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毎日新聞2026/5/26 18:53(最終更新 5/26 19:10)有料記事856文字
産業用球駆動式全方向移動ロボットについて説明する九州工業大発ベンチャー企業「TriOrb」の石田秀一CEO(右)と井上貴博首相補佐官(左)ら=北九州市小倉北区で2026年5月25日午後1時25分、山下智恵撮影
人工知能(AI)でロボットを自律的に動かす「フィジカルAI」社会実装の先進地を目指し、北九州市は「フィジカルAI共生都市宣言」をした。高齢化や人手不足など課題先進地である市内で、工場や橋などを実証の場として企業・研究機関に提供する。
フィジカルAIは米中を中心に世界で開発競争が激化。高市早苗首相は、日本の成長戦略の中でも重要な品目の一つとして、2040年に20兆円の市場を獲得することを目標に重点的な投資を掲げている。
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25日は高市政権で地域未来戦略を担当する井上貴博首相補佐官が市役所を訪れ、武内和久市長とフィジカルAIを研究する企業らと意見交換会。
二足歩行ロボットのデモンストレーション=北九州市小倉北区で2026年5月25日午後1時23分、山下智恵撮影
武内市長は市内にロボット関連産業や研究施設が集積していることに加え、人手不足の深刻化やインフラの老朽化、高齢化の進展など社会課題が深刻だからこそ、「フィジカルAIを活用できる現場がある」と強調した。
意見交換会に参加した九州工業大(戸畑区)の卒業生が設立したスタートアップ「TriOrb(トライオーブ)」社の幹部も意見交換会に参加。同社は三つの球体で全方向に移動するロボットを開発し、製造業の自動化を実現。応用としてカメラに蓄積された情報を元に生産ラインを自由に構築するフィジカルAIの開発を試みている。石田秀一CEOは「生産現場を根本から変える。北九州はものづくりが重要。モノを作ってグローバルに展開していきたい」とアピールした。
市は今後、工場や商店街、道路や橋、農地などを実証の場として提供するため、ニーズの把握や関係者との調整を実施。国家戦略特区を活用し、公道利用の規制緩和などの検討や、実証・実装への補助制度を創設する。若松区の学術研究都市内に社会実装の総合拠点を設立して最先端技術のショールーム設置なども進める。
武内市長は「(人口減など)社会課題の最先端にいる北九州だからこそ日本を救う、世界を支える技術を目指したい」と述べ、井上首相補佐官は「フィジカルAIは日本を支えるキーポイント。北九州の地から作ってほしい」と話していた。【山下智恵】