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毎日新聞2026/7/1 東京朝刊有料記事611文字
【日本-ブラジル】前半、競り合う上田綺世(中央左)=米国のヒューストン競技場で2026年6月29日
日本サッカー殿堂入りが決まり、記念プレートを受け取る「キャプテン翼」の作者、高橋陽一さん(右)=東京都文京区で2023年9月10日、和田大典撮影
開催国のアルゼンチンが優勝した1978年のサッカー・ワールドカップ(W杯)。「高校時代にテレビで見て世界最高のプレーに魅せられた」のは漫画家、高橋陽一さんである▲3年後に連載を始め、アニメ化された「キャプテン翼」は子どもたちのサッカー熱を高めた。78年にブラジル代表として活躍したジーコ監督が率いる日本代表が出場した2006年のW杯ドイツ大会。中心選手の中田英寿さんもファンの一人だったという▲予選リーグ最後のブラジル戦。先制しながら逆転されて1―4で敗れ、リーグ最下位に終わった。試合後、ピッチであおむけになり、しばらく動かなかった中田さんの姿が印象に残った▲それ以来のW杯でのブラジルとの対戦。「キャプテン翼」は最多の優勝5回を誇る「サッカー王国」でもテレビ放映され大人気。20歳以下の世界大会決勝で日本とブラジルがぶつかる場面の再現と盛り上がったらしい▲「ブラジルはサッカーを食べ、眠り、飲み、サッカーそのものを生きている」。3度の優勝に貢献した王様ペレの言葉だ。チームカラーの黄色が目立った米ヒューストン競技場。地鳴りのように響く声援に熱量の大きさが表れた▲未明の中継。先制で期待が膨らんだものの終了間際に逆転され、悲願の決勝トーナメント初勝利はならなかった。それでも20年前より力の差が縮まったことは衆目の一致するところだろう。「日本がワールドチャンピオンになるんだ」。大空翼の夢の実現はしばらく先送りである。