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毎日新聞2024/11/5 東京朝刊有料記事751文字
JR東京駅に設置されている多機能ロッカー「マルチエキューブ」=JR東日本提供
なるほドリ 駅のロッカーに預けた荷物を自宅へ届けてくれるサービスがあるって?
記者 多機能ロッカーのことですね。JR東日本が展開する「マルチエキューブ」は、予約、預け入れ、受け取り、発送の1台4役の機能があります。9月から東京駅と新宿駅で、ロッカーに預けた荷物を自宅など指定した住所へ届けるサービスを始めたほか、東京や上野、品川など5駅では、当日中に都心の宿泊先ホテルへ配送し、受け取れるようになりました。
Q 荷物が多い人は助かるね。
A ホテルへの配送サービスでは、当日の午前9時半までに予約すれば、午前11時までに預けた荷物を、東京23区や千葉県浦安市にある約500のホテルで午後6時ごろ受け取れます。西武ホールディングスも9月に西武鉄道の3駅で実証実験を始めました。大きなスーツケースを持った訪日客らで電車内が混み合う「オーバーツーリズム」が問題となるなか、利便性の向上とともに混雑の緩和も期待されています。
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Q いろんな活用ができそうだね。
A そうですね。最近では、駅ビルの店舗で販売されている総菜(そうざい)や薬、レンタルの礼服などを受け取れる駅ロッカーもあります。このほか、西武鉄道は10月から、飲食店やスーパーなどで閉店後に売れ残った商品を購入して沿線19駅などのロッカーで受け取れるサービスを始め、食品ロス削減にも取り組んでいます。
Q これからどんどん増えるのかな。
A JR東日本は、荷物を受け取れるエリアを増やすことで物流拠点(ぶつりゅうきょてん)としての駅の機能を高め、トラック運転手の不足(物流の2024年問題)に対応したい考えです。マルチエキューブは首都圏を中心に10月末現在、325台が設置され、26年度までに全国1000台、3万口の展開を目指しています。(経済部)