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毎日新聞2026/5/29 東京朝刊有料記事619文字
警戒レベルが導入されるきっかけとなった西日本豪雨で水没した地域=岡山県倉敷市で2018年7月7日、本社ヘリから加古信志撮影
防災パトロールで梅雨を前に漏水が確認されている「中里下ため池」を視察する唐津市の峰市長(右から2人目)ら=唐津市中里の中里下ため池で2026年5月26日午後2時9分、原田哲郎撮影
技術や能力などを一段高い水準に引き上げる意味の「レベルアップ」。広辞苑には和製英語とある。英語では元々、基準と同じ高さに引き上げることを指した。だが、今では日本と同じ意味でも使われるそうだ▲テレビゲームの影響らしい。キャラクターの成長や難易度の高い段階に進むことを指す用語が一般化したという。レベルに数字を付して階層構造を表すようになったのもゲームの影響という説がある▲キャラクターのレベルを上げる魅力を世の中に知らしめた1986年のドラゴンクエスト発売から40年。広辞苑がレベルの意味に「段階」を加えたのは98年の第5版からだ。あながち否定しがたい説である▲気象情報への導入は火山が最初だった。2003年から火山活動度レベルの公表を始め、07年から噴火警戒レベルの公表に切り替えた。レベル3で入山規制、5で避難を求めることになった▲事態がどれだけ切迫しているか。ゲーム世代でなくてもイメージしやすい。19年に防災情報に取り入れられ、きのうから始まった新しい防災気象情報では注意報や警報にもレベル表記が加わった▲河川氾濫、大雨、土砂災害、高潮。災害の別なく、取るべき対応は同じ。レベル4危険警報で「危険な場所から全員避難」、レベル5特別警報なら「命の危険 直ちに安全確保」。梅雨や台風で豪雨被害が起きやすい時期も近い。心の準備も怠りなく。「卯(う)の花腐(くた)し」は今ごろの雨を指す季語という。<谷川に卯の花腐しほとばしる/高浜虚子>