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足の甲に腫れ物ができました。「ガングリオン」というそうで、歩き始めに痛みがあります。生活に支障はありませんが、どんな治療がありますか。(兵庫県伊丹市、女性、50代)
A 水を抜き薬の注入も
ガングリオンは中にゼリー状の「水」が詰まった良性の腫瘍です。関節は通常、滑液(かつえき)で満たされた袋状の関節包で包まれています。慢性的な炎症によって関節包が破れ、「水がたまったこぶ」ができることがあります。これがガングリオンです。滑液は透明でさらさらですが、次第に濃縮されゼリー状になります。
ガングリオンは若い女性に多いと言われますが、明らかな統計はなく、全年齢層で見られます。指や手首にできるのが典型的ですが、膝などの関節にできることもあります。手にできた場合は、経過観察しているうちになくなることも多いため、痛みがないようでしたら、特に治療はしません。自然に治る点で、悪性腫瘍のがんとは違います。
足の甲にもガングリオンはできます。足の甲には指を動かすけんがあり、皮膚と骨の間に袋状の滑液包があるためで、よく正座をする人にできやすいです。正式には滑液包炎と呼びますが、水がたまるのは同じです。見た目を気にしなければ経過観察で十分ですが、ガングリオンの上には神経が通っているため、痛む人もいます。治療では注射器で水を吸引した後、再発予防のためにステロイド薬を注入します。再発を繰り返すようなら、袋を除去する手術もあります。
膝の裏側のガングリオンは膝窩(しっか)部(ぶ)嚢腫(のうしゅ)と呼ばれます。高齢の変形性膝関節症の患者に多いです。そのため、まずヒアルロン酸を膝に注射して治療します。サプリメントでは効果はありません。【聞き手・高野聡】=随時掲載
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