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[일본어신문 사설 139]
[朝日新聞デジタル 2022年7月4日]
▣ 科学(かがく)を元気(げんき)に 現状(げんじょう)打破(だは)へ若手(わかて)の挑戦(ちょうせん)。
(과학을 건강하게 현상타파에의 젊은이의 도전.)
いまの閉塞(へいそく)状況(じょうきょう)に風穴(かざあな)をあける一(ひと)つのきっかけとなるか。関心(かんしん)をもって見守(みまも)りたい。「日本(にほん)の科学(かがく)を、もっと元気(げんき)に」を掲(かか)げ、若手(わかて)研究者(けんきゅうしゃ)が中心(ちゅうしん)になって設立(せつりつ)したNPO法人(ほうじん)・日本(にほん)科学(かがく)新興(しんこう)協会(きょうかい)[JAAS]が先日(せんじつ)、第一回(だいいっかい)総会(そうかい)を開(ひら)いた。人文(じんぶん)・社会系(しゃかいけい)も含(ふく)めて賛同者(さんどうしゃ)は約800人(やくはっぱくにん)。学者(がくしゃ)はもちろん、学生(がくせい)、企業(きぎょう)関係者(かんけいしゃ)、弁護士(べんごし)なども名(な)を連(つら)ねた。
(지금의 폐색상황에 바람구멍을 뚫을 수 있는 하나의 계기가 될까. 관심을 갖고 지켜보고 싶다. “일본 과학을, 더 건강하게”를 내걸고, 신진 연구자가 중심이 되어 설립한 NPO법인·일본과학진흥협회(JAAS)가 얼마 전, 제1차 총회를 열었다. 인문·사회계도 포함해 찬동자는 약 800명. 학자는 물론, 학생, 기업 관계자, 변호사 등도 이름을 올렸다.)
[단어]
○ 科学(かがく) 과학.
○ 元気(げんき) 원기. 기력. 건강한 모양.
○ 現状(げんじょう) 현상.
○ 打破(だは) 타파.
○ 若手(わかて) 한창 때의 젊은 사람.
○ 挑戦(ちょうせん) 도전.
○ 閉塞(へいそく) 폐색. 닫아서 막음.
○ 状況(じょうきょう) 상황.
○ 風穴(かざあな) 바람 구멍. 풍혈.
○ 明(あ)く 열리다. ⇒ あける ※ 穴(あな)が明(あ)く 구멍이 뚫리다.
○ 切(き)っ掛(か)け 시작. 시초. 동기. 계기.
○ 関心(かんしん) 관심.
○ 見守(みまも)る 지켜보다.
○ 掲(かか)げる 내걸다. 게양하다.
○ 研究者(けんきゅうしゃ) 연구자.
○ 中心(ちゅうしん) 중심.
○ 設立(せつりつ) 설립.
○ 法人(ほうじん) 법인.
○ 新興(しんこう) 신흥.
○ 協会(きょうかい) 협회.
○ 先日(せんじつ) 요전(날)
○ 総会(そうかい) 총회.
○ 開(ひら)く 열리다. = あく
○ 人文(じんぶん) 인문.
○ 社会(しゃかい) 사회.
○ 含(ふく)める 포함시키다. 품게 하다.
○ 賛同(さんどう) 찬동.
○ 学者(がくしゃ) 학자.
○ 学生(がくせい) 학생.
○ 企業(きぎょう) 기업.
○ 関係者(かんけいしゃ) 관계자.
○ 弁護士(べんごし) 변호사.
○ 名(な) 이름.
○ 連(つら)ねる 늘어놓다(세우다). 한 줄로 죽 잇다. 동반하다. 데리고 가다.
日本(にほん)学術(がくじゅつ)会議(かいぎ)や日本(にほん)学士院(がくしいん)のような、国(くに)を代表(だいひょう)する科学者(かがくしゃ)でつくるアカデミーはある。これに対(たい)し、JAASは科学(かがく)に関(かか)わる人々(ひとびと)に開(ひら)かれた普及(ふきゅう)団体(だんたい)だ。4年前(よねんまえ)から活動(かつどう)が始(はじ)まり、準備(じゅんび)委員会(いいんかい)にはノーベル賞(しょう)受賞者(じゅしょうしゃ)で学術(がくじゅつ)会議(かいぎ)会長(かいちょう)の梶田(かじた)隆章(たかあき)さんもアドバイザーに名(な)を連(つら)ねた。同様(どうよう)の組織(そしき)に米国(べいこく)科学(かがく)新興(しんこう)協会(きょうかい)[AAAS]や英国(えいこく)科学(かがく)新興(しんこう)協会(きょうかい)がある。
(일본학술회의나 일본학사원과 같은, 나라를 대표하는 과학자로 만드는 아카데미는 있다. 이에 반해, JAAS는 과학과 관련된 사람들에게 열린 보급단체다. 4년 전부터 활동이 시작돼, 준비위원회에는 노벨상 수상자이자 학술회의 회장 카지타 다카아키씨도 어드바이저에 이름을 올렸다. 같은 조직에 미국과학진흥협회(AAAS)와 영국과학진흥협회가 있다.)
[단어]
○ 学術(がくじゅつ) 학술.
○ 会議(かいぎ) 회의.
○ 学士院(がくしいん) 학사원.
○ 代表(だいひょう) 대표.
○ 科学(かがく) 과학.
○ 対(たい)する 대하다.
○ 関(かか)わる 관계되다. 관계가 있다. = 係(かか)わる
○ 開(ひら)く 열리다. ⇒ 開(ひら)かれる
○ 普及(ふきゅう) 보급.
○ 団体(だんたい) 단체.
○ 活動(かつどう) 활동.
○ 始(はじ)まる 시작되다.
○ 準備(じゅんび) 준비.
○ 受賞者(じゅしょうしゃ) 수상자.
○ 学術(がくじゅつ) 학술.
○ 会議(かいぎ) 회의.
○ 会長(かいちょう) 회장.
○ 連(つら)ねる 늘어놓다(세우다). 한 줄로 죽 잇다. 동반하다. 데리고 가다.
○ 同様(どうよう) 같은 모양. 같음.
○ 組織(そしき) 조직.
○ 米国(べいこく) 미국.
○ 新興(しんこう) 신흥.
○ 協会(きょうかい) 협회.
○ 英国(えいこく) 영국.
AAASは170年(ひゃくななじゅうねん)の歴史(れきし)と12万人超(じゅうにまんにんちょう)の会員(かいいん)を擁(よう)し、有力(ゆうりょく)科学誌(かがくし)サイエンスを発行(はっこう)するなど、教育(きょういく)普及(ふきゅう)や政策(せいさく)決定(けってい)にも積極的(せっきょくてき)に関与(かんよ)している。はるかに先(さき)をゆく存在(そんざい)だが、対話(たいわ)と協働(きょうどう)で科学(かがく)の発展(はってん)をめざす志(し)に変(か)わりはない。準備(じゅんび)委員会(いいんかい)はさまざまな課題(かだい)について意見(いけん)を交換(こうかん)してきた。
(AAAS는 170년 역사와 12만명이 넘는 회원을 거느리고, 유력 과학지 사이언스를 발행하는 등, 교육 보급과 정책 결정에도 적극 관여하고 있다. 훨씬 앞서가는 존재지만, 대화와 협동으로 과학의 발전을 목표로 하는 뜻에는 변함이 없다. 준비위원회는 다양한 과제에 대해 의견을 교환해 왔다.)
[단어]
○ 歴史(れきし) 역사.
○ 会員(かいいん) 회원.
○ 擁(よう)する 껴안다. 지니다. 가지다. ☞ 要(よう)する 요하다. 필요로 하다.
○ 有力(ゆうりょく) 유력.
○ 科学誌(かがくし) 과학지.
○ サイエンス 사이언스.
○ 発行(はっこう) 발행.
○ 教育(きょういく) 교육.
○ 普及(ふきゅう) 보급.
○ 政策(せいさく) 정책.
○ 決定(けってい) 결정.
○ 積極的(せっきょくてき) 적극적.
○ 関与(かんよ) 관여.
○ はるかに 훨씬. 까마득히.
○ 存在(そんざい) 존재.
○ 対話(たいわ) 대화.
○ 協働(きょうどう) 협동.
○ 発展(はってん) 발전.
○ 目指(めざ)す 지향하다. 목표로 하다.
○ 志(し) 뜻.
○ 変(か)わる 변하다. 바뀌다.
○ 準備(じゅんび) 준비.
○ 委員会(いいんかい) 위원회.
○ 課題(かだい) 과제.
○ 意見(いけん) 의견.
○ 交換(こうかん) 교환.
提言(ていげん)をまとめて発表(はっぴょう)するだけでなく、それを官僚(かんりょう)や政治家(せいじか)、産業界(さんぎょうかい)などに直接(ちょくせつ)届(とど)けて議論(ぎろん)する。先(さき)の国会(こっかい)で成立(せいりつ)した10兆円(じゅうちょうえん)の大学(だいがく)ファンドを設(もう)ける「国際(こくさい)卓越(たくえつ)研究(けんきゅう)大学法(だいがくほう)」をめぐっても、官僚(かんりょう)や与野党(よやとう)の議員(ぎいん)と対話(たいわ)を続(つづ)けた。こうした事実(じじつ)が示(しめ)すように、敬遠(けいえん)されがちだった政治(せいじ)への働(はたら)きかけにも、取(と)り組(く)んでいくという。
(제언을 정리해 발표할 뿐만 아니라, 그것을 관료나 정치가, 산업계 등에 직접 신고해 논의한다. 지난 국회를 통과한 10조엔짜리 대학펀드를 만드는 국제탁월연구대학법을 놓고도, 장관 및 여야 의원들과 대화를 이어갔다. 이러한 사실이 나타내듯이, 꺼리기 쉬웠던 정치에의 압박에도, 임해 나간다고 한다.)
[단어]
○ 提言(ていげん) 제언.
○ 纏(まと)める 정리하다.
○ 発表(はっぴょう) 발표.
○ 官僚(かんりょう) 관료.
○ 政治(せいじ) 정치.
○ 産業(さんぎょう) 산업.
○ 直接(ちょくせつ) 직접.
○ 届(とど)ける 가 닿게 하다. 보내어 주다.
○ 議論(ぎろん) 의론.
○ 国会(こっかい) 국회.
○ 成立(せいりつ) 성립.
○ 大学(だいがく) 대학.
○ 設(もう)ける 마련하다. 베풀다.
○ 国際(こくさい) 국제.
○ 卓越(たくえつ) 탁월.
○ 研究(けんきゅう) 연구.
○ めぐる 돌다 순환하다.
○ 与野党(よやとう) 여야당.
○ 議員(ぎいん) 의원.
○ 対話(たいわ) 대화.
○ 続(つづ)ける 계속하다.
○ 事実(じじつ) 사실.
○ 示(しめ)す 가리키다. 보이다.
○ 敬遠(けいえん) 경원. 겉으로는 공경하는 체하면서 실제로는 꺼리어 멀리함.
○ 政治(せいじ) 정치.
○ 働(はたら)きかけ 자신의 주장이나 요구 등이 받아들여질 수 있도록 활동하는 행위.
○ 取(と)り組(く)む 맞붙다. 대전하다. 몰두하다.
たしかに実(じつ)をあげるには、一歩(いっぽ)踏(ふ)み出(だ)し、現実(げんじつ)と切(き)り結(むす)ぶ必要(ひつよう)がある。一方(いっぽう)で、政治(せいじ)との距離(きょり)を見誤(みあやま)ると、為政者(いせいしゃ)に利用(りよう)され、結果(けっか)として学術(がくじゅつ)をゆがめてしまう恐(おそ)れをはらむ。その危(あや)うさを自覚(じかく)し、憲法(けんぽう)に学問(がくもん)の自由(じゆう)が書(か)きこまれた歴史(れきし)と意義(いぎ)を忘(わす)れずに、時(とき)の権力(けんりょく)にとって耳(みみ)の痛(いた)いことも言(い)う。
(확실히 열매를 거두려면, 한 걸음 내디뎌, 현실과 결말이 날 필요가 있다. 한편, 정치와의 거리를 잘못 보면, 위정자에게 이용되어, 결과적으로 학술을 왜곡시킬 우려가 있다. 그 위태로움을 자각하고, 헌법에 학문의 자유가 담긴 역사와 의의를 잊지 않으면서, 시대의 권력에 귀 아픈 소리도 한다.)
[단어]
○ 確(たし)か 확실함. 틀림없음.
○ 実(じつ) 실. 알맹이. 실질.
○ 一歩(いっぽ) 한 걸음.
○ 踏(ふ)み出(だ)す 발을 내디디다. 전진하다.
○ 現実(げんじつ) 현실.
○ 切(き)り結(むす)ぶ 칼날을 맞부딪히며 접전하다.
○ 必要(ひつよう) 필요.
○ 一方(いっぽう) 한편.
○ 政治(せいじ) 정치.
○ 距離(きょり) 거리.
○ 見誤(みあやま)る 잘못 다. 오인하다.
○ 為政者(いせいしゃ) 위정자.
○ 利用(りよう) 이용.
○ 結果(けっか) 결과.
○ 学術(がくじゅつ) 학술.
○ 歪(ゆが)める 비뚤어지게 하다. 일그러뜨리다.
○ 恐(おそ)れる 두려워하다.
○ はらむ 잉태하다. 내포다. 품다.
○ 危(あや)うい 위태롭다.
○ 自覚(じかく) 자각.
○ 憲法(けんぽう) 헌법.
○ 学問(がくもん) 학문.
○ 自由(じゆう) 자유.
○ 書(か)きこむ 써넣다. 기입하다.
○ 歴史(れきし) 역사.
○ 意義(いぎ) 의의.
○ 忘(わす)れる 잊다.
○ 権力(けんりょく) 권력.
そんな組織(そしき)でなければ、広範(こうはん)な社会(しゃかい)の支持(しじ)や信頼(しんらい)は得(え)られまい。人々(ひとびと)とのキャッチボールを絶(た)やさず、新(あら)たな集合知(しゅうごうち)を産(う)み出(だ)して存在感(そんざいかん)を高(たか)められれば、アカデミーと普及(ふきゅう)団体(だんたい)の両輪(りょうりん)がかみ合(あ)い、設立(せつりつ)の目的(もくてき)に近(ちか)づいていけるだろう。公的(こうてき)機関(きかん)や既存(きそん)の組織(そしき)からではなく、自主的(じしゅてき)な活動(かつどう)から産(う)まれた意味(いみ)も考(かんが)えたい。
(그런 조직이 아니면, 광범위한 사회의 지지나 신뢰를 얻을 수 없다. 사람들과의 캐치볼을 끊임없이, 새로운 집합지를 창출해 존재감을 높일 수 있다면, 아카데미와 보급단체의 두 바퀴가 맞물려, 설립 목적에 접근할 수 있을 것이다. 공적 기관이나 기존의 조직에서가 아니라, 자주적인 활동에서 나온 의미도 생각하고 싶다.)
[단어]
○ 組織(そしき) 조직.
○ 広範(こうはん) 광범.
○ 社会(しゃかい) 사회.
○ 支持(しじ) 지지.
○ 信頼(しんらい) 신뢰.
○ キャッチボール 캐치볼.
○ 絶(た)やす 끊어지게 하다. 없애다.
○ 新(あら)た 새로움.
○ 集合知(しゅうごうち) 多(おお)くの人(ひと)の知識(ちしき)が蓄積(ちくせき)したもの
○ 産(う)み出(だ)す 낳다. 새로 만들어 내다.
○ 存在感(そんざいかん) 존재감.
○ 高(たか)める 높이다.
○ 普及(ふきゅう) 보급.
○ 団体(だんたい) 단체.
○ 両輪(りょうりん) 양륜. 좌우의 바퀴.
○ かみ合(あ)い 서로 물어 뜯기. 맞물림.
○ 設立(せつりつ) 설립.
○ 目的(もくてき) 목적.
○ 近(ちか)づく 접근하다. 가까이 하다.
○ 公的(こうてき) 공적.
○ 機関(きかん) 기관.
○ 既存(きそん) 기존.
○ 自主的(じしゅてき) 자주적.
○ 活動(かつどう) 활동.
○ 産(う)む 낳다. 만들어 내다.
○ 意味(いみ) 의미.
○ 考(かんが)える 생각하다.
伸(の)び盛(ざか)りの若手(わかて)が貴重(きちょう)な研究(けんきゅう)時間(じかん)を犠牲(ぎせい)にしてでも動(うご)いたのは、目先(めさき)の成果(せいか)を求(もと)める政策(せいさく)によって、研究(けんきゅう)の基盤(きばん)がゆらいでいることへの危機感(ききかん)の表(あら)われに他(ほか)ならない。政治(せいじ)・行政(ぎょうせい)はもちろん、結果(けっか)としてこの状況(じょうきょう)を招(まね)いてしまったベテラン研究者(けんきゅうしゃ)も来(こ)し方(かた)を反省(はんせい)し、これからの進路(しんろ)を若手(わかて)とともに探(さぐ)る必要(ひつよう)がある。
(한창 성장 중인 젊은이가 귀중한 연구시간을 희생해서라도 움직인 것은, 눈앞의 성과를 요구하는 정책에 의해, 연구의 기반이 흔들리고 있는 것에 대한 위기감의 표현이나 다름없다. 정치·행정은 물론, 결과적으로 이 상황을 초래해 버린 베테랑 연구자도 지나온 과거를 반성해, 앞으로의 진로를 젊은 층과 함께 탐색할 필요가 있다.)
[단어]
○ 伸(の)び盛(ざか)り 키가 한창 자랄 때. 또, 능력·재능 등이 크게 신장할 시기.
○ 若手(わかて) 한창 때의 젊은 사람.
○ 貴重(きちょう) 귀중.
○ 研究(けんきゅう) 연구.
○ 時間(じかん) 시간.
○ 犠牲(ぎせい) 희생.
○ 動(うご)く 움직이다.
○ 目先(めさき) 눈앞. 목전.
○ 成果(せいか) 성과.
○ 求(もと)める 구하다. 요구하다. 바라다.
○ 政策(せいさく) 정책.
○ 基盤(きばん) 기반.
○ 揺(ゆ)らぐ 전체가 흔들리다. 요동하다.
○ 危機感(ききかん) 위기감.
○ 表(あら)われる 나타나다. 드러나다.
○ 政治(せいじ) 정치.
○ 行政(ぎょうせい) 행정.
○ 結果(けっか) 결과.
○ 状況(じょうきょう) 상황.
○ 招(まね)く 손짓하여 부르다.
○ ベテラン 베테랑. 노련한 사람. 숙련자.
○ 来(こ)し方(かた) 지나온 세월. 과거. 지나온 방향·장소.
○ 反省(はんせい) 반성.
○ 進路(しんろ) 진로.
○ 探(さぐ)る 뒤지다. 더듬어 찾다.
○ 必要(ひつよう) 필요.
https://www.asahi.com/articles/DA3S15343110.html?iref=pc_rensai_long_16_article
▣ 科学を元気に 現状打破へ若手の挑戦。
いまの閉塞状況に風穴をあける一つのきっかけとなるか。関心をもって見守りたい。「日本の科学を、もっと元気に」を掲げ、若手研究者が中心になって設立したNPO法人・日本科学振興協会(JAAS)が先日、第1回総会を開いた。人文・社会系も含めて賛同者は約800人。学者はもちろん、学生、企業関係者、弁護士なども名を連ねた。
日本学術会議や日本学士院のような、国を代表する科学者でつくるアカデミーはある。これに対し、JAASは科学に関わる人々に開かれた普及団体だ。4年前から活動が始まり、準備委員会にはノーベル賞受賞者で学術会議会長の梶田隆章さんもアドバイザーに名を連ねた。同様の組織に米国科学振興協会(AAAS)や英国科学振興協会がある。
AAASは170年の歴史と12万人超の会員を擁し、有力科学誌サイエンスを発行するなど、教育普及や政策決定にも積極的に関与している。はるかに先をゆく存在だが、対話と協働で科学の発展をめざす志に変わりはない。準備委員会はさまざまな課題について意見を交換してきた。
提言をまとめて発表するだけでなく、それを官僚や政治家、産業界などに直接届けて議論する。先の国会で成立した10兆円の大学ファンドを設ける「国際卓越研究大学法」をめぐっても、閣僚や与野党の議員と対話を続けた。こうした事実が示すように、敬遠されがちだった政治への働きかけにも、取り組んでいくという。
たしかに実をあげるには、一歩踏み出し、現実と切り結ぶ必要がある。一方で、政治との距離を見誤ると、為政者に利用され、結果として学術をゆがめてしまう恐れをはらむ。その危うさを自覚し、憲法に学問の自由が書きこまれた歴史と意義を忘れずに、時の権力にとって耳の痛いことも言う。
そんな組織でなければ、広範な社会の支持や信頼は得られまい。人々とのキャッチボールを絶やさず、新たな集合知を生み出して存在感を高められれば、アカデミーと普及団体の両輪がかみ合い、設立の目的に近づいていけるだろう。公的機関や既存の組織からではなく、自主的な活動から生まれた意味も考えたい。
伸び盛りの若手が貴重な研究時間を犠牲にしてでも動いたのは、目先の成果を求める政策によって、研究の基盤がゆらいでいることへの危機感の表れに他ならない。政治・行政はもちろん、結果としてこの状況を招いてしまったベテラン研究者も来し方を反省し、これからの進路を若手とともに探る必要がある。