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毎日新聞2026/10/28 東京朝刊867文字
不正アクセス問題について言及した熊谷正寿・GMOインターネットグループ代表のX(ツイッター)
外国為替証拠金取引(FX)のシステムがサイバー攻撃を受け、金銭被害が発生した。顧客情報や取引を管理するサーバーが乗っ取られたとみられる。人工知能(AI)の進化を背景に犯罪の脅威は新たな次元に入ったと言える。
GMOインターネットグループが、FXの自動売買を行うサービスで不正アクセスを受けたと公表した。顧客が関知しない取引で損失が出ている。サーバーを経由して利用者のパソコンが乗っ取られる恐れもある。
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犯罪集団は100万ドル(約1億5700万円)の金銭支払いを要求したが、GMOは拒否した。顧客のものとされる個人情報の一部が27日、ネット上に流れた。
システムの脆弱(ぜいじゃく)性を突いた攻撃が急増している。GMOのFX関連サービスを巡っても社内でシステム上の問題点が指摘されていたが、対応が後手に回った。
GMOは「民間事業者単独では対応が困難」として、政府に能動的サイバー防御(ACD)の適用を求めている。だが、ACDは民間企業からの申請を想定しておらず、政府が重要インフラへの攻撃で国民生活が混乱するような事態を防ぐために実行するものだ。
警察や自衛隊が攻撃元のコンピューターに侵入し無害化する措置で、海外のサーバーなどが対象になれば武力行使と捉えられかねない。慎重な判断が必要だ。
今後はメガバンクや電力会社など、社会の根幹を支えるインフラ企業が狙われることも想定される。官民で防御レベルの向上に努めなければならない。
金融業界では効率化の観点から、顧客情報や取引をクラウドで集中管理しているケースが多い。犯罪集団に乗っ取られれば、情報が丸ごと窃取されるリスクがある。被害の最小化を図るには、分散管理が必須だ。
個人情報保護に向けた規制強化も求められる。現行法は情報を漏えいさせた企業に報告や本人通知を義務づけるが、欧州のような強力な罰則はない。
高市早苗政権は来週にも包括的なサイバーセキュリティー対策をまとめる方針だ。利活用に偏ったAI法の見直しも検討するという。リスクを見極め、悪用を防ぐ政策を講じることが急がれる。