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毎日新聞2024/12/27 東京朝刊有料記事694文字
パトカーに搭載された新型赤色灯の光り方を確かめる聾(ろう)学校の児童生徒ら=岐阜市の岐阜県立岐阜聾学校で11月、稲垣洋介撮影
なるほドリ パトカーの赤色灯(せきしょくとう)に新しい発光(はっこう)パターンが導入されたって聞いたよ。
記者 これまでの赤色灯は、0・5秒間隔でチカチカと光る1パターンしかありませんでした。緊急走行(きんきゅうそうこう)時もパトロール時も光り方は同じで、緊急時はサイレンを鳴らすことで区別していました。警察庁は10月から、パトロール時には2秒周期で、一度光って消えた後に蛍(ほたる)の明かりのように光って穏やかに消えていく新たな発光パターンの導入を始めました。2024年度中には全都道府県警に、新型赤色灯を付けた小型パトカー420台などが配備されます。
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Q どうして発光パターンを区別する必要があったの?
A サイレンの音が聞こえない聴覚障害者(ちょうかくしょうがいしゃ)が判別できるようにするためです。全日本ろうあ連盟は10年以上前から警察庁などに対し、パトカーなどが緊急走行をしているか判断できる視覚的(しかくてき)表示を義務づけるよう要望してきました。それを受け、ようやく実現しました。
Q 緊急走行かどうか区別できなくて、困ったこともたくさんあったんだろうね。
A 運転中にパトカーが近付いてきても自分がどう動けば良いかわからなかったり、歩行中に怖(こわ)い思いをしたりすることがあったそうです。
Q 新型赤色灯が導入されて安心だね。
A 同連盟は「共生社会(きょうせいしゃかい)の実現に向けての一歩」と評価(ひょうか)した上で、「より視覚的に情報取得できる社会になってほしい」と願っています。今後は、消防車などにも導入されるように要望を続けるそうです。(社会部中部グループ)