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毎日新聞2025/9/9 東京朝刊有料記事999文字
<ka-ron>
対話型生成人工知能(AI)「チャットGPT」に依存する人が増えている。
米オープンAIはこのほど、チャットGPTを10代の若者が使う場合に保護者が利用を管理できる仕組みを導入すると発表した。
米国では最近も、16歳の息子がチャットGPTにのめり込み自殺したとして両親がオープンAIを提訴するなど、依存性への懸念が強まっている。
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日本でもチャットGPTが「相談相手」という人が少なくないようだ。私の周りにも「悩みを聞いてもらえる」と日常的にやり取りする人がいる。
脳研究者の池谷裕二・東京大学薬学部教授はその著書「生成AIと脳」(扶桑社新書)で、悩み相談にAIが好まれる理由について「我慢強い」「こちらが気後れしづらい」「何でも話せる」「予約不要」などを挙げる。24時間アクセス可能で、何時間でも話せる安心感があるという。
同書は2023年に発表された論文も紹介している。被験者の患者に、チャットGPTと人間の医師からそれぞれ文字ベースのやり取りで診察を受けてもらったという実験。どちらが人間かは知らせないまま「会話の質」や「共感力」を評価してもらうと、いずれにおいてもチャットGPTの方がより高い評価を得たという。
そうなると、やはり気になるのは依存性だ。
調べてみると、今年2月に発表された論文「チャットGPTには中毒性があるか?」が詳しい。チャットGPTはユーザーに寄り添い肯定的な関与を続けることもある。そのためユーザーが長時間没頭し、過度の依存を引き起こす可能性があると指摘している。
またこの論文によると、チャットGPTなどのAIは社会的存在感を作り出すように設計されているため、ユーザーは意識のある存在と対話しているような感覚をもちやすい。その結果、実際に親しい人間関係にあるように感じ、疑似的に「深い感情的な愛着を形成」する可能性もあるという。
オープンAIは先月7日、利用者に寄り添い共感性を示すアプローチが特徴的なモデル「GPT―4o」に代わり、その迎合性をより抑制した新型モデル「GPT―5」を発表した。ところが従来モデルのファンから「寂しい」「戻して」といった声が高まり、署名活動にまで発展。同社は有料プランのユーザーには旧型「GPT―4o」も使えるようにするなど、一部システムを見直している。
依存性を抑制する機会を逃したようにもみえる。(専門編集委員)