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毎日新聞2026/5/18 東京朝刊854文字
運行最終日のJR留萌線で、沿線首長らが手を振って見送る中、出発する列車。北海道では相次いで赤字路線が廃止された=北海道深川市で2026年3月31日午後2時4分、横田信行撮影
ことは鉄道事業者の経営問題にとどまらない。人口減少下で交通網をどのように維持するか、地域や国が主体的に考える時だ。
経営難のJR北海道が赤字8線区の存続策として、沿線自治体などが設備を保有する「上下分離方式」への転換を打ち出した。線路などの維持管理にかかる費用を自治体などに負担してもらい、収益を改善する狙いがある。
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採算が厳しいローカル線で導入が増えている手法だが、今回は北海道の在来線の半分近くに及ぶ。農産物の輸送路線なども含まれ、地域経済への影響は大きい。
自治体財政にも余裕はなく、存廃論議に発展する可能性もある。JR北には、観光需要の掘り起こしや鉄道以外の事業拡大など収益改善の努力が欠かせない。
とはいえ、経営環境の厳しさは無視できない。北海道の面積は九州の2倍だが、経済規模は4割にとどまる。観光列車による集客や不動産事業で収益力を高めたJR九州のようにはいかない。
JR北は2016年、特に赤字額が大きい5線区の廃止を地元に提案し、今年3月までにバス転換などの対策を完了させた。それでも収益改善は限定的で、一段の対策を迫られた。
企業努力だけで立ちゆかないのは事実だ。路線を維持するのなら、地域が一定の負担を引き受けることは避けられまい。ただ、赤字を自治体に付け替えるだけでは持続可能性に疑問符がつく。
鉄路にこだわるか、別の手段を模索するのか、住民を交えて率直に議論すべきだ。予約に応じてバスなどの運行時刻やルートを決めるオンデマンド交通もある。沿線自治体は多様な選択肢を検討してもらいたい。意見集約などで道が果たす役割も大きい。
何より汗をかかねばならないのが国だ。国鉄民営化から来年で40年となるが、制度設計時には、これほどの地域交通の衰退は予測していなかったのではないか。
本州のローカル線は都市部の収益である程度支えられても、北海道では限界がある。政府にはJR北との調整や財政面で地元を支える責務がある。
求められるのは、地域に適した交通体系である。柔軟な発想で将来像を描きたい。