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毎日新聞2025/11/1 東京朝刊有料記事959文字
再現実験で発火するモバイルバッテリー=製品評価技術基盤機構提供
なるほドリ リチウムイオン電池の事故(じこ)が増(ふ)えているって聞いたよ。
記者 消費者庁(しょうひしゃちょう)は、スマートフォンなどリチウムイオン電池が使われている製品(せいひん)で火が付(つ)いたり熱(あつ)くなったりしたケースが2020~24年度に約(やく)2350件(けん)あったと明らかにしました。年々増えているようです。
Q どんな製品が多かったの?
A スマートフォンが約350件で最(もっと)も多く、モバイルバッテリーは約300件でした。また、ワイヤレスイヤホン(64件)、スマートウオッチ(46件)、携帯用(けいたいよう)扇風機(せんぷうき)(26件)といった身につけて使う製品の事故も増えています。
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Q どうして事故が起こるの?
A リチウムイオン電池は、セパレーターで仕切られたプラス(正極(せいきょく))とマイナス(負極(ふきょく))の電極(でんきょく)の間をリチウムイオンと電子が行き来することで電気エネルギーを生み出しています。内部は電気を通す液体(えきたい)(電解液(でんかいえき))で満(み)たされていますが、引火しやすい有機(ゆうき)溶媒(ようばい)が使われているため熱(ねつ)に弱く、セパレーターが衝撃(しょうげき)で壊(こわ)れてショートすると発熱(はつねつ)する危険性(きけんせい)があります。
Q どう気をつけたらいいの?
A 強い衝撃や熱に弱いため、落としたり、暑い場所に放置(ほうち)したりしないことが大事です。使い終わっても一般(いっぱん)の家庭ごみではなく、自治体(じちたい)指定の方法(ほうほう)に従(したが)って回収(かいしゅう)してもらってください。他にも、満(まん)タンになった電池をさらに充電(じゅうでん)する「過(か)充電」など、不適切(ふてきせつ)な使い方が性能(せいのう)を低下(ていか)させ、事故につながる可能性(かのうせい)があります。
Q 正しく使えば安全(あんぜん)なんだね。
A リコール(自主(じしゅ)回収)対象(たいしょう)製品の情報(じょうほう)に注意したり、モバイルバッテリーでは安全基準(きじゅん)を満たしていることを示(しめ)す「PSEマーク」を確認(かくにん)したりして、安全な製品を正しく使いましょう。(くらし科学環境部)