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毎日新聞2026/10/6 20:58(最終更新 10/6 22:57)有料記事1073文字
米ウィスコンシン大マディソン校のフランシス・ハルツェン教授=米国科学アカデミーのホームページから
スウェーデン王立科学アカデミーは6日、2026年のノーベル物理学賞を、米ウィスコンシン大マディソン校のフランシス・ハルツェン教授(82)に授与すると発表した。南極に設置した巨大観測所で、銀河系外から飛んできた高エネルギーを持った素粒子ニュートリノの観測に世界で初めて成功した。
日本から千葉大も参加
ハルツェン氏が中心となっている国際研究チームによる実験は「アイスキューブ」と呼ばれ、日本から千葉大も参加している。ハルツェン氏は、遠い宇宙から放たれた高エネルギーの「宇宙ニュートリノ」の観測に貢献し、新たな天文学の道を切り開いたことが評価された。
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高エネルギーニュートリノは1000兆電子ボルトもあり、地球から数億光年離れた宇宙で、過去に起きた天体活動によって発生したと考えられている。
超巨大ブラックホールや爆発現象「ガンマ線バースト」など宇宙での天体現象で加速された粒子に由来する高エネルギーのニュートリノを観測できれば、そうした宇宙での現象を調べるのに役立つ。
しかしニュートリノはどこにでも存在する素粒子で、あらゆる物質をすり抜けるほか、電気を帯びず、物質とぶつかっても痕跡を残さない。このため観測が難しかった。高エネルギーニュートリノも、地球がある「天の川銀河」の外など遠い宇宙からやって来るので、検出確率が極めて低い。
12年に初めて高エネルギーニュートリノ検出
南極の氷床に建設された素粒子観測施設「アイスキューブ」の地上施設=IceCube Collaboration提供
千葉大も参加したハルツェン氏らのチームは、11年に南極の観測所を本格稼働させた。1立方キロメートルの氷床の中に高感度な検出器を埋め込んだ巨大な観測装置を備える。高エネルギーニュートリノが施設内の氷床中の原子と衝突すると、その影響で「ミューオン」という素粒子がわずかに生まれ、青い特殊な光「チェレンコフ光」が放たれる。
光はニュートリノと同じ方向へ直進するので、光を検出できれば、発生源の特定に欠かせない、飛んできた方向も分かる。
観測所では12年に初めて高エネルギーニュートリノを検出した。17年9月にも検出。約40億光年離れ、中心に超巨大ブラックホールがあり強烈に輝いている「ブレーザー天体」から放たれたものと特定した。
同アカデミーは「高エネルギーニュートリノが生成される激しい環境に関する新たな知見をもたらし、これまで知られていなかった宇宙現象を明らかにする可能性がある」と評価した。
受賞が決まったハルツェン氏には、賞金1200万スウェーデンクローナ(約1億9000万円)が贈られる。授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれる。【荒木涼子、木許はるみ】