|
|
毎日新聞2026/7/21 東京朝刊有料記事1379文字
「記者の目50年」の節目に、毎日新聞デジタルで読者に「私の推し『記者の目』」を募集したところ、数多くの投稿が寄せられました。心のこもったメッセージは、私たち記者にとって最大の励ましです。お礼も込めて、ここにその一部を紹介します。【まとめ・西尾英之】
■2025年6月6日「大川原化工機冤罪(えんざい)事件 川路大警視に顔向けできぬ」=大阪府吹田市、菅沼実千代さん
Advertisement
我が身や家族に置き換えてみても、何ら罪のない庶民に降りかかる冤罪の恐ろしさ。まだまだ日本は闇を抱えた国。記者の正義感と熱意に感謝します。
<内容>警視庁公安部による冤罪事件を独自取材で追った記者が、その後の裁判でも組織防衛に終始した警視庁を厳しく批判=遠藤浩二記者(社会部東京グループ)
■25年5月16日「ひき逃げ事故で視力喪失 針穴から見つめる光」=千葉県柏市、岩村多美子さん
学位授与式で真っすぐに前を向いた女性の写真が大変印象的で、いまも、あの方はどうしていらっしゃるだろうと気になることがあります。記者の写真は、見た人が思いを巡らせる余白を与えてくれます。文章も同じです。
<内容>事故で視力をほとんど失った北海道の女性が、「事故は私の新しい人生が始まった日」と前向きに生き、大学院で博士号を取得。十数年にわたって取材を続けた記者との心の交流も=貝塚太一記者(写真映像報道部)
■24年12月12日「トランプ氏のプロパガンダ戦略 グッバイ、私の知るアメリカ」=京都市左京区、服部崇さん
記者の長年の米国取材の経験が生かされ、トランプ大統領を選んだ米国を憂える気持ちが伝わってくる。ここに提示されているプロパガンダの問題は、従来に増して社会の深刻な課題となっている。そして、これは対岸の問題と言い切れないことが示唆されているように思われる。
<内容>トランプ氏による根拠不明の言説をそのまま信じる人たちが、氏の当選を支えた。米国人の多くが事実を受け止めて理解する力や、健全な判断力を失っている。もはや私の知っている米国は存在しない=國枝すみれ記者(デジタル報道グループ、当時)
■23年3月1日「ペットの多頭飼育崩壊 『孤立』飼い主への対応重要」=東京都渋谷区、平田千恵さん
猫が大好きで飼っていたこともあるので、ちょっとしたボタンの掛け違いでこういうことが起きるのだなと、考えさせられました。こういう記事は少ないと思うので、取り上げてほしいと思いました。
<内容>群馬県で猫約180匹の多頭飼育崩壊が起きた。取材を通して、問題が深刻化した背景に飼い主の「孤立」があることが浮かび上がった=川地隆史記者(前橋支局、当時)
■1988年4月1日「ドーム元年 私はこう見る プロ野球担当者予想」=長崎市、原野武さん
このころ興味があったのは南海ホークス。万年最下位と言われながら当時の管理野球に反抗する姿がよかった。管理野球の巨人、西武に対し「努力してます、苦労してます」という暗さが付きまとうと指摘する内容に、激しく同意した。順位予想は、世相を映し出す鏡。これからも、この企画が長く続きますように。
<内容>プロ野球担当記者による、今も続くシーズン順位予想。東京ドーム元年のこの年、ストイックな努力を売り物にするのではなく、ファンを楽しませる野球をと訴えた=遠藤満雄記者(運動部、当時)