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[일본어신문 사설 138]
[朝日新聞デジタル 2022年6月30日]
▣ 参院選(さんいんせん) 家族(かぞく)と制度(せいど)「昭和(しょうわ)」脱(だっ)するために。
(참의원선거 가족과 제도 「쇼와」탈피하기 위해서)
人々(ひとびと)の価値観(かちかん)、そして生(い)き方(かた)は多様(たよう)で、かつ、その傾向(けいこう)はますます強(つよ)まっている。昨年(さくねん)の婚姻(こんいん)件数(けんすう)は約51万(やくごじゅういちまん)と、この50年(ごじゅうねん)で半減(はんげん)した。結婚(けっこん)しない人(ひと)は各年代(かくねんだい)で増(ふ)える傾向(けいこう)にあり、50歳(ごじゅうさい)時点(じてん)で配偶者(はいぐうしゃ)がいない人(ひと)は男女(だんじょ)とも約3割(やくさんわり)いる。
(사람들의 가치관, 그리고 삶의 방식은 다양하고, 더욱, 그 경향은 더해지고 있다. 지난해 혼인 건수는 약 51만 명으로, 50년 만에 반으로 감소됐다. 결혼하지 않는 사람은 각 연령대에서 늘어나는 추세이며, 50세 시점에서 배우자가 없는 사람은 남녀 모두 약 30% 있다.)
[단어]
○ 制度(せいど) 제도.
○ 昭和(しょうわ) 1926년부터 1989년까지의 일본 연호(年號).
○ 脱(だっ)する 벗어나다. 탈출하다.
○ 価値観(かちかん) 가치관.
○ 生(い)き方(かた) 삶의 태도. 생활태도.
○ 多様(たよう) 다양.
○ 且(か)つ 동시에. 또한. 한편. 또. 그 위에.
○ 傾向(けいこう) 경향.
○ ますます 점점. 더욱더.
○ 強(つよ)まる 강해지다. 세지다.
○ 昨年(さくねん) 작년.
○ 婚姻(こんいん) 결혼.
○ 件数(けんすう) 건수.
○ 半減(はんげん) 반감.
○ 結婚(けっこん) 결혼.
○ 年代(ねんだい) 연대.
○ 増(ふ)える 늘다. 증가하다.
○ 時点(じてん) 시점.
○ 配偶者(はいぐうしゃ) 배우자.
○ 男女(だんじょ) 남녀.
結婚(けっこん)して子(こ)どもをもつ、男女(だんじょ)にはそれぞれの役割(やくわり)があるといった、長(なが)く当然(とうぜん)とされてきたことが揺(ゆ)らぎ、それを前提(ぜんてい)につくられている諸制度(しょせいど)とのズレが広(ひろ)がる。今月(こんげつ)公表(こうひょう)の22年版(にじゅうにねんばん)男女(だんじょ)共同(きょうどう)参画(さんかく)白書(はくしょ)は「もはや昭和(しょうわ)ではない」として、政策(せいさく)の見直(みなお)しの必要性(ひつようせい)を指摘(してき)している。これからの社会(しゃかい)に見合(みあ)うシステムを再構築(さいこうちく)する任(にん)を担(にな)える候補者(こうほしゃ)はだれで、政党(せいとう)はどこか。
(결혼하여 자녀를 둔, 남녀에게는 각각의 역할이 있다고 했고, 오랫동안 당연시되어 온 것이 흔들리고, 그것을 전제로 만들어진 여러 제도와의 격차가 확대된다. 이번 달 공표의 22년판 남녀 공동 참가 백서는 “더 이상 쇼와<昭和>가 아니다”라고 하여, 정책의 재검토의 필요성을 지적하고 있다. 앞으로의 사회에 맞는 시스템을 재구축할 임무를 맡을 수 있는 후보자는 누구이고, 정당은 어디인가.)
[단어]
○ 結婚(けっこん) 결혼.
○ 男女(だんじょ) 남녀.
○ それぞれ 각기. 각자.
○ 役割(やくわり) 역할.
○ 当然(とうぜん) 당연.
○ 揺(ゆ)らぐ 전체가 흔들리다. 요동하다.
○ 前提(ぜんてい) 전제.
○ 作(つく)る 만들다. ⇒ 作(つく)られる
○ 制度(せいど) 제도.
○ ズレ 엇갈리는 일. 엇갈림. 어긋남.
○ 広(ひろ)がる 넓어지다.
○ 今月(こんげつ) 이번 달.
○ 公表(こうひょう) 공표.
○ 共同(きょうどう) 공동.
○ 参画(さんかく) 참획. 계획에 참여함.
○ 白書(はくしょ) 백서.
○ 最早(もはや) 이미. 벌써. 어느새.
○ 昭和(しょうわ) 1926년부터 1989년까지의 일본 연호(年號).
○ 政策(せいさく) 정책.
○ 見直(みなお)す 다시보다. 재검토하다.
○ 必要性(ひつようせい) 필요성.
○ 指摘(してき) 지적.
○ 会社(かいしゃ) 회사.
○ 見合(みあ)う 균형이 맞다. 알맞다.
○ システム 시스템.
○ 再構築(さいこうちく) 재구축.
○ 任(にん) 소임. 책임.
○ 担(にな)う 짊어지다. 메다. ⇒ 担(にな)える
○ 候補者(こうほしゃ) 후보자.
○ 政党(せいとう) 정당.
そんな視点(してん)から参院選(さんいんせん)の論戦(ろんせん)を見(み)る目(め)もあっていい。矛盾(むじゅん)があらわになっている最大(さいだい)のものの一(ひと)つが、夫婦(ふうふ)に同姓(どうせい)を強(し)いる民法(みんぽう)の規定(きてい)だ。改姓(かいせい)によって、様々(さまざま)な不都合(ふつごう)やアイデンティティーの喪失(そうしつ)を経験(けいけん)する人(ひと)は少(すく)なくなく、その負担(ふたん)はもっぱら女性(じょせい)に集中(しゅうちゅう)する。
(그런 시점에서 참의원 선거의 논전을 보는 눈도 있어서 좋다. 모순이 드러나는 가장 큰 것 중 하나가, 부부에게 동성 강요를 하는 민법 규정이다. 성을 바꿈으로 인해, 각종 불편과 정체성 상실을 겪는 사람이 적지 않고, 그 부담은 오로지 여성에게 집중된다.)
[단어]
○ 視点(してん) 시점.
○ 論戦(ろんせん) 논전.
○ 矛盾(むじゅん) 모순.
○ 露(あらわ) 숨겨지지 않고 드러남. 노출함.
○ 最大(さいだい) 최대.
○ 夫婦(ふうふ) 부부.
○ 同姓(どうせい) 동성.
○ 強(し)いる 강요하다. 강제하다.
○ 民法(みんぽう) 민법.
○ 規定(きてい) 규정.
○ 改姓(かいせい) 개성. 성을 바꿈. ☞ 改正(かいせい) 개정.
○ 様々(さまざま) 여러 가지. 가지각색.
○ 不都合(ふつごう) 형편이 좋지 못함. 무례함.
○ 喪失(そうしつ) 상실.
○ 経験(けいけん) 경험.
○ 少(すく)ない 적다. 어리다.
○ 負担(ふたん) 부담.
○ もっぱら 오로지. 한결같이. 전혀.
○ 女性(じょせい) 여성.
○ 集中(しゅうちゅう) 집중.
法制(ほうせい)審議会(しんぎかい)が選択的(せんたくてき)夫婦(ふうふ)別姓(べっせい)制度(せいど)の導入(どうにゅう)を答申(とうしん)して26年(にじゅうろくねん)が過(す)ぎた。しかし明治(めいじ)以来(いらい)の家族像(かぞくぞう)の維持(いじ)を唱(とな)える自民(じみん)の反対(はんたい)で、たなざらしの状態(じょうたい)が続(つづ)く。今回(こんかい)の公約(こうやく)でも、自民(じみん)と日本(にほん)維新(いしん)の会(かい)は旧姓(きゅうせい)の使用(しよう)範囲(はんい)を広(ひろ)げることで対処(たいしょ)しようという考(かんが)えだ。だが二(ふた)つの性(せい)の使(つか)い分(わ)けには限界(げんかい)や矛盾(むじゅん)があり、問題(もんだい)の解消(かいしょう)にはなり得(え)ない。
(법제심의회가 선택적 부부별성제도 도입을 답신한 지 26년이 지났다. 그러나 메이지 이래의 가족상의 유지를 주창하는 자민당의 반대로, 날치기 상태가 계속된다. 이번 공약에서도, 자민당과 일본유신회는 구성의 사용 범위를 넓혀 대처하자는 복안이다. 하지만 두 성의 구분에는 한계나 모순이 있어, 문제의 해소가 될 수 없다.)
[단어]
○ 法制(ほうせい) 법제.
○ 審議会(しんぎかい) 심의회.
○ 選択(せんたく) 선택.
○ 夫婦(ふうふ) 부부.
○ 別姓(べっせい) 별성.
○ 制度(せいど) 제도.
○ 導入(どうにゅう) 도입.
○ 答申(とうしん) 답신.
○ 過(す)ぎる 지나다. 통과하다.
○ 以来(いらい) 이래. 이후.
○ 維持(いじ) 유지.
○ 唱(とな)える 소리내어 읽다. 외치다.
○ 反対(はんたい) 반대.
○ たなざらし 상품이 팔리지 않아 점두에 놓아 둔 채로 있음.
○ 状態(じょうたい) 상태.
○ 続(つづ)く 계속하다. 계속되다.
○ 今回(こんかい) 금회. 이번 회.
○ 公約(こうやく) 공약.
○ 維新(いしん) 유신. 정치상의 혁신.
○ 旧姓(きゅうせい) 구성. 본성.
○ 使用(しよう) 사용.
○ 範囲(はんい) 범위.
○ 広(ひろ)げる 펴다. 펼치다. 넓히다. 확장하다.
○ 対処(たいしょ) 대처.
○ 考(かんが)える 생각하다. 고안하다.
○ 使(つか)い分(わ)け 잘 분간해서 씀. 가려 씀.
○ 限界(げんかい) 한계.
○ 矛盾(むじゅん) 모순.
○ 問題(もんだい) 문제.
○ 解消(かいしょう) 해소.
○ なり得(え)ない 될 수 없다.
公明(こうめい)は別姓(べっせい)導入(どうにゅう)に賛成(さんせい)の立場(たちば)だが自民(じみん)を動(うご)かす力(ちから)はなく、立憲(りっけん)、共産(きょうさん)、国民(こくみん)、れいわ、社民(しゃみん)は、国会(こっかい)終盤(しゅうばん)に導入(どうにゅう)のための民法(みんぽう)改正案(かいせいあん)を提出(ていしゅつ)したが、審議(しんぎ)すらされぬまま閉会(へいかい)した。市民(しみん)団体(だんたい)「選択的(せんたくてき)夫婦(ふうふ)別姓(べっせい)・全国(ぜんこく)陳情(ちんじょう)アクション」によると、これまでに全国(ぜんこく)で345自治体(じちたい)が選択的(せんたくてき)別姓(べっせい)の早期(そうき)実現(じつげん)を求(もと)める意見書(いけんしょ)を可決(かけつ)している。国政(こくせい)の動(うご)きの鈍(にぶ)さは明(あき)らかだ。
(공명당은 별성 도입에 찬성하는 입장이지만 자민당을 움직일 힘은 없고, 입헌당, 공산당, 국민당, 레이와<令和>, 사민당은 국회 막판에 도입을 위한 민법 개정안을 제출했으나, 심의조차 되지 않은 채 폐회했다. “선택적 부부별성 전국 진정 액션”에 따르면 지금까지 전국에서 345개 지자체가 선택적 별성을 조속히 실현하라는 의견서를 통과시켰다. 국정 움직임의 둔함은 분명하다.)
[단어]
○ 別姓(べっせい) 별성. 다른 성. 부부가 각기 다른 성을 갖는 일.
○ 導入(どうにゅう) 도입.
○ 賛成(さんせい) 찬성.
○ 立場(たちば) 입장.
○ 動(うご)かす 움직이다.
○ 力(ちから) 힘.
○ 国会(こっかい) 국회.
○ 終盤(しゅうばん) 종반.
○ 民法(みんぽう) 민법.
○ 改正案(かいせいあん) 개정안.
○ 提出(ていしゅつ) 제출.
○ 審議(しんぎ) 심의.
○ ~すら 조차.
○ する ⇒ される ⇒ されない ⇒ されぬ
○ 閉会(へいかい) 폐회.
○ 市民(しみん) 시민.
○ 団体(だんたい) 단체.
○ 選択(せんたく) 선택.
○ 夫婦(ふうふ) 부부.
○ 全国(ぜんこく) 전국.
○ 陳情(ちんじょう) 진정.
○ アクション 액션. 동작.
○ 自治体(じちたい) 자치체.
○ 早期(そうき) 조기.
○ 実現(じつげん) 실현.
○ 求(もと)める 구하다. 바라다.
○ 意見書(いけんしょ) 의견서.
○ 可決(かけつ) 가결.
○ 国政(こくせい) 국정.
○ 鈍(にぶ)い 둔하다. 무디다. 굼뜨다. 느리다. ⇒ 鈍(にぶ)さ
○ 明(あき)らか
性的(せいてき)少数者(しょうすうしゃ)の権利(けんり)にも目(め)を配(くば)りたい。札幌(さっぽろ)地裁(ちさい)は昨年(さくねん)、同姓婚(どうせいこん)を認(みと)めない民法(みんぽう)の規定(きてい)を違憲(いけん)としたが、先日(せんじつ)、大阪(おおさか)地裁(ちさい)は議論(ぎろん)が尽(つ)くされていない現段階(げんだんかい)では、憲法(けんぽう)に反(はん)するとはいえないと判断(はんだん)した。その大阪(おおさか)地裁(ちさい)も、同姓(どうせい)カップルが公認(こうにん)される利益(りえき)の必要性(ひつようせい)を指摘(してき)し、社会(しゃかい)状況(じょうきょう)の変化(へんか)によっては立法(りっぽう)の不備(ふび)が違憲(いけん)となる可能性(かのうせい)に言及(げんきゅう)した。
(성소수자의 권리도 살피고 싶다. 삿포로 지방법원은 지난해, 동성결혼을 인정하지 않는 민법의 규정을 위헌으로 했지만, 얼마 전, 오사카 지방법원은 논의가 이뤄지지 않은 현 단계에서는, 헌법에 위배된다고 볼 수 없다고 판단했다. 그런 오사카 지방법원도, 동성 커플이 공인되는 이익의 필요성을 지적하며 사회 상황의 변화에 따라 입법 미비가 위헌이 될 가능성을 언급했다.)
[단어]
○ 性的(せいてき) 성적.
○ 少数者(しょうすうしゃ) 소수자.
○ 権利(けんり) 권리.
○ 配(くば)る 나누어 주다. 고루고루 미치게 하다.
○ 昨年(さくねん) 작년.
○ 同姓婚(どうせいこん) 동성혼.
○ 認(みと)める 인정하다. 인지하다.
○ 民法(みんぽう) 민법.
○ 規定(きてい) 규정.
○ 違憲(いけん) 헌법.
○ 先日(せんじつ) 요전.
○ 議論(ぎろん) 의론.
○ 尽(つ)くす 다하다. 있는 대로 다하다. 애쓰다.
○ 段階(だんかい) 단계.
○ 憲法(けんぽう) 헌법.
○ 反(はん)する 어그러지다. 반하다. 위반되다.
○ 判断(はんだん) 판단.
○ カップル 커플. 한 쌍.
○ 公認(こうにん) 공인.
○ 利益(りえき) 이익.
○ 指摘(してき) 지적.
○ 状況(じょうきょう) 상황.
○ 変化(へんか) 변화.
○ 立法(りっぽう) 입법.
○ 不備(ふび) 불비.
○ 違憲(いけん) 헌법.
○ 可能性(かのうせい) 가능성.
○ 言及(げんきゅう) 언급.
この問題(もんだい)に自民(じみん)、国民(こくみん)は積極的(せっきょくてき)に言及(げんきゅう)せず、公明(こうめい)は議論(ぎろん)を深(ふか)めるとし、立憲(りっけん)、維新(いしん)、共産(きょうさん)などは法整備(ほうせいび)を訴(うった)える。現(げん)に存在(そんざい)する制度(せいど)にはそれまでの経緯(けいい)や背景(はいけい)がある。だが、制度(せいど)に合(あ)わせた生(い)き方(かた)を強(し)いる社会(しゃかい)ではなく、ありのままの姿(すがた)でいて個人(こじん)として尊重(そんちょう)される社会(しゃかい)こそ、めざすものだ。そこに近(ちか)づく選挙(せんきょ)になるかは、一人(ひとり)ひとりの選択(せんたく)にかかっている。
(이 문제에 자민당, 국민당은 적극적으로 언급하지 않고, 공명당은 논의를 깊게 한다고 해, 입헌당, 유신당, 공산당 등은 법 정비를 호소한다. 실제로 존재하는 제도에는 지금까지의 경위나 배경이 있다. 하지만, 제도에 맞춘 생활방식을 강요하는 사회가 아니라, 있는 그대로의 모습으로 개인으로서 존중받는 사회를, 목표로 하는 것이다. 거기에 다가오는 선거가 될지는, 개개인의 선택에 달려 있다.)
[단어]
○ 問題(もんだい) 문제.
○ 積極的(せっきょくてき) 적극적.
○ 言及(げんきゅう) 언급.
○ 議論(ぎろん) 의론.
○ 深(ふか)める 포함시키다. 품게 하다.
○ 整備(せいび) 정비.
○ 訴(うった)える 소송하다. 고소하다. 호소하다.
○ 現(げん)に 목전에. 실제로. 지금.
○ 存在(そんざい) 존재.
○ 制度(せいど) 제도.
○ 経緯(けいい) 경위.
○ 背景(はいけい) 배경.
○ 合(あ)わせる 맞추다. 맞게 하다. 맞추어 보다.
○ 生(い)き方(かた) 생활 방식.
○ 強(し)いる 강요하다. 강제하다. 강권하다.
○ 社会(しゃかい) 사회.
○ ありのまま 있는 그대로.
○ 姿(すがた) 모습.
○ 個人(こじん) 개인.
○ 尊重(そんちょう) 존중.
○ 目指(めざ)す 지향하다. 목표로 하다.
○ 近(ちか)づく 접근하다. 가까이 하다.
○ 選挙(せんきょ) 선거.
○ 選択(せんたく) 선택.
○ かかっている (매)달리다. 늘어져 있다.
https://www.asahi.com/articles/DA3S15339441.html?iref=pc_rensai_long_16_article
▣ 参院選 家族と制度 「昭和」脱するために。
人々の価値観、そして生き方は多様で、かつ、その傾向はますます強まっている。昨年の婚姻件数は約51万と、この50年で半減した。結婚しない人は各年代で増える傾向にあり、50歳時点で配偶者がいない人は男女とも約3割いる。
結婚して子どもをもつ、男女にはそれぞれの役割があるといった、長く当然とされてきたことが揺らぎ、それを前提につくられている諸制度とのズレが広がる。今月公表の22年版男女共同参画白書は「もはや昭和ではない」として、政策の見直しの必要性を指摘している。これからの社会に見合うシステムを再構築する任を担える候補者はだれで、政党はどこか。
そんな視点から参院選の論戦を見る目もあっていい。矛盾があらわになっている最大のものの一つが、夫婦に同姓を強いる民法の規定だ。改姓によって、様々な不都合やアイデンティティーの喪失を経験する人は少なくなく、その負担はもっぱら女性に集中する。
法制審議会が選択的夫婦別姓制度の導入を答申して26年が過ぎた。しかし明治以来の家族像の維持を唱える自民の反対で、たなざらしの状態が続く。今回の公約でも、自民と日本維新の会は旧姓の使用範囲を広げることで対処しようという考えだ。だが二つの姓の使い分けには限界や矛盾があり、問題の解消にはなり得ない。
公明は別姓導入に賛成の立場だが自民を動かす力はなく、立憲、共産、国民、れいわ、社民は、国会終盤に導入のための民法改正案を提出したが、審議すらされぬまま閉会した。市民団体「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」によると、これまでに全国で345自治体が選択的別姓の早期実現を求める意見書を可決している。国政の動きの鈍さは明らかだ。
性的少数者の権利にも目を配りたい。札幌地裁は昨年、同性婚を認めない民法の規定を違憲としたが、先日、大阪地裁は議論が尽くされていない現段階では、憲法に反するとはいえないと判断した。その大阪地裁も、同性カップルが公認される利益の必要性を指摘し、社会状況の変化によっては立法の不備が違憲となる可能性に言及した。
この問題に自民、国民は積極的に言及せず、公明は議論を深めるとし、立憲、維新、共産などは法整備を訴える。現に存在する制度にはそれまでの経緯や背景がある。だが、制度に合わせた生き方を強いる社会ではなく、ありのままの姿でいて個人として尊重される社会こそ、めざすものだ。そこに近づく選挙になるかは、一人ひとりの選択にかかっている。