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毎日新聞2026/3/25 東京夕刊有料記事874文字
嫌な予測はだいたい当たる。
本欄で「米トランプ政権がイスラエルとともにイランを大規模攻撃する、と欧米メディアが報じている」と記したのは2月25日。その3日後、本当に攻撃が始まった。
国際法の最たるものは国連憲章だ。第2条4項は、すべての加盟国に対し、他国への武力行使を禁じている。多くの専門家が指摘しているように、両国はこれに明らかに違反している。
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前述の本欄では、そのトランプ大統領がイラン攻撃の片棒を日本に担がせようとしたらどうするか、とも危惧した。
これまた悪い予測は当たるというべきか、トランプ氏は3月14日、日本を名指しして「軍艦派遣を期待する」とSNS上で発信し、日本国内は大騒ぎになった。
もっともトランプ氏は発言がころころ変わる。イラン攻撃でも二転三転してきた。そんな人物である。この原稿、高市早苗首相とトランプ氏が会う直前に書いているが、今回の会談を含め、トランプ氏の発言に一喜一憂するのは、さして意味がないと思う。大統領任期はあと3年、米国内の支持率は下がる一方なのだ。
それより心配なのは、本邦内閣である。
タカ派とされた中曽根康弘元首相は、護憲を唱え、外交的にはハト派と目された後藤田正晴氏を官房長官に据えた。イラン・イラク戦争中の1987年、中曽根氏は米国の求めに応じ、ペルシャ湾に海上自衛隊の掃海艇を派遣しようとしたが、後藤田氏がクビを懸けて反対し、断念した。
元内閣安全保障室長の佐々淳行氏の著書「わが上司 後藤田正晴」によれば、後藤田氏は「ワシが五十年間生き残ったのは、再び日本を軍国主義にしないためじゃ。学徒出陣した戦友の三分の一が還らなかった」が口癖だった。タカとハトでバランスがとれていたのか、中曽根政権は5年続いた。
今なら木原稔官房長官の役どころだが、本欄で何度か書いた通り、改憲を求め、戦後に廃止された「教育勅語」を今なお尊ぶのも、高市氏とまったく同じだ。
職を賭してでも抵抗した後藤田氏のような人物が現内閣にいるのかどうか。愚劣な戦争を始めたトランプ氏の周囲にはいなかったはずだ。(オピニオン編集部)