트웨어) 안에서 내향적인 구심력(포퓰리즘)과 외향적인 원심력(제국 확장)이라는 서로 모순되는 두 프로그램을 동시에 가동하고 있기 때문이다.
그렇다면 이 구조는 어디로 향하는가. 다음 장에서는 트럼프가 참고하는 두 대통령을 파헤쳐, 왜 이 OS가 ‘강함’을 연출하면서도 불가피한 자멸을 내포하고 있는지를 해부한다.
■ 제1장 : 트럼프가 참고하는 두 대통령
앤드류 잭슨과 윌리엄 매킨리는 ‘무엇을 한 인물’이었는가
트럼프 2.0을 해석하는 데 빼놓을 수 없는 것이, 그가 반복해서 존경을 표명해 온 두 명의 미국 대통령이다. 중요한 점은 그들이 ‘훌륭한 제도 설계자’도 ‘전후 질서의 건축가’도 아니라는 것이다. 트럼프가 참고하고 있는 인물은 힘과 결과에 따라 국가의 윤곽을 바꾼 인물이다. 우선 선악 판단을 잠시 제쳐두고, 두 사람이 각 시대에 ‘구체적으로 어떤 일을 한 대통령이었는지’를 짚어본다. 그 위에, 그들이 움직이고 있던 국가 운영 논리=OS를 추출하고, 마지막으로 트럼프 2.0의 모순에 연결한다.
1. 앤드류 잭슨
국내를 ‘힘으로 다시 정리한’ 대통령 ―― 민의 직결·결과주의 통치
앤드류 잭슨(제7대 대통령, 1829~1837년)은 미국 역사상에서도 특히 강렬한 방식으로 ‘민중의 대표’를 자처한 대통령이다. 백인 남성 보통선거 확대라는 사회 변화를 순풍으로 삼아, “나는 민의를 구현하는 사람이다. 제도가 그것을 방해한다면 제도가 잘못된 것이다”라는 세계관을 가지고 있다.
상징적인 점은 원주민의 권리를 인정한 대법원 판결을 사실상 무시하고, 인디언 강제 이주(트레일 오브 티어즈)를 단행한 것이다. 여기서 보이는 것은 제도의 정당성보다 국가가 목표로 하는 결과를 우선시하는 통치관이다. 현대 가치관에서 보면 용납될 수 없는 측면을 포함하고 있지만, 여기서 중요한 것은 윤리 평가가 아니라 ‘제도보다 결과’라는 통치 논리 자체이다.
또 다른 축은 ‘반금융·반엘리트’다. 잭슨은 제2합중국은행을 해체하고, 금융 특권을 ‘부패’라고 규정했다. 이는 단순한 금융 정책이 아니다. 국민의 생활 불안(임금, 물가, 고용)의 원인을 ‘보이지 않는 지배자’에 투영하고, ‘국가를 되찾는다’는 이야기를 통해 결속력을 만드는 정치 기술이다. 그의 정치는 국내의 분노와 불만을 모아, 내향적인 결속을 힘으로 다시 만들기에 성공했다.
이 점이 트럼프가 잭슨을 자기 동일화하기 쉬운 이유이기도 하다. 잭슨은 외교나 세계 질서의 설계자는 아니었다. 그의 관심은 철저히 국내에 있었으며, ‘우리의 세금과 생활을 지키는 것’이 정당성의 핵심이었다. 그래서 잭슨의 통치는 내향적인 구심력을 최대화하는 방향으로 자동으로 수렴한다.
■ 영토를 '전략 자산'으로 간주한다 시점
2. 윌리엄 매킨리
외부에 나가 ‘제국을 세운’ 대통령 ―― 관세와 군사로 자원·거점을 장악한다
윌리엄 매킨리(제25대 대통령, 1897~1901년)는 미국을 사실상의 제국 국가로 전환시킨 대통령이다. 그의 특징은 국가의 번영을 ‘국내 재분배’가 아니라 외부 공간 확보를 통해 이루려 했다는 점에 있다.
매킨리가 상징하는 정책은 높은 관세다. 다만 여기서의 관세는 현대의 ‘협상 카드’가 아니다. 국내 산업을 보호하고 경쟁자를 배제하며, 국가가 시장을 주도하기 위한 지속적인 주권 행사로 자리매김한다. 국가가 앞장서서 국내 제조·고용·임금을 보호하고, 그 경제 여력을 군사·거점으로 전환한다. 관세 → 산업 → 군사 → 거점이라는 연결이 매킨리식 국가관의 핵심에 있다.
1898년 미-스페인 전쟁에서 미국은 필리핀, 괌, 푸에르토리코를 영입했다. 여기서 중요한 점은, 매킨리가 영토를 ‘통치해야 할 공동체’가 아니라 자원·통상로·군사 거점이라는 전략 자산으로 인식하고 있었다는 것이다. 영토는 "면"이 아니다. "점"이며, 세계에 몰두하는 말뚝이다. 세계를 규칙으로 조정하는 대상이 아니라, 경쟁하고, 억제하며, 배제하는 공간으로 본다. 이 외향적인 원심력이 매키니 OS의 본질이다.
트럼프가 관세·자원·군사 거점을 하나로 논할 때, 그 뒤에는 ‘세계는 자산이며, 잡은 자가 승리한다’는 시선이 있다. 베네수엘라와 그린란드가 도덕이나 국제법 이야기가 아니라 ‘전략 자산 쟁탈전’으로 보이는 것은, 이 매킨리식 국가관이 작용하고 있기 때문이다.
3. 두 사람이 구현한 ‘국가 운영 OS’
역사적 사실 뒤에 숨은 통치 논리를 추출한다
여기까지의 사료를 국가 운영의 OS로 추상화하면 다음과 같다.
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잭슨 OS(내향적·집중력)
・ 정통성 : 민의와 결과(제도보다 승리)
・ 주전장 : 국내(생활 불안 처리)
・ 통치 기술 : 분노 동원, 적의 명확화, 강한 결단
・ 성과의 형태 : 단기 결속, 지지 열량
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이 OS가 두려워하는 가장 큰 적은 ‘외부 적’보다 ‘생활 비용’이다. 물가, 고용, 임금. 즉, 인플레이션이다. 내향적인 구심력은 생활의 안정과 맞바꾸어 유지된다.
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매킨리 OS(외향·원심력)
・ 정통성 : 국가 성과(번영과 확장)
・ 주 전장 : 해외(세력권·자원·거점)
・ 통치 기술 : 관세·경제 강요, 군사 시위, 거점의 기존 사실화
・ 성과의 형태 : 외부에서 계속 승리함으로써 내부를 지탱한다
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이 OS는 외부에서 승리하는 것을 전제로 하기 때문에 지속적인 재정 부담과 국민의 인내, 동맹의 신뢰가 필요하다.
■ 트럼프 2.0 '자멸 메커니즘'의 출발점
4. 잭슨=맥킨리 패러독스
왜 두 개의 OS를 동시에 실행할 수 없는가
여기서 트럼프 2.0의 구조적 모순이 드러난다. 트럼프 2.0은 잭슨 OS로 국내의 중심력을 강화하면서, 매킨리 OS로 외향적인 세력권 확장을 시도하고 있다. 하지만 이 두 가지는 동시에 실행한다는 전제로 설계되지 않았다.
잭슨 OS는 내향적인 구심력을 유지하기 위해 낮은 인플레이션·낮은 부담·내정 최우선을 요구한다. 한편 매킨리 OS는 관세·군사·점령·거점 유지라는 지속적인 비용을 요구하며 재정과 물가에 압력을 가한다. 양측은 같은 국가 자원 ―― 세금·재정·국민의 인내·동맹 신뢰 ―― 을 서로 빼앗는다.
외향적인 압력이 강해질수록 인플레이션과 적자가 진행되고, 생활 불안이 커진다. 생활 불안이 커질수록 잭슨 OS는 분노를 동원해 추가적인 강경책을 요구한다. 그 결과 외향 확장은 가속화되고, 통치 비용은 증가하며, 더 나아가 내향 지지 기반이 파괴된다. 이는 정책의 옳고 그름을 놓고 보는 문제가 아니다. 구조적인 자기 증폭 루프이다.
이 루프가 돌아가기 시작하면, 국가에는 두 개의 균열이 생긴다. 재정적 파탄(Fiscal Ruin)과 정치적 분열(Political Schism)이다. 단기적으로는 ‘강한 미국’을 연출할 수 있다. 하지만 중장기적으로는 국가가 내부에서 갈라져 나간다. 이것이 트럼프 2.0의 자멸 메커니즘 출발점이다.
■ 제2장 : 경제·재정 붕괴 가능성
‘제국 유지 비용(Imperial Overhead)’이 자원 약탈 ROI를 초과하는 이유
트럼프 2.0을 그대로 밀고 나가면, 그 자멸은 먼저 경제·재정에서 시작될 가능성이 있다. 이것은 도덕 논쟁이 아니다. 냉혹한 회계 문제다. 제국주의가 성립하려면, 외부에서 얻는 이익(자원·거점·통상)보다 외부에서 지불하는 비용(군사·치안·통치·재건)을 초과해야 한다. 즉, ROI(투자 대비 효과)가 플러스여야 한다.
19세기에는 이 계산이 성립하기 쉬웠다. 하지만 21세기에는 세계의 조건이 바뀌었다. 현대 제국은 ‘장악’보다 ‘유지’에 비용이 더 많이 든다. 게다가 그 비용은 단순히 늘어나는 것만이 아니야. 정치적으로 회수 불가능한 형태로 커져가고 있다. 이것이 잭슨×맥킨리 패러독스가 재정 파산으로 이어지는 첫 번째 회로이다.
1. 베네수엘라 정복은 ‘보물산’이 아니라 거대한 부채가 된다
―― "중질유 함정"과 "점령하에 CAPEX"라는 현실
베네수엘라는 ‘자원 제국주의’의 상징으로 자주 언급된다. 석유 매장량이라는 수치만 보면, 확실히 매력적으로 보인다. 하지만 여기에는 19세기형 제국주의를 이해하지 못하는 현대의 함정이 있다. 그게 바로 중질유다.
■ 제국 정책이 초래하는 '부채'와 '비용'
베네수엘라의 원유는 초중량 고지방이 주를 이루며, 정제에는 고도 설비(업그라더)와 희석제가 필요하다. 게다가 오랜 제재와 투자 부족으로 인해 유전·파이프라인·정제 설비·항만·전력 등 인프라가 크게 손상되었다. 즉, 설령 ‘유전을 장악했다’고 해도, 그곳에서 바로 현금이 발생하는 것은 아니다. 석유는 "파면 이익이 나는" 자산이 아니라, 대규모 재투자를 전제로 하는 산업 시스템이다.
여기서 필요한 것이 CAPEX(설비 투자)이다. 석유 산업을 정상화하고 수출을 늘려 트럼프 대통령이 원하는 이익을 창출하려면 초기 투자만으로도 수천억 달러 규모가 필요하다. 게다가 이것은 단순한 공장 투자가 아니다. 치안, 보험, 운송, 인사, 법적 체계의 재설계가 동시에 필요해지는 ‘점령하 CAPEX’이다. 평시 투자와는 차원이 다르다.
문제는 다음이다. 누가 그 돈을 낼 것인가.
잭슨 OS를 지지하는 층은 “우리 세금을 외국에 쓰지 말라”는 것이다. 세금 투입은 정치적으로 받아들여지기 어렵다.
민간 기업 입장에서는 점령 하에 게릴라 공격이나 계약 파기의 위험이 있는 유전(油田)에 대규모 투자를 하는 합리성이 매우 까다롭다. 게다가 투자를 하더라도 차기 정권 교체, 국제 제재, 국내 민족주의 반발 등으로 ‘수탈 기업’으로 노려질 가능성도 있다.
결론은 명확하다. 베네수엘라는 ‘보물산’이 아니다. 미국의 재정과 정치 자본을 빨아들이는 거대한 블랙홀로 변할 수 있다. 즉, 제국 정책은 ‘수입’을 창출하기 전에 ‘부채’와 ‘통치 비용’을 먼저 만들 가능성을 내포하고 있다.
2. “약탈의 불가능성” ―― 21세기는 자원을 ‘운반할 수 없다’
19세기 제국주의는 자원을 확보하면 비교적 단순하게 운반할 수 있었다. 하지만 21세기는 다르다. 자원은 채굴 → 정제 → 운송 → 판매까지가 거대한 공급망이며, 어느 한 부분이 파괴되면 가치는 거의 제로에 가까워진다. 점령 하에서는 저항 세력이 ‘유전 자체’를 지킬 필요가 없다. 그들은 파이프라인, 항만, 송전망, 희석제 공급, 노동자의 안전—즉, 취약한 결절점을 노리면 된다. 적은 비용으로도 막대한 손해를 발생시킬 수 있다. 이것이 이후 제3장으로 이어지는 ‘비대칭성’인데, 경제 관점에서 보면 이는 ‘약탈이 성립하지 않는다’는 의미이다.
■ 지지층의 분노가 향하는 곳의 '전환'
3. 인플레이션 스파이럴 ―― 제국 정책이 지지 기반을 내부에서 파괴한다 ―― 맥킨리식 외향적 확장이 잭슨식 생존 방어를 직격한다
트럼프 2.0으로 경제·재정이 붕괴되는 두 번째 회로는 인플레이션 가능성이다. 잭슨 OS는 국내 생활 불안을 억제함으로써 중심력을 유지한다. 특히 노동자 계층에게 가장 큰 적은 추상적인 지정학이 아니다. 일상적인 슈퍼마켓 가격이다. 하지만 매킨리 OS는 외향적 확장을 위해 인플레이션을 초래할 정책들을 결합해 버렸다.
① 비용 인상·인플레이션(관세)
일률 관세는 수입품 가격을 끌어올린다. 기업은 비용을 가격에 전가하고, 생활 필수품에도 파급된다. 관세는 ‘상대국에 내게 한다’는 식으로 얘기되기 쉽지만, 실제로는 국내 가격 체계에 포함된다.
② 재정·금융형 인플레이션(제국 유지비)
제국에는 유지비가 든다. 군비, 점령비, 치안 유지, 복구, 행정 운영, 정보전, 사이버 방위, 동맹에 대한 보전. 이를 충당하기 위해 국채가 증발하고, 금리와 달러의 안정이 흔들렸다. 시장이 의심하기 시작하는 것은 ‘전쟁에서 이길 수 있는가’가 아니라 ‘이 지출이 지속 가능한가’이다.
③ 지지층의 이탈(정치의 임계점)
인플레이션이 임계점을 넘으면, 포퓰리즘의 열광은 반전한다. 지지자들은 ‘중국을 이겨라’라고 말한 것이 아니다. ‘생활을 좋게 하라’고 말하고 있었다. 제국 정책이 생활비를 끌어올린 순간, 열광은 ‘배신당했다’는 분노로 바뀐다. 이때 잭슨 OS의 중심력이 무너진다.
4. 재정 파산(Fiscal Ruin)의 정체 ―― ‘경제 이야기’가 아니라 ‘정치 이야기’
지금까지의 논의는 경제 이야기처럼 보일 수도 있다. 하지만 본질은 정치이다.
제국 정책이 지속 불가능해지는 가장 큰 이유는 ‘돈이 없어서’가 아니다. 돈을 쓰는 정치적 정통성이 없기 때문이다. 제국 유지 비용은 미국 외부에서 발생한다. 하지만 지불하는 사람은 미국 유권자이다. 이 구조는 잭슨 OS의 첫 번째 원리 ―― ‘우리 세금을 외국에 쓰지 말라’ ―― 와 정면 충돌한다. 따라서 제국 정책은 처음부터 국내 정치에서 ‘정통성 적자’를 안게 된다. 이것이 제국주의가 21세기에 오래 지속되지 못하는 경제·재정상의 이유이다. 외부에서 승리한 듯 보이는 순간, 내부에서는 재정과 물가가 흔들리며 지지 기반이 무너지기 시작할 가능성이 있다.
덧붙여, 이러한 점들은 필자의 독자적인 견해에 그치지 않는다. 정치 리스크 분석으로 알려진 유라시아 그룹도 2026년 세계 10대 리스크 분석에서 트럼프 행정부의 대외 자세를 ‘돈로주의(Donroe Doctrine)’라 명명하고, 이를 명확히 구조화하고 있다.
동사(同社)는 돈로주의를 ‘서반구에서 중국·러시아·이란 등 외부 세력의 영향력을 제한할 뿐만 아니라 군사 압력, 경제적 강요, 선별적 동맹 구축, 그리고 트럼프 개인의 정치적 결단을 결합함으로써 미국의 우위를 적극적으로 주장하려는 자세’라고 정의한다.
■ 미국 시카고 대학 교수가 말하는 '대국의 행동 원리'
중요한 점은 유라시아 그룹이 이를 완성된 전략이 아니라, 여러 수단이 아직 분리되지 않은 채 혼합된 ‘자세(posture)’로 규정하고 있다는 것이다. 군사·경제·동맹·개인 정치가 동시에 움직이면 단기적으로는 성과가 나오더라도 중장기적으로는 ‘정책 과잉’이나 ‘예상치 못한 결과’를 초래할 위험이 커진다고 경고하고 있다. 이는 트럼프 2.0이 내향적인 동원과 외향적인 확장을 동시에 진행하고 있다는 본문의 문제 의식과 일치한다.
게다가 이 구조는 국제정치학의 이론적 축적과도 일치한다. 미국 시카고 대학의 존 J. 미아샤이머 교수는 대표작 『The Tragedy of Great Power Politics』에서 이른바 “공격적 리얼리즘” 입장에서 강대국의 행동 원리를 설명해 왔다.
미아 샤이머 이론의 핵심은 명확하다. 국제 사회는 무정부 상태이며, 국가는 생존을 최우선으로 하고, 다른 나라의 의도를 완전히 파악하지 못한다. 이러한 조건 하에서는 대국이 방어만으로는 불안을 해소할 수 없으며, 합리적으로 세력 확대로 기울게 된다.
중요한 점은 그가 이를 ‘악의’나 ‘광기’의 결과가 아니라 합리성의 귀결로 그리고 있다는 것이다. 그래서 그는 대국 정치를 ‘비극(Tragedy)’이라고 불렀다. 선의와 합리성을 가지고 행동한 결과, 피할 수 없는 구조 때문에 파국에 가까워지게 된다 ―― 그것이 그리스 비극형 비극이다.
하지만 동시에, 미아샤이머는 일관되게 경고한다. 세력을 확보할 수는 있어도, 점령하고 다스리는 것은 어렵다. 외부의 지배는 정통성을 결여하고, 시간이 흐를수록 현지 민족주의를 자극해 저항을 통합해 버리기 때문이다. 제국주의가 오래 지속되지 못하는 이유는 군사력 부족이 아니라 민족주의라는 반작용에 있다.
트럼프 2.0의 행동은 공격적인 리얼리즘이 예측한 방향을 따르는 한편, 미아샤이머가 반복해서 경고해 온 ‘비극적 결말’을 스스로 다시 연출하고 있는 듯 보인다.
다음 장에서는 여기서 발생한 왜곡이 왜 ‘공포’가 아니라 ‘증오’를 낳고, 왜 ‘어떻게 해도 치유되지 않는’ 상태로 전환되는지를 다룰 것이다. 통치와 심리 붕괴 메커니즘을 해부한다.
■ 제3장 : '두려워함'에서 '미움'으로
트럼프 2.0은 왜 '힘의 행사' 자체에 제약을 받게 되는가
트럼프 2.0을 해석하는 열쇠는 21세기의 안보·자원·지정학 현실에 19세기 제국주의 시기의 미국 대통령 사상이 겹쳐져 있다는 점에 있다. 잭슨은 법이나 제도보다 결과와 권력을 우선시했고, 기존 사실을 이용해 세력권을 확대했다. 매킨리는 높은 관세와 군사력을 결합해 자원·거점·통상로를 장악함으로써 국가의 번영을 실현했다.
하지만 역사가 보여주듯 제국주의는 오래가지 못한다. 외부의 공포에 의한 지배는 시간이 지남에 따라 지배받는 측의 민족주의를 자극하고, 반드시 저항을 낳는다. 제거는 할 수 있어도, 다스리는 것은 어렵다. 트럼프 2.0은 단기적으로는 강해 보이지만, 그 이후에는 힘을 행사하는 자체가 미국의 제약이 된다 ―― 이 결론에 이르는 논리를 여기서는 두 가지 역사 모델로 ‘필연’으로 제시한다.
1. ‘마키아벨리즘의 한계점’을 돌파한다 ―― 두려워하는 것은 안전하지만, 미워서는 안 된다
트럼프 씨가 주장하는 ‘진정한 힘은 두려움이다’라는 말이 반복된다면, 이는 마키아벨리식 직관에 가깝다. 마키아벨리는 『군주론』에서 “사랑받는 것보다 두려워하는 것이 안전하지만, 미워져서는 안 된다”고 설파했다. 여기에는 정치의 냉혹한 진리가 있다. 두려움은 복종을 낳는다. 하지만 증오는 반란을 일으킨다.
19세기 제국주의가 성립한 것은 두려움이 ‘증오’로 변질되기 어려운 조건이 갖춰졌기 때문이다. 통신은 느리고, 지배의 가시화는 제한적이며, 반항 연계는 어렵고, 저항 비용은 높았다. 압도적인 국력 차이가 있었다면, 공포는 오래 지속될 수 있었을 것이다. 하지만 21세기는 그 전제가 모두 뒤바뀌어 있다. 공포는 유지되기 전에 변질한다. 게다가 한 방향으로 ―― 증오로.
① 변질을 가속화하는 것은 "SNS = 감정 증폭 장치"
현대의 전쟁·개입이 19세기와 결정적으로 다른 점은 무기의 성능보다 감정의 확산 속도이다. 미군이 수도 카라카스를 장악하는 영상이 TikTok과 X에 퍼지는 순간, 이는 단순한 군사적 승리가 아니라 지역 청년들에게 ‘굴욕의 상징’이 된다. 공포의 영상은 복종을 낳기 전에 굴욕과 분노를 낳는다. 그리고 굴욕은 가장 강한 정치적 에너지로 전환된다. 그것이 민족주의다.
② 민족주의의 ‘상전이’
외압이 가해지는 순간, 흩어졌던 불만이 결정화한다. ‘부패한 독재자’에 대한 반발, ‘경제적 고통’에 대한 분노, ‘미국에 대한 불신’ ―― 각각 독립적인 감정이 침공이라는 물리적 압력으로 하나의 이야기에 수렴한다. ‘미국 제국을 무너뜨리라’는 단순하지만 강력한 이데올로기로 전환된다. 이는 핵분열처럼 폭발적인 에너지를 만들어낸다. 여기서 중요한 점은, 제국 측이 아무리 정당화 이야기를 준비해도 상대편에서는 다른 이야기가 생겨난다는 것이다. 외부의 공포는 반드시 내부 이야기를 작동시킨다. ‘지시받는 것’에 대한 거부가 국민 감정을 통합하기 시작한다. 즉, 트럼프 2.0의 힘을 행사하는 것은 단기 복종을 낳더라도 장기적인 적을 키우게 된다.
■ '이기는' 것은 할 수 있어도 통치할 수 없다
2. ‘비대칭 전쟁’의 함정 ―― 압도적인 힘에 저렴한 파괴로 맞서는 세계
다음으로, 21세기 전쟁이 제국에 불리한 이유는 전쟁 비용 구조가 비대칭화되었기 때문이다. 제국은 ‘지키는 편’에 서 있다. 방어 측의 비용은 높다. 공격하는 측의 비용은 낮다. 여기서 끝없는 소모전이 생겨난다. 방위 측은 파이프라인, 항만, 탱커, 송전망, 통신망을 24시간 보호해야 한다. 이를 위해서는 고가의 감시망과 방공 시스템, 경비 부대가 필요하다. 공격 측은 시판 드론에 폭약을 실어 돌진시키기만 하면 된다. 사이버라도 괜찮다. 소규모 게릴라도 괜찮다.
중요한 것은 상대의 ‘취약한 결절점’을 두드리면 가치가 멈춘다는 점이다. 이 비대칭 상황에서는 제국이 ‘이기는’ 것이 어려운 것이 아닐까. 이겨도 이익이 되지 않는다. 치료를 계속하는 한 출혈이 멈추지 않는다. 이는 ‘잡을 수는 있어도 제어할 수는 없다’는 구조적 의미이다. 베트남과 아프가니스탄의 교훈은 영토를 색칠하는 감각으로는 보이지 않는다. 승리 영상 뒤에서는 비용이 지수적으로 쌓여간다. 그래서 트럼프 2.0은 ‘힘’을 휘두를수록, 힘을 행사하는 자체가 정치·경제의 제약이 되고 있다. 공포로 통치하려 할수록 증오가 생기고, 저항이 일상화되며, 비용이 늘어난다. 여기에 역사적 필연이 있다.
3. ‘동맹의 속국화’가 초래하는 원심력 ―― 아테네 제국(델로스 동맹)의 붕괴와 트럼프 2.0의 미래
제국이 오래 지속되지 못하는 또 다른 이유는, 제국이 외부에 적을 만들기보다 먼저 내부 동맹을 파괴하기 때문이다. 이 점을 이해하기에 가장 적합한 역사 모델이 고대 그리스의 아테네이다.
처음에 데로스 동맹은 페르시아 방어를 위한 ‘동맹’이었다. 하지만 아테네는 이를 점차 자국을 위한 ‘제국’으로 변질시켰다. 동맹국으로부터 금전을 징수하고, 따르지 않는 국가를 무력으로 제압해 동맹을 ‘파트너 네트워크’에서 ‘착취 시스템’으로 바꾸었다. 그 결과, 동맹국은 이탈하고 스파르타 측에 붙어 아테네는 고립되어 멸망했다. 이 붕괴 논리는 현대에도 놀라울 정도로 적용된다.
■ '채찍'을 휘두를수록 적을 부른다
① 동맹을 ATM처럼 취급하는 순간, 동맹은 "조용히 이탈"한다
트럼프 2.0이 일본과 유럽, 혹은 중남미 국가들을 대상으로 하려는 것은 ‘동맹 네트워크’를 ‘비용 회수 장치’로 바꾸는 것이다. ‘관세를 내라’, ‘주둔비를 전액 내라’, ‘말을 들어라’. 이는 단기적으로 미국에 이득을 가져다줄 수도 있다. 하지만 장기적으로는 동맹국을 '속국화'시켜 원심력을 만들어낸다. 동맹국은 겉으로는 따르고 있다. 하지만 물밑에서는 De-Americanization(미국 이탈)을 가속화하고 있다. 달러 결제 회피, 독자 방위망 구축, 그리고 중국과의 천칭 외교. 동맹의 약화는 어느 날 갑자기 일어나는 것이 아니다. 조용히, 그러나 되돌릴 수 없이 전진한다.
② 그리고 진공이 생겨, 그곳이 중국화된다
미국이 채찍을 휘두를 정도로, 중국은 사탕을 내민다. 인프라 투자, 자원 구매, 시장 접근. 경제적 합리성을 따진다면, 중남미 국가들은 중국을 선택한다. 물리적으로는 ‘뒷마당’이지만, 경제적 생명선은 태평양 건너편으로 이어져 있다. 미국이 군사력으로 개입할수록 지역은 ‘외부 세력을 초래할 구실’을 얻게 된다. 이렇게 제국은 스스로 진공을 만들고, 자신의 적을 맞이한다.
여기에는 역사적인 풍자가 담겨 있다. 제국주의적인 행동이 아이러니하게도 ‘팩스 아메리카나’의 종말을 앞당긴다. 동맹의 속국화는 패권을 단기적으로 회수하는 것으로 보이지만, 장기적인 패권 기반을 파괴한다.
정리: 힘을 쓰는 것이 ‘힘의 제약’으로 바뀌는 순간
여기까지의 논리를 한 문장으로 압축하면, 이렇게 된다.
트럼프 2.0은 ‘공포’를 통해 질서를 만들려 하지만, 21세기에서는 공포가 증오로 변하고, 민족주의가 전이되며, 비대칭 전쟁이 비용을 무한화하고, 동맹의 속국화가 원심력을 증폭한다. 그 결과, 힘을 행사하는 행위 자체가 미국의 제약으로 되돌아온다.
다음 장에서는 이 심리·동맹 붕괴가 ‘지정학 구조 붕괴’와 어떻게 연결되고, 세계가 블록화되며, 진공이 중국화되는지를 ―― 더 자세히, 위의 상황을 살펴본다.
■ 제4장 : 지정학·구조의 붕괴 가능성
‘동맹의 공백화(Hollowing Out)’와 ‘진공 지대의 중국화’ ―― 제국은 왜 ‘이기면서도 지는’가
앞 장에서 본 대로, 트럼프 2.0을 밀어붙였을 때의 힘의 사용은 단기적으로는 ‘두려움’을 낳지만, 시간이 지나면 ‘증오’를 낳아 민족주의의 전이를 일으킨다. 게다가 동맹국에 ‘보호료’와 ‘복종’을 강요할수록 동맹은 조용히 이탈하고, 미국인 정체(De‑Americanization)가 진행된다. 여기서부터 일어나는 것이 지정학 구조 붕괴이다.
중요한 점은 이것이 개별 외교 실책의 누적이 아니라는 것이다. 트럼프 2.0이 채택한 ‘세력권주의’는 그 특성상 동맹을 공백화시키고, 세계를 블록화시키며, 결국 경쟁 상대에게 ‘진공’을 전달한다. 제국은 이 상황에서 이기고 있는 듯 보이면서도 지고 있다. 왜 그런 현상이 나타나는지를 구조적으로 해부한다.
1. 동맹을 ATM화한 순간, 동맹은 ‘제도’에서 ‘손익 계산’으로 전락한다
―― 동맹의 공백화는 "눈에 보이지 않는 속도"로 진행된다
동맹의 강함은 군사력의 합산이 아니다. 신뢰의 합산이다. 그리고 신뢰는 조약 문서가 아니라 ‘운용’으로 만들어진다. 동맹국이 안심하고 미국 편에 설 수 있는 것은 미국이 동맹국의 주권과 국내 정치를 이해하고 일정한 예측 가능성을 유지해 주기 때문이다. 트럼프 2.0은 이 동맹의 조건을 근본부터 바꾼다. ‘관세를 내라’, ‘주둔비를 전액 내라’, ‘투자를 상납하라’, ‘말을 들어라’. 동맹국을 파트너가 아니라 ‘공납자’로 대우하기 시작하면, 동맹은 제도에서 이익 계산으로 전락한다. 여기서부터 '공허화'가 시작된다.
공허화는 반미 선언 형태로는 나타나지 않는다. 오히려 반대다. 겉으로는 협력하고 미소 짓는다. 하지만 물밑에서 다음과 같은 일이 일어난다. 정보 공유가 둔화되고, 공동 작전 설계가 지연되며, 장비 조달·표준화가 분산되는 ‘미국이 불확실할 때를 위한 제2 루트’가 구축된다. 동맹이 무너지는 것이 아니라. 얇아진다. 이 '얇음'이 임계점을 넘는 순간, 억제력은 무너진다.
2. ‘차단화’는 각국의 의지가 아니라 미국의 압력이 자동으로 만들어낸다
―― 세상이 '두 가지 선택'에 몰릴 때, 중산층은 사라진다
트럼프 2.0이 동맹국에 대해 취하고 있는 것은 단순한 강경 자세가 아니다. 각국에 ‘어느 편에 설 것인가’를 묻는 정치다. 관세·투자·안보를 하나로 묶어 ‘따를지, 낼지, 벗어날지’를 강요한다. 이 순간에 전 세계에서 일어나는 것은 ‘블록화’다. 중요한 점은, 블록화가 세계의 자연스러운 결과가 아니라, 선택을 강요하는 측이 만들어내는 현상이라는 것이다. 국제 질서의 강점은 모호함을 허용하는 데 있었다.
동맹국에서도 대미 의존도에는 차이가 있다. 중국과는 부분 협력을 진행하면서, 미국과도 협조한다. 국익에 따라 흔들릴 여지가 있다. 이 ‘모호함’이 안정을 위한 윤활유 역할을 했다. 하지만 트럼프 2.0이 이를 허용하지 않고 두 가지 선택을 강요하자, 중산층이 사라졌다. 세계는 경직되고, 블록화가 가속화된다.
그리고 블록화가 진행될수록 미국은 ‘힘으로 묶는’ 비용을 짊어지고, 동맹국은 ‘도피처’를 만들 인센티브를 갖게 된다. 즉, 블록화는 미국의 패권을 강화하는 차원을 넘어 패권 운영 비용을 급등시킨다.
■ 미국의 '채찍'과 중국의 '사탕'
3. 진공지대의 중국화 ―― 미국이 ‘채찍’을 휘두를 정도로 중국의 ‘아메’가 통한다
―― 세력권은 군사가 아니라 경제에 의해 결정되는 시대에 들어섰다
여기서 가장 중요한 역설이 드러난다. 미국이 세력권을 지키려 할수록, 미국은 ‘채찍’을 휘두른다. 관세, 제재, 군사적 압력, 정치 개입. 하지만 ‘채찍’은 일시적인 복종을 낳아도 생활을 개선하지 않는다. 생활을 개선하지 않는 동맹은 오래 지속되지 않는다.
그때 중국은 ‘사탕’을 건넨다. 인프라 투자, 자원 구매, 시장 접근, 산업 제품 공급. 중요한 점은 중국이 제시하는 것이 ‘이념’이 아니라 ‘경제 합리성’이라는 점이다.
이때 ‘진공 지대의 중국화’가 일어난다. 미국이 압력을 키울수록 지역은 경제적 생명선을 지키기 위해 중국 쪽으로 기울어간다. 이는 정치 사상이 아니라 가계와 고용 문제로 발생한다. 중남미 사례가 전형적이다. 물리적으로는 ‘미국의 뒷마당’이라고 할지라도, 경제적으로는 이미 중국이 가장 큰 고객이 된 국가가 늘어나고 있다. 자원을 판매하는 상대, 인프라를 구축해 주는 상대, 산업 제품을 공급해 주는 상대가 모두 중국이라면, 지역은 합리적으로 중국 쪽으로 기울게 된다. 미국이 군사력으로 개입할수록 그 개입은 ‘역외 지원자’를 끌어들이는 구실이 되고, 결과적으로 중국의 침투를 가속화한다.
여기서 트럼프 2.0의 가장 큰 오산이 있다. 19세기적 세계관에서는 ‘뒷마당’이 물리적 거리로 결정된다. 하지만 21세기에서는 세력권이 경제적 중력에 의해 결정된다. 경제의 중력이 중국 측으로 이동한 지역에 미국이 군사적 압력을 가하면, 반발과 이탈이 발생하고 중력 이동이 더욱 촉진될 것이다.
4. 제국은 ‘정복’으로 승리하고, ‘유지’로 패배한다
―― 팍스 아메리카나(Pax Americana)가 무너지는 ‘역사적인 풍자’
여기까지의 구조를 정리하면, 이렇게 된다.
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・ 동맹을 착취로 바꾸면 → 동맹이 공백화된다
・ 공백화된 동맹을 힘으로 묶는다 → 차단이 진행된다
・ 블록화된 세계에서는 중간이 사라지고, 각국은 탈출구를 만든다
・ 탈출구를 제공하는 것이 중국이다 → 진공지대가 중국화한다
・ 그 결과, 미국은 승리하고 있는 것처럼 보이면서도 영향력을 축소한다
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즉, 제국주의적 행동이 아이러니하게도 ‘팍스 아메리카나’의 완전한 종말을 앞당긴다. 트럼프 2.0이 만들려는 것은 ‘강한 미국’이지만, 구조적인 결과로 나타나는 것은 ‘고비용이며, 의존받지 못하고, 미움을 받는 미국’이 되기 쉽다.
5. 다음에 일어날 일 ―― ‘지배’는 확장이 아니라 ‘수축’을 부른다
트럼프 2.0의 최종 국면은 외부에서의 확장이 아니다.
외부에서 늘어난 비용이 내부로 돌아가고, 국내의 중심력이 무너지며, 정치가 분열하고, 결국 내향적인 고립으로 향한다. 이것이 잭슨×맥킨리 OS가 동시에 실행될 때의 최종 목적지다.
다음 장에서는 이 구조가 시간축상 어떻게 전개되고, 트럼프 2.0이 그대로 나아간다면 2027년 이후에 어떤 ‘제국의 황혼’이 찾아올지를 시나리오 분석으로 그린다. 그리고 마지막으로, 일본이 이 세계에서 무엇을 갈고닦아야 하는지를 결론으로 제시한다.
■ 최종장: '연옥(Purgatorio)'으로서의 트럼프 2.0 시대
―― 시련의 산은 우연이 아니다. ‘저가 판매 국가’를 불태우기 위한 역사적 장치이다
트럼프 2.0의 등장을 단순한 혼란이나 예외로 이해하는 것은 잘못된 것이다. 그것은 세계의 종말(지옥)이 아니다. 오히려 전후 질서가 안고 있던 왜곡을 강제로 드러내기 위한 ‘연옥’이다.
단테의 『신곡』에서 연옥은 벌의 장소가 아니다. 지옥과 천국 사이에 놓인, 재생을 위한 통과점이다. 고통은 있지만, 그 안에는 명확한 방향성과 의미가 있다. 트럼프 2.0이 세계에 가져온 것도 바로 이런 종류의 시련이다. 중요한 점은 이 연옥이 우연히 탄생한 것이 아니라는 사실이다. 글로벌리즘 하에서 안보는 미국에 맡기고, 통화 질서도 미국에 맡기며, 시장 접근도 미국에 맡기는 ‘의존 구조’를 방치해 온 세계가 스스로 준비한 필연적인 결과이다.
1. 연옥의 불꽃은 ‘필연’이었다 ―― 트럼프는 원인이 아니라 결과다
트럼프 2.0이 제시하는 관세·압력·동맹에 대한 요구는 변덕이 아니다. 그것은 미국이 오랫동안 안고 있던 모순 ―― ‘패권을 유지하고 싶지만 그 비용은 지불하고 싶지 않다’는 자기 모순이 정치적으로 폭발한 형태이다.
미국은 현재 군사력, 통화, 시장이라는 세 가지 공공재를 세계에 제공해 온 국가이다. 하지만 동시에 그 비용을 국내 유권자가 부담하는 것에 대한 내성은 확실히 낮아지고 있다.
트럼프 2.0은 이 내성 저하를 ‘힘으로 되돌리는’ 정치다. 그래서 이것은 일시적인 일탈이 아니다. 세계가 의존을 지속하는 한, 두 번째·세 번째 ‘트럼프 상황’은 반드시 나타날 것이다. 연옥의 불꽃은 우연한 화재가 아니다. 구조적으로 점화되었다.
2. 일본의 ‘죄’는 정신론이 아니다 ―― 그것은 구조적 나태(Acedia)이다
연옥 중턱에서 심판받는 ‘게으름(Acedia)’은, 아무것도 하지 않는 것이 아니다. 본래 해야 할 일에서 눈을 돌리고, 쉬운 대안으로 계속 도피하는 것이다.
일본이 오랫동안 이어온 것은 바로 이 나태함이다. 엔화 약세로 가격 경쟁력을 유지하면 된다. 임금을 올리지 않아도 수출은 돌아간다. 기술 투자는 선별적이라 좋다. 안보는 미국에 맡기면 된다. 이는 보수도 개혁도 아니다. ‘결단의 연기’를 제도화한 국가 운영이다.
트럼프 2.0은 이 회피 경로를 의도적으로 차단한다. 관세는 일본에 ‘환율과 가격으로 도망가는 길’을 주지 않는다. 통화 비판은 ‘금융 완화에 의한 시간 끌기’를 용납하지 않는다. 가혹하다. 하지만 동시에, 이는 일본에게 수십 년 만에 처음으로 구조 개혁을 강제하는 장치이기도 하다.
■ 복종하는 나라도, 저렴한 나라도 아닌 '진정한 독립 국가'로
3. ‘퀄리티 상태’는 추상 개념이 아니다 ―― 도달 조건은 이미 정해져 있다
연옥 너머에 있는 ‘지상 낙원’은 꿈 이야기가 아니다. 이는 국가가 충족해야 할 명확한 조건을 갖춘 상태이다. 퀄리티 상태란 다음 세 가지 조건을 동시에 충족하는 국가를 말한다.
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① 가격이 아니라 ‘대체 불가능성’으로 선택되는 산업 구조
싸다고 사는 것이 아니라. ‘이것이 없으면 곤란하다’는 기술·부품·시스템을 보유하고 있다.
② 동맹에 의존하지 않고, 동맹으로부터 신뢰받는 안보 자세
하지만 보호받는 나라는 아니다. 역할을 분담할 수 있는 국가.
③ 통화·기술·제도가 하나로 결합된 국가 신용
엔화 약세나 금리 조작에 의존하지 않는다. 제도 자체가 신뢰 자산인 상태.
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이것은 정신적인 논리가 아니다. 국가 전략의 설계도이다.
결어 : 불 속을 통과하라 ―― 연옥은 지나간 자만을 다음 시대로 보낸다
트럼프 2.0이라는 시대를 두려워할 필요는 없다. 하지만, 그 길을 뚫고 나갈 각오는 필요하다. 불은 뜨겁다. 관세는 고통스럽다. 요구는 부당하게 보인다. 하지만 그것들을 피하려는 국가는 ‘의존’과 ‘저가 판매’로 돌아가 다음 연옥에서 더 깊이 불태워진다.
고개를 들어라. 보아야 할 것은 지옥이 아니다. 올라야 할 산과 그 너머에 있는 국가의 모습이다.
이 연옥을 통과했을 때, 일본은 ‘종속된 나라’도 ‘싼 나라’도 아니라, 가치와 신뢰로 선택되는 진정한 독립 국가로서 다음 질서의 설계 측면에 설 것이다.
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타나카 미치아키 / 일본공업대학 대학원 기술경영연구과 교수, 전략 컨설턴트
전문 분야는 기업·산업·기술·금융·경제·국제관계 등 전략 분석. 일·미·유럽의 금융기관에서도 오랫동안 근무. 주요 저서로는 『GAFA×BATH』, 『2025년의 디지털 자본주의』 등이 있다. 시카고 대학 MBA. TV 도쿄 WBS 해설가. TV 아사히 와이드 스크램블 월요일 정규 해설가. 공정거래위원회 독점금지법 간담회 회원 등도 겸임하고 있다.
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일본공업대학 대학원 기술경영연구과 교수, 전략 컨설턴트 타나카 미치아키
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