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毎日新聞2024/11/13 東京朝刊有料記事728文字
なるほドリ 史上最大の素数(そすう)が見つかったんだって?
記者 素数は、1とその数以外では割り切れない整数(せいすう)を指します。2、3、5、7、11、13……と続きます。今回見つかったのは、4102万4320桁という途方(とほう)もない数で、米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)の元従業員が見つけました。
Q どうやって見つけるの?
A いくつかの素数は、2の素数乗から1を引いた数であることが知られており、これを「メルセンヌ素数」と呼びます。7(2の3乗引く1)、31(2の5乗引く1)などが該当します。今回の素数もメルセンヌ素数で、2の1億3627万9841乗から1を引いた数です。メルセンヌ素数は決まった形をしているため、しらみつぶしに探しやすいのです。今回は、世界のコンピューターをネットワークでつないで調べたといいます。
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Q 大きな素数は何の役に立つの?
A 素数をかけ算して巨大な数をつくるのは簡単ですが、逆に、巨大な数がどんな素数のかけ算でできているかを調べる「素因数分解(そいんすうぶんかい)」は極めて難しいです。この性質が、インターネットの暗号に使われています。
Q すべての素数を調べられるの?
A 素数は無限(むげん)にあることが証明(しょうめい)されています。また、一見すると規則性がなく現れるため、すべての素数を調べることはできません。
Q わからないことが多いんだね。
A 1859年に提唱(ていしょう)された「リーマン予想」という数学の未解決問題に、素数の規則性が隠されていると期待する数学者もいます。解いた人には100万ドルの賞金が贈られます。将来、素数の謎が解かれる日が来るかもしれませんね。(くらし科学環境部)