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毎日新聞2026/4/22 東京夕刊有料記事880文字
前回に続き、戸籍の話である。
戸籍には、最初に本籍地が記され、続いて、名前、生年月日、親の名前、続柄、出生地――などが記載されている。
本籍地は、結婚などで新しく戸籍を作らなければならない時に届け出る。さて、日本で一番、人数の多い本籍地はどこか?
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答えは東京都千代田区千代田1番。つまり皇居である。前回もご登場いただいた戸籍研究の第一人者、遠藤正敬さんによれば、その数は3000人にものぼるという。
戸籍法では、日本に実在する場所ならどこを本籍としてもいい。遠藤さんによれば、東京ディズニーランドや大阪城を本籍地にする人も多いとか。
要するにデタラメに近い情報である。かつて戸籍は本籍地を管轄する役所でしか取れない、というナゾの制限があったが、現在はどこの役所でも取れるので、いよいよ無意味になった。付言すれば、出生地も本籍や住所と関係ないし、出生届はどこの役所でも出せる。これまた無意味である。
戸籍は役所が作る公文書だ。デタラメのような情報が書かれた公文書。ちょっと不思議である。
さて、夫婦どちらかの姓を変えないと結婚できないという現在の結婚制度の弊害も戸籍制度とリンクしている。前述の通り、結婚時には夫婦で戸籍を作り、姓は同じにしなければならないからだ。
だから「別姓を認めると戸籍制度が崩壊する」という声が別姓反対派には根強い。だが、その代表格でもある高市早苗首相は過去、「社会保障番号」の導入を条件に、別姓を認める趣旨の発言(月刊誌「諸君!」2002年3月号)をしていたし、戸籍を改めて「個人籍」とする場合の法改正にも触れた過去がある。
高市氏が「条件」とした社会保障番号は、マイナンバー制度として実現した。おまけにほとんどの行政サービスは住民票をもとになされている。戸籍はパスポート取得や相続手続きに必要になるくらいだが、それも法改正と住民票の手直しで代行できるだろう。
何せ本人も家族も住んでいない場所を「本籍地」にできてしまうのが戸籍なのだ。つまりフィクションである。このような公文書を作る合理的な意味、何でしょうかね。(オピニオン編集部)