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毎日新聞2026/8/31 東京朝刊861文字
浜岡原発1、2号機の廃炉を巡る不適切な手続きを謝罪する中部電力の大塚温久・原子力本部原子力部長(左)ら=名古屋市東区の中部電力本店で2026年8月27日午前10時3分、小坂剛志撮影
不正を繰り返す規範意識の欠如にあきれるほかない。
中部電力浜岡原発(静岡県)1、2号機の廃炉作業の手続きで不正が発覚した。廃炉にかかる資金を管理する「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」に対し、計画通りに作業が進んでいるかのように改ざんした報告書を提出し、約8億円の費用を受け取っていた。
機構は、廃炉作業を確実に実施するための資金管理を担う。事前に事業者から拠出金を集め、工事の実績に応じて費用を支払う。
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不正は、中部電が2024年度に実施した工事のうち14件で確認された。結果として請求金額が過大となっていたかどうかは調査中という。
背景には、廃炉作業が予定通りに進んでいなかったことがある。中部電は「つじつまを合わせようとの意図があった」と説明する。
作業は09年に始まり、40年代前半までの完了を目指す。国内初の商業用軽水炉の廃炉として、工期や費用が計画の通りにいくか注目されている。進捗(しんちょく)をごまかす行為は、安全かつ速やかな作業を期待する周辺住民の信頼を損なうものといえよう。
浜岡原発を巡っては今年1月、3、4号機の再稼働申請に当たり、安全対策の基盤となる地震データを不正に操作していたことが明らかになった。原子力規制委員会の聞き取り調査が始まった後もデータの不正操作を続けていた。
組織の総点検を進めていたにもかかわらず、今回の不正を内部で把握することができなかった。機構から今夏、解体した機器などの保管量の数字が合わないと指摘を受けたことで明るみに出た。これでは改革の本気度が疑われる。
不都合なことが発生した際、誠実に対応せず、安易に隠そうとする組織体質が改めて露呈した。
再稼働に向けた安全対策工事の発注でも、正式な契約変更手続きを怠ったうえ、取引先に必要な費用を支払っていなかったことが判明している。
安全性と透明性の確保が欠かせない原発に関し、不正が横行している事態は極めて深刻だ。中部電に原発事業者としての資質はあるのか。経営陣は組織の統治能力が問われていることを自覚しなければならない。